自然とは何かを深く考えてください
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夏休みに入れば、毎年いち早く取材してくるのが里山の大自然。中でも雑木林の中の昆虫たちの活動は、この年齢になっても多くの発見があって、見ているだけで楽しいのです。
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7月26日には今夏初めて雑木林でミヤマクワガタを見ました。しかも野外の生体記録では私史上、最も巨大なミヤマクワガタだったのです。今年はいつになくミヤマクワガタを見つけるのが遅い夏になりました。四国の梅雨入りは史上最も遅く、明けたのは6日遅かったことも影響しているのでしょう。
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その分、香北町を訪れる度にいろんな場所でシーズン早々に力尽きたミヤマクワガタの屍は数多く見ました。このクワガタムシは、高知では山地性を現わし低山では見なくなりました。長く続く高温に弱く、雨が苦手、濡れると頗る体力消耗をするクワガタムシの様です。でも幼虫は、水分の多い過発酵土壌が好きなんですよ。

ここは実に高知らしい、豊かな生態系が維持された山林です。
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その一方で自然作用ではない、人の残念な行為も見ました。林道脇のクヌギ樹に複数の傷を人が付けているのです。行為を起こすからには、その人なりの目的があっての事。そして、その目的は甲虫を誘き寄せる事だと思います。
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でも実際、この行為は結果を伴い難いもので、その分生態系破壊にもつながりにくい行為ではあります。生態系の調査にしてもこれでは得るものは殆どなく、それならあるべき手順を踏んで本格的に灯火誘導で調査した方がずっと結果が残せるのです。
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それでも、この傷つけた樹皮にこれだけ多数のカナブンが誘われていることで、付近の山林にはこの行為を行った人にとって狙いの昆虫が潜んでいるであろう推測はできます。
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そして近くには間違いなく、それを育む大自然のスペクタクルが展開されているのです。

人工的な樹液露出作業で昆虫を捕獲するにしても、実際にそれが結果を伴うためには1km圏内の同じ種類の樹に、いくらでも自然に樹液が滲み出ている樹が沢山ないと、俄かに工作を施しただけの場所にこれだけの数の昆虫は来ません。
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周囲にはそれとは比べ物にならない多種多様な昆虫、何種類ものクワガタムシたちが、実際の自然のなかで活動しているのです。
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そして、この圧倒的な地域独特の生態系がどのようにして確立されているかは、夏だけの訪問では決して理解できないのです。
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でも、一度その自然循環が理解できれば、別のフィールドへ出向いても、同じようにその場所からお目当ての樹を割と容易に見つけ出すことができるのです。
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真に豊かな生態系が確立されている場所では、そこへ行くたびにいつも大好きな生き物たちに巡り合えるのです。

そしてあとは大好きな生物たちをそっと見守ることで、いつまでもエンドレズな出会いと新たな発見が無限に待っているのです。そんな自然を育んでおられる地域の方々とも仲良くなれて、いつしか自身もその里山の一員になっているのです。

勿論そこは入場料無用のパラダイス、圧倒的な大自然のテーマパークなのです。人だけの価値など無用の場所、そこではむしろ無用な労力や金銭を使うこと自体がタブーなのです。