香南市の三宝山で紅葉と野鳥を撮影していると・・・
ヌルデの紅葉とエナガ
樹枝越しの海の上に現れたのは洋上のビルディング。
進行方向を見ていると、それは高知新港に向かっていきます。今日も高知市にクルーズ船が入港するのです。
船名はダイヤモンド・プリンセス(Diamond Princess)、イギリスP&O社が所有しアメリカ合衆国のプリンセス・クルーズ社によって運航されている外国のクルーズ客船なんですが、この船名は私を始め多くの人の記憶に残っているのです。
ダイヤモンド・プリンセスは、全長290m 水面上の高さは54m 総トン数115,875トン、旅客定員2,706人 乗組員1,238人という飛鳥Ⅱより遥かに大規模なクルーズ船。船籍や所有は海外でも、建造は長崎県の三菱重工業長崎造船所、いわゆる日本製クルーズ船なのです。
2015年、飛鳥Ⅱに乗って長崎に立ち寄った際、建造中の同規模クルーズ船2隻を目の当たりにしました。
しかし、世界にはもっと大きな超巨大クルーズ船が存在し、その最高峰ハーモニー・オブ・ザ・シーズ(Harmony of the Seas)は、全長361m 高さは72m 総トン数226,963トン、旅客定員5,479人 乗組員2,100人という驚くべき規模。
高知新港に今年度入港するクルーズ船でも最大は、総トン数 171,598 トン、乗客定員 4,500 人を誇る2019年3月に就航したばかりの最新船MSCベリッシマが、このダイヤモンド・プリンセス同様に何度も入港してくるのです。
さてダイヤモンド・プリンセスですが、一説には世界のコロナウイルス感染症が制御不能のパンデミックの始まりとなった、船上という特殊な閉鎖的環境。後世に多くの教訓を授けた船なのです。でもそれは決してこの船を非難すべきものではありません。
人間を宿主とする未知のウイルスに対し、過密環境で最初に大変な恐怖体験をした人々が強いられた苦悩と犠牲の中で、全人類に多くを教えてくれた洋上の人工空間なのです。
生きて更に高みを目指す挑戦の中、全ての選択には必ずメリットとデメリットがあり、双方は挑戦を続ける度に経験による制度を高め、目的に対し優位に働くものです。それが限定的か遍く作用かで人類の未来は変わります。
肝要なのは、多くの個が如何に自らを豊かにする中で公に貢献できるかの仕組み作りです。それが理解できていない指導者は結構多く、個がその恩恵に乗っかろうとするだけでは、国家は多国と比較して輝きを失い、発展の術を見失ってしまいます。