土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

カテゴリ: 高知のトンボ

深山を散策
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台風10号が九州の西海岸を通過した2日後。この日は朝から全国的に大気の状態が不安定となり、曇りや雨の地域が多かったのですが、香南市は雨にはならず、秋の空気感が漂っていました。

その心地よい陽気に誘われ、この日は香南市では未だ平野部まで降りてこない秋の代名詞のひとつアカネ属赤とんぼを深山の森に見に行きました。
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ここは標高400mちょっと。香南市と香美市の境界線にある秋葉山秋葉神社の東ハイキングコースから香我美・夜須方面が望める場所。

香我美町上分の陸上自衛隊第50普通科連隊駐屯基地手結の浜、その向こうには土佐湾が広がっています。
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香南市では梅雨明けに呼応して羽化が始まるミヤマアカネ
初夏に水田の稲茎水田脇の水路の水生植物に捉まり羽化したアカネ属の赤とんぼ達は夏の間、涼しい近隣の山上の林中や林縁で2~3ケ月暮らし、ゆっくりと性成熟していくのです。

例年と比較して、梅雨明けが非常に遅れた今年。いつもよりちょっと足を延ばして深山の入口まで来てみたのです、ミヤマアカネの成熟度を確かめに。
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ミヤマアカネ♀】
ここが毎年ミヤマアカネの避暑地になっているのは知っています。毎年、9月に入ると山椒を取りに来ますから。

そして毎年、ミヤマアカネは探すまでもなくどっさりいます。この日、最初に現れたのは♀。♀は♂のように赤く発色はしません。暗に赤とんぼとは♂の事を指しているのです。
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そんなミヤマアカネの♂でこの日最も赤く発色していたのがこの個体。赤く見えても未だ発色途上。つまり性成熟とじょうなのです。

では完全に性成熟したミヤマアカネの雌雄の発色は・・・
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10月中旬 産卵期を迎えたミヤマアカネ
♂はより赤く、♀はより深みがかった茶色になるのです。
四翅の縁紋もまた体色と同色化します。
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最も美しい赤とんぼ
最も美しい赤とんぼと讃えられるのもこのミヤマアカネの♂。

でもミヤマアカネがそういわれるのは止まっている時ではありません。
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四翅を震わせ飛んでいる姿なのです。特徴的な翅紋が、車輪がくるくると回っている様に見えるのです。ですからミヤマアカネは車蜻蛉ともいわれるんですよ。
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林縁で、更に赤く発色したアカネ属を見つけました。

昆虫は総じて羽化後には激しい消耗を余儀なくされます。
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そんななか羽化後の性成熟期間でどんどん逞しさを増すといわれるアカネ属、なかでもナツアカネアキアカネは産卵期に向かい実際に体重が増加すると聞いたことがあります。

里の田圃の中生米が稲穂を垂れる季節になると一斉に山を下りてくるナツアカネ。
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9月末に産卵期うぃ迎えたナツアカネ
ナツアカネは稲刈りが始まる直前に里におりて産卵を始めるのです。

ナツアカネの産卵が終わり、
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10月がピークとなるアキアカネの産卵
すっかり稲刈りが終わった後、ナツアカネと同じ田んぼで、今度はアキアカネが産卵します。

稲の状態が違う時期に産卵を分かち合う両種は、それぞれ独自の産卵方法を確立することで、争うことなく同じ場所での棲み分けを図っているのです。ある意味、人間より賢明なんですね。

