総降水量1000ミリを収める高知の河川群
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台風の去った翌日
高知県西部をかすめるように北上した大型台風10号KROSA(クローサ)。予想通りに高知県は全域暴風域に入り、山沿いの斜面ではたった2日間で1000ミリに及ぶ降雨を記録したのです。

それでも高知県内では今回、幸いな事に大きな被害は報告されずに終わったのです。しかし台風の通過中には室戸で40メートル以上の暴風を記録したとか、北川村では新災害情報におけるレベル4、避難勧告が発令され一時は深刻な状態にあったのです。

そんな台風が前夜の内に遠ざかった翌日、今回特に降雨の多かった地域を流れる、高知県東部の主要4河川下流部を国道55号線沿いに見てきました。本国道は高知県中東部を海岸線沿いに走り景勝地を巡る、整備の行き届いた国道です。
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安芸川
先ずは流程30kmほどの安芸川。この安芸川には極めて小規模な土を盛った堤で溜池の様な水を貯えるダム(小谷ダム)が1堤あります。近年は流水量の減少が目立ち、中流域では河原から流れが消える年もあります。水が豊富だった年の秋には、国道下で多くのの産卵も見られるのですが、東部4河川では最も流量が安定しない河川です。

この安芸川、本流だけ見ると脆弱そうな川なのですが、江戸時代より5千石の石高を産した東部屈指の米どころ安芸平野を毛細血管のように縫う支流や水路によって古くから民の暮らしを支えてきた河川なのです。
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伊尾木川
この安芸川の500m東を流れるのが流程43kmの伊尾木川。この両河川は安芸市の夫婦河川と称されます。その役割分担では伊尾木川が荒々しい夫、安芸川が気配りが多く優しい婦のように思えます。

この伊尾木川の上流部、河口から22kmの地点には発電目的の伊尾木川ダムがあります。
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安田川
安芸市の東隣の安田町を流れるのが、先日取材した安田川。ダムの全くない河川です。
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奈半利川
その安田川と兄弟河川の様な川が奈半利川なのです。いずれもが地域の人々の生活を支えてきた河川で、現在は二級河川の指定を受けています。

特に今回の台風で最も大量の降雨を記録した地域を流れているのが奈半利川。流程も長く、元来降水量の多い地域を流れる河川だけに3堤のダムが設営され、上流部が広域において仮に2日間で1000ミリの豪雨に見舞われても、この程度の増水で収まっているのです。

高知は長年洪水に悩まされ続けた地域、近年はいち早く時間雨量80~100mmを想定した排水に取り組んできた場所なのです。しかしながら、防災施設は造って安心ではなく、それをこの先稼働させるのも人。またそれらは人の生活の為だけに、自然を大きく破壊する施設であってはいけないのです。

取材日8月16日
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今回は流域に暮らす人々の生活を守る、豪雨時の治水管理に焦点を当てて取材しました。次回は河川の価値を自然環境維持の観点から、河川の清浄性を焦点にして近々報告します。