土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

カテゴリ: 高知の料理

飲食店の品揃え
ある家庭内行事を終えた後、長男と二人この日は長い時間を共有できたので、互いに好きな魚料理を食べに行きました。
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ここは自宅近くにある、地の創作料理を提供してきださる『まんぷく亭』個店の居酒屋さんです。この日は週末の平日で、予約も多くぶらっと行った私たちは直ぐには入れませんでした。そこで二時間後の閉店一時間前に再び伺ったのです。
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私達家族はもう何年もこちらを気軽に利用させていただいています。長男と私は魚料理は特に刺身が大好き。他の家族は生食が苦手ですが、こちらへは良く来ます。

それは生以外の魚料理も豊富で、肉や野菜料理も数多く品揃えされているんです。しかもそれには旬を感じ、鮮度も素晴らしいのです。それがフランチャイズ店に無い個店の魅力。品揃えは食材の多さよりも一食材を追求する引き出しの多さ。家庭でも薄れつつある、地域に根差す地産地消の伝承がしっかりと感じられる昭和生まれの私にとってのほっとする場所、それが個店居酒屋『まんぷく亭』さんの立ち位置なのです。

この日の刺身は、カツオ、アジ、ビンナガ、ハマチで盛り合わせされていました。
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その鮮度はいつ来ても驚くべき状態に維持管理されていて閉店近くに伺っても凄いんです。この鰹の血合いの色。自身が岸近くに接近したカツオを狙って釣りに行って家族に振舞った時のカツオの色そのものです。
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この日、カツオ以上にいちばん脂ののっていた魚はアジ。ぱっと見、この脂ののりはムロアジかとも思ったのですが、しっかりとした身質は同属のアオアジ以上、伺うとアジといっていましたからその繊維質豊かな身質から判断しても大型のマアジの様です。食感とトロ味感が両立した物凄い味わいでした。

ビンナガとハマチは鮮度を味わい愛でる季節、その造り手の想いは充分に伝わりあっさりとした中に、地物の美味しさが潜んでいます。

今の季節、海は未だに夏。この季節、天然もののブリは特に高知の場合、大型は不味。ところが2㎏前後の未成魚は、身が柔らかく甘みがあり鮮度が良ければ結構旨いことを、魚好きの釣り人は知っているのです。

さらにそれには酢味噌がかけられていました。その酢味噌、冬場ならニンニク葉を使うのが高知の流儀なんですが、夏場は香味野菜に何を刻んで工夫しているのか・・・勿論伺っても教えてもらえる訳はありません。でもじっくり見て、味わえば想像は出来ますし家庭好みの味も出せそうな気はします。
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素人ではより難しいのがハモ料理。この日は梅肉を大葉で包んでハモ肉を巻いた天ぷらを注文。
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わが家の家庭料理なら、同じ夏旬魚でもキスでこれを作ります。

勿論、ハモもキスも高知では共に地産の食材です。
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そして簡単さで比較すれば骨切りしたハモは今やスーパーの鮮魚コーナーでも見ます。家庭では食材選び以前に、天ぷらもレンジでチンの時代なのです。システムキッチン自体がそういう造りで、料理で大いに汚れる前提にはないというか・・・そこまでして食べる満足が失われ、結局飲食店に行ってもいつしかその美味しさを追求する心根自体が薄れている様です。

昔は結婚する前に女性の料理の腕前を随分と参考にしたんですが、今は結婚自体も億劫?かく言う私も食べる事の喜びの追求よりも、食べる事をセーブしながら未来を少しでも長くする選択を主治医に梅肉和えのように口酸っぱく言われています。

何事にもバランスよく生きる事の難しさを噛みしめながら生きていく選択が賢いようで・・・

久々の活魚家庭調理
クロホシフエダイ刺身










クロホシフエダイ活魚のお造り
自身で釣りが出来ていた頃にはよく食べた『クロホシフエダイ』。
クロホシフエダイ










クロホシフエダイ成魚(上)】

ところが、沖釣りをしなくなってからは全く食す機会のなくなった魚です。
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クロホシフエダイは水揚げ量自体は多くないものの上等魚として認識される白身魚。沖釣り遊漁者でも、タイ釣りの外道として釣れるフエダイ科の魚なのです。

