土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

カテゴリ: 高知の釣り

漁港ならではの時合
久々にぶらっと立ち寄った手結の漁港。目的はいつもの様に、地元漁港に水揚げされる季節の魚を見に来た訳ですが・・・
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大きく竿を曲げ強烈な引きをいなす釣り人の姿
漁港敷地内の駐車場に降り立った途端、この日目に入って来たのは、あちこちで竿を大きく曲げる釣り人の姿。
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当然この引きだと、取り込みにはタモ(掬い網)が必要。それを皆が用意しているという事は、それなりの魚が相当数、港内に入ってきているという訳なのです。
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さっそく、釣った方に見せていただくと獲物はクロダイチヌ)、魚体からして3歳物というところでしょうか。食べごろの秋黒鯛アキチヌ)です。
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雑食性のクロダイですから、釣り餌は季節や場所によって様々な使い分けをするのですが・・・
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港の出口に近い潮通しにも優れるこの場所ではこの季節、餌取も多いらしく、刺し餌にはサナギを使い撒き餌に工夫を凝らして、クロダイ集魚を上手に行って釣果に結び付けていました。

それにしても、明るい内からこんな近場で手軽に強烈な引きが複数回にわたり味わえる暮らし。釣り好きにはたまらないsituationが整備された、まさに田舎暮らしの醍醐味なのです。

その後、競りを見ようと港奥に場所を移すと・・・
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漁師さんが忙しなく水揚げ作業を行う傍らに複数の釣り人がいるのですが、ここでは撒き餌もせずに、まるで釣り堀の様に結構な魚体の魚が釣れているのです。
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それはいわゆる爆釣モードと言うに相応しい状態。なぜ、自然の魚たちが一時的にせよこのような状態になるかというと・・・
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沖で漁を終えた漁船が、港内で甲板の洗浄作業をしている時に、シイラ等大型魚が水揚げ時に吐き出した食物残渣が海面に流し出され漂う状態に、多くの魚が集まってきているのです。
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大型魚の消化器内で程よく発酵した食物残渣の集魚効果にはただ驚くばかり。しかも、ここの釣り人たちは皆、刺し餌に魚(メジカ)の切り身を短冊にして使っているのです。
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海面近くで捕食するのはメッキを主とする回遊性小魚なんですが、この群れの下に大きな魚が相当潜んでいるのです。
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その魚はキチヌキビレ)。面白いくらいに、なんぼでも釣れてきます。まるで活イワシを撒いて、錯乱状態になった鰹の一本釣りを見ている様。

釣り人はその釣り人生において一生の間に何度、この極上な瞬間を経験できるのでしょうか。
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と、思っていたら・・・
それは時間限定や、曜日限定の特別セールなのでは無かったのです。

翌日は競りが休み(日曜日)だったので翌々日の月曜日に来てみると、やはる複数の釣り人がいて、漁船が接岸して漁獲魚の水揚げを始め出すと、また凄まじい爆釣モードに突入するのです。
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釣法は、コマセを使わないフカセ釣りですが、棒ウキを大きめのカミツブシで、タナに素早く馴染ませ、小魚をかわすのです。

それが、漁師さんが忙しなく作業している漁船のヘリ近くへ来ると、お約束の様に棒ウキが海中へ消し込まれるのです。
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後は小気味よい魚の引きを竿でため、スリルを味わいながら足元まで魚を寄せ、
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上手くタモ入れに導くのです。
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スカリに入ったこの日のキビレは2日前より一回り大きく、最も多きい個体は40cmを越えています。
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更にこの日は別の魚種も港内に入って来ていました。クロダイ類同様に、夜間活性が上がるコショウダイです。

こんな良型魚が真昼間の喧噪の中、人の騒ぎに誘われる様に群れ爆釣するのです、毎日毎日泳げ鯛焼き君なのです。

そして遂にその時が・・・
とくると、釣り番組ではとてつもない巨大魚がヒットするのですが、
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まさにそんな大物中の大物が食いついたんです。

ちなみにハリスは1、7号だそうで、ためたりいなして寄せられる魚ではないのは、このやり取りを見ていると釣り経験者なら容易に判断できるのです。一進一退と言えるものではなく、なされるがままなのです。
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こうなると、家庭での私の様にじっと耐え忍んで、ひたすら相手が諦めてくれるのを待つしかありません。
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それにしても凄い引き‼ 竿のしなりとリールのドラグ機能により、魚には相当な負荷が掛け続けられているのに、右から左へと50m以上走り、5分経っても全く弱りません。釣り人を嘲笑っているかのような魚です。

この手応えを身体で受け止めた釣り人は皆、咄嗟に同じ願いを口にするのです。「せめて一瞬でも姿を拝ませてせてくれ」と。
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更に数分が過ぎ、魚は今まで耐えた釣り人の願いを聞き入れたのか、一瞬だけ海面近くまで浮上し、釣り人の姿を確かめました。まるで魚の方も釣り人を見たかったかのように。

