土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

カテゴリ: 高知の防災

豪雨時の鎌井谷ダム2020
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十年ほど前まで、自身の暮らす住宅地から僅か数キロの距離に高知県の管理する歴としたダムがあることを知りませんでした。
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鎌井谷ダム
それは鎌井谷ダムといいます。

そのダムの存在は、香南市が誇る多汁高糖度のブランドみかん『山北みかん』の産地を回っていてダム堰堤に行き当たったのです。

その後、例年の様に発生し出した過去50年に一度と例えられる大規模な土砂災害の中、地域の防災対策を詳細に学ぼうと香宗川の防災治水管理を調べ出したのです。
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今日はその鎌井谷ダムがある鎌井谷川を主眼として深堀してみます。

鎌井谷ダムは高知県の管理するダムでは、現在6ダムの中で最小規模。現在というのは今現在、芸西村に建設されている和食ダム(重力式コンクリートダム形式の和食ダムの概要は、ダム高51m、堤頂長131.5m、総貯水量730,000㎥、有効貯水量680,000㎥、利用水量320,000㎥、洪水調節容量360,000㎥、事業費約160億円(県HP))が稼働前なのです。

鎌井谷ダムの概要は、
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鎌井谷川の起点標識
香宗川水系の主要支川『山北川』に注ぐ、つまり一次支川に合流する二次支川『鎌井谷川』にある堰堤なのです。

河川の起点とは、海に注ぐ河口を持つ川だと河口、川上に向かって分岐する川はその分岐点が起点となるどですが・・・

そこでこの件、高知県庁の河川課に伺ってみると、鎌井谷ダムを造る時に正確に測量を行い、鎌井谷川の最上流部をこの地点に定め起点標示し、山北川との合流点を終点と定めた実に特殊な河川だったのです。

そうなると是非とも終点まで行ってみたいもの。挑戦してみましょう。
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鎌井谷川のダム上流部
鎌井谷川の起点標識から、堰堤までは300mほどしかありません。
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この日は梅雨お大雨の後でこの水量ですが、普段は細い流水の沢。この沢の規模で懸念されるのは、氾濫による洪水よりも土石流発生による土砂災害だと思われます。
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鎌井谷ダム貯水池
鎌井谷川が流れ込むダム貯水池の規模は、総貯水容量136,000㎥有効貯水容量128,000㎥ですから、現在建設中の和食ダムよりかなり小容量です。
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堰堤形式は重厚な重力式コンクリート。堤体積は26,000㎥です。

堤頂部は車両が通行可能です。その堤頂長は131m。
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堤高27.3mと堰堤規模も建設中の和食ダムに及びません。ですから和食ダム完成後も、鎌井谷ダムは最小のままの様です。

眼下の小規模な河道は、計画高水流量6,000㎥/sを基本に造られています。計画高水流量とは、河道を建設する場合に基本となる流量で、基本高水流量から各種洪水調節施設での洪水調節量を差し引いた流量です。
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鎌井谷地区を下る鎌井谷川
これがみかんの里を流れ下る鎌井谷川です。奥手には鎌井谷ダムの堤が見えます。
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山北川と鎌井谷川の合流点
ここから数百メートルで鎌井谷川は、香宗川の一次支川『山北川』に合流します。
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鎌井谷川
俄かには信じられませんが、この沢の1kmほど上流にあの鎌井谷ダムがあるのです。つまり鎌井谷川と言われる名の香宗川二次水系のこの分流はここから、その起点までたった千数百メートルの沢と呼ぶのが相応しい様な小河川で、その短い間にダムを有する超特殊な河川なのです。
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鎌井谷川と山北川の合流地点に設置された案内
鎌井谷川流域のいたる所に、ダム放水時の注意があります。川幅が狭く、護岸堤が高い鎌井谷川ですから、上流部にダムが存在することを近隣住民は知っておかねば危険なのです。

さて、建設中の和食ダムと平成10年から稼働している比較的新しい鎌井谷ダムを様々比較してきましたが最後はこれ。
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以前、海から近い和食ダムという紹介をしましたが、鎌井谷ダムも海岸線から数キロの場所にあり、堰堤に立って目を凝らせば樹々の間から海が見えます。