最後に深山の秋の恵みについて少し、
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9月に入ると山椒が実を成し始めます。
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今は山椒の花と果実が混在する季節なんですね。
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毎秋、そんな山の恵みを少しだけ頂戴して、自宅で旬魚の山椒煮を作ります。
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秋鯖・白甘鯛 山椒煮
和のスパイス山椒、夏の味わい鰻の蒲焼にも付き物の山椒なんですが、個人的にはこちらの方がずっと合口、私が育った家庭の秋味なのです。
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互いに熟した色なんです
羽根を手入れする貯水池のカワセミの横を赤唐辛子。
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わたしが子供の頃ですから半世紀前の事、
あかとんぼのはねをとったら・・・
なんて歌が流行っていましたが、今の時代にはその行為は問題ありと見なされるのかも。もっとも、当時も蜻蛉の翅を毟り取ろうなどとは思ったこともありませんでした。この歌を耳にした後も。
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たしがその歌は、はねをとったらアブラムシと言っていましたが、そのアブラムシが別名アリマキと呼ばれるアブラムシなのか、アブラムシとも呼ばれているゴキブリなのか・・・何れにしてもどちらも赤とんぼには似ているとは思えませんでしたし。そもそも益虫を害虫に変えて何の意味が生まれるのかが疑問でした。

ですから今改めて調べてみると・・・あぶらむしとは、あしをとったら、かきのたねになるあぶらむし。柿の種とは、多くの人があのピリッと辛くて中が空洞でカリッと食べるお菓子を頭に浮かべるはず。ですからやっぱり今の時代ならひと悶着あるはずです。

赤とんぼに似ていて中が空洞でピリッと辛いとなれば、私の中では🌶赤唐辛子🌶。ご存知の様にそれは唐辛子が熟して赤くなったものを干した香辛料なのです。
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そこでさっき飛んでいたこの蜻蛉、なんとびっくり赤とんぼの唄なるものが流行った時にはまだここで見る事はできませんでした。

このトンボはトンボ科ベニトンボ属の南方進出種、ベニトンボという種類で高知で見られる様になったのは2000年頃、歌が流行ったのは1973年ですから。
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唄の赤とんぼはこれとは違う、元祖アカネ属の赤とんぼなのです。

さて国内にも数多存在する赤い蜻蛉。実に鮮やかな体色なのですが、唐辛子同様に最初から赤色ではないのです。もっとも、緑色でもないのですが・・・
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性成熟に達するまではこんな色合いなのです。そして赤唐辛子色に色揚げしていくのは♂のみ、♀は辛子色のままなのです。
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ベニトンボ雌雄

そしてこれらは生きていればこその輝き。死ねばやがては黒化していきます。

名瀑の夏蜻蛉たち
梅雨が明け、豪雨の後は猛暑の毎日。でもこれからは毎年それを覚悟して体調や生活を整えていく時代なのかも。
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例えばリフレッシュできる避暑地を自宅近くに幾つか持っている事ができれば、夏は夏なりに楽しめます。高知県の森林率は84%、そのうちで人工林率65%と、いずれもが国内では高い割合で推移しています。それは先進国の中でも卓越して森林を産業活用し、その更新を人工で維持してきた証なのです。
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しかしこれから将来は、建築材としての木材需要は減少することが予想されており、森林の更新は人工と自然の更新をバランスよく併用していく方針に移行しつつあります。萌芽更新の割合が高まれば広葉樹率が増加。山は保水力を増し、生物多様性の保全も推進される事が期待され、これからは防災や自然環境保全に徐々に移行していくと、造林地所有者として実際の造林管理を委託契約する森林整備公社の担当者さんからは説明されています。
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森林はもはや個の財産としてより、公の環境整備を考えるフィールドなのかも。私自身も自らの地所でリフレッシュするより、もっと身近な場所で四季を味わい楽しまさせています、毎朝の里山散歩も含めて。
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そしてこの日の午後は、香美市香北町の日比原川上流、猪野々柚ノ木の『轟の滝』を訪れました。瀑布から飛散する清く澄んだ飛沫を浴びれば暫し猛暑を忘れる事ができます。

そんな清涼感を求めて滝道へ繰り出してきたのは人だけではなかった様です。

これはミヤマカワトンボ。
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こちらは♀、雌雄は離れた場所からでも識別可能です。

