土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

カテゴリ:高知のチョウ > 高知の迷蝶

先ずは葉っぱから
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これは何の木の葉っぱ? 普通は判らないと思うんですが・・・

この木の葉は激しく昆虫に食害されているのです。つまりこの樹に寄生する昆虫がいるのです。そしてその昆虫は本来、ここには定着していないとされる昆虫種なのですが、今までも一定の気象条件が整えば南西諸島から飛来して、この食樹が先に定着しているのを良いことに飛来地で限定的に世代交代するのです。
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この木の本来の葉形は上にあるものがそれ。つまりソテツなのです。

この様に隣同士の株や枝でも、この昆虫は何故か徹底的に集中食害を及ぼし、重大な危害を与えるのです。恐ろしいですね、そのやり方はもはや寄生ではなく宿主に対して天敵化しているといっても過言ではないのです。
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その犯人はこちら。自らの天敵に対する防御策として亜里を傭兵として手なずけています。本種に限らず同科の昆虫は、だいたいこの方法で身を守るのです。
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こちらは更に成長しまもな蛹化します。

蛹を探してみましたが、この日は見つけることができませんでした。
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でも羽化後の成虫なら、この木の周りにどっさり屯しています。小さい幼虫でもソテツの葉をこんなに変形させるほどの数がいるのですから。
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このシジミチョウは、クロマダラソテツシジミ。以前は迷鳥として珍しがられもしていましたが、近年では夏から秋にかけては見ない年の方が珍しく、ウスバキトンボのような存在になりつつあります。違うのはこれの場合、完全に害虫なのです。

昨年秋は、ソテツも植えてないわが家の庭でも見ました。今はまだ、いかなる成長ステージでも四国内では越冬できないとされていますが果たして・・・

住宅地にはソテツは無かった筈ですが・・・
10月の終わり、アゲハの幼虫も残り少なくなったわが家のポンカン樹に南方の迷い蝶が。
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迷蝶の中では、高知県の室戸方面では見られる年も少なくない小灰蝶(シジミチョウ)の仲間クロマダラソテツシジミです。
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ソテツの葉を食害する幼虫
今年も9月に室戸へ行った時には、広範囲のソテツの木の周りを飛んでいました。ところが10月になるといなくなっていたんで不思議には思っていました。室戸ではこれが見られた年にはソテツの葉を激しく食害し、無残な姿に変貌するんで蝶を見なくても存在には気付くのです。
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しかも食害が進行する以前、発生の初期段階でも、ソテツの葉に蟻がたくさん行き来していると、幼虫が存在すると考えるべきなのです。他のシジミチョウ同様に幼虫は蟻を従え、天敵防御をしているのです。
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種名に反映される程に、食草には煩いクロマダラソテツシジミなんですが羽化した後は、自由に様々な花に訪れ吸蜜します。
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秋も深まってくると、日光の当たる場所に出て翅を広げ熱を取り込みます。

元来、クロマダラソテツシジミは東南アジアに生息するシジミチョウ。1992年に沖縄本島で確認されて以来、生息域を広げ現在、沖縄では定着したと考えられています。ところが高知では未だ如何なる成長ステージでも越冬はできないとされていて、実際に早春の室戸でこの蝶を見た事は私はありません。
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つまりクロマダラソテツシジミは高知では迷蝶なのです。本個体は♂でした。香南市のわが家の庭で見た、初めての迷蝶です。新興住宅地の庭にソテツを植える事は非常に少なく、住宅地の近隣に点在する古民家の庭で世代交代してきたのでしょうか。何れにしても、今年は残り少ない高知での活動になると思われます。
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旧家の古民家の庭のソテツ

近くの古民家の庭のソテツを遠目に拝見すると確かにクロマダラソテツシジミの食害痕跡が。

さて、屋内でも今年はいまだにミヤマクワガタが活動しています。
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温度調整は施していませんが、餌は十分に与えていますから、自然状態では生きられない延命ではあります。後脚のフ節は両側ともに欠落してしまいましたが、摂餌は継続中なのです。

