土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

カテゴリ:高知の料理 > 旬の家庭料理

久々の活魚家庭調理
クロホシフエダイ刺身










クロホシフエダイ活魚のお造り
自身で釣りが出来ていた頃にはよく食べた『クロホシフエダイ』。
クロホシフエダイ










クロホシフエダイ成魚(上)】

ところが、沖釣りをしなくなってからは全く食す機会のなくなった魚です。
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クロホシフエダイは水揚げ量自体は多くないものの上等魚として認識される白身魚。沖釣り遊漁者でも、タイ釣りの外道として釣れるフエダイ科の魚なのです。

一様に外道といっても、普通の外道の様に連れてガッカリする魚でもなければ、そのまま海中へお引き取りいただく魚でもなく、適宜な船上処理処理を施し持ち帰るべき魚です、上等魚ですから。釣り魚としても小気味よい引き味が楽しめ、運が良ければ50cm程の成魚が手に入るのです。

そう、この魚の食材価値は特に身質の優れる成魚に偏ってくるのです。
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クロホシフエダイ幼魚
ですから、湾内や汽水域にも侵入する幼魚を食すことはありません。特に秋には簡単に釣れて、餌付きも容易なそれを飼育する事はありますが・・・

クロホシフエダイには近似種が複数種存在します。中には特徴が酷似している種も存在。飼育によってそれぞれの特徴を確かめてみるのもいかがでしょう。
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クロホシフエダイに酷似するニセクロホシフエダイの若魚(下)

クロホシフエダイは成長に伴い、顔の側から徐々に赤味がかってきます。でも、この若魚も普通は食べません。全体が赤くなる成魚を食すのです。

ところが、釣ったら喜んで食べるクロホシフエダイも、購入してまで食べる事は私の場合ありませんでした。それはクロホシフエダイには如何にしても叶わない同じ旬期のフエダイ属が存在するのです。それがこの上側にいるフエダイ。判り難いので別画像を構えました。
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フエダイ
フエダイは側線上にある紋付きともたとえられる左右一対の斑点が白星、クロホシフエダイか名の如く黒星で、成長するにつれ、また鮮度によってもその斑点は不明瞭化してくるのです。それらは白身魚といっても、狭い海域には留まらない回遊性を持ち、特に白星斑のあるフエダイは南国情緒豊かな深く豊潤なうま味と硬くも柔らかくもない絶妙な食感が味わえる上等を凌駕する極上魚なのです。

鮮魚状態の身質でありながら熟成を感じさせる手品のような不思議な白身魚なんです。そんな卓越した食材評価を持つ魚が同時期に存在することが、黒星斑の食材価値をくすんだ存在に追いやってしまうのです。

漁獲の難易度は同等であっても、非常に食材価値の高い白星斑は夏の一時期、より狭い海域に集結するのでそれを狙うのです。そして、その限られた海域のひとつが室戸岬周りなのです。
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活魚流通されるフエダイ
しかも漁獲される白星斑のフエダイは、高値で取引されるので季節限定で漁をする専門の漁師さんは、より高品質な鮮度維持を安定させるために活魚で流通させブランド力を高め更なる価値創出に努めるのです。
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フエダイは、少々大きさがばらけても高次元に美味しいのですが1キロ以上、特に2kg級の個体は希少価値の高い特別な高級魚として、その価値を十分に発揮できる都市圏の専門店へと流通される、今尚ぶれる事のない旬を持つ歴史と伝統を守る料亭などの高級飲食店の商材とし高く認識され、まだまだ価値の高まるべき素晴らしい魚なのです。
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一方で黒星斑のクロホシフエダイは、家庭でも手ごろに使いやすいプチ高級魚感覚を楽しめる食材と言えます。今日はそんなクロホシフエダイがフエダイに混ざって活魚で室戸の室津漁港に水揚げされていたんで、偶々そこにおられた顔見知りの浦戸屋さんにお願いして買い付けしていただきました。
クロホシフエダイおろし








これが活クロホシフエダイを下したところ。産卵迄少し間のある卵巣があることからも、この個体はメス成魚。価格は1㎏程の個体で2000円ほどかかりました。ちなみにフエダイだと、産地の浜値で3000円以上でしょうね。

これを使って、
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クロホシフエダイの刺身
お造りは片身を湯引きに! 皮目に潜んだ甘味をうま味として味わいます。

