土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

カテゴリ: 高知のトンボ

初秋の奥山を散策
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9月最初の日曜日、午後からは雨の天気予報は見事にハズレ。秋空の昼下がり、秋を感じに奥山を散策してきました。

最大の目的は、一ケ月後には赤く染まって里に現れる、秋の赤とんぼに会いに、奥山に足を運んだのです。
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ヤンマ型止りのオニヤンマとトンボ型止りのネキトンボ。ネキトンボは早生早熟性のアカネ属赤とんぼ。晩夏には既に止水域に出現し産卵行動に入っています。
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車道から山椒の自生する小径へ入ると、そこに毎年いるのがアカネ属ヒメアカネ
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ヒメアカネはアカネ属の中では中生種、既に性成熟している個体も見られます。
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このヒメアカネ、同属の中で非常に似た種類が多いのです。ですから、初めての地では細部まで特徴を凝視しなければなりませんが、ここはヒメアカネのフィールドなのです。
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一方でこの林道はクルマトンボの異名を持つアカネ属ミヤマアカネのフィールド。辻が一つ違うだけの林道で二種のアカネ属が明らかな棲み分けをしている、驚くべき不思議があるのです。両道の距離は50mも離れていないのですから。
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ミヤマアカネは晩生成熟のアカネ属なのです。

まもなくアカネ属トンボが待ちわびた秋がやってきます。

最高気温34℃にも負けず
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蜻蛉の逆立ちは暑い日の証拠
そんな猛暑日も寸前の炎天下で屋外取材を敢行してきました。陸上では未だ台風10号の影響もまだ少ない8月12日の事です。
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近くまで来ても、いつ以来だったか記憶がなかったので調べて見ると、去年の秋からずっとご無沙汰だった北川村モネの庭マルモッタン
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私が来た8月12日11:00の気温は既に外気温33℃。それなのに、多くのお客様が入場されていました。さすがにこの時期、大型バスの団体は少ない様ですが、県外のお客様が大半、この日はアジア圏のお客様も多く入場されていました。
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この日の最高気温は猛暑日一歩手前の34℃の予想。でも遥か沖合の台風の影響も少し現れてきたのか適度な風がやむことなく渡っていきます。夏台風の風だと蒸し暑そうに思うでしょうが、森の木立の中を通てくる風は思いのほか涼しく心地よいのです。
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さてモネの庭、夏の見どころといえば水の庭の熱帯スイレン。4月、藤棚のフジの花と呼応するように咲き始める水面の温帯スイレンとは別に、遅れて6月下旬に咲き始めるのが熱帯スイレンです。
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8月はその熱帯スイレンの盛期なのですが、入り口インフォメーションの8月一押しは幸福のブルービーことルリモンハナバチ。実際には、日本にはルービーは日本に複数種存在するんですが、このルリモンハナバチが一番人気、つまり幸福への御利益が多いと思われているようです。最も毛深く花粉を運びそうなところが、縁つなぎを思わせるのでしょうか。
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そしてそんなルリモンハナバチの個体数は毎年増加しているように感じます。

ですから今の季節、モネの庭には幸せを繋ぐブルービーに肖って若いカップルが年々増えているように見えます。因みに私の場合、ここへ30回以上来ても妻と来たのは二度。一度は家族総出で、もう一度は二人できたのですが、その一度も妻のたっての希望によって園内では時間を決めて自由行動。積んできて積んで帰っただけです。

さて、そのルリモンハナバチなんですが、モネの庭ではオミナエシが咲く頃に訪れると先ず空振りはありません。ここではそれだけ個体数が多いのです。
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この日もルリモンハナバチはミゾハギナガバミズアオイ等、複数の花に誘われていました。モネの庭には労働寄生という特殊な生活環を持つハナバチを育む生態系が見事に確立、毎年変わらず維持され続けているのです。
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全身が瑠璃色の光沢に輝くハバチ
この日は、青色というより全身が瑠璃色のハバチ、ルリチュウレンジが桜の葉で休んでいました。
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そしてこの季節、ルモンハナバチの撮影に最も適した場所は花の庭の噴水池の傍ら。ここに咲くオミナエシに止まるルリモンハナバチが最も撮影し易いのです。その分、人も多いんですけどね。
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気が向いたら丸い噴水池も覗いてみてください。ここには周りの水辺から飛来してきた現在では希少な昆虫、複数のゲンゴロウ類が多数泳いでいます。
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無機質に見えるこの池にこれだけのゲンゴロウがいれば、水の庭のスイレン池にはさぞかし多くのゲンゴロウが潜んでいるのでしょうね。
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実に生態系豊かなモネの庭であることを来るたびに実感します。

