土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

タグ:ニホンイシガメ

アマゾン川 
家内が言うんです「香南市香我美の人工水路、ありゃ~アマゾン川ぞね」。アマゾン川に例えられた小川、こんな感じです。
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このありふれた水路が何故アマゾン川かというと・・・カメがたくさんいるんです。それもミドリガメ。ミドリガメは昔(40年以上前)、緑ガメと表記されアマゾンの緑ガメをプレゼントってTVで紹介されてた記憶が、私たちの世代には強烈に残っています。ミドリガメが何かの商品のギフト・プレミアム(景品)とはひとあじ違った圧倒的存在、つまり元祖ノベルティ・グッズだったんですね。
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赤い斑紋と濃い緑が鮮やかな子ガメ
でも宅配サービスが今の様に充実していない時代、どうやって当選者の皆様にカメを届けたんでしょう。それはともかく、この水路にその末裔たちがたくさんいるって、実際どのくらいいるんでしょうか。水路に添って少し歩いてみました。
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その前に訂正です
今までにも、ミドリガメを当ブログで外来生物(現在、亜種ミシシッピアカミミガメが、要注意外来生物に指定)として記述した通り、十数種いるアカミミガメ属のうち緑発色の顕著な幼体を特にミドリガメと呼び、その大部分がアメリカ合衆国原産。アマゾンではないのです。
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秘境の珍カメ的印象が欲しかったのでしょうか。現在ではNGですね。
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リハビリを兼ねて、500m位歩いてみました。結論からいうと確認できたカメが28匹。内アカミミガメ24匹、侵略的外来種として要注意の指定通りです。

この水路の環境が、アカミミガメに特に合っているのでしょう。100mほど横を流れる香宗川本流で見るカメは殆どニホンイシガメです。
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アカミミガメ、爪の長さが目立ちますね。私は飼育したことありませんが、ペットショップで見ると在来種より気性が荒いように見えました。でも自然下ではクサガメと並んで甲羅干しして争いは見られません。
アカミミガメ










これらの外来カメは全て、人によって放たれた個体とその子孫です。美しく可愛い子カメ、硬い甲羅に保護されたカメ独特の体型により、成長は決して早くなく飼育も比較的簡単。でも、こういった内陸性の小型カメ種でも、環境に適合すれば時に30年以上生きるんです。

ですから、飼い主としては最初に30年飼い切ることができなければ飼ってはいけない種たち、外来種(本来その地域には生息していない在来亜種も含め)を自然界に放つ事は、今の倫理ではある意味不法投棄であり、種によっては法律で大きな罰則を科せられる場合もあります。

既存種への侵略が、ニホンイシガメの個体を減少させ、本来あるべきではない交雑を引き起こした可能性もあるのです。地域独自の生態系に及ぼす一時的侵略危害より、侵略種の繁殖は重大問題であり、さらにそれらと既存種の交雑が起こり、その雑種が繁殖能力を有する場合はもっと重大な環境破壊になり得ないのです。
ヌマガメ科アカミミガメ属のアカミミガメに限っては、日本在来カメ種との交雑はありません。)
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アカミミガメたち、在来種とは比べ物にならない用心深さ。足音が聞こえただけで即座に水中へと飛び込みます。
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クサガメ
残ったクサガメが、互いに顔を見合わせキョトンとしています。クサガメは水路に3匹確認でしました。
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やっと見つけたイシガメ。アカミミガメの群れに混ざって1匹だけいました。高知は比較的個体数が多いイシガメですが、この水路では大苦戦です。
でも、このカメ。良く見ると何か変です
ウンキュウ













全体的な体型はニホンイシガメなのに、首紋様はクサガメ。両種の交雑種『ウンキュウ(俗称)』なんです。自然下での発生は稀少なんですよ、私も確認したのは初めてです。
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ウンキュウの甲羅と首部
在来種どうし、カメ目イシガメ科イシガメ属クサガメ属交雑種、ウンキュウは両種の特徴が色濃く繁栄するも各個体差は大きく、とても興味あるカメです。