活魚を柵取りし、半日寝かせることで、しっとりとしたシズル感か出てきます。
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クロホシフエダイ カマの塩焼き
最も脂が乗って、繊細な動きを司る筋肉の発達した部分を塩焼きにします。
この部分はコラーゲンも豊富。身の締まりと相まったプリプリ感は特別な食感を演出してくれます。その特徴が最も引き立つのが次の料理、
クロホシフエダイあら煮








クロホシフエダイのあら煮
あら煮です。

何れにしてもフエダイ属の魚種は皮目を生かした調理をする事が寛容です。
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皮目の加熱調理は、脂ののり具合で判断します。
今回のクロホシフエダイの場合は、強火で焼き切るよりも熱湯で締める湯引きが美味しさを引き立たせます。

皮目はそれほど厚くないので湯引きで十分柔らかくなるのです。

安田川の鮎に物部のモクズガニ
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特別な鮎雑炊
今日はとっておきの鮎雑炊、わが家バージョンのご紹介です。鮎は高知県東部で味が評判というか太鼓判の安田川の天然鮎を使用します。
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安田川の天然鮎
ダムの無い河川の安田川は、昔と変わらぬ清澄した流水をたたえ、水中の岩石には常に新鮮で上質な川苔が繁茂する水質が保たれています。
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この鮎はそんな特別な河川の天然鮎。しかも最も上質な鮎の漁獲法と言われる友釣りで釣り上げた特別の中の特別な天然鮎なのです。
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ですから、そんな特別な鮎の川の香りを大切に、鮮度を保ったまま絶対に腹が割れない様に、先ずは塩焼きにするのです。皮目はこんがりと色付き、中の身がふっくらという塩梅になるように。
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そしてそれを雑炊の具種にするのですが、この雑炊の場合、主種がこの天然鮎だけに留まっていないのです。何も鮎だけをメインにするなら9月まで待つ必要は全くないのですから。
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この雑炊の出汁は、9月の声を聴くとグッと旨みが増す高知でツガニと呼ばれるモクズガニの出汁を使うのです。それに茄子琉球を入れ味を調えるのですね。
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高知でツガニと呼ばれるモクズガニの漁期は河川によっても異なりますが早いところでは8月1日に開きます。でも、モクズガニがまったりと芳醇な深い味わいを呈するのは9月に入ってからなのです。

河川に濁りが出ると成立し難い漁も多々あるのですが、モクズガニの籠漁は濁りがある方が条件が良いのです。ツガニの警戒心が薄れますから。
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モクズガニの蟹雑炊
これに別途、さっと塩煮したモクズガニを加え、ひと煮立ちさせると、モクズガニの蟹雑炊なんですが、
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鮎ツガニ雑炊
河川の香漂う天然焼き鮎を加えて仕上げるこの雑炊、名付けて『鮎ツガニ雑炊』とでも言うべきでしょうか。

鮎ツガニ雑炊のお味は、妥協を許さない男の家庭雑炊といった感じ。心地よい苦みと芳醇な旨みのコラボレーション。極上の香り漂う川の幸二重奏なのです。

あまりにも美味しすぎて、癖になる味で痛風を患ってしまいそうです。良薬も量を間違うと毒に転じるの如くに。
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高知の豊かな自然が育む食材のアレンジ方法は無限。この初秋、先ずはじっくりと一風変わった鮎雑炊を楽しみました。

漁港ならではの時合
久々にぶらっと立ち寄った手結の漁港。目的はいつもの様に、地元漁港に水揚げされる季節の魚を見に来た訳ですが・・・
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大きく竿を曲げ強烈な引きをいなす釣り人の姿
漁港敷地内の駐車場に降り立った途端、この日目に入って来たのは、あちこちで竿を大きく曲げる釣り人の姿。
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当然この引きだと、取り込みにはタモ(掬い網)が必要。それを皆が用意しているという事は、それなりの魚が相当数、港内に入ってきているという訳なのです。
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さっそく、釣った方に見せていただくと獲物はクロダイチヌ)、魚体からして3歳物というところでしょうか。食べごろの秋黒鯛アキチヌ)です。
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雑食性のクロダイですから、釣り餌は季節や場所によって様々な使い分けをするのですが・・・
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港の出口に近い潮通しにも優れるこの場所ではこの季節、餌取も多いらしく、刺し餌にはサナギを使い撒き餌に工夫を凝らして、クロダイ集魚を上手に行って釣果に結び付けていました。

