土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

タグ:ヒオドシチョウの生活環

ヤナギの樹液に来た緋縅蝶
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緋縅蝶
今日、ご紹介させていただくのは羽化して後食を始めたばかりの美しい緋縅蝶です。

初夏に河畔林の周りを飛び回っているタテハチョウといえば、香南市ではコムラサキゴマダラチョウ
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自然豊かな河原には今もヤナギやエノキといったそれらタテハチョウの幼虫食樹があり、古よりコムラサキを見るなら河原へ行くというのが童からの鉄則で、香南市には今も尚そんな自然環境が維持されています。

ヤナギがあれば良いコムラサキは、このような開けた水辺で見ることが多く、幼虫期にエノキを必要とするゴマダラチョウは深い広葉樹林や里山の他、こんな海沿いの開けた公園等、幅広い環境で見られます。
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ヤナギの樹液に来たコムラサキ
そんな二種類のタテハチョウが混在し、この環境を占有している物部川河口部の公園にこの日は見慣れぬ蝶が飛来してきました。先にヤナギの樹液に来ていたコムラサキを追い払って、そこで給餌を始めたタテハチョウ。
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裏翅の模様は完全に樹皮に似せた保護色。その色合いや形はルリハテハのそれにも見えますが、気性は他のタテハ類より荒い様に見えます。
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翅を開くとすぐわかる、このタテハチョウの和名は緋縅蝶ヒオドシチョウ)。香南市では、雑木林や棚田の構成されるような里山の林縁でよく見るタテハチョウです。寄生樹はゴマダラチョウに準じるも、一年一化のヒオドシチョウの生活環はゴマダラチョウと異なります。
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冬のヒオドシチョウ
ヒオドシチョウの越冬態は成虫。ですから南国の暖かい冬の日には飛んでいる姿を見ることもあります。
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5月のヒオドシチョウは幼虫
春、落葉樹のエノキが芽吹く頃には産卵を終え、寄生されたエノキ樹にはその幼虫が多数見られます。そして、そのころになると越冬した成虫は姿を消しています。
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ヒオドシチョウの前蛹
多くのチョウ幼虫が、蛹化に際しては寄生植物から離れようとする中、ヒオドシチョウの幼虫の多くは寄生樹の枝で蛹化していました。
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ヒオドシチョウの蛹
そして初夏から夏にかけて羽化したばかりの、実に美しい個体に今日出会ったのです。

つまりこれから先、この緋縅蝶はこのままずっと生き延びて冬を越し、来春世代交代を行う成虫としての寿命が長い蝶なのです。多化性のタテハチョウたちはその生き様に敬意を表し、今日のところは蜜場を譲ったようにも見えました。

春の大型立羽蝶
春の里山。さわやかに感じる心地よい風に乗って、青空を高速で飛び回る蝶がいます。
高速旋回する習性、大きく羽ばたく飛翔形態より判断して、タテハチョウのようです。
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どうやら芽吹く前の広葉高樹が、お気に召した様ですよ。
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翅の裏は枯れ葉みたい、隠蔽擬態するチョウですから自らの能力を発揮できる場所を心得ています。
このタテハチョウ、青葉繁れる好季節になると、今度は樹の幹にとまって樹液を吸うんです。
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夏期ルリタテハ 前翅長は、25-45 mm
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秋期キタテハ 前翅長は25-30 mm

この様にタテハチョウは、翅の表と裏でも模様が異なるものが多いんです。ですから翅を閉じる
と、種の同定は結構大変。
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でも、暑い季節と違って春先のチョウは太陽熱を積極的に吸収するため、すぐ翅を開きます。
緋縅蝶 (3)緋縅蝶









さて、このタテハチョウ。翅の裏はルリタテハ似、表はキタテハ似なんです。
今日は、もう一個体いたんで、
ヒオドシチョウヒオドシチョウ (3)








これだと分かり易いと思います。

後で調べてわかったんですが、ヒオドシチョウの春早いこの活動は、どうやら繁殖行動のようで、この2頭は番いだったんです。メスは芽吹く直前のケヤキ枝先へ産卵します。
ヒオドシチョウ (2)







 





カメラマンこのみのポーズ取ってくれる優れ者です
タテハチョウの正体。
緋縅蝶ヒオドシチョウ)学名Nymphalis xanthomelas亜種N. x. japonica です。
緋縅とは、
ヒオドシ (2)ヒオドシ








緋色に染めた革や組紐などで威した中世の武具、それも大体が、合戦得意な高地位武将が相手を威嚇する象徴的鎧なんです。

緋色の生き物では、他にも
ヒオドシジュケイヒオドシジュケイ (2)









ヒオドシジュケイ
その名が登用されています。

ヒオドシチョウの生活環

虫食樹は主にエノキ。年1回初夏のみの成虫発生で、他のタテハチョウ科の種同様に、この個体も越冬個体なんです。ですから成虫期が非常長く、初夏に発生した個体が冬を越して次の春まで生きのび、その個体が産卵、孵化した幼虫が次世代成虫となり初夏に発生するという生活環を経るのです
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夏期ヒオドシチョウ
成虫食性は主に樹液。腐果実汁も好むなど、タテハチョウの生態特徴が行動に色濃く現れ、花にはほとんど集まりません。
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ヒオドシチョウの前翅長は32-42mmとタテハチョウ越冬種としては大型種。
越冬種でない日本最大のタテハチョウは、最美種タテハチョウの誉れ高い
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オオムラサキで、メスの前翅長は55mmで開翅長は実に110mm に達するんです。

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