土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

カテゴリ: 高知の野鳥


雨が過ぎれば季節が進む
9月25日の早朝、室戸は近くの海上を通過した低気圧の影響で、一時物凄い降雨に見舞われました。一時間当たりの降水量は130.5mmと朝から繰り返し全国ニュースで報道されています。
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室戸でそんな物凄い雨が降っている時、直線距離で50kmほどしか離れていない香南市は世界が違う様に弱い雨。豪雨が降る地域は総じて広くはなく、雨が大したことなかった周辺地域でも決して安心はできず、地理的な条件によっては災害が発生する場合が少なくないのです。
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豪雨をもたらした雲は低気圧の通過とともに紀伊半島へと移動。単時間で高知の雨は収まったのですが、低気圧の通過するところはこれからが正念場なのです。

さて、ニュースで流される大雨による降水量の情報。
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レーダー解析雨量によると・・・という前置きの後、一時間当たり100mmとか120mmという発表を近年よく耳にします。

20年くらい前までは都市の防災会議に出席すると、降雨に対する防災計画は概ね時間当たり80mm程度の対策で話し合われていたものが、今は雨の季節毎に普通に以前の上限を突破している上、ちょっと場所が変わっただけて大きく降雨状態が異なる為に、レーダー解析雨量として発表される数値が、近隣の地域でも俄かには信じられない事が多々あるのです。特にアナログ人間の私には、実際に降って来た雨を従来の規定によって計った数値でないと・・・

でもそれでは、実際の災害時対策には時代遅れなのです。そして実際にその様にして計った数値の記録で、この日の室戸が記録した1時間降水量130.5mmは9月としての記録を更新。しかし月を問わなければ千葉県香取の153mm、長崎県長浦岳でも同じ数値が記録として残され、沖縄県多良間の152mmの第3位までは何れも2000年以前の記録なのです。

20年前、都市の防災計画説明会に参加した私は当時その事実を知らなかったのです。

話を元に戻し、解析雨量と速報版快晴雨量は、気象庁・国土交通省が保有する気象レーダーの観測データに加え、気象庁・国土交通省・地方自自体が保有する、全国の雨量計のデータを組み合わせ、1時間の降水量分布1km四方の細かさで分析。解析雨量は30分単位、速報版解析雨量は10分毎に作成されるんだとか。つまり公開される情報が如何にリアルタイムであり、それが今後どのように変化するかの分析精度が問われているのです。

さて9月25日、県下の一部地域で1時間当たり130.5mmの降雨を観測した高知県では、予報より少し遅れる感じで天気が回復してきました。そして気候は予報通りに昨日よりも秋らしくなって。

そんな季節の変化を生き物で表現しようと自宅近くの林縁へ。
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自然豊かな場所で季節の移ろいを現わす生き物を見つける事は、それほど難しい事でもないのですが、今日はこのミズキの果実を頬張っていた2羽のエゾビタキを選んでみました。

エゾビタキの食性は動物食に偏った雑食。昆虫が大好きでオオルリの様に飛翔する小昆虫を捕食したり、枝にいる鱗翅目の幼虫も捕食します。

植物の実も頬張り、中でもミズキの熟れた黒い果実をホバリングしながら啄むのが秋らしい風物詩と思えました。
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エゾビタキの場合、雌雄を外見で見分ける事は難解、従って繁殖期でもない2羽の関係予測は更に難解です。でも間違いなく行動は共に、お互いを意識していました。
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エゾビタキはシベリア南部やサハリン、カムチャッカ半島南部等で繁殖し、列島づたいにフィリピンなどに越冬に渡る最中の旅鳥。春と秋に一時的に逢えるスズメよりも少し小さい小野鳥です。
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季節の変わり目に見られる旅鳥ながら、その季節感を人が感じる事ができれば毎年逢える野鳥種です。

結構人懐っこく、人に対して警戒心を示しにくい野鳥で、人が派手な動きをしなければ、秋の風を感じながら、十分なひと時を共に過ごせます。
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台風後の港で目撃したもの
大型台風が過ぎ去ってから3日が過ぎ、今回は直撃を受けなかった高知県は徐々に普段の姿を取り戻しています。
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普段は波消しブロックで守られた手結湾の方から台風の波浪を避けて、一時的に港内へ移動してきた蓄養魚の生け簀。まもなく潮通しのよい元の場所へ曳航されていくと思われます。
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数日間、荒れた外海を避け港内に入って来た魚も少なくないはず。台風前から賑わっていた秋のクロダイ釣りも再会されていました。

