久々の活魚家庭調理
クロホシフエダイ刺身










クロホシフエダイ活魚のお造り
自身で釣りが出来ていた頃にはよく食べた『クロホシフエダイ』。
クロホシフエダイ










クロホシフエダイ成魚(上)】

ところが、沖釣りをしなくなってからは全く食す機会のなくなった魚です。
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クロホシフエダイは水揚げ量自体は多くないものの上等魚として認識される白身魚。沖釣り遊漁者でも、タイ釣りの外道として釣れるフエダイ科の魚なのです。

一様に外道といっても、普通の外道の様に連れてガッカリする魚でもなければ、そのまま海中へお引き取りいただく魚でもなく、適宜な船上処理処理を施し持ち帰るべき魚です、上等魚ですから。釣り魚としても小気味よい引き味が楽しめ、運が良ければ50cm程の成魚が手に入るのです。

そう、この魚の食材価値は特に身質の優れる成魚に偏ってくるのです。
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クロホシフエダイ幼魚
ですから、湾内や汽水域にも侵入する幼魚を食すことはありません。特に秋には簡単に釣れて、餌付きも容易なそれを飼育する事はありますが・・・

クロホシフエダイには近似種が複数種存在します。中には特徴が酷似している種も存在。飼育によってそれぞれの特徴を確かめてみるのもいかがでしょう。
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クロホシフエダイに酷似するニセクロホシフエダイの若魚(下)

クロホシフエダイは成長に伴い、顔の側から徐々に赤味がかってきます。でも、この若魚も普通は食べません。全体が赤くなる成魚を食すのです。
クロホシフエダイとニセクロホシフエダイ









四万十川学遊館で生体展示されていた二種
2019年秋、幡多路を旅した時、四万十市トンボ自然公園内の四万十川学遊館でクロホシフエダイ(右下)とニセクロホシフエダイ(右上)の若魚が共に生体展示されていました。
四万十川学遊館











四万十川学遊館は四万十川に生息する数多くの生物を生体展示する個性豊かな水族館です。

ところが、釣ったら喜んで食べるクロホシフエダイも、購入してまで食べる事は私の場合ありませんでした。それはクロホシフエダイには如何にしても叶わない同じ旬期のフエダイ属が存在するのです。それがこの上側にいるフエダイ。判り難いので別画像を構えました。
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フエダイ
フエダイは側線上にある紋付きともたとえられる左右一対の斑点が白星、クロホシフエダイか名の如く黒星で、成長するにつれ、また鮮度によってもその斑点は不明瞭化してくるのです。それらは白身魚といっても、狭い海域には留まらない回遊性を持ち、特に白星斑のあるフエダイは南国情緒豊かな深く豊潤なうま味と硬くも柔らかくもない絶妙な食感が味わえる上等を凌駕する極上魚なのです。

鮮魚状態の身質でありながら熟成を感じさせる手品のような不思議な白身魚なんです。そんな卓越した食材評価を持つ魚が同時期に存在することが、黒星斑の食材価値をくすんだ存在に追いやってしまうのです。

漁獲の難易度は同等であっても、非常に食材価値の高い白星斑は夏の一時期、より狭い海域に集結するのでそれを狙うのです。そして、その限られた海域のひとつが室戸岬周りなのです。
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活魚流通されるフエダイ
しかも漁獲される白星斑のフエダイは、高値で取引されるので季節限定で漁をする専門の漁師さんは、より高品質な鮮度維持を安定させるために活魚で流通させブランド力を高め更なる価値創出に努めるのです。
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フエダイは、少々大きさがばらけても高次元に美味しいのですが1キロ以上、特に2kg級の個体は希少価値の高い特別な高級魚として、その価値を十分に発揮できる都市圏の専門店へと流通される、今尚ぶれる事のない旬を持つ歴史と伝統を守る料亭などの高級飲食店の商材とし高く認識され、まだまだ価値の高まるべき素晴らしい魚なのです。
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一方で黒星斑のクロホシフエダイは、家庭でも手ごろに使いやすいプチ高級魚感覚を楽しめる食材と言えます。今日はそんなクロホシフエダイがフエダイに混ざって活魚で室戸の室津漁港に水揚げされていたんで、偶々そこにおられた顔見知りの浦戸屋さんにお願いして買い付けしていただきました。
クロホシフエダイおろし








これが活クロホシフエダイを下したところ。産卵迄少し間のある卵巣があることからも、この個体はメス成魚。価格は1㎏程の個体で2000円ほどかかりました。ちなみにフエダイだと、産地の浜値で3000円以上でしょうね。

これを使って、
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クロホシフエダイの刺身
お造りは片身を湯引きに! 皮目に潜んだ甘味をうま味として味わいます。

活魚を柵取りし、半日寝かせることで、しっとりとしたシズル感か出てきます。
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クロホシフエダイ カマの塩焼き
最も脂が乗って、繊細な動きを司る筋肉の発達した部分を塩焼きにします。
この部分はコラーゲンも豊富。身の締まりと相まったプリプリ感は特別な食感を演出してくれます。その特徴が最も引き立つのが次の料理、
クロホシフエダイあら煮








クロホシフエダイのあら煮
あら煮です。

何れにしてもフエダイ属の魚種は皮目を生かした調理をする事が寛容です。
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皮目の加熱調理は、脂ののり具合で判断します。
今回のクロホシフエダイの場合は、強火で焼き切るよりも熱湯で締める湯引きが美味しさを引き立たせます。

皮目はそれほど厚くないので湯引きで十分柔らかくなるのです。