設営にあたっては、必ず賛否の激しい論争が生じるダムの在り方。その価値を一律に測ることは単純ではありません。しかし上流域の人々の暮らしを瞬時に奪ったダムが河川に設営されていなければ、下流部の人々の暮らしは現代のかたちではなかったのは確実です。

そして地球温暖化の影響を受け、海洋から蒸発し続ける莫大な水蒸気がやがて雨として地上に下しる現代、過去算出した目論見でそれを制御し難くなっているのもまた紛れもない事実なのです。
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鎌井谷ダムは堤頂から海が見えるダム

明日は、鎌井谷ダムと周辺の自然について、ダムのある環境に暮らす住民として見たものをもう少し書き加えてみます。
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鎌井谷ダムで暮らすカワセミ

梅雨終盤の危機
停滞する前線の動きと、避難情報の対象となる大雨警報の発令時、豪雨によって発生する斜面崩壊、地滑り、土石流によって住民の生命が脅かされる土砂災害。また河川の水位上昇による河川の氾濫護岸堤の決壊による洪水に注意する日々が、わが香南市でも続いています。

そして、私の居住エリアでそれらの危害を最も注意すべきが一級河川物部川と二級河川香宗川。のふたつの水系。
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香美市神母ノ木付近の物部川の様子
高知県東部地域に対し、気象庁から警戒レベル4が発令された7月4日以来、物部川の水位と濁流の勢いはずっと衰えずこのままなのです。

画像の香美市神母ノ木にある物部川から香長平野の農耕地帯を縫う灌漑用水取水口から約1km上流にある杉田ダムもずっと大量放水継続中です。
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杉田ダムの放水
でも、物部川の水位調節に最も大きな影響を与える要因は、多分この杉田ダムではなく、本流の最上流部にある物部川最大のダム永瀬ダムなのです。
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永瀬ダム
永瀬ダムの計画最大放水量は2,300㎥/s(有効貯水容量41,470千㎥)を誇る大規模ダムなのです。そして、その情報は常に自宅に居ながらにして瞬時につかめるのです。
物部川永瀬ダムのリアル情報
香宗川の水位

7月8日の高知県予想雨量は250mm、中でも馬路や安芸、物部川上流部の大栃ではそれ以上の雨量に警戒し、更にその状況は7月9日も継続すると予想されています。

過去においては度重なる災害に見舞われ、その苦い経験を生かすことで豪雨災害には比較的強いとされている高知県ですが、昨日までの対策では太刀打ちできない災害が毎年複数発生する現在、個々もあらゆる情報を収集しその場所に応じた行動をいち早く取らねばなりません。

対策は、日々の積み重ねで実際の災害時に行うのは、その対策が生きる正確な行動でそれが自己流であっては危険過ぎます。我が家族は、日々より良い最新情報と災害時行動計画をアップデートすることが肝要と思い、地域とともに歩みを止めない様に行動しています。

災害対策への積極性があれば、香南市はそれが可能な地域なのです。

平成30年西日本豪雨から丁度2年
2018年、西日本広域に甚大な被害をもたらした『平成30年西日本豪雨』。もうすぐ丁度2年が過ぎようとしています。というか、あれからまだたった2年しか経っていなかったのです。