源流域に棲み付いた蜻蜓水蠆(ヤンマヤゴ)の正体
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里山沢谷の源流域
妻の管理する里山、水脈が地上に染み出る湧水が滴り落ちて集まった溜水に大小様々な蜻蜓(ヤンマ)のヤゴが棲み付いているんだとか。生き物の幼虫期の同定は成虫期以上に難しく、なかなか正確に識別できるものではありません。

勿論この里山の主たる妻にも。
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ヤゴの存在には湧水が落ち込む水溜まりの清水に沈んだ落ち葉を掃除していて気付いたそうです。

それはこんな常時湧水が流れ込む水溜まりの落ち葉や底泥の中に潜んでいるということなんですね。
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実に神秘的な里山の水域。生息場所が湧水域の事だけに気持ちも湧々(ワクワク)してきました。オヤジになって益々連発する迷惑ギャグと、オヤジになっても捨てきれない童心が鮮やかに蘇ってくるのです。

まさに妻の里山は、オヤジ亭主にとってもワンダーランドなのです。

先ずは童心に立ち返り、目をつぶってこの場所で産卵するヤンマの姿に心を馳せてみるのです。
ミルンヤンマ産卵










沢の源流域で産卵するミルンヤンマ
沢を伝い、その源流域にまで来て産卵する
蜻蜓といえば、よく見てきたのはミルンヤンマ
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でも、私の知るミルンヤンマの産卵水域の流水はもう少し急だったようにも記憶しているのです。その水系とはこういった場所だったのですから。

そして、山の上の拓けた平地にある畑に設置した雨水の貯水槽では、毎年クロズジギンヤンマが産卵し世代交代を繰り返しているのですが、ここはギンヤンマ類の産卵環境ではないのです。

実はこの里山環境を整備して、あるヤンマをここに引き入れる事が出来ればと昨年から夢を抱いています。
カトリヤンマ






日中は雑木林で翅を休めるカトリヤンマ
それがこの黄昏性を持つカトリヤンマ。夏にここの近くのクヌギ林で甲虫の活動を観察していた時に見て以来、もう5年間もカトリヤンマと私の心の時計は止まったまま。

最後にその姿を目の当たりにした時の環境に、妻が手を入れる様になってこの里山のイメージが似てきたのです。しかしカトリヤンマの主たる産卵場所は沢の源流部ではなく、昔ながらの佇まいが維持された水田環境なのです。

ですからここのヤゴはカトリヤンマでもないのです。
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そんな想像を独り楽しんでいると、妻が来てゴチャゴチャ考える前に、現物を見ればいいといって、ヤゴを探してくれました。まるで、真冬のここでノコギリクワガタの成虫を掘り出した時のように。
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妻は竹を割った様なというか、竹を割るのが大好きな性格。実際、ここは一昨年前までは竹林で妻がそれを開墾して整備した沢なのです。
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そしてすぐに見つけ出したのがこのヤゴ。妻が言うには何種類かいるヤゴの中でこれが小さい部類だというんです。
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小さいといっても2cm近くはありそうな屈強なヤゴ。泥まみれでもあり、綺麗であっても私には種類も定かには語れませんが、成長段階でいえば中期のオニヤンマのヤゴに見えます。

そして今日はこれでお終いと一方的に打ち切られてしまいました。今日の午後から明日にかけては100%豪雨という予報だったからです。

この後は帰宅して、再び想像を膨らませ楽しみの続きを彩ってみたのですが、妻が見た巨大なヤゴは4cmを軽く超え腹部が長い種類が生息しているんだとか。でもそれが果たして別種なのか、はたまたオニヤンマの終齢ヤゴなのか・・・夢の続きは楽しみにとっておきます。