詳しく観てみると、甲羅に走る明確な3本の突起線(隆条)はクサガメ的、甲羅尻尾側の滑らかさもクサガメ様です。
ニホンイシガメ







香宗川支流山北川のニホンイシガメ
さて、この水路のカメたちは何を食べているのでしょう。
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コイの稚魚とクロベンケイガニ
彼らの餌は豊富にあります。動物だけでなく柔らかい水生植物も大好きみたいですよ。
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今の季節、特にコイの稚魚が多く、広い範囲でナマズの捕食音が聞こえてきます。
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高知では、早くも稲穂の実る季節です。

四季の自然を満喫
昭和の時代、水辺の周りにあふれていた蝶や蜻蛉。今ではめっきり見る機会も少なくなった水と深い関わりを持つ昆虫たちが、日高村メダカ池では今も観察され繁殖しています。
日高村 調整池












日高村メダカ池は、高知県で2番目に大きい流域面積を持ち、水質の良さでも全国屈指の一級河川として全国に知られる仁淀川の一支流となる日下川の洪水調整池。それが本来、この池の役目です。

洪水調整池とは、
地域一帯は昭和21年の南海地震において地盤が沈下。日下川において豪雨で増水した上流部からの濁流が洪水化するとこの池に氾濫水を貯水させる他、本流(仁淀川)が増水すると下流からの逆流水も発生、越流堤より氾濫水が池に流入する仕組みになっています。

つまりこういった場合に地域住民の生活を守る為、一時的に大規模な氾濫水貯水池として稼働。水が引き始めると下流にある排水門から徐々に水を出して洪水を調整する目的で、1998年に完成しました。
コムラサキ (2)











柳を幼虫期食草とするコムラサキ
以前、このあたりは柳林の生える低湿地だったそうですよ。人だけの都合で大きく形を変えられた現在も、以前いた生物たちの多くが命をつなぎ、新しい環境が作り出す生態系に順応しているようです。

メダカ池 上池メダカ池 下池







上池と下池
上池・下池に分かれるメダカ池は、14haの人工内陸型湿地を形成。
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池畔の環境整備
池には水生植物が繁茂し、池畔やそれを取り囲む小高い山々との林縁整備も、人の手によって定期的に成されています。
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池畔と林縁の様子
上池、下池の池畔周りには遊歩道が整備され、季節の花が咲き、四季折々の水鳥が訪れ、水生昆虫の営みが見られ、メダカをはじめとする魚類が輝く。空に地に水に生き物たちの生活があり、人がそれを後押ししているのです。
日高村 調整池 野鳥










初夏の水鳥たち
そして、日高村はこの池の環境が作りだす生態系を生かしたイベントを開催し、多くの人々がこの地を訪れる機会を創出しています。
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日高村メダカ池。人によっては、アジサイ池であり、トンボ池であり、野鳥池でもあるのです。そして、何度か訪問しているうちに、それらのつながりを感じてくるのです。

人もまた、地域の生態系を構成する生物であることは紛れもない事実。多くの野生生物たちも人の創りだす、理に適った亜環境に適合しようと、必死で歩み寄っているように見えます。

日高村メダカ池、今では見ることの少なくなった昆虫たちに出会える機会も少なくありません。高知県では、少なくなった昭和の自然環境が今なを維持されているように見えます、水というキーワードによって。

その生態系のなかに、多くの外来生物たちも又加わっているのです
ジャンボタニシジャンボタニシ卵








ジャンボタニシと呼ばれるスクミリンゴガイ学名:Pomacea canaliculataは南アメリカ ラプラタ川流域原産。食用として1981年に台湾経由で移入、食用(時に広東住血線虫等の寄生虫を宿し、 加熱不足で食した場合それらが人体に感染し、死に至ることもある)としての価値創出ができず野性化したものです。稲を食害する貝としての懸念があります。
カルガモ