そんな釣り人の向こうに、港内を旋回する猛禽類。
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最初はトビかと思っていましたが、よく見るとミサゴ。3羽が入れ替わり立ち代わり間隔を空けてやってくるのです。3羽のミサゴたちも三密を避けているのです。
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やがて一羽が飛び込んで魚を掴み去ってゆきました。趾にはしっかりとテイクアウトの品。
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この日チョイスした海鮮魚はマタイだったようです。

そこで思い出したのが以前の光景。
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ただいまテイクアウト中!
初冬の夕焼け空の中、手結の浜でイシダイを捕まえて飛んでいくミサゴを目撃したのです。

その時に推測した通リ、ミサゴは生け簀の中の魚を横取りしていくんですね。もしかして台風明けの漁港内、ミサゴにはGo To Eatキャンペーン会場⁉

秋磯の野鳥
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香南市の海が秋らしくなると磯場にミサゴが陣取りだします。しかもミサゴが止まっているのはいつも同じ場所。
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そこは、ここでは一番の沖磯で、海面からの礁高も確保されていて、遥か沖の台風のうねりや低気圧の通過による少々の波浪には影響を受けにくい場所。

もう少し季節が進むと磯釣りを楽しむ人々が渡礁するのですが、それまではこのミサゴの城なのです。
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ある日には、気の強いクロサギが複数、磯の周りで活動していました。



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ミサゴは魚食鷹であり、他の野鳥には非常に温和な性格で、それらを威嚇することは先ずありません。
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それでもクロサギたちは決してミサゴのいる場所へ行くことはありませんでした。

猛禽類としてのミサゴの風格を尊厳しているかの様です。

でも、ミサゴはクロサギやウが先着している場所に行くことはあります。

でも、それらを排他することはありません。普段から周年に渡り互いを知り合うウの場合はミサゴの傍らに近づく事を躊躇いません。互いの性格を知り尽くしていて、互いの嫌がることはせず、活動する自然環境を巧みに分かち合っているのです。

ですから最沖の磯の白い糞痕にはウの排泄物もあるのです。みずからの排泄物でマーキングするのは鳥類に限らず、多くの動物が示す強い意志が働いています。
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また、ある日には遥か遠い東シナ海を北上する強い台風の影響でうねりのある香南市の沿岸部。

今年の台風は、日本近海で発達します。つまり上陸するまで発達する懸念があるのです。
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でも、ミサゴが警戒するのは台風よりも人間なのです。

それは長年人の傍らで人の行動を見て来たミサゴか人に対して出した答えでもあるようです。

ヒメクロイラガとホトトギス
7月中旬になるとパッタリと自慢の喉を使わなくなるホトトギス。鳴かぬなら・・・と戦国武将の性格診断に持ち出される野鳥が実際に鳴かなくなる季節に入ったのです。

それが私の性格だと、鳴かなくなると存在を忘れてしまう。これもまた鳴き鳥として名を馳せる野鳥の宿命でもあるのです。もっともホトトギスも人間に聞かせようとして鳴いている訳でもないのでしょうか。

そんな鳴き声で夏の季節を現わすホトトギズの声が聞こえなくなると、日に日に昼間も短くなり秋の到来を感じるのですが、今年は・・・
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その、存在を忘れていたホトトギスをお盆の13日以来、ずっと目撃するようになりました。最初は東からの渡りの個体かとも思っていたのですが、毎日道縁の同じ木にいて、車や人が近づくと一時的に飛び立つのですが、それは近くの茂みの中。

人の気配が遠のくとすぐにその木に帰ってくるのです。ホトトギスが居着いている木は桜。ここは高知県の管理するダムの敷地で、道は堰堤へのアプローチとなる一本道。ですからご多分に漏れず道縁には桜並木があるのです。その一樹にだけホトトギスがくるんですね。
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訳は直ぐに分かりました。ホトトギスの好物の毛虫が相当数寄生しているのです。見上げると想像通り、葉が激しく食害されています。
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しかも食欲旺盛な鱗翅目の幼虫ケムシが大量発生すると木は、この様に大変な事になります。木の下の舗装道はケムシの排泄物で変色してしまう程、激しく寄生食害されるのです。
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次にはどんな毛虫かを調べようと探してみると、葉にも枝にもいるわいるわ‼ 探しておいて、いざ見てしまうと鳥肌ものの光景なのです。野鳥の場合はコレが大丈夫なんですね。最初から鳥肌なんですから。
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大多数の方は全く興味がないというか、むしろ見たくもないのでしょうがケムシの正体はコレ『ヒメクロイラガ』。正真正銘の毒棘を持つ危険な毒毛虫。刺されると激しい痛みを覚えます。
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因みにヒメクロイラガの成虫がこちら。寄生樹は桜に限ったものでなく広葉樹を広く食害します。

そんな毛虫が木の下にいると落下してくることも。危険なので早々に元を離れ、50m程離れて木立に潜んで見ていると、
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間を置かずしてホトトギスが戻って来ました。

つまり・・・
来るまで待とうホトトギス戦法なのです!