追記
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記事から3日後の10月29日の朝、寝室のカーテンを開けると窓傍のサイディングパネルに、私の遅い起床を笑うようにシジミチョウが待っていました。

といっても、相手も蝶ですから動かない以上起きているか寝ているかは定かではありませんが。
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よく見ると、それも迷蝶クロマダラソテツシジミだったのです。この個体、良く見ると左右一対の尾状突起が完璧で、右側が欠損していた3日前の個体とは明らかに違います。

迷蝶クロマダラソテツシジミわが家に複数いたことになるんですね。


初秋の室戸で迷蝶探し
台風接近の多い年に、敢て特別な発見を捜そうとするなら私の場合は迷蝶でしょうか。この日(8月29日)はその迷蝶を高知県東部の迷蝶の聖地と言える室戸岬へ捜しに行ってみました。
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迷蝶とは、本来その地域では四季を通じて生息できない蝶種が、台風など広域に影響を与える気象現象等によって風に乗って飛来。期間限定で偶発的に見られる蝶で、やがてはその地域で種をつなげず死に果ててしまう末路を辿る蝶種の事です。

高知で見られる迷蝶は現在南西諸島に生息している蝶種が多いのですが、そのルーツを更に遡って調べてみると半世紀前までは南西諸島でも当時は迷蝶だった種が少なくはないのです。偶然を必然に変えようとする蝶の逞しさは生半可ではありません。
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そして迷蝶と出会う確率を高めるためには、南の島々からの風の通り道にあたる地元のスポットを知っておかなければなりません。

そして室戸はそういう場所、豊かな海流の接岸点であるとともに、古代の海水が湧昇流として上昇してくる地点であり、台風の通り道であり、猛烈な風の吹き抜ける地域でもあるのです。
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ですから私は過去、室戸の照葉樹林で複数種の迷蝶を見まいた。

そんな迷蝶といわれる蝶種のなかで、最も遭遇機会が高いのが室戸岬の場合はこの蝶。
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クロマダラソテツシジミ
クロマダラソテツシジミです。私がこの蝶の存在を知って、毎年室戸へ見に行きだしてからは、秋になると見ない年より見る年が多いほどに普通にいます。でも高知でのクロマダラソテツシジミの分布識別は迷蝶なのです。
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室戸で見る夏のクロマダラソテツシジミ ♀
迷蝶は、一年複数化の蝶が多く幼虫食草が存在すれば夏に飛来した迷蝶は秋になると、普段存在しない蝶とは思えないほどに季節限定の世代交代を行い個体数を増やしています。でもそれが目の前に飛んで来ても、多くの人はそれが特別な事だとは気付きません。
クロマダラソテツシジミ♂









室戸で見る夏のクロマダラソテツシジミ ♂
真の危険な現象はこの様にして人の日常生活に接近し潜んでいるのではないかとも思ってしまいます、迷蝶が危険な生物という意味ではなく。
クロマダラソテツシジミ♀








室戸燈台の後ろにあるソテツにも
過去、迷蝶を見た環境が創り出す迷蝶が好む立地条件は、頭に叩き込んでいます。様々な想像をして、それを検証するために現地たる南西諸島へも行ってみました。
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室戸スカイラインの駐車場のソテツにも
でもこの日確認できた唯一の迷蝶はクロマダラシジミのみでした。そしてこの蝶は今まで見て来た場所以上に、より多くのソテツを食害していました。クロマダラソテツシジミはソテツに特化して寄生し甚大な被害を与える、人が害虫と認識している蝶なのです。

ですから、秋になって海沿いのソテツを見ただけでも、今年はクロマダラソテツシジミがいたんだなと気付く程なんですよ。
リュウゼツラン









そうそう、室戸スカイラインの駐車場には今年、数十年に一度しか開花しないリュウゼツラン属の一種が咲いていました。先日暴風雨が吹き荒れた中、花穂が折れずに残っています。
リュウゼツラン 実