一様に外道といっても、普通の外道の様に連れてガッカリする魚でもなければ、そのまま海中へお引き取りいただく魚でもなく、適宜な船上処理処理を施し持ち帰るべき魚です、上等魚ですから。釣り魚としても小気味よい引き味が楽しめ、運が良ければ50cm程の成魚が手に入るのです。

そう、この魚の食材価値は特に身質の優れる成魚に偏ってくるのです。
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クロホシフエダイ幼魚
ですから、湾内や汽水域にも侵入する幼魚を食すことはありません。特に秋には簡単に釣れて、餌付きも容易なそれを飼育する事はありますが・・・

クロホシフエダイには近似種が複数種存在します。中には特徴が酷似している種も存在。飼育によってそれぞれの特徴を確かめてみるのもいかがでしょう。
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クロホシフエダイに酷似するニセクロホシフエダイの若魚(下)

クロホシフエダイは成長に伴い、顔の側から徐々に赤味がかってきます。でも、この若魚も普通は食べません。全体が赤くなる成魚を食すのです。
クロホシフエダイとニセクロホシフエダイ









四万十川学遊館で生体展示されていた二種
2019年秋、幡多路を旅した時、四万十市トンボ自然公園内の四万十川学遊館でクロホシフエダイ(右下)とニセクロホシフエダイ(右上)の若魚が共に生体展示されていました。
四万十川学遊館











四万十川学遊館は四万十川に生息する数多くの生物を生体展示する個性豊かな水族館です。

ところが、釣ったら喜んで食べるクロホシフエダイも、購入してまで食べる事は私の場合ありませんでした。それはクロホシフエダイには如何にしても叶わない同じ旬期のフエダイ属が存在するのです。それがこの上側にいるフエダイ。判り難いので別画像を構えました。
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フエダイ
フエダイは側線上にある紋付きともたとえられる左右一対の斑点が白星、クロホシフエダイか名の如く黒星で、成長するにつれ、また鮮度によってもその斑点は不明瞭化してくるのです。それらは白身魚といっても、狭い海域には留まらない回遊性を持ち、特に白星斑のあるフエダイは南国情緒豊かな深く豊潤なうま味と硬くも柔らかくもない絶妙な食感が味わえる上等を凌駕する極上魚なのです。

鮮魚状態の身質でありながら熟成を感じさせる手品のような不思議な白身魚なんです。そんな卓越した食材評価を持つ魚が同時期に存在することが、黒星斑の食材価値をくすんだ存在に追いやってしまうのです。

漁獲の難易度は同等であっても、非常に食材価値の高い白星斑は夏の一時期、より狭い海域に集結するのでそれを狙うのです。そして、その限られた海域のひとつが室戸岬周りなのです。
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活魚流通されるフエダイ
しかも漁獲される白星斑のフエダイは、高値で取引されるので季節限定で漁をする専門の漁師さんは、より高品質な鮮度維持を安定させるために活魚で流通させブランド力を高め更なる価値創出に努めるのです。
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フエダイは、少々大きさがばらけても高次元に美味しいのですが1キロ以上、特に2kg級の個体は希少価値の高い特別な高級魚として、その価値を十分に発揮できる都市圏の専門店へと流通される、今尚ぶれる事のない旬を持つ歴史と伝統を守る料亭などの高級飲食店の商材とし高く認識され、まだまだ価値の高まるべき素晴らしい魚なのです。
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一方で黒星斑のクロホシフエダイは、家庭でも手ごろに使いやすいプチ高級魚感覚を楽しめる食材と言えます。今日はそんなクロホシフエダイがフエダイに混ざって活魚で室戸の室津漁港に水揚げされていたんで、偶々そこにおられた顔見知りの浦戸屋さんにお願いして買い付けしていただきました。
クロホシフエダイおろし








これが活クロホシフエダイを下したところ。産卵迄少し間のある卵巣があることからも、この個体はメス成魚。価格は1㎏程の個体で2000円ほどかかりました。ちなみにフエダイだと、産地の浜値で3000円以上でしょうね。