それにしても、明るい内からこんな近場で手軽に強烈な引きが複数回にわたり味わえる暮らし。釣り好きにはたまらないsituationが整備された、まさに田舎暮らしの醍醐味なのです。

その後、競りを見ようと港奥に場所を移すと・・・
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漁師さんが忙しなく水揚げ作業を行う傍らに複数の釣り人がいるのですが、ここでは撒き餌もせずに、まるで釣り堀の様に結構な魚体の魚が釣れているのです。
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それはいわゆる爆釣モードと言うに相応しい状態。なぜ、自然の魚たちが一時的にせよこのような状態になるかというと・・・
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沖で漁を終えた漁船が、港内で甲板の洗浄作業をしている時に、シイラ等大型魚が水揚げ時に吐き出した食物残渣が海面に流し出され漂う状態に、多くの魚が集まってきているのです。
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大型魚の消化器内で程よく発酵した食物残渣の集魚効果にはただ驚くばかり。しかも、ここの釣り人たちは皆、刺し餌に魚(メジカ)の切り身を短冊にして使っているのです。
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海面近くで捕食するのはメッキを主とする回遊性小魚なんですが、この群れの下に大きな魚が相当潜んでいるのです。
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その魚はキチヌキビレ)。面白いくらいに、なんぼでも釣れてきます。まるで活イワシを撒いて、錯乱状態になった鰹の一本釣りを見ている様。

釣り人はその釣り人生において一生の間に何度、この極上な瞬間を経験できるのでしょうか。
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と、思っていたら・・・
それは時間限定や、曜日限定の特別セールなのでは無かったのです。

翌日は競りが休み(日曜日)だったので翌々日の月曜日に来てみると、やはる複数の釣り人がいて、漁船が接岸して漁獲魚の水揚げを始め出すと、また凄まじい爆釣モードに突入するのです。
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釣法は、コマセを使わないフカセ釣りですが、棒ウキを大きめのカミツブシで、タナに素早く馴染ませ、小魚をかわすのです。

それが、漁師さんが忙しなく作業している漁船のヘリ近くへ来ると、お約束の様に棒ウキが海中へ消し込まれるのです。
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後は小気味よい魚の引きを竿でため、スリルを味わいながら足元まで魚を寄せ、
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上手くタモ入れに導くのです。
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スカリに入ったこの日のキビレは2日前より一回り大きく、最も多きい個体は40cmを越えています。
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更にこの日は別の魚種も港内に入って来ていました。クロダイ類同様に、夜間活性が上がるコショウダイです。

こんな良型魚が真昼間の喧噪の中、人の騒ぎに誘われる様に群れ爆釣するのです、毎日毎日泳げ鯛焼き君なのです。

そして遂にその時が・・・
とくると、釣り番組ではとてつもない巨大魚がヒットするのですが、
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まさにそんな大物中の大物が食いついたんです。

ちなみにハリスは1、7号だそうで、ためたりいなして寄せられる魚ではないのは、このやり取りを見ていると釣り経験者なら容易に判断できるのです。一進一退と言えるものではなく、なされるがままなのです。
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こうなると、家庭での私の様にじっと耐え忍んで、ひたすら相手が諦めてくれるのを待つしかありません。
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それにしても凄い引き‼ 竿のしなりとリールのドラグ機能により、魚には相当な負荷が掛け続けられているのに、右から左へと50m以上走り、5分経っても全く弱りません。釣り人を嘲笑っているかのような魚です。

この手応えを身体で受け止めた釣り人は皆、咄嗟に同じ願いを口にするのです。「せめて一瞬でも姿を拝ませてせてくれ」と。
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更に数分が過ぎ、魚は今まで耐えた釣り人の願いを聞き入れたのか、一瞬だけ海面近くまで浮上し、釣り人の姿を確かめました。まるで魚の方も釣り人を見たかったかのように。

次の瞬間、この巨大な魚は頭を一振りしただけで、いとも簡単にハリスを切って消えていきました。もはや釣り人には、その行動を予期しそれを回避させる術を講じる集中力は残っていなかったのです。

強者は、掬い網の径よりもはるかに大きな体長70cm4kgは超えているであろうコロダイでした。腕前だけではどうにもならない装備の差が勝敗を分けたのです。その後タックルを点検すると、リールのドラグ機能が破壊されていたんですよ。
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その後も2回、同様の引きをする巨大魚が針に掛かったんですが、ドラグ機能が正常に作動しない以上、勝負は瞬殺で終わります。
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ちなみにコロダイとは白丸の魚です。沖釣りなら、最初の重く強い引きをかわせば、十中八九は釣り人の勝ち。

