秋を彩るタデ科の花々
水辺環境が好きな私ですからタデ科の花は今まで何度か記事にしたことがあります。
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イタドリの花
昨日記事にしたイタドリもタデ科の植物。野を渡る秋風が、心地よいから肌寒く感じる季節になると、あらゆる環境でタデ科の小花が急に目立ち始めてきます。

ヤナギタデ








水田脇の水路や畔に咲く柳蓼の花
蓼(タデ)といえば、料理の引き立て役に用いられることでよく知られる植物。といってもそれは新芽や葉であって花であることは少ないのです。

紅蓼














刺身の付け合わせに紅蓼
これは京都の割烹でいただいた刺身の盛り合わせ。

付け合わせにヤナギタデの変種『紅蓼』、本葉が出る前の幼芽が、つまとしてワサビとともに添えられています。 その目的は、ピリッとした辛味を添える目にも鮮やかな薬味なのです。
高知 家庭の刺身










高知の家庭で作る刺身の付け合わせ
もちろん高知でも紅蓼を刺身の付け合わせに使うことは少なくないのですが、それは料理店やスーパーで購入する刺身の盛り合わせなどの場合の事。家庭での刺身料理には先ず使いません。少なくてもわが家では。
鮎塩焼きと蓼酢












鮎の塩焼きと蓼酢
一方こちらは鮎の塩焼きをやはり京都の割烹でいただいた時のもの。ヤナギタデの葉をすりおろした、鮎料理には欠かせないとまで言われている『蓼酢』が添えられています。
家庭の鮎塩焼き








高知の家庭の鮎塩焼き
これまたわが家では、年に何度か鮎を塩焼きするのですが蓼酢を添えたことは一度もありません。

そこに同じ食材を使っても異なる味わいを楽しむ地域食文化の価値があるのですが、自宅で使わない蓼酢が高知の料理屋さんで鮎に添えられてくると、それはまた新鮮な気持ちで食材の季節を味わえるものなのです。

何故アユの塩焼きに蓼酢がこのまれるかというと、葉の辛味と爽やかな香りが清流魚の鮎の風味を引き立たせるのです。
ニンニク葉土佐ぬた






家庭で蓼酢を作るのが煩わしい訳では決してなく、逆に霜が降りる頃に出荷が始まるニンニク葉が出回ると、もっと手間暇をかけた『土佐ぬた』なら仕込むのです。

さて、蓼科の植物は似た様な環境に複数存していて、風味豊かな蓼はヤナギタデに勝るものはなく、昔はそれを手に入れる際には自身で摘んできたのです。その場で噛んで味を確かめて。
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秋田圃を端で紅く染めるイヌタデ
さて、秋になって稲刈りの終わった田圃をしばらく放置しておくとこのように秋らしく紅紫色に染まる場所が出てきます。
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これは一見ヤナギタデよりも辛そうで、実際には辛くないといわれている蓼、つまり人に活用されることのないイヌタデ属の犬蓼イヌタデ。

愛玩動物は胃内に溜まった自身の体毛や、食物で消化不良を起こした時に道草を食べ一度吐いて体調を整えることが知られていますが、辛くない蓼はそういった雑草としての評価なのです。
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イタドリの葉を食む野生のニホンジカ
複雑な構造の反芻胃を持つ草食性の偶蹄類の一種、ニホンジカがタデ科のイタドリの葉を食べていますが、こちらは主食のひとつなのでしょう。

そして・・・
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ミズヒキの鮮やかな赤花
蓼類にお似合いの動物と言えば虫。よく見ると口器を蕾に突き立てようとしています。
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一方、こちらはミズヒキの赤い花穂に止まる赤くならない♀の赤とんぼマユタテアカネ。

赤くなれない赤とんぼが鮮やかな赤花に魅かれているようです。