次の瞬間、この巨大な魚は頭を一振りしただけで、いとも簡単にハリスを切って消えていきました。もはや釣り人には、その行動を予期しそれを回避させる術を講じる集中力は残っていなかったのです。

強者は、掬い網の径よりもはるかに大きな体長70cm4kgは超えているであろうコロダイでした。腕前だけではどうにもならない装備の差が勝敗を分けたのです。その後タックルを点検すると、リールのドラグ機能が破壊されていたんですよ。
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その後も2回、同様の引きをする巨大魚が針に掛かったんですが、ドラグ機能が正常に作動しない以上、勝負は瞬殺で終わります。
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ちなみにコロダイとは白丸の魚です。沖釣りなら、最初の重く強い引きをかわせば、十中八九は釣り人の勝ち。

このコロダイも70cmはありましたが、当時中学生の長男が釣り上げたものです。

でもこのサイズを陸からフカセ釣りであげるのは至難の業です。もし確率高く釣り上げようとするなら、その魚のみを目標としてそれより小さい魚のイメージを完全に消し去り、タックルバランスを重視して釣りに臨むことです。
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この1m近いオスのマダイ、実際に香南市岸本の浜で釣り上げられたものです。

単純に、食すことを重視するなら巨大な老成魚よりも同種類の中型魚の方が美味しい種類は多いんですよ。

黒鯛を味わい尽くす
さて、近似種どうしのクロダイキチヌ。淡白な味わいが特徴の白身魚が多い中、この二種には味に独特な個性があります。
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クロダイ
クロダイの身には、白身魚としては濃厚な旨みを感じます。しかしそれには嫌悪感を抱く人も少なくないほどの強い個性があるのです。

勿論それは、クロダイの食性に少なからず由来しているものですから、この魚を美味しく食べるためには十分すぎる下処理を施すことが肝要なのです。
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キチヌ
一方キチヌには、クロダイと比べると夏らしいさっぱり感があります。
キチヌは夏の魚なのです。
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コロダイ
参考までにコロダイの刺身はこちら。コロダイは身質がしっかりとしていて、脂が乗っていると美味しい魚ではありますが、うま味は淡白で、身に鮮度とは関係ない生臭みを感じる事が少なくありません。鮮度を楽しむよりも2日は熟成させた方が旨いです。

捌いて脂の乗りが薄ければ調理法は和食よりも洋食向きな白身魚です。

さて、話をもとに戻して・・・この条件下でこの釣り座に入れる人は多分、少なからず市場の漁況の関係者さんです。ここは今、漁師さんたちが懸命に水揚げ作業と後片づけを忙しなく行っている戦いの場なのですから。

つまりその時間こそが、この港内の釣り座での時合いなのです。本来、警戒心の強いクロダイやキチヌが錯乱状態になって口を使う条件が、漁港が戦場と化すほんの一時の時間帯だったのです。

そんな特別な時間帯ですから、ここには気心や意思の疎通なくしては入れない結界が存在しているのです。
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そしてその結界の中に、この日は素晴らしい漁獲物を見ました。でもその報告は次の機会にさせてください。

トウゴロウイワシ
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トウゴロウイワシ
港湾深く入り込んだ雑魚の群れ。どうやら藤五郎(トウゴロウイワシ)の大群のようですが、
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中に何故か一匹アユがいます。ところがよくあることで、このトウゴロウイワシを突然、海面を割る様にして回遊して来たブリやカンパチの稚魚か追い回すのです。
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更にその行く手にあるロープの下に隠れているのがスズキの稚魚。
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これもまたトウゴロウイワシを襲い出してしまいました。その群れは、だんだん小さくなっていくのです。
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順番に食べられていく訳ですから。でもこれで終わりという訳ではありません。
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藤五郎ことトウゴロウイワシ むろと廃校水族館飼育

今度はトウゴロウイワシを狙っていたブリやイワシの稚魚を人が釣り出すのです。見ていると、それがまた面白いように釣れるんですね。
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港湾の中にも生態系があって、その頂点に立つのはやっぱり人間だったという話。
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ところがそれらを釣っている仕掛けが一瞬にして引きちぎられる事があるんですね。よく見ると、深いところを40cmはあるイスズミが泳いでいます。
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この仕掛けでは太刀打ちできない魚が港湾の中にもいるんですね。

梅雨の晴れ間に沖釣り
香南市の手結漁港でシイラの水揚げを見ていたら、遊漁船『飛翔』がお客さんを乗せて寄港しました。
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この日の午前中は青空が広がり上天気。数名の若い遊漁者の中には可愛らしい女性もいて、船長の南部さんも張り切っています。
P1040805[1]肝心の釣果といえば、生きエビテンヤで70cmを軽く越える大鯛も上がっていました。私が南部さんのお世話になり出した頃は、釣り船飛翔は、ルアー専用の遊漁船だったんですが、南部さんの気さくな人柄が好きで、無理を言って掛かり釣りを頼み込み、手結沖の餌釣りポイントを手探りで開拓しました。