これがリュウゼツランの結実。駐車場の下にはその実が多数落下しています。熱帯性のリュウゼツランの場合、花粉媒介はコウモリなんだとか。ここではどんな動物が花粉媒介したのでしょう。
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小笠原の父島には、リュウゼツランの群生する崖がありました。リュウゼツランの個体数が多い父島ではこの花は珍しくはないのです。
毎年、何れかの株のひとつが花穂を伸ばし開花するのですから。
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さて、そんな私にとっては迷蝶の聖地たる室戸岬なんですが、迷蝶のいる風光明媚な場所に行くと案内板が立っているんですよ。でも、そこに書かれているのは『恋人の聖地』なんですね。恋人たちには迷わず未来に向かって、まっすぐ進んでいってもらいたいものです。室戸の心地よい風はきっと背中を押してくれるはずです。

蝶よ花よと・・・
9月下旬になって里山ではシソ科ムラサキシキブ属の落葉低木、コムラサキの核果が名の如くお菓子のような紫色に色づいてきました。
コムラサキ











しかも、このコムラサキの木は普通お盆頃までに終了する花期をとうに過ぎた9月下旬になって、未だ花を咲かせています。
コムラサキ花











長さ3mmほどの花冠の上部は4裂し裂片は平開。雄しべ4個に雌しべ1個は花冠の外に派手に突き出るのです。
通常、この淡紅紫色の花を10〜20個つけるんですが、そこは季節的にも名残の花ですから可愛く咲いていたことを楽しませていただきました。

このコムラサキは庭木としても人気があるんですね。

今日のサブタイトルは蝶よ花よとばかりに自然の生命をこの上なく可愛がり、大切に育つことを願うものなのです。

コムラサキというからには、当然チョウにも登場願うわけですが、IMG_1599















蝶のコムラサキは、初夏から変わらず9月末になっても、河畔林ヤナギの樹液に来ています。
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高知の様な暖地ではコムラサキは年2化、ですから今活動しているコムラサキ成虫はフレッシュなんです。こちらのコムラサキは年に2回、命の花を咲かせるのです。

2年前、室戸岬の霊場第24番最御岬寺ほつみさきじ)でコムラサキの木に止まる亜熱帯からの迷蝶『』を初めてみたことを思い出しました。
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特別な気象現象によって亜熱帯から運ばれてきた迷蝶との組み合わせ。

実はムラサキシキブ属の木は、北海道から琉球列島を経て台湾まで分布しているのです。リュウキュウムラサキは、遠い高知でコムラサキの木に故郷を見たのかも。

宮古島で梅雨の晴れ間に蝶散策
今回の3泊4日の宮古島滞在中、フルに活動できる時間は6月19・20日の両日だけ。ですから、梅雨の季節にわざわざ訪れておいて天気はとても気になるところ。
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ところが到着日を除いた3日間、天候にはそれぞれ恵まれ楽しかったんですよ。ずっと大雨だったらどうしたかですって⁉ 全く考えていませんでした。
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ベニモンアゲハ
初めての宮古島だったんで、それなりにそれぞれのジャンルで目標を掲げ事前勉強はしていったんですが、自然相手ですから状況によっては成果を出せない事も覚悟していましたし、状況に応じて宮古を楽しむ強い気持ちもありました。
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特徴豊かな宮古島のジャコウアゲハ
そんな中で、限られた時間の割には宮古島の自然が育む沢山の蝶を、自然のままで見られたと満足はしているんです。
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先ず、アゲハチョウ科やシロチョウ科の蝶たちは、道路脇にたくさんあふれています。誘う花があればそれに群がる様子を観光客の皆さまも驚き見るくらいに。