そんな2020年7月4日、九州は熊本県を中心にこの地域では今まで経験をしたことのない豪雨に見舞われる危険性が高まったとして、未明から『防災気象情報と警戒レベル5』が発令されNHKはこの情報を流し続け、多くの人々に警戒を促しています。
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もちろん九州の情報も大変気になりますが、この後同じ影響を受ける危険性が高い地元の情報も知りたいのです。そんな時、昔は暗い内から自身が行動して地域の危険な場所を見に行き、家族を守ろうとする人がたくさんいましたし、今も少なからずそうしているのかも。
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でも今では防災気象情報が発令されると、ネットで瞬時に地域の最新情報が得られ、地域の何がどの部分で危険なのかが把握でき、詳細な情報が瞬時に更新されています。また、危険が差し迫った場合には、市の防災無線や自身の意思で市にメールアドレスを登録するすることで、同様の危険を知らせてももらえます。
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香宗川とその支流山北川の合流点
現在は、短期間に繰り返されることの多い甚大な自然災害に対し、財産や生活を守ること以上に、自身や家族や地域の人々の生活を守らなければならない、大変な時代となりつつあります。
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香宗川水系の山北川
例えば、近隣の河川で氾濫の危険性が高まっていることが判れば、小規模な沢でない大雨時に災害が懸念される規模の河川であれば、その水位が常時ネット通知されている場合が多く、その上流部にダムがあれば、その情報も同時に収集できるのです。
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約三週間後には稲刈りが始まる香南市
ですから、どうしても自身の目で確認したければ、少なくても周囲が明るくなってからにするべきなのです。気持ちは十分に分かるのですが、時間雨量100mmを越える豪雨の中、浸かってしまう田畑を防ぐ術は・・・

7月4日の高知県東部は、一部地域で警戒レベル4まで達しました。河川氾濫による洪水が懸念され警戒レベル3となった香南市、香宗川水系でもより危険が高いのは支流の山北川であると明確にネット情報の地図内に表示されていたのです。
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香宗川支流の山北川
そして今回、高知県東部迄かかっていた線状降水帯は、午後には解消されそうで一旦大雨は収まります。

それでも増水が収まるのは雨が上がった直後からではありません。新型コロナウイルスの感染発表と同じように一定時間のタイムラグが生じてしまいます。

更に、明らかに分かる様に治水管理のひとつとして整備されている護岸堤防の高さは両岸ともに同じ高さ、同じ強度とは限りません。自身の居住地や勤務地におけるそういった地理的条件は日々頭に叩き込んでおかねばなりません。また、地域の防災会議防災訓練に積極的に参加し、細心の情報を常に得て、いざという時の避難をご近所と手を携え円滑に行える様に、より広域の情報も学ぶことが必要です。
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夕方には天候も回復したように見える高知県香南・香美両市。しかし次の雨雲はすぐそこまで接近して明日も雨の予報です。

この後も梅雨は続くのです。

私史上最大です
大好きな奥山へ車で入る時、知っている道でも苦手な道があります。
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梅雨時の轟の滝
例えば香美市香北町谷相の名瀑へ行くにしても、東山の瀑布群へ行くときは、猪野々柚ノ木の轟の滝へ行く時よりかなり緊張します。

轟の滝は一年に少なくても10回以上は行くのですが、互いに近くになるもう一方はそうはいかないのです。
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梅雨期の大荒の滝
落差40mの直瀑、梅雨期のそれは離れた場所からでも存在感があります。
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梅雨期の岩屋の滝
少し下流部にあるのが岩屋の滝。こちらは段瀑ながら落差55m。両滝は、かなり険しい遊歩道というより登山道を登れば、滝口から滝壺へと落下する瀑布が確認できる場所までいけるのです。

その間にはもう一つ、つらら滝といわれる滝があるんですが、それは車道からは確認できません。

この瀑布群、水量の多い梅雨期に行くのは、大規模な滝ならではの大迫力を味わえるのですが、その時期はここを訪れる人はそう多くありません。

その理由はいくつかあります。

先ず、
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紅葉期の大荒の滝
大荒から岩屋の滝辺りは、もみじ峡といわれる紅葉の一大名所。

秋には名瀑と紅葉が一緒に楽しめるので、多くの人はその季節にここへ来るのです。

次に、
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落石の多い名瀑群への林道
ここへの道は、いつ来ても落石に悩まされるのです。

しかも、この名瀑群は高知県道から7キロほど奥へ入った久保川の上流部。同じ県道を3キロ入って着く、日本の滝百選のひとつ轟の滝よりもかなり遠いのです。
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しかも、轟の滝周辺には集落があり人が日々、生活道としても使っている道。一方、名瀑群への道は、その距離の半分以上が生活道ではなく、林業と景勝地へ向かう特別な道で、ライフラインとは言えない道。保守点検は手薄になりがちなのです。