スクミリンゴガイ
を好物とするのがカルガモ 学名Anas poecilorhyncha 渡りを行わないカモ目カモ科マガモ属の鴨。初夏のメダカ池で最も多い水鳥です。
ウシガエルDSC01017








ウシガエル・アメリカザリガニ
ウシガエル
学名Rana catesbeiana 日本には1918年に、食用としてアメリカ合衆国から試験的導入られた古い歴史を持つアカガエル属の一種。
その養殖過程てアメリカザリガニが本種の餌として輸入されたという関係。何故か高知のメダカ池で再びその関係を回復させています、自然下で。

ウシガエルが在来種トノサマガエルの生活圏を奪うと同様、日本固有のニホンザリガニ(北日本のみ生息)にとって、アメリカザリガニの更なる脅威は、ザリガニカビ病を媒介してニホンザリガニの生態系を脅かす懸念が指摘されています。
DSC00795外来種








アカミミガメ・ライギョ
アカミミガメ
学名Trachemys scripta 昭和後期の縁日で人気だったミドリガメ(幼体呼称)の成亀、日本の幅広い水域で逞しく繁殖。カメは多くの種で環境破壊による個体数減少懸念とともに外来種による既存種のニホンイシガメ(日本固有種)、クサガメ等の生活圏を奪う懸念があります。

アメリカザリガニも、アカミミガメの主な種T. s. elegans(ミシシッピアカミミガメ)も共にミシシッピ川流域を故郷とし、アメリカでも天敵関係。これまた日本でも偶発的に延々同じ関係を続けているのです。

一方のライギョ。雷魚の和名を持つも、カムルチー・タイワンドジョウ・コウタイの3種が分布し、日本には自然分布しておらず移入されたと言われています。メダカ池で見られるのは、その最大種であるカムルチーのようです。この魚もウシガエル、アメリカザリガニの天敵です。
イシガメ
















ニホンイシガメ(成カメ)〗
一日の観察ですから、軽々には語れませんが、アカミミガメが既存生態系を破壊すると言われる、日本在来のカメは、当池に沢山生息しており繁殖もしているのを確認しました。
イシガメ 子亀クサガメ 子亀








ニホンイシガメ・クサガメの銭亀(幼カメ)〗
ニホンイシガメは、開発による生息地の破壊、水質悪化、ペット用の乱獲などにより生息数は減少、地域によっては絶滅する可能性が高い場所もあり準絶滅危惧(NT)なんですよ。でも環境さえ適合すれば、比較的容易に個体数が回復する種でもあるんです。

カエルを大好物とする日本既存の動物といえば、
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アオダイショウ
食性と分布域が広いヘビ種ですが、カエルを主食としだすと他の餌には振り向かないと言われています。今の時期メダカ池には沢山います。無毒ですが、噛まれるとそこそこ痛く、時に口腔内に破傷風菌を保有する場合もあるようで、咬まれたら患部を水でよく洗い、消毒が必要です。
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スイレンとオオフサモ
オオフサモ 学名Myriophyllum aquaticumは、南アメリカアマゾンが原産地の水生植物。
アクアリウム用に各地に移入され、日本などで侵略的外来種となっている特定外来生物です

一日の取材でもたくさんの生き物に出会い、多くを見、多くを考えました。多くの外来生物が繁殖しながら、近頃めったに見られなくなった、高知既存の生物もまた数多く見られる日高村メダカ池。

その生態系がこれからの自然と調和した環境づくりのヒントと成り得るのでしょうか。興味の尽きないところですね。

日本石亀
子供の頃、小川に行くと普通に見られたカメ。
ニホンイシガメ
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イシガメ                        クサガメ
夏の終わりには川の中洲へ渡ると砂地や浅瀬に生まれたばかりの子ガメがどっさり。硬いカメの甲羅が子ガメはゴムのように軟らかく、驚いたものです。