思い入れ深い東平安名崎で出会った蝶たち

そして今回絶対見たいと思っていた蝶がタテハチョウ科『
アオタテハモドキ』。アオタテハモドキは昨年、迷蝶として相当数が高知県西部へ飛来し、冬まで限定の世代交代を果たした個体もあったようです。幼虫食草が多様なアオタテハモドキですから。それを高知で見る機会を逸した私はそれ以来、私の方からその故郷へ会いに行こうと決めていたのです。
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アオタテハモドキ メス
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私にはこの場へ産卵に来ているように見えました。
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タテハモドキ
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東平安名崎にはアオタテハモドキの名前由来の源、タテハモドキも飛んでいました。食草は本土にも見られるオギノツメで、タテハモドキも九州など発生例があるタテハチョウです。幼虫はヒオドシチョウの幼虫に似ているような。

探せばさらに多くのチョウ種も見つけられる筈なんですが、今日は宮古島の景勝地を出来るだけ多く巡る息子との予定なので、蝶も景色も名残惜しい気持ちで後ろ髪引かれ東平安名崎を離れました。そんな事にならない為に、僧侶のように短く髪を切ってきたのですが・・・
取材日6月19日

大野山林の蝶
翌日は6:00にホテルのバイキングで朝食を済ませ。午前中はたっぷり大野山林で過ごす予定を組んでいました。
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大野山林は宮古島の野鳥ホットスポット。本土から多くの野鳥ファンが訪れ、そこでは多くの人に会えて情報もいただける場所。こと野鳥に関しては、ここの情報は地元の人より詳しいので驚きました。宮古島まで野鳥オンリーで観察に来られる方々ですから、相当にあつかましい私でもなかなかベストポジヨンには入れないんですよ。
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ということで、必然的に蝶観察になるのです。ここでの手っ取り早い蝶観察のコツは野鳥と違い直ぐ飲み込めました、かなりハードルが低かったもので。
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他種多様な蝶が、日向と日陰の混在する場所で日本の侵略的外来種ワースト100に含まれ、同時に要注意外来生物に指定されている立泡雪栴檀草(タチアワユキセンダングサ)で吸蜜しています。実はこの外来草本、見本で最初に野生化が確認されたのは高知県だったのですよ。
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ツマムラサキマダラ オス
同じチョウ種でも、山林の中で撮影するより開けた明るい場所が撮影し易いのです、下手な私の場合特に。
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ツマムラサキマダラ メス
雌雄で翅表・前翅の紫光沢の強さが異なり、翅表・後の紋様も異なっています。
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ツマムラサキマダラは1990年以降は宮古島でも普通に見られるタテハチョウ科の蝶。それ以前は日本に生息していない迷蝶だったのです。幼虫食草も多様に対応するようですが、それらを食べ有毒化し多くのマダラチョウ族がそうであるように天敵防御するのです。
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リュウキュウアサギマダラ
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旅する蝶アサギマダラとは同じマダラチョウ亜科でも別属のリュウキュウマダラ属。これらマダラチョウ亜科はアサギマダラを除き南西諸島にしか分布していないのです。
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スジグロカバマダラ
スジグロカバマダラは、竹富島編で一度ご紹介したマダラチョウ亜科の蝶。宮古島以南の南西諸島に分布する本種に似た別属のカバマダラは高知で迷蝶として年によってはたくさん見ることが出来ます。
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リュウキュウムラサキ
リュウキュウムラサキも室戸市では迷蝶として見られます。翅を広げてくれませんが、摩耗した裏翅から覗けるコバルトブルーの色彩が実に美しい個体。
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オオゴマダラ
日本最大級の蝶、至るところ木陰の中でゆらゆらと飛んでいます。
ルリウラナミシジミ












ルリウラナミシジミ
オスの表面が
ルフォチョウ並みに日本産で最も輝くといわれている蝶、ルリウラナミシジミもいたんですよ。
取材日6月20日

南西諸島の蝶となると、ちょっと怪しい毒蝶が揃うマダラチョウたちに心奪われてしまうんですね。


明日は宮古島の蜻蛉です。

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