土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

タグ:ヒメヤマトオサガニ

万歳三唱
そういえばつい先日まで衆議院解散の時期が大きな話題となっていました。解散の際の慣例が万歳三唱。万歳の意味するものは通り一遍等では収まり切らない深い深いものがある様です。

ということで今日は万歳の意味について探ってみたいと思います。といっても人間の行う万歳の意味でははりません。戦後生まれの私でも、万歳という人間の行為が全て幸せに対して示す行為行動であるとは思えず、時にそれは自身ではどうにもならない現状を未来に託す悲痛な思いの表れでもあった様に理解しています。

そこで今日は万歳という行為を人ではなく、野生の動物に目線を置いて探ってみたいと思っています。
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汽水蟹アミメノコギリガザミの万歳
万歳とは派手な行為に外ならず、それに似た行為行動を行う動物を万歳何某と喩えることは珍しくありません。蟹にも万歳蟹バンザイガニと呼ばれる種類がいるのです。でも蟹の場合はジャンケンをすればいつも、その出し方すらも両手で行おうとするので万歳に見えてもしまうのです。
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純淡水蟹サワガニの万歳
ですから万歳蟹と呼ばれるカニも地方毎、全国区的には決して一種類に限定されていません。

日本人の万歳の形式には本来、正しい形が存在するようですが、昭和30年台に生まれた私は、それを教わった事も強要されたこともありません。でも、子供心に意味も考えず真似したことはあります。手を伸ばす行為は、身体の小さな自身がより大きく見られる様な気がしていた様な・・・

そんな万歳がよく似合う蟹がこちら。というか、この干潟に生息する汽水ガニこそが真のバンザイガニなのです。
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静岡県以西の軟泥質の干潟に生息する、シオマネキ類の仲間、ヒメヤマトオサガニです。

蟹の万歳が映える条件は鋏脚をより高く掲げられる事。左右の鋏脚が不揃いな♂種の多い蟹において両脚の大きさが整っている事。平坦な場所で日光を浴び、くっきりと影にまで万歳の表現が反映していることを評点し私的に評価しました。
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一般に鋏脚を持つ甲殻類がそれを持ち構え型を取る行為の目的は、攻撃以上に防御を示す姿勢だと思われます。ですから卓越した逃げ足を持たない蟹にとって、戦う姿勢を先ず示すことは鋏脚を活用する機会でもあり、敵に弱点である背後を取らせない防御を目的とした攻撃的パフォーマンスなのです。

でも、シオマネキ類はそんな事とは関係なく鋏を振るうと言われています。メスに対する求愛の形だと。ですから多くのシオマネキ類は片脚のみが異常に発達し、摂餌には役立たない存在になり、頭上高く振り上げる行為も得手ではないのです。
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そんな干潟に暮らすシオマネキの仲間の中、ヒメヤマトオサガニの類はある意味特殊な存在なのです。

そしてヒメヤマトオサガニが見られる場所へ行くと、干潟が現れた後、それまで全く見られなかった場所に、突然ヒメヤマトオサガニがあたかも湧いたように突然現れ出るのです。
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ここには本シオマネキも生息しているのですが、どっかの片隅へ追いやられ見つけ出すことが容易ではありません。

ある限られた環境条件に特化して占有率を高めて生活する事は、その環境が保全されることを前提に成り立つ行為でもあります。

本来干潟は、水域の環境保全には欠かせない存在。河川の流れと潮の満ち引きの双方によって、環境浄化が生物の営みによって行える場所なのです。

日本の干潟は半世紀ちょっとの間に約40%は消失しました。特に波静かな内湾を有し、それを海上交通の要所として発達の礎を築き上げてきた大都市圏の臨海地域で、その進行はより顕著だったのです。

それでも今、東京湾を始めとして江戸前の食材を復活させる取り組を通じ、干潟保全の重要性を徐々に人々が再認識しつつあります。つまり自らにとっての必要性が即ち重要性であり生態系はそれを礎にして多くの生物がつながりあっているのです。