日本固有種のカメ:ニホンイシガメ
イシガメ
河川、湖沼、池、湿原、水田などに生息し、やや流れのある流水域を好むカメ。最も個体数が多かったのが日本固有種の淡水棲息種、ニホンイシガメです。学名はMauremys japonica 爬虫綱カメ目イシガメ科イシガメ属に分類されるカメ。一般的には石亀(イシガメ)で通用し、幼カメは銭亀(ゼニガメ)私たちは一厘亀と呼んで子ガメを可愛がっていました。
イシガメ 子亀一厘銭
このイシガメ、日本伝統の歴史ある愛玩動物(ペット)なんですよ。
クサガメ 子亀













クサガメの幼カメ
生態は、水カメでありながら陸ガメの傾向が強く、夏季に陸づたいに一定の地域内にある複数の水場を移動し生活域の拡大をはかります。
イシガメ













反面、水質の悪化に弱く塩素を中和していない水道水で頻繁に水替えを行うと真菌性の皮膚病を患うことがあります。そのため生活排水の流入が少なく、水質が清涼かつ水量が多い水草の繁茂している環境が求められます。

ニホンイシガメ









特殊な進化の過程を経て現在に至るニホンイシガメ、オスよりもメスの方が大型になります。遺伝子解析による研究ではイシガメ属の他種よりもクサガメハナガメ属に近縁と推定されています。そのためイシガメ属にクサガメ属とハナガメ属を含める説や、本種をハナガメ属に含める説もあるほど分類上非常に厄介な種なんです。
そして、日本にしか生息していない貴重なカメ。
クサガメhanagame
クサガメ                         ハナガメ
クサガメやハナガメは東南アジアに生息しています。

ニホンイシガメは、冬季になると水中の穴や石の下、堆積した落ち葉の中などで冬眠します。でも寒さには強く冬季でも水温3℃くらいあれば活動しているそうで、取材日は気温5℃と真冬並みの寒さでしたが小川では複数のカメが活動していました。
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食性は雑食で、魚類、両生類やその卵および幼生、昆虫、甲殻類、貝類、ミミズ、動物の死骸、植物の葉、花、果実、藻類など、とにかく口に入る物はなんでも食べます。水中でも陸上でも採食を行い、農耕地で地面に落ちた野菜や果物を食べることもあるんです。
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本日の取材場所は、高知市春野の梨畑の横を流れる小川。秋になるとイシガメが畑へ上がってきて落ちた梨果実を食べているそうです。

個体数の激減するカメ
ニホンイシガメに限らず、開発による生息地の破壊・水質悪化・ペット用の乱獲などによりカメの生息数は減少しているます。更にカメの場合は在来種と外来種の交雑の可能性が爬虫綱の中では極めて高い動物で、この点も踏まえた環境保全が必要となっています。
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ですから、カメを愛玩飼育する場合は自然保獲せずペットショップで、できれば在来種を購入してください。
アカミミガメ









〖アカミミガメ〗

特に特定外来種指定のカミツキガメの他、要注意外来生物には多種のカメが指定されています。これらは時に人の生命を脅かす種や既存生態系を破壊する可能性のある種です。特定外来生物の販売や飼育法律で罰せられますし、要注意外来生物も珍しさに魅かれペットにする場合は、充分な購入前学習と相当な覚悟が必要です。

在来種カメの棲息環境環境を守る
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こういった、小川の環境つくりが日本固有種ニホンイシガメのコロニーを守っているのです。人間にとってだけ便利な保全を考えたコンクリートの堰堤では、環境は一輝に破壊されていきます。
ニホンイシガメ










仁淀川水系の清水が育む日本固有の水棲爬虫類『ニホンイシガメ』。すっと守り、伝えてゆきたい高知の誇るべき環境ですね。


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