ですからこんな巨大岩石が道に転がっている時もあるのです。しかもこれ、崖崩れではなく落石の類。この場合、通行止め状態なのは崖崩れに匹敵しても、石であろうが岩塊であろうが、この状態は落石なのです。

ですから、道に落石注意の標識があれば、こんな岩塊も含めて注意せねばなりません。それはまるで、不要不急の通行自粛みたいなものでもあるかの如し。行くときを十分に見極めて行くしかないのかも。
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斜面の上を見てみたら、森に穴が開いていました。ここを転がり落ちてきたのです。高いところから低所に勢いよく堕ちるのは、滝の水だけではなかった様です。
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アスファルト舗装が陥没しています、これだけの巨岩ですから。

足かけ12年費やす大事業
初夏になり小川のオイカワが産卵期を迎えています。婚姻色を発するオイカワ♂は実に美しく、日本淡水魚屈指の輝きを放ちます。
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そのオイカワ♂がこちら!春、水温が温み体力を養える環境が、この小さな小川に残されていたようです。
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一方で、これはオイカワ♀。色は地味でも、腹部の膨満を見れば、抱卵状態が容易に推測でき、これもまた水路の生物が見せる季節感の現れなのです。
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そのオイカワも近年、この辺りでは個体数を減らしています。半世紀前はもっと沢山いたのです。

でも、魚がいなくなった訳ではありません。アユの遡上の多い年には、こんな水路にもアユは遡ってきます。直接的にオイカワに取って代わったのが、流水域に暮らすカワムツ(上画像で最も下)という淡水魚。といっても、カワムツもまた紛れもない日本原産の淡水魚なのです。

同じ流水域に暮らす淡水魚同士、何故入れ替わっているのかと言えば、それは川が変わったのです。護岸工事の一環で、農業地帯を流れるこの小川の日々の役目は用水路であり、雨水を下流へと導く治水路としての適用性を強化される中、用水池とも連動しその役目を果たしています。
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平たく言えば、水流が平たくなっているのです。

水路の傾斜をやわらげ平時の水流は昔より遅くなっているので、より早瀬を好むカワムツの占有率が高まっているのです。競合関係をもって共存する両種の関係は、微妙な環境の変化によって占有率が変化し、オイカワは多くの河川において、より上流域に移動しつつあるのです。
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それでは上流へ行ってみましょう。因みに上手で泳いでいたのは鯉幟でした。
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冗談はさておき、この先ほんの数百mには凄いものが出来つつあるのです。如何にも小川には不釣り合いな大規模治水・灌漑用建築物なんですよ。
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それは大規模な堰堤、つまりダムです。

海沿いを走る国道55号線を北に折れ、高知県道216号線を2km北上すると再び北に折れ農道を進みます。海沿いの国道55号線からこのダムまでは3.5kmほど。ひょっとするとこれは、海から最も近い本格的なダムなのかも?
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それは海の見えるダムなんてレベルではなく、海の波音が聞えて来るダムなのです。海から3km以上離れた私の自宅でも、風向きによってそれは聞こえてきますから。
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なにせ、高知の場合は海の傍は山。川が猫の額ほどの農耕地を経て、直ぐに小高い山に囲まれた谷間に入るところはいくらでもあるのです。
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実はここを紹介するのは二度目。

昨年春、妻に連れられてきた和食ダムなのです。

その時にも書いたのですが、妻は先ず香南市の主催する毎月の地域を知るカルチャーイベントに参加してここへ来たのです。

一時の様に造られなくなったダムですから、私の人生の見納めに連れて来てくれた、だいたいその様に理解しています。外出自粛には関係なく、滅多に一緒に外出しない夫婦です。
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もっと驚いたのは、珍しいダムの建設を見られる好機よりも、長い長い工期。

和食ダム完成の予定日は、それでも私の自動車免許返納予定日よりは前ですから、なんとか元気でいて和食ダム湖を回ってみたいものです。

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