令和元年初夏初めての沢
今年の初夏は季節の蜻蛉を見に行くことを忘れていました。私の季節の愉しみ方は、その季節、最も輝いて私の心に染み入る場所を自らの足で探し行ってみる事。それとともに、出来ればその輝く季節の裏側がどのようにして、そのクライマックスに導かれていくのかを自身の感性で感じてみたいと思っています。

当然新しい発見を求めて初めての場所へも行ってみたいのですが、一年を通じて行くことが出来るいつもの近場も、定期的に数多く訪れようと思っています。そして景色や風景は生を感じてこそ輝くものだと思っています。
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例えば初夏の沢での輝く生は、昆虫の中での高次消費者たる蜻蛉。その蜻蛉の中での捕食者次列を沢という環境で制限を設け観ることが興味深いのです。といっても、沢蜻蛉の全てを見ることではなく、それ以上上流のない場所で生まれ育ち次世代へ移行していく蜻蛉たちの生活環の見えない部分は想像しながら、最も輝いている季節の中での活動を観て楽しんでいるのです。

ですから、源流部直下のこの沢はとっても魅力的で、季節に輝く場所のひとつでもあります。これより先を産卵域とする蜻蛉は非常に限られてきます。

そんな沢の初夏蜻蛉といえばやはり早苗蜻蛉たちでしょうか。この沢では初夏には二種類の早苗蜻蛉が活動し、その二種間でも食物連鎖の次列階が確立しているのです。
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ダビドサナエ
初夏に限ってこの沢の早苗蜻蛉に限って言うと、下位がダビドザナエで上位がヤマサナエ。そのほかに、少数のヤマサナエに酷似したキイロサナエも現れます。
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ヤマサナエ
そして、この沢のキイロサナエ⁈には不思議な紋の個体もいるのです。そして季節が進み6月になると早苗蜻蛉類では頂点に立つ捕食者、コオニヤンマも現れます。
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キイロサナエ⁈】
初夏は、ヤマサナエ以上の捕食能力を持つ蜻蛉は多くはありませんが、偶にこの沢に飛んで来る、早苗蜻蛉ではないクロスジギンヤンマコヤマトンボが数少ない上位捕食者。
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ヤマサナエに捕食されるダビドサナエ
オニヤンマが現れるのはまだ先の季節で、同時に現れるコシボソヤンマ黄昏ヤンマ。季節ではなく、活動時間帯を分けることで競合を避けるのです。
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コガネグモに捕食されたヤマサナエ
今年もなんとかこの沢で、令和元年初夏の沢蜻蛉の活動を見ることができました。
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初夏の沢に来たコヤマトンボ

またひとつ里山で季節が進みました
前日の冷たい雨が上がって、今日はまた初夏の様な陽より。といっても今春は何故か深刻な渇水に見舞われて、節水を余儀なくされている香南市ですから、もっと降水量を稼ぎたかったところではあるのですが。
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といっても、これ以上ない春の好天であることには変わりなく、妻の里山で春の季節感を満喫しながら歩行リハビリを済ませベンチに座って雲一つない青空を見上げると、一頭のが蜻蜓ヤンマ)上空を飛び回っていました。

蜻蜓(ヤンマ)を代表するオニヤンマは、三秋(サンシュウ)7・8・9月の季語。先取の傾向の強い日本人的には秋の季語なんですが、実際には夏の方がピンと来ます。前置き無しなら、この画像の太陽は灼熱、それを昂揚するかの如くによく見ると、太陽の右斜め上に蜻蜓が映り込んでいるのです。
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同じ画像でその部分をトリミングしたのがこちら。

黒地に黄色の縞模様、胸と胴の間が窄まった典型的なヤンマスタイルの蜻蜓です。

でも、この蜻蜓は鬼蜻蜓オニヤンマではありません。この辺りの地理的条件、発生時期、容姿を複合的に考えると更紗蜻蜓サラサヤンマであるように思います。
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桜樹(ソメイヨシノ)の下、昨日の降雨で潤った雨水溜槽からも、早生の蜻蜓クロスジギンヤンマが今まさに羽化しようとしていました。
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南国高知は春へとまっしぐら、そんな気持ちにさせる雨上がりの一日でした。

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