その間、南部さんは掛かり釣り専用の錨を購入してくださったり、私にルアーや餌木での釣りを指導してもくれました。今の私は食べる専門になってしまいましたが・・・
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この日も、遊漁の皆さんが十分楽しめる釣果があった様ですね。イサキもまだまだ楽しめるみたいですよ。

最近の詳しい釣果はこちらをどうぞ。

取材日6月9日

正月三日の出来事のようですよ
退職後、釣りを始めた高校時代の先輩の話です。良い指導者を得て、岡からのルアー釣りから始めたようですが、昨年秋からは沖釣りも始めた様なんですね。
私の場合は沖釣りを始めた途端、それだけに固執してしまい他の釣りからは遠のいてしまったんですよ、先輩。
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腕利きの船頭さんが最新の情報により、旬の魚が今最も釣れている場所へ連れて行ってくれるのですから。しかもこの前先輩から伺った話では、初心者の先輩はフレジャーボートを所有するお友達がいる様で、餌代だけ出して後は全てお友達の段取り。つまり大名釣りなのです。
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しかも俗世間の煩わしさを忘れ、ひととき大海原で伸び伸びできて、お土産も持って帰れる訳ですから行きたくなって当然。さらに如何に正月三日といっても、毎日がお正月みたいな先輩ですから家族への気遣いも無用?

日々家族と接し深い絆を構築し、定年退職まで仕事を全力でやり遂げられた先輩ならではの、正月三日の過ごし方だと尊敬申し上げております。過去においては先輩を手本にして、また常日頃もそのようにつつがなく生活できてない私の場合、正月の三日は、毎年母とお寺さんで過ごし、新たな一年に向け人生を見つめ直す日になっています。

かたや生臭をされた先輩の同日の成果はコレ。
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カサゴニザダイを釣られています。年末から更に低下した土佐湾の沿岸部岩礁域の釣りですから季節らしい釣果ですね。
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さらにヘダイも釣れたようです。釣法は暮れと同じサビキに付け餌ですね。大物は別として釣果の望める釣法です。

釣り味(釣った時の手応え)としてはニザダイ>ヘダイ>カサゴ。食味はその全く逆です。
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ですから、先輩も四苦八苦してカサゴの鱗を剥ぎ煮付けにしたとか。でもカサゴの小さな鱗を綺麗に取り除くのは簡単ではなかったと後日伺いました。
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オニカサゴとカサゴのお造り
カサゴは刺身にしても非常に美味しい魚種ですが、先輩は今回煮付けにした様です。
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カサゴのアラ味噌仕立て
ところが鱗が取り切れてなくて興ざめだったとか・・・
身質の食味・食感も含め先輩は常日頃、瀬戸内海のメバルの煮付けに勝る煮付けは無いと仰っています。

学生時代4年間を広島で過ごした先輩は、第二の故郷の味が忘れられない様なんですね。
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ヘダイの刺身
次にヘダイ。クロダイに似るも臭みの少ない白身魚ヘダイなんですが、この魚を好まない人も少なくないとか。身が弱るのが早い魚ではありますが、しっかりしたうま味はマダイ以上。私は皮目を残し湯引きにしてより強い食感とうま味を出すようにして食べます。
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処理の難しいニザダイ
ニザダイは食べるのに勇気がいる魚。身は綺麗ですが磯臭みの強い魚種、釣った後の処理が不可欠な魚です。先輩は恐れをなし食さなかったとか。でも、この魚の特徴を知った上で利用してくれた人がいたようですよ。

先輩、今回も高知の貴重な情報をいただきありがとうございました。

12月はマハタが狙い
香南市の遊漁船『飛翔』。
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香南市の遊漁船『飛翔』
気さくな船長の南部さんは、私に海のルアー釣りを手解きしてくださった方。
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北の奧山に雪が積もったこの日もお客さんを乗せ出船していたようです。
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今月は何が釣れているのかを伺うと、マハタ属が狙いだとか。この季節にはお値打ちの魚です。
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ということで、お客さんに頼んで釣果を見せていただきました。
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釣果は紛れもなく『マハタ』。大きいものは60cm3kg位の魚体です。
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でも、先週はこのサイズのマハタが10匹以上も釣れたとか。それではいくら寒くてもお客さんが来るはずですね。下世話な話ですが今の季節なら4,000円/kg位はする魚種ですから。
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マハタのちり鍋
皆さん、今日はマハタのちり鍋を心行くまで味わえるんでしょうね。羨ましいです。

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