ミヤマカワトンボは長さだけならヤンマ級の大きさながら、飛び方はまるで竹とんぼ。つまり玩具の様にとぶのです。
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深山川蜻蛉といっても、この様な山間に分け入った上流域だけに生息しているカワトンボ類ではなく、住宅地や平野部でも沢があれば現れます。
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腹部の光沢が強い輝きを示すのが♂です。見る角度で色彩は変化するも、♀と見紛うことはないのです。
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そしてこの日は、滝を見る展望台の横で珍しい蜻蛉を見つけました。

当ブログ初登場の、蜻蛉です。ヤマトイトトンボ科トゲトンボ属の棘尾蜻蛉の一種でシコクトゲオトンボと言います。

四国に分布するヤマイトトンボ科の種は本種1種だけですから、識別に迷うことはないのです。形状からしてこれは♀。シコクトゲオトンボは四国だけの特産トゲオトンボなのです。
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シコクトゲオトンボ♀】

♂もいないかと探してみると・・・
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シコクトゲオトンボ♂
この様に脚が鮮やかな朱色に染まる個体が♂なのです。
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この画像では不明瞭なのですが、♂には和名由来となる腹部第9節背面にトゲ状の小さな突起があります。つまり♀にはそれがありません。

雌雄ともに翅を開いたままで止まる姿は、今の季節この辺りの雑木林の中でも見られるオオアオイトトンボ同様に。

四国山地の山間渓流に生息しているとされる本種ですが、ミヤマカワトンボ同様に、海岸近くまで山が迫る高知県では沢へ入れば見られる場所も少なくない様です。ただし海岸に近い生息地では小形化し、山深い産地では大形化する傾向が見られるんだとか。
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シコクトゲオトンボ、高知ではサワガニが生息する沢回りに出現するのです。
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滝で涼んで帰ろうとしたら駐車場の車の前で通せんぼするコオニヤンマ。熟睡しているかの様に近寄っても全く逃げません。
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そこで素手で捕まえてみました。蜻蛉の美しい複眼は宝石の様に輝き、実に魅力的なのですが・・・
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この日、更に驚いたのが脚の形状。カマキリの様に鎌化した脚が六つもあるのです。大型サナエトンボたちは、ヤンマと比較しての飛翔力の弱点をこの脚形状で補っている様です。

ダム湖のネムノキ
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自宅から10分足らずの場所にあるダム『鎌井谷タム』。高知県が管理する県内最小のダムです。ですから、一年に何度も通りかかるのですが、滅多に堰堤が放水している場面は見ません。
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有効貯水容量123,000㎥の鎌井谷ダム貯水池へ流入するのはわずかに小さな沢一筋。滅多に枯れる事もなければ、滅多に満水状態にも達しないのでしょう。

そこで梅雨終盤に見られる前線の影響で発達した線状降水帯が高知にかかり短時間に300mm近くの降雨を記録した翌日午後に、鎌井谷ダムの珍しい放水を見に行きました。

これがその珍しい放水です。県東部のダムが大量放水する中での鎌井谷ダムの放水。それは放水された水が流れる水路、正確には二級河川『香宗川』の二次水系鎌井谷川』(本川の香宗川の支川が山北川、その一次支川に合流する二次支川が鎌井谷川)という沢の小規模さを見ても、如何に放水が少量であるかが推測できる筈です。

地元でも知らない人が多いのですが、この様に香宗川水系には高知県の管理するダムが存在するのです。そしてこの鎌井谷ダムの果たすべき役割はF:洪水調節 N:流水の正常な機能維持 A:灌漑用水とされています。

以前も記事にしましたが、香南市の飲料水は複数個所から豊富に取水される地下水脈からの湧水です。三宝山から龍河洞へと続く低山裾野の農耕地は、香宗川とその主たる支川や香南市西部の農耕地を潤す物部川からの取水では潤せない高台にあり、鎌井谷ダム貯水池をはじめとする、山間の沢の水を貯めた複数の溜池水を灌漑用水としてフル活用しています。

と、ここまでは昨日の復習みたいになってしまいましたが・・・

ここからは鎌井谷ダムの自然を覗いてみましょう。

この放水河道脇の道、たった100mほどなのですが四季折々の野鳥が見られます。
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先ず、この沢やその上の貯水池では、カワセミが周年居付き美しい姿を見る事ができます。

