土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

タグ:ノシメトンボ

りす茜

香南市の溜池、秋になってもこの池の赤トンボ勢力は変わらすネキトンボが強い占有率を示しています。そんな中、今日は一頭だけ別種赤トンボを発見
リスアカネ (3)









ぱっと見、コノシメトンボ。でも翅の先端に褐色の斑紋発色が、体表の発色と比して、薄いように思えます。リスアカネでしょうか・・・

同様な特徴(翅の先端に褐色の斑紋)のある良く似たアカネ属がノシメトンボ、コノシメトンボ、リスアカネ
ノシメトンボDSC03214







〖左:ノシメトンボ 右:コノシメトン
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ミヤマアカネ
先端部から少し離れ赤褐色の斑紋帯があるのがミヤマアカネです。

捕まえて形状比較分析により同定してみましょう。
リスアカネ (4)










体長40mm程、雄で顔面に眉班(ビハン)はありません。
当該種はノシメトンボよりもひと回り小型で、コノシメトンボかリスアカネみたいです。両種は、ほぼ同大かリスアカネが若干小さい程度です。
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リスアカネの雄は腹部の黒斑があまり発色せず背面までは回り込まず、第7節~第9節の下部にある黒斑が繋がっているように見えるのが特徴。腹部全体の形状はノシメトンボのように細く直線的で、コノシメトンボよりやや華奢に見えます。
リスアカネ















ぱっと見ただけでは雌の同定は更に難しく、リスアカネの顔には眉斑がないことで区別します。ご覧のように、翅の先端の褐色斑もノシメトンボ、コノシメトンボと比べると薄く、褐色部分の面積も狭いことが多いんですよ。
コノシメトンボ♂3
コノシメトンボ♂成熟個体は、胸部斑紋が確認できないほど発色】
コノシメトンボ♀
コノシメトンボ♀特徴的な胸部斑紋】

これら三兄弟は胸部側面の斑紋の形状でもで区別することができます。リスアカネは胸部側面の3本の黒条のうち、中央の1本が両端の2本より太くて少し短く、上端までわずかに達しません。しかし、まれにノシメトンボのように上端にまで達している個体変異があらわれることがあるんですって。
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全ての特徴が当てはまるのかリスアカネ、ミッション(同定)完了です。


学名 Sympetrum risi risi で和名がリスアカネ。リス科の栗鼠(リス)ではなく、スイスのトンボ学者に由来するものです。

リスアカネの特異な習性と生態
アカネ属赤とんぼの中で最も薄暗い環境を好む種なんですって。でも今日は温かい(気温29℃)にも拘らず日向にいます。この溜池のように低地の周囲を樹林に囲まれたような閉鎖的な池沼を好み、ヒメアカネ同様遠くまで移動することはなく、羽化後も羽化水域の近くに留まり摂食活動を行います。


北国の雌はナツアカネやアキアカネのように腹部背面の赤化する個体変異が現れることがあります。更に成熟が進むと雌雄とも翅の先端だけでなく、黄昏ヤンマのように翅全体がやや褐色を帯びてくるんですよ。
リスアカネ













画像のように成熟した雄は水域近くに陣取り殆ど止まったまま。飛翔力に準じた狭い縄張りを持ちます。反面非常に強い占有行動を示すため、他の大型の赤とんぼが侵入を許さず、果敢に激しく他種を排他します。

産卵は基本、連結打空産卵ですが雌が単独で産卵することもあります。不思議なことに水のある場所には産卵せず干上がった土壌に産卵します。

ですからこの溜池では多分産卵は見られませんね。

大きな試練の跡
春からの異常な少雨で多くの池が干上がり、同公園でのトンボを中心とした生態系の環境破壊が懸念される四万十市トンボ公園。
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午前中は多くの職員さんが施設内メンテナンスされています
まとまった雨が降った後も、大きな干ばつの爪痕が見てとれます。
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必死の復旧、ダメージコントロールを行っています。でも水辺のトンボはいつもの季節よりずっと少ないのです。
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大きく乱れたトンボ自然公園の環境、しかし全ての池が干上がった訳でもなく、美しい花を咲かせる睡蓮池や、ケヤキが象徴する豊かな林縁はいつもと同じ秋の風景を保ち、総合的には非常によく環境コントロールされています。
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魅惑的なケヤキの下へ行ってみましょう。きっと輝く命のドラマが展開されているはずです。
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秋の訪れとともに涼しくなった木陰には赤トンボ、マユタテアカネです。そのすぐ近くにはオニヤンマが飛んできて静かに止まりました。
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マユタテアカネの向こうでは、ハラビロカマキリアブラゼミを狩りましたよ。大型蝉を抑え込む恐ろしいパワーです。
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魅惑的でしょう。更に林縁を歩くと、
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この森にはニホンアカガエルトノサマガエルがたくさんいます。
アオバセセリDSC02379








チョウ目セセリチョウ科に属する大型セセリのアオバセセリと白班が美しいクロセセリです。
雑木林のチョウといえば、
DSC02320ルリタテハ幼虫








いつものルリタテハですが、湿地の中には幼虫もいました。
オニヤンマノシメトンボ








あわよくば黄昏ヤンマの止まっているところを撮影しようと思っていたのですが、いるのはオニヤンマばっかり。翅先に模様のあるのはノシメトンボです。例年なら美しい青色をしたマルタンヤンマがいるはずなんですが・・・
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森の木々を渡って行く野鳥は、シジュウカラヤマガラの混群。しきりに木の葉についたケムシを食べています。

そしてとっておきはこちら
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カワセミが公園の池を飛び回って、スピード感あふれる狩りをしています。
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一生懸命見つめていると、すごい眼力で睨まれちゃいました。

さて、ご紹介できたのは秋の四万十市トンボ自然公園で見られたほんの・ほんの一部の動物たちを私の好みで選んだだけです。本当はご紹介できない位、沢山の動物たちがいたんですよ。
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トンボ自然公園では今尚、干ばつの爪痕が残っていまっす。

でもこれだけ多くの人々によって、今ある地域生態系のダメージコントロールと、日々の理に敵った環境コントロールが施されているわけですから、多様な生物たちもきっと自然界の試練として逞しく克服し、来年には再びトンボを中心とした、あるべき生態系を回復しているものと信じています。
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結局、日暮れまで粘って黄昏ヤンマの飛翔する姿を確認して帰路につきました。

今年、あと一度くらいは経過観察に訪れてみようと思っています。

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