友の懇願DSC04366
今日は高校からの旧友に懇願され、山へクワガタムシを探しに行きました。
旧友は小学生の娘さんとそのお友達を連れて、クワガタムシを捕まえたいそうです。
捕まえると言うことは採取ですから本意では無いんですが、屋外学習と旧友の家庭サービスに一役買い、そして採取の条件を設けることでガイドを引受けました、渋々。
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でも実は、私の子供達は既に成人を迎えており、私と一緒に自然観察なんて絶対してくれませんから少し嬉しい気持ちもあるのです。

採集ではなく採取
で、採取の条件とは、クワガタムシは一人2対の計4匹まで、絶滅危惧またはそれに準じる種の捕獲はしない事を約束してもらいました。更に採取したクワガタムシは飼育環境を整え繁殖可能な飼育キットを準備するというものです。
DSC04366ミヤマクワガタ
そして旧友からのリクエスト。
娘のために珍しいクワガタが取りたいそうです。
今日、採取する予定のミヤマクワガタは通常、高知市内平野部では少ない種、クワガタの種類までリクエストするんです。
それなりの覚悟はしてもらいますから・・・

本日の高知市は正午の気温が34℃、天候は晴れ、出発12:00ですからミヤマクワガタには少し気温が高すぎ、他種のクワガタには採取の時間が最悪です。
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市内から一時間くらいで着く場所ですから13:00ごろには着いちゃいます。そして先日は、朝から採集者が複数組いましたから今日も夏休みの日曜日、絶対午前中に人が入っています。
私のミッションは、その後で採集者が気づいてない蜜場や、クワガタの待機場所を見つけ出すのです。

こういった厳しい条件付きですから、案内を請け負ったものの少し気が重いです。
更に、子供さんたちは小学6年の女の子です。ほんとうにクワガタムシつかまえたいんでしょうか

ところが山へ入ると、道端のノイチゴを見つけばくばく食べています。少し安心しました。
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将来、楽しみな人材です旧友が言うには野鳥の会の会員になり野鳥にも詳しいそうです。
そして、そこそこの準備もしてきていますね。
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最初に一応クワガタムシの見つけ方教えました。
というか、クワガタと蜜場の関係、説明をする前にクワガタに触れています。
虫が本当に好きなんですね。
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これは、コクワガタです。目的のミヤマクワガタは、なかなか発見できませんね。
やはり午前中に採集目的の人が入ったのでしょう。かく言う私たちも今日は立派な採集採取者です。

でもこの場所には、このあと何度も、そして来年も来る予定ですから、来たときのままで帰るのです。いつもと違うのは、今日はほんの少し森の営みをいただいて帰ります。

森には、こんな不心得者もいます。
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ナタで樹木を傷つけ、クワガタムシを誘っているんです。しかも新しい傷です。
自然の中でその営みを見て、そこで生きる虫を捕まえる意味がこれでは台無しです。
こんな山奥まで来て、虫を捕まえ持って帰る意味もないし、連れて行かれる虫も大事に育てられるとは思えません。何所にいてもやがて虫も死にます。でも森で学ぶもの、野性昆虫の飼育で学び得るものの意味があるんです。

そういう気持ちを持って自然を愛で、豊かで広大な森を歩けば、虫たちは向うから姿を現わしてくれるんです。
本当ですよ。
三時間も森にいれば、虫は人が入って警戒していてもやがて森はいつものリズムに戻って行きます。
その時、心を静めていれば虫の音が聞こえ虫の匂いがするんです。

今日もその時を感じ旧友に告げたのですが、皆キョトンとしてました。超能力でも超常現象でもありませんから・・・  自然の中にとけ込むんです。でも最初この感覚を持った時、鳥肌が立ちました。

一度人が通った所にも
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BlogPaint♂♀一緒にいます。
はるか樹上の枝にも
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DSC04742こちらも♂♀
来た時には、見えなかったミヤマクワガタ達が姿を現わすんです。
でも旧友には、これが見えてないんです。指刺しても分からない・・・
採集者がこういう人たちばかりだとクワガタムシも安心です。

結局、これだけいるのに一匹も見えないそうですから

中には超BIGサイズのミヤマだって、現れるんですから・・・
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このミヤマクワガタは今年見た最大個体です。
大切に育ててくださいね。
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そして、私の大好きなオオムラサキが、ここにもいました。
この蝶は、準絶滅危惧(NT)種
野外観察
だけの約束です。子供達にはごめんなさいね、初めて遭遇したそうですから触ってみたいですよね。
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オオムラサキの匂いも感じられるようになりました。

近々オオムラサキのブログに挑戦します

さて、私のカイド。旧友の子供さんたち何か感じとってくれましたか
良かったら、また声掛けてくださいね。
自然なら、海・山・川なんでもOKです。

この少女たち、帰路でも水田に入ってオケラを見つけ、喜んでました。
DSC04750今では珍しくなったオケラ
そこで私がオケラの蘊蓄を話すと旧友は、またキョトンとしてましたよ・・・
少女たちの方がずっと熱心です。
この分だと、すぐに子供たちに先を越されますね。隠居近しといったところでしょうか。