土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

タグ:タイワンウチワヤンマ

蜻蜓‎(ヤンマ)じゃない?
美しい緑の複眼、濃紺地に黄色の縞模様の大きなトンボ。
ヤマサナエ (3)










日高村メダカ池のキイロサナエ 雌
多くの人はこんな大型蜻蛉を見たら・・・オニヤンマって思いますよね。でもあながちそうではない上の画像は・・・
サナエ科(アジアサナエ属)キイロサナエ. 学名Asiagomphus pryeri.

オニヤンマでなければヤンマ(ヤンマ科)でもないんです。
ヤマサナエヤマサナエ (2)









安芸市赤野、溜池のキイロサナエ 雌
出現季節は早く、高知では4月になると羽化し逆に梅雨が明ける7月初めころまでしか見られません。サナエ科のトンボ、中大型のトンボ種の中では最も羽化が早く、田植えの頃に成虫出現するので早苗蜻蛉
タベサナエ (2)タベサナエ






四万十市トンボ自然公園、コウホネにとまるタベサナエ
でも、ひとつ訂正です。サナエ科のトンボ、全てが中大型のトンボ種ではないんです。上の画像はタベサナエ。サナエトンボ科、学名Trigomphus citimus tabei.

体長4㎝ほどで長さは大型のイトトンボ程しかありません。でも、形や紋様はヤマサナエと類似しています。
ヤマサナエヤマサナエ (5)






日高村メダカ池のヤマサナエ 左:雄 右:雌
ヤマサナエは最も普通に見られる大型(6~7㎝)のサナエトンボ。平地から低山地の流れのある水域に広く生息しています。
交尾DSC00978






ヤマサナエ交尾・メダカ池へ流れ込む小川において単独で打水産卵していた雌
タベサナエヤマサナエ羽化






香南市香宗川水系で羽化直後の 左:オジロサナエ 右:ヤマサナエ
ヤマサナエ









サナエトンボたち、ヤンマのように縄張りを長時間飛びまわる事はなく、人前でもわりと平気で止まって見せます。
ヤマサナエ (2)ヤマサナエ (4)







しかも画像でおわかりのように全て水平方向に平止まり、これがサナエトンボの特徴なんです。
ちなみにオニヤンマ
オニヤンマ











香南市のオニヤンマ
ヤンマたちは、このように垂直方向に止まります。道に平止まりなんて絶対しません。

さあ日本最大のトンボ、オニヤンマが登場したところで、下画像のトンボ種名わかりますか。  6月7日、日高村メダカ池に数個体いました。体長は8~9㎝超大型です。
コオニヤンマ









蜻蛉通でもない限り、絶対オニヤンマっていちゃいますね。
もっと接写があります。
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コオニヤンマ (雄)、全て日高村メダカ池での撮影個体
歩いている私の真前の紫陽花に止まって、結構ろいでいます。このトンボの名はコオニヤンマ、大きさはオニヤンマと殆ど変りません。
コオニヤンマメス










コオニヤンマ (雌)
5月上旬頃から羽化し、9月頃まで見られるコオニヤンマ。羽化後、水域近くの草むらなどで活発に摂食活動を行います。
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オニヤンマ (雄)
サナエトンボはヤンマより、さらに脚(特に後脚)が発達しています。


コオニヤンマ (2)









成熟個体は河川上流域から中流域に移り、見晴らしの良い河原の岩の上や枝の先などによく静止しているのを良く見かけます。
ヤマサナエ山早苗








サナエトンボの複眼
未熟期は複眼が深緑色、成熟すると澄んだ緑色に変わります。
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あれ・・・コオニヤンマ岩の上に平とまり
コオニヤンマコオニヤンマ (2)






実はコオニヤンマ 学名Sieboldius albardae、和名は小鬼蜻蜓でありながら、「ヤンマ」の名がついても分類上はオニヤンマ科ではなく、ヤンマ科でもないんです。こちらも サナエトンボ科(コオニヤンマ属)のトンボの一種。つまりコオニヤンマは、サナエトンボ科最大種なんです。