このコロダイも70cmはありましたが、当時中学生の長男が釣り上げたものです。

でもこのサイズを陸からフカセ釣りであげるのは至難の業です。もし確率高く釣り上げようとするなら、その魚のみを目標としてそれより小さい魚のイメージを完全に消し去り、タックルバランスを重視して釣りに臨むことです。
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この1m近いオスのマダイ、実際に香南市岸本の浜で釣り上げられたものです。

単純に、食すことを重視するなら巨大な老成魚よりも同種類の中型魚の方が美味しい種類は多いんですよ。

黒鯛を味わい尽くす
さて、近似種どうしのクロダイキチヌ。淡白な味わいが特徴の白身魚が多い中、この二種には味に独特な個性があります。
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クロダイ
クロダイの身には、白身魚としては濃厚な旨みを感じます。しかしそれには嫌悪感を抱く人も少なくないほどの強い個性があるのです。

勿論それは、クロダイの食性に少なからず由来しているものですから、この魚を美味しく食べるためには十分すぎる下処理を施すことが肝要なのです。
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キチヌ
一方キチヌには、クロダイと比べると夏らしいさっぱり感があります。
キチヌは夏の魚なのです。
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コロダイ
参考までにコロダイの刺身はこちら。コロダイは身質がしっかりとしていて、脂が乗っていると美味しい魚ではありますが、うま味は淡白で、身に鮮度とは関係ない生臭みを感じる事が少なくありません。鮮度を楽しむよりも2日は熟成させた方が旨いです。

捌いて脂の乗りが薄ければ調理法は和食よりも洋食向きな白身魚です。

さて、話をもとに戻して・・・この条件下でこの釣り座に入れる人は多分、少なからず市場の漁況の関係者さんです。ここは今、漁師さんたちが懸命に水揚げ作業と後片づけを忙しなく行っている戦いの場なのですから。

つまりその時間こそが、この港内の釣り座での時合いなのです。本来、警戒心の強いクロダイやキチヌが錯乱状態になって口を使う条件が、漁港が戦場と化すほんの一時の時間帯だったのです。

そんな特別な時間帯ですから、ここには気心や意思の疎通なくしては入れない結界が存在しているのです。
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そしてその結界の中に、この日は素晴らしい漁獲物を見ました。でもその報告は次の機会にさせてください。

今年初めての淡竹筍料理
ワタリガニと淡竹筍の雑炊










ワタリガニの蟹味噌と淡竹筍の春雑炊
ゴールデンウイーク中の事。まとまった雨になるという予報の前に妻が里山の畑で色んな産物を急ぎ収穫してきました。家庭の事情で少し収穫が遅れた感の否めない淡竹も筍としては初収穫なのです。
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といっても、私たち夫婦は母や子供たちには内緒で地下茎にぽつんと現れたばかりの地下芽は、何度も食べてはいるんですが・・・
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地上に現れた淡竹筍を食べるのは今年初めてなのです。
ところが、あろうことか私の家族より先に淡竹筍を食べていた者がいたんですね。
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筍を食害する蛾の幼虫。種名はハジマヨトウ、つまりヨトウ蛾の一種です。
いたのはこの一頭の幼虫のみでしたが、先に食べられたのが癪に障ります。
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その憎き夜盗ならぬヨトウを捕縛して白日の下に晒し、裁きを言い渡そうとしていると、妻から待ったが‼

私の家からは処払い、明日自身の山に放免しに行くんだとか。妻によると所業は今のところ目に余ってないというか、妻自身は蔓延る淡竹の勢いに手を余し気味なのです。つまり淡竹とのせめぎ合いには虫の口も借りたいみたいです。考え方は人それぞれですが、私は妻に同調できないことは多々ありますが、とりあえず今日も仲良く食事を楽しみました。

軽罰で終わったヨトウを見返してやるには、この淡竹筍を如何に美味しく人らしく食べようかと工夫するしかないのです。
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そこで、そろそえろ旬も終盤を迎えたワタリガニの今シーズン食べ納めと、これからどっさり食すであろう妻の里山の淡竹筍のオープニングセレモニーを兼ねて、冒頭の『ワタリガニの蟹味噌と淡竹筍の春雑炊』を作ったんですね。
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まあ、お米はさっと炒めて下ごしらえしてあるので洋皿に盛ればリゾット。
雑炊なら抵抗のある子供たちもお洒落な響きのリゾットとなれば喜んで食べる、困ったものです。

