春分に見つけた美しい瑠璃色
今年の春分は3月20日、温かさの中に少し残る冷気が漂う世界を見つけにいきました。
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日の出直前に広がる瑠璃色の世界。

瑠璃色の空が写し込まれた水田の朝。今年もこの日を境に夜と昼の長さが逆転していきます。

啓蟄も昨日で終了。ひとつ進んだ季節の昼下がりに、春の野を飛び回る瑠璃彩の蝶。
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瑠璃立羽(ルリタテハ)が現れました。春の蝶たちと違い、ルリタテハは直線的に高速で野原を飛び回っています。
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そして滅多に花に止まる事はありません。

この蝶は野の蝶ではなく森林の蝶。野で羽ばたくのは、未だ気温の低い春先の行動。やがてこの様な場所に止まり、翅をを広げ太陽熱を身体一杯に吸収しようと拓けた場所へ進出してくるのです。春には滅多に見せない翅裏には、森林の蝶であることが裏付けられる証があるんですよ。
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ルリタテハにとって春は萌の季節ではなく覚醒の時。高知の様な暖地では複数回の世代交代を行い、平地では多化性を示すタテハ類なのです。

ルリタテハの見せる瑠璃の個性は、この蝶にとっての春彩なのです。
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ルリタテハの越冬態は成虫。厳しい冬を蝶の姿でやり過ごし、春現れる時その身体には少なからず生き長らえた命の輪、随所に摩耗が見られる蝶です。

初夏に現れる似た彩あいのタテハ類の別種、新生成虫と比較してみると、そのフレッシュ感は一目瞭然。
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この蝶は瑠璃色をしていても名に瑠璃を冠せず、雌黒豹紋(メスグロヒョウモン)という和名の蝶なのです。

何故この美しい色が黒と喩えられるのでしょう。それは先ず、この蝶の雄にヒントがあるのです。
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これがメスグロヒョウモンの雄。色彩において明らかな雌雄二形を呈し♂は一般的な豹紋蝶の仲間に多い明色で、赤味を帯びています。つまり♂赤に対し♀黒と単純明快に特徴を表そうとしたのでしょう。

更にこの蝶も、生きていく上で摩耗し鱗粉が脱落、やがて瑠璃彩には輝かなくなるのです。

瑠璃色を象徴する動物は他にもいます。例えば、まもなく高知に飛来してくる夏鳥もその代表的存在です。
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大瑠璃オオルリ)も瑠璃を象徴する動物。瑠璃の彩を冠する名のある複数の野鳥が存在するなか、日本では単に瑠璃鳥と呼ばれる瑠璃野鳥の代表的存在となっています。

でもオオルリの場合♂が瑠璃彩で、
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♀は瑠璃彩ではありません。メスグロヒョウモンとは逆のパターンなのです。

因みに瑠璃は人の場合、女性名として用いられるのが一般的。表と裏、雄と雌、瑠璃彩は表裏・雌雄によって使い分けられる色彩でもあるようです。

更に、瑠璃には秋には秋の、
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冬には冬の瑠璃彩が現れるのです。
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でもそれらは改めてその折々にご報告します。

夜明け前の田園に広がった春瑠璃の世界。
夜の帳が下りる頃、朝とは逆の西空に再現されます。
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それは水の上にも。
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瑠璃彩の中に春の一日が暮れていきます。