オニヤンマとコオニヤンマ。一見して頭部の大きさが違いますね。サナエトンボ科の蜻蛉たちは胸部がよく発達している反面、頭部は小さく見えます。
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更にコオニヤンマ幼虫(ヤゴ)はこういった平たい形(上画像)。
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ヤンマ科の蜻蛉は大体こんなヤゴです。
同じように蜻蜓(ヤンマ)の名がついて、サナエトンボ科の蜻蛉がウチワヤンマ属のウチワヤンマSinictinogomphus clavatusとタイワンウチワヤンマIctinogomphus pertinax。
タイワンウチワヤンマ (2)タイワンウチワヤンマ







タイワンウチワヤンマ
メダカ池ではヤマサナエが少なくなってくると、タイワンウチワヤンマ目立つようになり、コオニヤンマが下火になると多くのオニヤンマが飛翔しだすのです。蜻蛉たちを見ることにより、季節の移ろいがもっと身近に感じられるんですよ。

地球温暖化の種
香南市黒谷池のトンボ、『タイワンウチワヤンマ』。
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【タイワンウチワヤンマ】
高知では、私が子供の頃(40年以上前)から普通に見られたトンボですが、古くより地球温暖化の指標となっているトンボです。

日本には在来種の『ウチワヤンマ』という種がいます。
ウチワヤンマウチワヤンマ
【ウチワヤンマ】
トンボに興味がある人は、二種を簡単に見分けることができます。
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【タイワンウチワヤンマ】           【ウチワヤンマ】
尾部先端が、より団扇的なのが在来種の『ウチワヤンマ』そして団扇は内が黄色、外が黒。体型比較でもウチワヤンマの方が一回り大きいです。
でも興味がなければ、池でウチワヤンマが飛んでいても絶対そんなところまで調べません。飛んでいる時は、キンヤンマのようにフォバリングを繰り返すわけでもなく、オニヤンマ的に飛びますので飛翔中の同定は極めて困難です。
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【タイワンウチワヤンマと混棲することの多いオオヤマトンボ】
というか両種が飛んでいると、どちらも大型で、頭部「」、体「」ですから、殆どの人はオニヤンマだと思います。たぶん日本人の多くは大きなトンボをヤンマと呼び、ヤンマオニヤンマ的イメージだと思います。
もう少し知っている人は、オニヤンマ以外はギンヤンマと思っている

人がトンボを見て季節を感じる、文学の中での蜻蜓‎蜻蛉の季節感はそれで十分なんでしょう。
蝉のように種固有の特徴的な鳴き声を持っているわけでもありませんから
DSC04865オニヤンマ
【オニヤンマ】

前述のように大型トンボを日本では概してヤンマと呼びますが、ヤンマ科となると定義はアオヤンマなどを除いて胸に接した腹節が胸の方向にくびれており、そのほかは節によって太さに差がないのが特徴。
ですから、オニヤンマはオニヤンマ科、タイワンウチワヤンマ(ウチワヤンマも)に至っては、サナエトンボ科です。

ヤンマ(蜻蜒)の語源

羽根のつくりからきているようです。羽根が美しいから笑羽(エムバ)とか羽が重なっているから八重羽(ヤエバ)がなまったとかみたいです。
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ヤンマ科のミルンヤンマ。恐ろしいほど力強いヤンマですが、体型は良く見ると女性的
(個人的に私の家内にだぶらせてしまいます
最初からヤンマだと判っていたら近寄りませんでした。
DSC06209ちなみに私はこんな感じ

タイワンウチワヤンマ文献によると高知では、1934年にすでに生息が確認されていたそうです。
これは、鹿児島より4年、宮崎より23年も早い発見ですが、他の昆虫の温暖化による生息域の拡大パターンとの比較から見て、疑問視されています。

つまり、本県には古くより熱心なトンボ研究の方々がおられ、その結果による早期発見結果だというのが諸説のようですよ。

で、地球温暖化によって昆虫の種類が増えてなんの弊害があるんでしょうか

環境の変化に対応した種が、勢力を伸ばすのは自然の節理です。しかし、それはい換えれば自然下での緩やかな変化であって、人工的に起こされている劇的変化は人間自体にも悪影響を及ぼしかねないと言われています。