これを使って、
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クロホシフエダイの刺身
お造りは片身を湯引きに! 皮目に潜んだ甘味をうま味として味わいます。

活魚を柵取りし、半日寝かせることで、しっとりとしたシズル感か出てきます。
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クロホシフエダイ カマの塩焼き
最も脂が乗って、繊細な動きを司る筋肉の発達した部分を塩焼きにします。
この部分はコラーゲンも豊富。身の締まりと相まったプリプリ感は特別な食感を演出してくれます。その特徴が最も引き立つのが次の料理、
クロホシフエダイあら煮








クロホシフエダイのあら煮
あら煮です。

何れにしてもフエダイ属の魚種は皮目を生かした調理をする事が寛容です。
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皮目の加熱調理は、脂ののり具合で判断します。
今回のクロホシフエダイの場合は、強火で焼き切るよりも熱湯で締める湯引きが美味しさを引き立たせます。

皮目はそれほど厚くないので湯引きで十分柔らかくなるのです。

このこだわりでこの価格は間違いなくお値打ち
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旬の海の幸を味わいに、室戸市室津の料亭花月』さんへ息子と行って来ました。

ここ花月さんの創業は大正14年。私の母の生まれた時とほぼ同じ大正時代末期。日本の良き時代も大変だった時代も知っている、伝統ある店舗なのです。

私が生まれた昭和中期からは、マグロの遠洋漁業の基地として栄えた室戸。館内へ入るとそんな様々な時代の記録から、現在のスーパーアイドルと言われる若者なら誰もが知っている有名人(だそうです。息子が言っていました)人々の色紙まで、室戸の歴史を感じる資料が所せましと並び、同じ土佐の地で代々生きてきたものとしても感慨にふける館内の造りになっています。

更に日本に留まらず海外の大洋に分布する、美しく彩色された標本額は世界の海の食材を知る室戸の民の証なのでしょうか。室戸の町では鮮魚店を始め、様々な場所で目にする多種多様な魚介類の標本額なのです。

多分、古民家といわれる多くのお家にもそれは飾られているのでしょう。
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私たちが利用させていただいたのは、夏休みが終わったばかりの月曜日。ですから室戸へ行ってから当日の一時間前に予約を入れて入ることができたんですが、土・日なら季節に関係なく前もって予約を入れておくべきだと思います。
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そうしておくと、歴史ある室津内港の落ち着いた漁師町の佇まいをのんびりと眺めながら・・・

2階の部屋から広がるその眺望。この日は好天で、お昼近くになると未明に降ったスコールの様な激しい雨と残暑の影響で、陽光下ではすぐに汗ばむ陽気。ところが広々とした開放的な部屋の中は別世界の快適さなのです。

その館外との差に違和感が生まれるのは、眺望の優れる部屋が広く硝子窓によって遮断されているのに、それを感じさせない程にガラスが磨き清められているのです。施設の掃除が心を込めて行き届き、古きよきものを輝かせているのです。

自身が見てもらいたいものの全てを言葉にするのではなく、私たち来店者の感性にもさりげなく訴え、心地よく記憶に包み込まれる得も言われぬ温かさを演出する素晴らしい施設です。
これは地域に根付いて、時代の流行では廃れることのない銘店の共通点でもあります。

今風に言えばバリアフリーではない館内ですが、初めて利用させていただいても人と人との心が通じ合えるストレスフリーの非日常が感じられる不思議な空間が創り出されているのです。

そして料理もまた・・・
トコブシの刺身









産地で長年培ってこられた調理法を駆使した季節の魚介類が、こころゆくまで存分に味わえるのです。

先ずはこの『トコブシの刺身』‼ 高知では流れ子と呼ばれるトコブシは、浅海の岩礁地帯で岩にへばり付いて海藻や海苔を食すアワビに近似の巻貝。
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鮮度は活状態で、生食での食感は特に絶妙で過度に硬くなく、決して柔らかくもないすばらしい物。しかも甘みも強いのです。室戸へ来ると活トコブシを年に何度かは購入し、刺身海鮮バーベキューで楽しみますが、この料亭の味わいには到底到達しません。

