アサギマダラの場合には
暖かかった今秋、いつもの年より香南市への到着が一ヶ月も遅かった季節を旅する蝶アサギマダラの飛来。秋にこの蝶が飛来した里山で求める花は先ずフジバカマやヒヨドリバナキク科ヒヨドリバナ属)です。
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これらは秋雨前線が収束し空気が乾燥してくる季節になると花よりも茎や葉に含まれる特有の物質が化学反応を起こし、甘酸っぱい芳香を風に乗せて漂わせるのです。
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高糖度のハウス金柑の果汁を摂餌するアサギマダラ

もっともアサギマダラの成虫がこの芳香の強い植物の花蜜に求めるものは、活動に要するエネルギー補充だけではありません。

特定のピロリジジンアルカロイドを摂取し続け、経口的に生体濃縮することで補食天敵たる鳥類等に対し有毒化で武装すると共に、♂においてはその成分が性フェロモンを生成分泌させるための必須物質だと考えられています。ですからピロリジジンアルカロイドを含有する植物の花に、より誘引され易いのは♀よりも♂だとも言われています。
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成熟を待つ盛夏の避暑蜻蛉ナツアカネ
画像は本山町の汗見川(吉野川支流)で猛暑を避け性成熟を待つナツアカネです。

鱗翅目の中には四翅が退化し、羽化直後に既に性成熟している種も少なくないのですが、性成熟に長時間を要する種は、同じ条件を要するトンボの様にそうでない種にはない長距離移動を余儀なくされ、生息により適した環境を探し求め続けなければならない様です。

そんな秋のアサギマダラにとって重要なフジバカマやヒヨドリバナなんですが、昨日のBlog記事にした様に近年、室戸スカイライン(高知県道203号)ではそれらが極端に少なくなっています。
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一方、香南・香美両市を走る龍河洞スカイライン(高知県道385号)では、路上メンテナンスにおける季節の沿道刈込みに際し、それらの花を故意に残しているのです。
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これは同地域ではアサギマダラの里IN秋葉山のメンバーの皆様を中心に、アサギマダラの生態観察を学校の課外事業とし、自然環境維持の大切さを学ぼうとする取り組みに地域が一体となって取り組んでいるからだと考えます。
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といっても、列島や西南諸島中にはもっと南西まで、世代交代を果たしながら移動を続けるアサギマダラですから、季節毎の移動先には幼虫食草や成虫の吸蜜花の存在が不可欠なのです。

そんな旅する蝶アサギマダラは、フジバカマやヒヨドリバナが激減した室戸スカイラインで、
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キク科アザミ属の花やキク科ツワブキ属の花蜜を吸っているのです。ツワブキの他アザミの仲間にもピロリジジンアルカロイドを含む植物種は存在しているのです。
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この様にフジバカマやヒヨドリバナが林道に多い香南・香美市なのですが、11月に入ると花盛も段々と衰えてきます。

そうなると、アサギマダラは暫し他の花で吸蜜し、紅葉が進むころまでここで過ごしていきます。その時の人気花は、ここでもアザミ類かツワブキなのです。
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ところが龍河洞スカイラインの林道脇では、室戸ほどそれらの花は多くはないのです。ですからアサギマダラは、11月に入るともっと多くの花で吸蜜している姿が見られだします。

例えば、
ヤクシソウとアサギマダラ









ヤクシソウで吸蜜するアサギマダラ
キク科オニタビラコ属の薬師草ヤクシソウ)。日当たりが良ければこのような乾燥を余儀なくされる岩盤の斜面に生える先駆植物のヤクシソウ。
アキノキリンソウ アサギマダラ











アキノキリンソウで吸蜜するアサギマダラ】
セイタカアワダチソウと同属。キク科アキノキリンソウ属の花でも吸蜜している姿を見かけます。
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時にそれは近くにアザミの花が咲いていたとしても、そうするのです。

蝶はその時最も勢いのある旬の花を選ぶ習性も持っているようです。
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龍河洞スカイラインで秋の花を探していた時、ちょっと珍しい花を見つけました。アザミと思って近づいたら・・・