元号や時代が変わっても、目先の流行にとらわれず自らのスタイルを貫き本質を見極める、妻の連れてきた虫を、私も少し見直しました。そんな私を娘は時代遅れと言い放ちます。

アジ科の最高峰と真っ向勝負
旨い魚揃いのアジ科の中でも、最も人気の高い魚種が縞鯵シマアジの天然もの。10月に入ると、高知県の東部や西部の潮通しの良い場所では港の防波堤からでも釣れ出し定置網には春ごろまで入るのです。
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それらは大体一尾が500g程度、大敷ものなら1,000円/㎏程度で購入できるのですが1㎏を超えると価格は倍以上になります。そうなると脂ののりも良く味はこの上なく豊潤、食感も更に高まりまさにアジ科における至極の味なのです。
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シマアジ
ところが回遊魚たるシマアジは秋から春先以外の季節にはパッタリと獲れなくなるのです。つまり旬も秋から春の早い時期まで。旬を極めるというより、天然シマアジはその時期しか安定した流通がないのです。

ところがこのシマアジ。マアジ同様に昭和40年代半ばには既に養殖が軌道に乗り商業的流通が確立されていたのです。
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養殖シマアジ
ですから天然シマアジが回遊していない時期は養殖のシマアジを手に入れるという選択があります。

一方で天然ものにこだわりたいなら、趣の似た別の魚種を選ぶという選択もあるのです。
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オキアジ
例えばこのオキアジ。旬は秋から冬です。大きさから言えばシマアジ並み、
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【以外と身色の白濁が早いオキアジ
でも身の白濁が非常に早く春から夏は産卵期。周年身質はしっかりしていても結構、季節差異が味に現れる魚種なのです。
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カイワリ
それからすると、高知の沿岸部ではどこでも手に入り易い魚種がこのカイワリ。シマアジより小振りで、最大でも40cm程度。高知ではベイケンと呼ばれ、25~30cm位のベイケンは煮つけにして非常に人気が高く、食べやすくて美味しい魚種。旬が特に限定されない程、周年美味しくしかも手に入り易い魚。品質に優れるだけあって安くはないのです。
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カイワリの刺身
そして30cmを超えるカイワリは同大きさの天然シマアジに身のうま味でも脂ののりでもそん色なく、鮮度にこだわれば食感はそれに勝っていることが多いのです。
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シマアジの刺身
つまり、シマアジがアジ科中で至極の逸品であるためには40cm以上の天然ものの必要があるのです。シマアジの価値には大型化するアジ類であることも含まれているのです。特に美味しいのは40~50cm、つまりこのサイズの天然シマアジに勝るアジ類はいないということです。

そこで今日は、40cmほどの養殖シマアジと30cmほどのカイワリを弘化台市場で購入し
、家族で食べ比べてみました。
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弘化台市場の春カイワリ
高知でのベイケン価格は大体こんなもの、安くはないんですね。そこでもうひとつ趣向を凝らし、高知らしい魚を合わせ刺身ではなく、にぎりにしてみました。
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養殖シマアジ(コセアジ)を捌く
シマアジは時節柄、養殖シマアジで、
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今春も入荷がまとまりだした近海物の初鰹
本鰹は高知の近海初鰹。価格も安定しだしました。
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シマアジと初鰹のにぎり
いずれもが❝らしい❞切り身の特徴を現わしています。

一方で、
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こちらがシマアジに対する鮮魚カイワリと、脂ののる季節に突入した高知で人気のヒカリモノ。そして、これをにぎりにしたものがコチラです。
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カイワリとウルメイワシのニギリ
こうなると、サブタイトルの真っ向勝負ではなくなり、優劣を競うには焦点が実に曖昧化してしまいました。人は欲張りな生き物ですが、こと食に関してはそうあるべきというのがわが家の伝統であり、伝承してもらいたい食育です。因みに今日の食事担当は長男でした。

魚の味は人によって好き好きが分かれるところ、
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生け簀料理店の活マアジのお造り
でも中小型の青魚の場合は、特に鮮度にこだわるべきです。旬を大切にすれば、どれも特徴豊かで豊潤なうま味がしっかり味わえる魚種揃いですから。

様々な食品衛生面でも、青魚は鮮度を害してはいけない魚たちなのです。

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