手結漁港に水揚げされていたマハタ属南方種
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妻の実家のある香南市手結漁港、活魚がまとまって水揚げされる日があります。義父が漁船を所有し、漁をしていた頃には、私も休日に時々それを手伝い、この市場で競りにかけていただきました。

その時は、早朝から昼過ぎまで二人で一生懸命漁をして、良い時で水揚げ額が二万円くらい。燃料費や漁船維持経費は自己負担です。更に大きな投資をしてどろめパッチ網漁やシイラ巻き網漁など、周年ではなくとも更なる収入を得るためには、資金と身体を資本に、地域で自然任せの漁業において様々な環境整備を整え、将来の不透明な地域漁業に取り組む・・・そんな時代でした。

その時、率直に思ったことは私はサラリーマンでよかったということ。勿論、宮仕えよりも自らの身体でより自由度を発揮して成果を収めているひとも少なくはないのです。さらに今では、漁協職員さんだけでなく様々な組合運営によって月給制の漁師さんも存在しています。
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ここ手結は古はイセエビ、アワビの産地として知られ、幕藩時代の立派な港がそのまま稼働している風情漂う港町。私が子供の頃は漁港近くに有名な料亭やお寿司屋さんがありました。
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そしてそれらは今も、この手結漁港で少なからず水揚げされていますが、それらを地で提供できなくなった今、ここはその産地として現代の人々からは忘れ去られようとしています。
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セミエビ
この日は、イセエビだけでなく高知ではモンパと呼ばれるセビエビやもう少し安価なゾウリエビの姿もありました。
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地エビを使った産地の家庭宴会料理
本州では幻の超高級海老と言われることの多いセビエビ、刺身で食すなら甘味と身質の食感はたしかにイセエビ以上。でも鍋にするなら出汁は遥かにイセエビの方が上質なのです。
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家庭で作るセミエビの刺身
義父は自らもこれらの漁をしていたので、私たちの年代なら、時にこれらが地場産市場で安価に販売されていれば購入し、家庭で調理します。因みにこの活セミエビ一匹300円で買いました。奇跡の様な価格ですよね。ですから田舎暮らしの物産市場通いはやめられないのです。
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タビエビと近海マグロの盛り合わせ高知の家庭版

そして地元から料亭は消えても、地産地消の灯は辛うじて家庭で守られているのです。
チャイロマルハタ








さて、この日の手結市場を覗いてみると、この辺では非常に珍しい魚を見つけました。しかもコレ、近頃人気が出ている高級魚なんですよ。

この活魚槽に入れられている斑点模様のハタがそれ。南方系マハタ属のチャイロマルハタで本個体は4.6kgと表示されています。このチャイロマルハタ、10年ほど前にはあまり知られておらず、市場関係者でも、和名を知らない人が少なからずいました。
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チャイロマルハタ
こちらは数年前、室戸の大敷網で水揚げされた個体で10㎏弱でしょうか。チャイロマルハタは成長すると1mを越え、15~20㎏に達する大型マハタ属です。
ヤイトハタ








足摺海洋館のヤイトハタ

更に大型になる南方種、ヤイトハタ同様に近頃は潮通しに優れる高知県の両岬周りだけでなく、中部地域の漁港でも見られる様になり、若魚は浦戸湾内にも生息していると聞きます。

以前はクエの代用品的存在で、これらは一括りに紋クエとも呼ばれていました。その時は活魚でクエがkg8,000円なら、それら紋クエは4,000円といったところでしょうか。それでも高級魚扱いではあったのです。

この南方種マハタ属は総じて温帯域のマハタ属より成長が早く、味も美味しいことから近頃は広く名を知られる様になった高級魚ならぬ高級魚。都市部の競りでは活魚や活き締めは㎏10,000円に達することもあると聞きます。

そしてこれらハタ系の大型魚、総じて1・2㎏の扱いやすい幼魚・未成魚より10㎏以上の個体やそれ以上の成魚が旨いのです。但し、成長とともに深海水域に落ちる種はその限りではありません。

美味しいと噂の魚には目の無い私。一度は大型のチャイロマルハタやヤイトハタを自宅で調理してみたいとは思っているのですが、原魚ならば大きさ自体が家庭食材には不向きなのです。運よく小分けの切り身ででもない限り・・・
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でも、粘り強く色んな場所へ通っていれば巡り合えるのかも。
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そうやって大型スジアラ(ハタ科スジアラ属)も10年越しに夢かない料理できたのですから。

豊かな里海暮らし、この趣味もまたやめられません‼