異常気象を容認しているのは
冬燕の記事ですが、先日季節外れの繁殖を目撃した燕とは別目別種の決して近縁ではない燕の話です。
物部川の冬燕










これは厳寒期の物部川水面上を飛び回る冬燕、少なくても三種類の燕が混群し、水面上を飛ぶ川虫たちの成虫を飛翔補食しています。

今の高知県海岸近くは、冬も燕が活動しているのです。
冬のツバメ









先ずこれは、夏に民家で普通に繁殖して来たスズメ目ツバメ科ツバメ属のツバメ Hirundo rustica です。

ツバメと言えば代表的な夏鳥(春から初夏のころ現われて繁殖し、秋にはいなくなる野鳥)だったんですが、今は南九州や南四国の各地で、冬もこの様に群れて摂餌行動が見られます。

つまり今の日本の気候は、本土の限られた場所ではツバメが集団で越冬できる環境が地球温暖化の影響で可能になったという事なのです。

しかしこのツバメ
Hirundo rustica は、秋のある期間全く姿が見られなくなるので、夏鳥として南方から飛来して来た個体群とは異なる、もっと北で繁殖していた異なる個体群ではないかと推測しています。
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ところが今年2020年には立冬まで育雛をおこなっていたツバメHirundo rusticaを高知県東部海岸部の町、田野町で確認しました。

先日(11月10日)、気象庁が季節学に基づいて行う生物季節現象(気温や日照など季節の変化に反応して生物が示す現象を目や耳で確かめて、確認できた日を記録する観測)である生物季節観測の種目・現象の変更を発表し、来年からはこのツバメを始めとして多くの観測が廃止される発表を行った事に大変な衝撃を受けました。温帯日本の豊かな季節感は今、大きく破壊しているのです。

ツバメもその内きっと夏鳥ではなくなる様な・・・
イワツバメ










次に登場するのがスズメ目ツバメ科のイワツバメ Delichon urbica

いわゆる普通のツバメ
Hirundo rustica とは別種ながら、本種も夏鳥とされる種ですが、高知では周年を通し普通に見られます

そして今日の主役、
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小柄ながら非常に立派な翼を有する燕。ツバメといってもツバメ科ではなく、アマツバメ目(ヨタカ目とも)アマツバメ科アマツバメ属のヒメアマツバメ Apus nipalensis
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ツバメとは分類学上、決して近縁とは言えない本種ですが、営巣形態や摂餌形態は近似で容姿もイワツバメと似ていることから見れば多くの人がツバメと認識できる野鳥なのです。
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翼が非常に発達し、飛翔能力を向上させたいが故に、その代償とでもいうべきでしょうか。足は退化傾向にあり、平地に水平に着地すると歩けないほどに未発達なのです。

ですから基本営巣の基礎は自ら作らない場合が多い様ですが、他種の古巣をそのまま使用するのではなく、自らの羽毛を唾液で接着して飾りつけリニューアルしているので、そこにヒメアマツバメが住んでいることがすぐに分かります。

現在、
ヒメアマツバメは高知では留鳥に区分されていますが1960年頃まで、本土には生息しないと認識されていた南方種です。このヒメアマツバメは、以前もblog記時にしたことがありその営巣は香南市役所の解体された旧庁舎にありました。
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同じ香南市で見つけたこのヒメアマツバメの巣は2つでしたが飛んでいたのは30羽以上。近くにもっと巣はあるはずです。地域によっては一年に3回繁殖する様で4月下旬~12月に入るまでが繁殖期。

この様に複数のツバメが数多く周年見られる様になった背景には、冬でもこの個体数を満たせる餌料(飛翔小昆虫)が発生しているという事なのです。そして、それは決して良いことばかりではないはずです。