人間は自分の都合で環境を変え、それが自分たちにとって悪影響を及ぼす心配をし、その指標に他の生物を観察しているみたいです。確かに環境調査を行い、そこに棲む主要生物の生息状態を調査、激減した種は更に生息数を調査し、勝手にランク付けして絶滅危惧種に指定し保護を始める。

地域的な環境悪化の場合は、改善も可能でしょうが、温暖化は地球規模の変化なのです。人間が手に入れた人間だけに使われる多くの便利を放棄しない限り、今の科学では劇的に改善することの無い問題。そして、それは自分たちの老後の生活とかいう短い将来の問題ではなく、自分たちの子孫に大きな借金を回している可能性もあるのです。ですから、中には子孫を作りたくないなんていう人がいても不思議ではないと思います。
そして私も間違いなくその一員です。力を持った種が選択権を行使し、未来を選ぶ権利と責任を持つのです。

タイワンウチワヤンマ、温暖化を利用して勢力を伸ばしていますが、生息する地域環境への高い順応性も研究、報告されています。まず、棲み分けの場所として水辺を選択していますが、他のトンボより環境変化には明らかに強い。
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香南市黒谷池は、農業用ため池ですから水深もあり水草は除去されます。今年は池畔の草木が辛うじてその代役を果しています。
トンボの環境保護を行っている池は、
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複数種の水草が茂っています。それに、水草のない部分もあります。
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水草はトンボのある行動にとってとても重要です。
その利用法は、
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産卵。
トンボの産卵方法は、大別して4種類(単独・連結)×(空中・留止)です。
単独で打空産卵する場合でもチョウトンボは浮草の隙間を好みます。
チョウトンボ
ですから、今年水草を除去した黒谷池では、ギンヤンマの飛来は激減し、チョウトンボは確認できません。去年は沢山いたんですよ。

実は私、近所の黒谷池にたくさんいるタイワンウチワヤンマの産卵を見たことがありません。とういか交尾もないんです。で、また調べてみると水面付近の低空で交尾した直後に雌が単独で打空産卵、産卵は浮いている落ち葉等浮遊物にこすりつけています。ウチワヤンマ産卵中にフォバリングしていますが、タイワンウチワヤンマのフォバリングも見たことないんです。

黒谷池へ行く楽しみが増えました。そして文献にはトンボは自らの産卵スタイルを変えないと書いていますが、ギンヤンマの場合は単独産卵や、連結打空産卵をしている姿を見たことあります。一般的には大多数が写真のように、連結で浮草に留って水平産卵していますが、垂直パターンもあるんですよ。
産卵ギンヤンマも環境への順応が高いようですね。
一説によると、ギンヤンマの産卵バリエーション多彩さは、クロスジギンヤンマとの交雑が原因とも言われていますね。


さあ、今日の主役タイワンウチワヤンマ。地球温暖化により更に北上して勢力拡大していますが、それに伴い自らの耐寒性も高まっているようです。

タイワンウチワヤンマが、既存生態系に及ぼす影響
ウチワヤンマが生活域を奪われているといわれています。
そして交雑の可能性、交雑すれば遺伝的のかく乱が懸念されます。ギンヤンマはクロスジギンヤンマとの交雑が確認されています。

昆虫で温暖化の指標となる種を他にも検索してみると・・・
イシガケチョウ・ナガサキアゲハの名前が出てきます。
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ナガサキアゲハ 黒谷池畔8月撮影
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イシガケチョウ  黒谷池畔6月撮影

どちらも、黒谷池畔で普通に見ることができます。

ナガサキアゲハは元来高知にはいなかった種で、1940年頃に確認され、イシガケチョウは元々生息していた様ですが、現在北上を続けています。

そして、家内のペットのツマグロヒョウモン。この種もまた地球温暖化の指標となっています。
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なんか、私の周りの生物、地球温暖化の百貨店みたいです。

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