カワセミは今季、この鎌井川ダムに数羽棲みついていて、堰堤をまたいで鎌井川を行き来しています。
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堰堤から水路を見れば・・・
魚食鳥のカワセミですが、貯水池にカワセミの口に合う魚種が豊富とは思えず、鎌井谷川を見ても私には魚影が見えません。
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でも、この後何度か鎌井谷ダムへ来てカワセミを何度か観察しているうちに、いろんな事実が解明できました。
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カワセミ達もまた、
人が新たに作った環境に巧みに順応して生きていたのです。
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釜井谷ダム貯水湖のカワセミの追加記事はこちらをどうぞ
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更にこの日は、この夏に生まれたオオルリ♂幼鳥も姿を現しました。
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ダム貯水池の上ではミサゴがよく舞っています。池に放流生息するコイを狙っているのです。
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河川中流域から下では夏になると個体数が減るミサゴ。それでも残った少数のミサゴは、河川で鮎の釣り人を見下ろしつつ急降下して川魚を捕まえる事のほうが多いのですが、
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長雨が豪雨となって続く今年は、河川が濁流となって上空から魚が視認できないのです。
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奥から2つ目の外灯が鎌井谷ダム堰堤のお気に入りの場所。ミサゴは一日一度はここに来て貯水池を眺めていきます。
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堰堤へと上る車道の脇には、数多くの夏ウグイスやホオジロの姿をいつ来ても見ます。

連日の大雨に濡れたウグイスの姿。一見、何の鳥か判らないほどにびしょ濡れなのですが、囀り続けるのでウグイスと分かるのです。
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梅雨の濡れ鶯、滅多に見られるものではないのかと思います。

今日、わざわざ午後にこの沢を訪れたのは貯水湖の斜面に自生しているネムノキの開花を見たかったのです。
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ネムノキが蕾を開かせるのは陽の傾き出す時間帯。この日は梅雨前線が一時的に南下して、雨は降っていないのですが、薄雲が立ち込める時間帯が長く、いつもよりは少し早く蕾が開くと思っていたのです。
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水辺にも多いネムノキですから、7月も中旬になるとネムノキの花色と同色の蜻蛉がその枝を好んで多数止まっています。
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種類は二種、先ずはアカネ属の赤とんぼ『ネキトンボ』。早世のアカネ属の一種で、秋を待たず初夏に性成熟に至る個体も少なくありません。
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ネキトンボ
赤とんぼの中でも、特に赤く染まるネキトンボとは味わいの異なる、エキゾチックで鮮やかな赤紫色に染まるのが、アカネ属ではない南方系のベニトンボ属『ベニトンボ』。日本列島では地球温暖化の指標とされる昆虫のひとつです。
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ベニトンボ
更にネムノキの枝で、美しく輝くカメムシの幼虫を見つけました。
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でも花といえばやはり蝶。ネムの花に最も似合う夏のアゲハはアオスジアゲハ

送粉昆虫たちに強大な誘引力を持つネムの花には他のアゲハも飛んできます。
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クロアゲハやモンキアゲハ、ナガサキアゲハが入れ替わり立ち代わりつかの間の雨上がりを狙って訪花するのです。
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メジロとキセキレイ
小さな送粉虫を狙って野鳥も来ます。花を巡って繰り広げられる生態系の食物連鎖が夏の花舞台を中心にして展開されていました。
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それについてはまた明日。

究極の擬態シリーズpart??
一口に擬態と言っても、何かに似せて生き残る戦略目的はひとつではありません。その一例として昆虫に限らず、今まで自身より凶暴な動物に擬態する事で繁栄しようとする弱小節足動物を数多くblog記事にしてきましたが、今日は再び蟻に擬態する節足動物編です。
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アリグモの一種
アリに擬態する節足動物として最も名を知られているのは複数の種が存在するアリグモ類でしょうか。クモがアリに擬態することは、単純にメリットばかりではありません。複数存在するアリグモ類も、全て捕食動物が一律ではなく、その擬態目的が捕食を有利に展開しようとする『攻撃的擬態』に絞り込む事には無理が生まれます。

