吉延の棚田2015
早朝に自宅を出発して、今年初めて吉延の棚田へ行きました。
本山町吉延地区は、標高400から800メートルの高台で、渓流の豊かな冷水と昼夜の激しい気温差、湿度の高い盆地の気候を生かし、フランド棚田米『土佐 天空の郷米』を栽培しています。
ですから、多くの農村部に増加している休耕田が見られないんですね。その棚田の里山、吉延では毎年子供たちがセールスコピーを考え訪問者にアピールしています。今年のそれが『未来に残したいなか』なのです。その通り、吉延では昔と変わらない豊かな農村の営みが、延々と継続されているんです。
毎年、お知らせするように棚田の周りには人の営みだけでなく、多くの生き物たちが活躍しています。6月初旬には、
渓流から棚田回りにあふれだしたホタル。吉延は渓流に生息するゲンジボタルLuciola cruciataの群生地としても有名なのです。
農道脇の草むらには、
アシグロツユムシPhaneroptera nigroantennataや、昼間は滅多に見る事の無い珍しい生態を持つ、バッタ目コロギス科の昆虫コロギスProsopogryllacris japonicaの姿。
コロギスは、森林起源とされているバッタ目の中では比較的原始的な種類。昼間は自ら出した糸で、広葉樹の幅広い葉を綴り合わせ中に潜んでじっとしているんです。更に主食は動物食でありながら、クヌギなどの樹液にも来ます。からかうと、カマキリのように羽を広げ威嚇してくるんですよ。
早起きすれば、夜行性の昆虫にも逢えるのです。
最も早生といわれるアカネ属の赤トンボ、マユタテアカネSympetrum eroticum eroticum も活動していました。
6月末になると吉延の棚田では、いっせいにアキアカネSympetrum frequens の羽化が始まります。
これら不均翅亜目(トンボ亜目)は、古来より田園の守り神とされてきた昆虫たち。中でもオニヤンマ属最強種のオニヤンマAnotogaster sieboldii や、サナエトンボ科最強種のコオニヤンマSieboldius albardaeは、吉延の棚田周りでは毎年たくさん見られます。
棚田横の林縁、エノキの葉にいたのは、
ゴマダラチョウHestina persimilis japonicaの3齢幼虫。
7月になると棚田の周りに広がる雑木林では多種多様な昆虫が活動をはじめます。
日本の国蝶)タテハチョウ科のオオムラサキSasakia charonda は、この吉延の雑木林には毎年たくさんいます。
8月になると、7㎝を越えるミヤマクワガタLucanus maculifemoratusの地域変異型、サト型(フジ型)の大型個体がたくさん見られるのです。
【棚田:秋の収穫】
この私が昭和中期に見た風景が、ここ吉延の棚田にはそのまま残されているんですね。
まさに未来に残したいなかなのです。
早朝に自宅を出発して、今年初めて吉延の棚田へ行きました。
本山町吉延地区は、標高400から800メートルの高台で、渓流の豊かな冷水と昼夜の激しい気温差、湿度の高い盆地の気候を生かし、フランド棚田米『土佐 天空の郷米』を栽培しています。
ですから、多くの農村部に増加している休耕田が見られないんですね。その棚田の里山、吉延では毎年子供たちがセールスコピーを考え訪問者にアピールしています。今年のそれが『未来に残したいなか』なのです。その通り、吉延では昔と変わらない豊かな農村の営みが、延々と継続されているんです。
毎年、お知らせするように棚田の周りには人の営みだけでなく、多くの生き物たちが活躍しています。6月初旬には、
渓流から棚田回りにあふれだしたホタル。吉延は渓流に生息するゲンジボタルLuciola cruciataの群生地としても有名なのです。
農道脇の草むらには、
アシグロツユムシPhaneroptera nigroantennataや、昼間は滅多に見る事の無い珍しい生態を持つ、バッタ目コロギス科の昆虫コロギスProsopogryllacris japonicaの姿。
コロギスは、森林起源とされているバッタ目の中では比較的原始的な種類。昼間は自ら出した糸で、広葉樹の幅広い葉を綴り合わせ中に潜んでじっとしているんです。更に主食は動物食でありながら、クヌギなどの樹液にも来ます。からかうと、カマキリのように羽を広げ威嚇してくるんですよ。
早起きすれば、夜行性の昆虫にも逢えるのです。
最も早生といわれるアカネ属の赤トンボ、マユタテアカネSympetrum eroticum eroticum も活動していました。
6月末になると吉延の棚田では、いっせいにアキアカネSympetrum frequens の羽化が始まります。
これら不均翅亜目(トンボ亜目)は、古来より田園の守り神とされてきた昆虫たち。中でもオニヤンマ属最強種のオニヤンマAnotogaster sieboldii や、サナエトンボ科最強種のコオニヤンマSieboldius albardaeは、吉延の棚田周りでは毎年たくさん見られます。
棚田横の林縁、エノキの葉にいたのは、
ゴマダラチョウHestina persimilis japonicaの3齢幼虫。
7月になると棚田の周りに広がる雑木林では多種多様な昆虫が活動をはじめます。
日本の国蝶)タテハチョウ科のオオムラサキSasakia charonda は、この吉延の雑木林には毎年たくさんいます。
8月になると、7㎝を越えるミヤマクワガタLucanus maculifemoratusの地域変異型、サト型(フジ型)の大型個体がたくさん見られるのです。
【棚田:秋の収穫】
この私が昭和中期に見た風景が、ここ吉延の棚田にはそのまま残されているんですね。
まさに未来に残したいなかなのです。