この日は9月2日でしたから、8月末で禁漁となったトコブシを生け簀で生かしておいたものなんです。わが家で料る場合と、包丁の入れ方が違うのか、季節が微妙に異なっていたのか、トコブシ用に特別に構えた大アワビの殻を模した実に素敵な器が余韻を増幅させるのか、窓からの産地の風景が余計にそう思わせるのか。とにかく別次元に美味しく、この一皿だけで既に大満足です。

しかも、草食性で本来はもっと苦みのあるワタが実にクリーミー。ここにも包丁を入れ本来の形状を崩しているので何らかの細工をしているのは間違いないところです、参りました。

このトコブシの刺身に大満足した後、
室戸料亭 花月 キンメ丼









息子が注文したのは『室戸キンメ丼』。

確か、通常の1,5倍増量したメニューだった様な。香ばしい9貫のキンメ照り焼きと、皮目のうま味を味わえる表面だけ加熱した3貫。
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更にクロマグロの若魚ヨコワと、天然のカンパチ、ハガツオが2切れづつ刺身で盛られているのです。

これを先ず海鮮丼式にタレで味わった後、
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適度に残したキンメとご飯に、キンメを知り尽くした産地の料亭仕込み、特性だし汁を掛け、山葵を利かした出汁茶漬けで〆るのです。

様々な鮮魚や魚種に合わせ特別な調理を施した丼物を茶漬けで楽しむ風習は数多くありますが、キンメのそれも素晴らしいものでした。なんと豪勢でしかも洗練された、料亭仕込みの室戸キンメ丼なんでしょう。
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出汁が十分な量、提供されているので私も椀に振り分けて食べさせてもらいました。素材の旨さを前面に生かした、実に料亭らしい奥深い出し汁の味わいでした。照り焼きの風味が実によく引き立ちます。

一方、私の注文した品は
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海鮮丼、キンメダイの他、ホッコクアカエビ、鰹塩たたき、天然カンパチ、ヨコワ、本ムツが所狭しと配せられています。
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海の幸に口の肥えた高知県人が食しても間違いなく満足する海の幸の組み合わせ。わざわざお昼ご飯だけを頂きに来る価値が見つけられるはずです。
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吸い椀の具は何れの丼もキンメダイのアラ。上品で透明な地が実に味わい深く美味しいのです。しっかりとした下拵えの賜物です。

なかなか独りでは立ち寄り難い感じもするのですが、室戸へ誰かと来たときには一度と言わず立ち寄るべき場所です。

冬にはぜひここで鍋を食べてみたくなった、初夏の花月さんのお料理でした。

AM11:00開店時間とともに来店。12:30分に席を立ったのですが、店舗の通りにでは花月さんに来る多くのお客さんとすれ違いました。予約して早めに入って正解でした。

取材日9月2日

室戸の漁港回りと旬の食材を料亭で味わう
この秋、自宅近くの手結漁港で大型のキハダマグロが水揚げされているのに刺激を受け、更なる大物魚が水揚げされる、室戸の漁港回りに長男を誘い漁港回りを行いました。
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秋には型の良いカマスが釣れる三津漁港
高岡・三津・椎名・佐喜浜の4漁港を順番に訪れ、初秋の漁獲物を見て回るのです。
カマスのフライ











ところで、魚にうるさい室戸の民が目の色を変えて早朝から狙うカマス。今の季節ならフライが旨いです。身もソフトなカマスの小骨はアジよりずっと柔らかく食感を損なうこともありません。