また、先日blog記事にした徘徊クモの一種『アオオビハエトリ』などは、アリ捕食に特化したクモ。アリに擬態することで『ベイツ型擬態』の効果が望める場合もあれば、逆に危うい立場に成りかねない事もあるのです。しかしながら弱小動物にとって自らを捕食しようとする天敵の種類を縮小限定出来る事は、次なる対策を施す上で大きなストレスと労力軽減につながるのです。

自然界で生きる遍く生物は、唯一生命をやり取りする事で生態系への貢献を果たし、淀みない循環を生み出しています。そして自然界の遍く生物は、与えられた身体能力と限られた時間で、全く余裕を与えられられずに、防御と攻撃を表裏一体にして世代交代を果たさなければなりません。

結果、アリグモ類が複数種存在し続ける事自体が、この擬態が有効であり続けていることの紛れもない証。擬態とは、先駆者が自己犠牲をくり返し続けることで、後世により精度を高め残せるかけがえのない財産なのです。進化を止める時代遅れは個に留まらず、種としての消滅に価してしまうのです。

しかも、アリへの擬態は限られたクモ類だけではないのです。
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ホソヘリカメムシ 幼虫
アリとほぼ同じ大きさの、このカメムシの一種・人が見ればアリグモ類より巧妙にアリに擬態しています。ホソヘリカメムシの場合、豆類を食害する草食性カメムシで重大な農業害虫です。ですから擬態の目的は、アリグモ類と違い単純明快なのです。多くの自らの天敵に対する『ベイツ型擬態』なのです。

そしてアリに擬態するのは幼虫期のみ、そういう意味では魚類のコロダイ幼魚に似たところがあります。
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ホソヘリカメムシ 成虫

成虫化すると、細身のどこから見てもカメムシ。でも敵を見つけると他のカメムシ類よりも、いち早く飛んで逃げようとします。翅を開くと縞模様が現れ、今度は飛ぶ姿をアシナガバチに擬態させている相当な戦術パターンの持ち主なのです。
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それにより多くが強烈に臭いカメムシ類の、紛れもない仲間でありながら匂いを感じないんだとか。ぎりぎりのところで生きている自然界の生命体、不必要となった機能は、可及的速やかに退化してしまうのです。
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アリとハチは多くの人が考えている以上に、分類学上は近い者同士。それらに擬態することもまた私たちが考える以上に大きなメリットがある様です。カメムシらしさが失われる程に、幼虫期はアリなろうとし、成虫になってはハチを夢見ている摩訶不思議なカメムシがいるのです。
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さて今日の取材地は、モネの庭マルモッタンです。ここは単に西洋の庭でも植物園でもなく、北川村の気候風土を持って植物を主役にモネの庭を模した自然芸術です。いわば、明確な目的と強い意志を持った高知の北川村の民が創り出した、究極の擬態なのです。
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しかし、その本質は地域の生態系を礎としてオリジナル性に富んだ個性にもあふれているのです。ですから行く度に楽しい発見があります。

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未だ、団体のバスツアーこそありませんが、個人のお客様で駐車場は満杯。それでも三密とは無縁の自然空間が満喫できます。

世界中がアフターコロナ対策を模索する中、圧倒的な個性と不変の価値観によっていち早く勢いを取り戻した場所を既にたくさん見ました。

もちろんモネの庭さんも自粛期間中、今までの延長で保守メンテナンスを行っていたわけではありません。その充実ぶりはリピーターなら行けば即座にわかります。行く度に季節のリニューアルではなく、自然と人の調和リノベーションなのです。

それは多分、新型コロナの影響に関係なく計画されていた進化だったのでしょう。私はそれが特定の要因に対する単なる対応ではなく、自らが理想とする自然との調和で植物を輝かせようとする西洋の庭、モネの個性が描く普遍の価値へのスタッフの挑戦があるのだと私は理解しています。

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