土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

タグ:オオモンハタ刺身

夏のマハタ属を刺身で食べ比べ
今日は家庭では食べ頃サイズのマハタ属二種を刺身で食べ比べ ということで記事を書いてみました。マハタ属は美味しい魚種揃い。しかも高知では比較的手に入り易い魚種が揃っているのです。

そんな
マハタ属の旬は、魚種そのものの美味しい季節である以上に、どのような調理の食材として活用されるかで決まるといっても過言ではないと思います。
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オオモンハタを刺身に
つまり、マハタ属は総じて産卵期直後を除けば、どの季節でも美味しいのです。そしてこの前の土曜日にも吉川の天然色市場に入荷していたマハタ属がこちらの『オオモンハタ』。オオモンハタは高知県中部の沿岸域では最も資源量の豊富なマハタ属です。
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オオモンハタ野締め)】
でもこの日入荷していたオオモンハタは野締め。体表にくっきりと刺し網の痕がついていました。でも、鮮度に優れていたので生食して問題ない状態です。55cmほどで1.5kg程度、価格は税込み2,000円ちょうどでした。
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クエ神経締め)】
一方は、先々週に入荷していた『クエ』。大きさは上のオオモンハタとほぼ同じで税込み3,000円ちょうど。クエは希少性の高いマハタ属で、狙って水揚げ出来る代物ではなく、しかもその時は活で入荷。ですから天然色市場では、血抜きして神経締めを施してくれたのです。

クエとオオモンハタ、鮮度によるスタートラインは異なっていますが、先ずは両種を刺身料理での食材価値で比較してみましょう。野締めと神経締めでは比較にならないようにも思えますが、オオモンハタにもアドバンテージはあるんです。同じ大きさでも、オオモンハタは十分な成魚でクエはこのサイズだと成魚直前の若魚といったところです。
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オオモンハタの身質
鮮度には優れるものの血抜きができていないので、身に血が残ります。脂ののりは若干オオモンハタに軍配が。
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今回は野締めのオオモンハタですから、余分な血は丁寧に拭き取って切りそろえます。
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クエの身質
一方のクエは、天然神経締めならではの透明感のある色合いと、若魚でありながらもしっかりと締まった身質。
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オオモンハタの刺身は姿造りに
挽いた皮目は塩茹で後に刻んで添えます。
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オオモンハタの刺身
若干赤身のあるオオモンハタの身は刺身醤油でいただき、
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歯ごたえと脂ののりに特に優れるエンガワ部分は湯引きした皮と一緒にぽん酢で食べます。オオモンハタは身に脂がのっていても、肝は小さく脂ののりも良くなかったので、食材部位からは除きました。

マハタ属の美味しさは、しっかりと感じるうま味と適度な食感、それに産卵期の前など天然魚らしく自然環境の営みのなかで脂がのってくると、その身の旨みが最高潮に達してきます。

さらにマハタ属の特長として忘れてはいけないのが、ゼラチン質豊かな皮目のうま味。
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夏クエの皮目
これは焼いて香ばしく味わうより、炊いて味わう方が更に上質。ですからクエを始めとする中・大型マハタ属は、夏も美味しくても鍋料理の季節には更に珍重されるのです。マハタ属の身は加熱すると、身が過剰ではなく適度にギュっと締まりそれもまた旨いのです。
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その身の締まり具合と皮目の旨さに秀でるのが間違いなくクエ、しかももっともそれが味わえるのが中・大型の魚体なのです。総じて皮目の旨いマハタ属の中でもクエの皮は実に美味く、皮目に限っていえば次に来るのが外洋性マハタ属ではアカハタでしょうか。
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アカハタのお造り
しかも、アカハタの皮色目の色彩美はマハタ属で一番。
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でも、皮目の旨さはクエに劣らぬアカハタであっても、中・小型のマハタ属であるがゆえに加熱した時の食感はクエには及ばないのです。

以前、オオモンハタの神経締めを柵どりにしたもの(季節は冬期)がこちら。
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脂の乗りは夏の方が良かったのですが透明感は血抜きした神経締めが優ります。
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クエの薄造り
ですからマハタ属の場合、特に夏期は清涼感を演出するために、活魚は丁寧に血抜きして神経締めを施し料理方は刺身ではなく、やや厚めの薄造りにして
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時にお好みで肝を和えていただくのです。

前述のようにクエのお値打ちのひとつが、ゼラチン質に富んだ皮。それには珍味を思わせる旨さがあります。

ですからクエのカマや頭部などの粗身は、夏場でも汁物にして七味をかけていただきます。一方、オオモンハタの粗身は唐揚げが美味ですね。オオモンハタの皮目は、ゼラチン質豊かなマハタ属のそれとしては若干特長に欠けるものなのです。裏を返せば比較したクエが非常に優れているだけなんですけどね。

価格も異なる両種ですが、どちらが美味しいというより家庭料理であっても、種や季節の特性を生かし鮮度を見極めながら、どちらも美味しく調理出来る両魚種なのです。両種以外でもマハタ属の各魚種は、各々その特徴を生かし料理できる魚種であると思っています。

産地を回って、マハタ属の料理があればいつも食べて比べてみたいと思っています。

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旬の家庭料理 オオモンハタの刺身
さて『活き締めオオモンハタ』、早速調理してみましょう。前回調理したのは『野締め』だったので、今日はより鮮度を生かした調理にしてみます。
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ご覧のように表皮色素は未だ活動していますから、細胞的には生きている状態。ですから死後硬直には至っておらず、身質が柔らかく慣れてないと結構“おろす”のが難しいんですよ。
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いつもより丁寧におろしていきましょう。ところが、開いてみると期待したほど脂はのっていませんでした。前回は身質全体に脂が万遍なく浸潤して、これぞ鍋具材鮮魚という感じでしたが、今日は鰭近くの縁側と腹腔壁あたりに脂はのっているものの、全体的にはのり薄いのです。
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ても柵に取ると、この色合いとシズル感。極上であることに変わりはないのです。いまだシャキシャキ感触ではなく、弾力に富みモチモチとした肌触りなのです。元来旨みも強く、肉質もしっかりした魚類なので、ハタ科の魚は全般に鮮魚価値が高いのです。それが今日は活き締めで手に入ったんですから。
オオモンハタ料理











鮮度の良さ、脂ののり具合で判断して、このように調理し、盛り付けてみました。
せっかく活き締め魚を使用するんですから、生食(刺身)は外せません。更にキモも、しっかり食材活用します。
オオモンハタ刺身











オオモンハタの刺身
刺身は、“ちり造り”よりは厚めに切りそろえ、柚子ぽん酢でいただくように盛り付け、薬味をあしらってみました。
でも、半身は“ちり鍋”にしますから、その前に刺身用の上身を使って“紋クエしゃぶしゃぶ”もありですね。
オオモンハタ あら (2)














こちらは鍋具材用盛り付けです。加熱にはもったいない鮮度でしょうでもこれが又、頗る美味なんです。

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