私も室戸は4ケ月ぶりですが長男は多分4・5年ぶり。ですから、半日の行程でより多くの体験ができる様にと、実際に陸から見える大敷網漁の遠望と、その水揚げ時間に併せ自宅をAM5:00に出ました。
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佐喜浜漁港
この日、椎名沖の大敷にはジンベイザメが入っていたと聞いたんですが、沖でそのまま飼い付けしているのか? 当然のことながらその姿を漁港で拝むことは出来ません。というか、シイラ以外の大型回遊魚は4漁港とも全く水揚げがなく、サバ、アジ、メジカ新子といった魚種が主流なのです。
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そんな中で唯一、佐喜浜漁港では釣り物の高級魚がいつもの様に水揚げされていました。
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それは2キロ近い大型シロアマダイや6キロ近い特大ムツといった高価な魚種。
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さらにこの日は、やや小ぶりながら高知では滅多にお目にかかることの出来ないホタと呼ばれるアラが水揚げされていました。
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アラ成魚の身 味は絶品!
佐喜浜漁港のそれら高級釣り物は、より高値が付く大都市圏に流通するシステムが構築されているのです。
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そこで、極上の釣り魚を購入するのは室津にある浦戸屋さんに頼んで仕入れしてもらうのですが、今日は予約しなかったので、それに準じる魚が午前中はなかったのです。
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そこで直ぐ近くの室津漁港に行ってみると、特大のキンメダイや旬のフエダイ活魚が水揚げされてきます。

そこへ浦戸屋さんの大将が来られたので、フエダイの買い付けをお願いしたんですが・・・
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ところがこんなにどっさり泳いでいるフエダイは全て予約があって既に購入主が決まっていたので、飼い主の決まっていないクロホシフエダイの予約をお願いしました。

フエダイはどう料理しても美味しい魚。只今、旬真っ只中の高級魚なのです。大枚をはたいても食べそびれたくない食通が数多い様です。わが家は今夜クロホシフエダイなんですけどね。
室戸廃校水族館






漁港回りの他、この日は久々にむろと廃校水族館に行き、
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室戸の料亭『花月』さんで名物料理を存分に楽しませていただきました。
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長男と二人、秋の室戸を堪能して至福のひと時を過ごせました。

取材日9月2日

安田川の鮎に物部のモクズガニ
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特別な鮎雑炊
今日はとっておきの鮎雑炊、わが家バージョンのご紹介です。鮎は高知県東部で味が評判というか太鼓判の安田川の天然鮎を使用します。
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安田川の天然鮎
ダムの無い河川の安田川は、昔と変わらぬ清澄した流水をたたえ、水中の岩石には常に新鮮で上質な川苔が繁茂する水質が保たれています。
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この鮎はそんな特別な河川の天然鮎。しかも最も上質な鮎の漁獲法と言われる友釣りで釣り上げた特別の中の特別な天然鮎なのです。
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ですから、そんな特別な鮎の川の香りを大切に、鮮度を保ったまま絶対に腹が割れない様に、先ずは塩焼きにするのです。皮目はこんがりと色付き、中の身がふっくらという塩梅になるように。
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そしてそれを雑炊の具種にするのですが、この雑炊の場合、主種がこの天然鮎だけに留まっていないのです。何も鮎だけをメインにするなら9月まで待つ必要は全くないのですから。
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この雑炊の出汁は、9月の声を聴くとグッと旨みが増す高知でツガニと呼ばれるモクズガニの出汁を使うのです。それに茄子琉球を入れ味を調えるのですね。
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高知でツガニと呼ばれるモクズガニの漁期は河川によっても異なりますが早いところでは8月1日に開きます。でも、モクズガニがまったりと芳醇な深い味わいを呈するのは9月に入ってからなのです。

河川に濁りが出ると成立し難い漁も多々あるのですが、モクズガニの籠漁は濁りがある方が条件が良いのです。ツガニの警戒心が薄れますから。
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モクズガニの蟹雑炊
これに別途、さっと塩煮したモクズガニを加え、ひと煮立ちさせると、モクズガニの蟹雑炊なんですが、
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鮎ツガニ雑炊
河川の香漂う天然焼き鮎を加えて仕上げるこの雑炊、名付けて『鮎ツガニ雑炊』とでも言うべきでしょうか。

鮎ツガニ雑炊のお味は、妥協を許さない男の家庭雑炊といった感じ。心地よい苦みと芳醇な旨みのコラボレーション。極上の香り漂う川の幸二重奏なのです。

あまりにも美味しすぎて、癖になる味で痛風を患ってしまいそうです。良薬も量を間違うと毒に転じるの如くに。
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高知の豊かな自然が育む食材のアレンジ方法は無限。この初秋、先ずはじっくりと一風変わった鮎雑炊を楽しみました。

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