ニホンミツバチの陣形
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猛烈な台風の接近する香南市の海沿いで、人の構えてくれた待ち箱に営巣したミツバチが多数、箱の壁面へ出張って、浜辺に次々に押し寄せる激しい波浪の如くウエーブを繰り返しでいます。
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それはスタンディングオベーションにも見え、時に翅を激しく震わしてもいるのです。この行動は紛れもないパフォーマンスなのですが、人の様にファンタスティックを表現するものではなく、威嚇行動なのです。

日本で活動するミツバチは人と共生関係を結び、快適な住み家の提供を受け天敵に備えます。ミツバチの最強天敵は複数種のスズメバチ類
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在来種のニホンミツバチは、スズメバチに対し大きな犠牲を払いつつ、自らその難儀を払いのける術を持ち、
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外来種のセイヨウミツバチの場合は、自力で日本在来の狩り蜂に対する対応力を有していない為、人の庇護なくしては淘汰されてしまうのです。
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アシナガバチの巣を襲うスズメバチ
スズメバチは温和な花蜂だけでなく、攻撃力に差があれば狩り蜂も襲います。

でもそれには、季節の進行による環境条件の変化と高次捕食者としての法則にのっとた手順があるのです。

狩り蜂が花蜂を襲い出すのは、数多の生命の営みが秋を感じた証でもあるのです。

スズメバチがアシナガバチの巣を襲うのは、実はニホンミツバチの巣を襲うよりもハードルが低いのです。アシナガバチたちは割と容易く営巣放棄をしてしまうのですから。スズメバチの狙いは幼虫なのです。スズメバチの場合、やがては自らより小さい種のスズメバチ類の営巣も壊滅させることも珍しくはないのです。

アシナガバチは、群れていても守るべきものは先ず自身といった現代の政治家タイプ。ミツバチは・・・
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逆に、単体では非力なミツバチは決して逃げません。自らの生命を投げ出し大きなスズメバチを撃退します。同じ立ち向かうにしても、ニホンミツバチのみがオオスズメバチに至るまでの撃退方法を戦術として身に着けているのです。

種の強みは個の強弱ではなく、社会性の基盤の強さと地に根付いた長い学習の繰り返し、もしくは天敵に勝る生物と強固な共生関係を維持できる魅力を持ち続けられる能力を磨くことなのです。
ニホンミツバチは、スズメバチを退ける戦術を持ち、セイヨウミツバチはスズメバチを寄せ付けない戦略を築くことで繁栄しています。