円で囲んだ部分にホトトギスは止まっています。
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こんな状態ですから、こちらが前もって、そこにホトトギスが飛んで来る事を知って粘り強く待ち続け、やがてそこに飛び込む瞬間を見ていなければ先ず存在に気付く事はないのです。

何故なら、この季節のホトトギスは一切鳴かないのですから。
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でもこのホトトギス、飛んで来たのはよいのですが、しばらく待っても補食は始めず、何かに警戒しているのです。

ホトトギスが警戒していたのは私ではなくカラスでした。すくに飛んで来てはホトトギスを追い払うだけでなく、しつこく追尾していくのです。相当目障りなんでしょうね。
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気が付くと夕暮れ。

ということで、止む無くこの日の観察は打ち止め終了。
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翌日は日の出直後に来てみました。すると期待通りホトトギスは桜の木に。

摂餌意欲十分な様で、サクラの木に寄生しているヒメクロイラガを探し始めました。
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そして、決定的瞬間がこちら。
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人にとっては有毒有害なケムシも、ホトトギスは毎日ここへ通うほどのリピーター。ヘビーユーザーお得意様なのです。

もうひとつ、何故ホトトギスが根を積めてこの木を頻繁に訪れるのか、そこには好物のケムシがいる事の他にも理由があります。
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樹や人には有害で気持ち悪いケムシも、複数の野鳥達にとっては過酷にも見える自然界で生き抜くために欠かせない、季節の中で自然が与えてくれる貴重な栄養源。そしてそれにも限りがあることで争奪戦が勃発しているのです。

この様に、ホトトギスより若干小さなヒヨドリが飛んで来てケムシを探し始めました。基本的に繁殖期と非繁殖期は食性が変わるヒヨドリ。繁殖期には栄養価の高い動物食で力を漲らせ次世代を育て上げ、非繁殖期には花蜜や植物の過熟ぎみの果実を口にします。

今の季節は、繁殖後の体力回復期であるとともに換羽期、更に目当ての花や熟した果実の端境期で動物食を継続しているのです。
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雑食の小野鳥、ヤマガラやシジュウカラたちもイモムシ系は大好き。

つまり一年中この地で暮らす、多くの野鳥たちが餌料争奪戦の強力な競合相手。いつまでもそこで餌が待ってくれている訳ではないのです。
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8月も下旬となると田園では近くの山からモズが下りて来だしました。

これから一羽一羽と増えていき、9月には雌雄の別なく高鳴きを始めます。

そんな自然の物語を観察している堰堤の周囲では・・・
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今、蝉の種類が変わりつつあります。
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ツクツクボウシは高知では最も遅くまで活動する蝉。
温暖な年には10月下旬まで鳴いています。

更にホトトギスと同じく鳴き声が聞かれなくなっても実は活動していて、ツクツクボウシの場合には11月初旬まで見られることもあるんですよ。
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今年ホトトギスとここ香南市で共に過ごせる時間も、カウントダウンに入りました。

それを精一杯つなぎ留めてくれるのが、多分これらケムシの存在なのでしょう。

午後の雨で涼しくなりました👍
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21日は日没後に短い夕立がありました。翌22日の朝方はまずまずの天気、でも予報にでは今日の午後は激しい雷雨の恐れもあるんだとか。
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そして正午。予報通り雷鳴が轟き、落雷により信号が消えた場所もあったんだとか。

香南市平野部では大したことのない雨量だったのですが、私はリハビリに香美市へ行っていたので、香南市より内陸の香美市では二時間ほど激しい雷雨。二時間で50~60mmは降った筈です。

リハビリを終え外に出ると、外気が涼しく感じられます。温度計を見ると25℃、こんな心地よさはいつ以来でしょう。
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香南市へ帰る途中、龍河洞近くの谷津田に張られた電線に止まるホトトギスを見ました。
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至近距離から見ているのに、全く逃げようとはしません。
ホトトギス毛繕い






ホトトギスはこの拓けた場所で入念に毛繕いを行い、
雨のホトトギス









びっしょりと濡れた羽毛を乾かしたいようです。

それにしてもこんな至近距離でしかも視界を遮るものがない場所でホトトギスを始めて見ました。それも長時間。

その距離10mは私史上、ホトトギスとの距離を最も詰められた記録として残しておきます。
ホトトギス








雨上がりには自然動物もいつもと違う行動を見せてくれるのです。
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夕方、ダムも堤頂に立つと、通り抜ける風が少し冷たく感じました。久々に冷房の不要な夜を迎えられそうです。

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