浜辺近くにお住いの方々は今度の休みに是非、近場干潟を巡ってみてください。凄い発見ができるかも。私たちは、各地のバンザイガニの示す万歳ポーズを喜びの表現とし続け、決してお手上げ状態の意思表示に変えさせてはならない立場の生物なのです。

最後にこの
ヒメヤマトオサガニの学名、
Macrophthalmus banzai なんですよ。ですから、紛れもない万歳蟹なんですね。

美しい河川が見せる干潟の魅力
四万十川干潟










四万十川汽水域に広がる干潟
私がこのブログを始めてすぐの頃、干潟には水質の浄化機能があることを記事にしました。

日本に残された昔ながらの自然によって水質を維持する特別稀有の大河として知られる清流四万十川
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その四万十川の河口域には広大な汽水域がほぼ手つかずのまま残され、潮汐変化によって汽水域の水質浄化に大きな役割を果たしているのです。
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そんな四万十川の特徴を生かし、汽水域の干潟で収穫されるのが四万十川の川のり
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でもそれは、四万十川早春の風物詩。今の季節に干潟を訪れたとしても、川のリの川姿を見る事はできません。

四万十川の川のリ、以前に四万十川河畔で食品加工に携わっている生産者さんに伺ったのは、確かアオサノリ(ヒトエグサ)とスジアオノリが自然環境下で絶妙にミックスされ豊かな味と香りを醸し出すと聞き及んでいます。
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それらは収穫後、迅速に天日干し保存されていますから、現地の名店へ行けば四季折々の四万十川を見て楽しみながら、天婦羅や味噌汁として料理で楽しむことができます。

四万十川  河口域の干潟生物たち
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そこで今日は夏から秋の行楽シーズンに四万十川の干潟で見られる生物を紹介しましょう。
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トビハゼ
注意点をひとつ。干潟の生物を陸から見るためには潮汐表により、潮が下げにはいる時間帯、出来れば潮の引きが大きい時が好条件となります。
ヒメヤマトオサガニ







日本各地の干潟は近年、埋め立てや海水の流入が遮断さる等の開発により急速に消滅し、そこを住処にする生物もそれに追随して激減。
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ヒメヤマトオサガニ
この日は見つけることが出来ませんでしたが、四万十川の干潟にはシオマネキの仲間も生息しています。
画像はオサガニの一種、生息環境より判断してヒメヤマトオサガニと判断しました。
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フタバカクガニ
フタバカクガニの汽水域を生息域とするカニですが砂や泥に穴を掘って棲む修正はなく、護岸の間隙に潜む汽水ガニです。

水位が下がり一時的に閉鎖された水溜まりのあちこちで、魚食魚の捕食音が聞こえてきます。
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補食されているのは小ボラなんですが、それを追い回している魚種が明らかには見えません。濁りがあることで警戒心が薄れ摂餌に勤しんでいるのです。
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四万十川におけるこれらの捕食魚は、一般的にはスズキアカメクロダイキチヌなどと推測されるんですが・・・
マングローブジャック









ゴマフエダイ
四万十川には、分布北限が
南西諸島とされてきたマングローブジャックの別名を持つ汽水域のフエダイ属ゴマフエダイの生息が確認されています。
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オニカマス
さらに獰猛な外洋の魚種として知られるオニカマス。バラクーダと言った方が知る人も多いカマス属の稚魚も四万十川の河口域で確認されています。

四万十川河口域には、この他にも名うてのフィッシュイーターが侵入してきます。
オオグチユゴイイセゴイ







オオグチユゴイ:左 イセゴイ:右
このように魚種が豊富な四万十川。それはとりもなおさず四万十川の生態系が豊かに維持されている証でもあるのです。
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本流にダムを有さず開放された河口と広い汽水域を有し、広大な干潟が保全されている四万十川。
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上流部から河口域まで、みところは季節を問わず数限りなくあります。

本日ご紹介した飼育魚類は、全て四万十市のトンボ自然公園内に併設されている四万十川学遊館で生体展示されていたものの一部です。
四万十川学遊館










四万十川学遊館
四万十川と深く触れ合え、多くを優しく学べる魅力的な施設なんですよ。

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