土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

タグ:春

新緑の名滝
春の気分を味わいに、香北町の轟の滝(とどろのたき)へ行ってきました。轟の滝は県指定名勝であり、日本の滝百選に選定されている高知県屈指の名滝。自宅から30キロくらいですから、季節ごとに訪れています。

自宅前を走る県道30号線(塩の道)から国道195号線を走り、県道220号線へ入るという行程。とにかく四季折々自然が満喫できる大好きな道です。
高知県道30号文代峠








先ずは春の県道30号線。最高地点の文代峠(ぶんしろとうげ) は標高290m、春の太平洋や香南市岸本の町並みが望めます。
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峠を過ぎると、道脇の沢は物部川水系へ。この小さな渕には20cmはあろうかというアメゴが潜んでいました。

ところでこの小さい沢、なんだか三段に分かれ水が流れ落ちていますが、轟の滝ではありません。落差83メートルを3段に分かれてに豪快に落下するのが轟の滝。念のため
県道220号











こちらは県道220号脇を走る一級河川物部川の本流です。すぐ上流に永瀬ダム、下流には杉田ダムがあり本流でありながらこんなに水量が少ないんです。

ここまで来ると、轟の滝はもうすぐそこ。
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支流に入ると水量は多いんです。渓谷の清流にヤエヤマブキの黄色が映えます。
轟の滝・モミジ新緑










モミジの鮮やかな新緑。艶やかな葉色は秋のそれとはまた違った趣がありますね。
ホオジロキセキレイ








【ホオジロとキセキレイ】
春には多くの野鳥の囀りも聞こえます。ウグイスホオジロキセキレイカワラヒワの群れもいます。
タンポポ
















ご存じのタンポポ。これは詳しくいうとセイヨウタンポポ帰化植物です。
セイヨウタンポポ
在来種との識別は簡単で、花裏を見て外総苞片が開いておらず、かっちりと閉じているタンポポは、在来タンポポです。現在は両者の交雑種が最も多いそうですね。

ところで帰化植物とは、単に国外から入った外来植物の意味ではなく、人為的な手段で持ち込まれた植物の中で、野外で勝手に生育するようになった植物です。
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こちらでは、気の早いアジサイが開花準備。アジサイは一般に花といわれている部分、実際は装飾花で、おしべとめしべが退化しており(中性花)、花びらに見えるものは萼(がく)です。ガクアジサイでは密集した両性花の周囲にいくつかの装飾花がみられ、セイヨウアジサイではほとんどが装飾花。また、装飾花の欠如した変異種もあります。

アジサイも、最も一般的に植えられているボリュームのある球状のアジサイはセイヨウアジサイ。でも、アジサイの原産地は日本なんです。日本原産のガクアジサイを改良したアジサイが一般にいうセイヨウアジサイ。その他に、本当に西洋で改良された西洋アジサイ(Hydrangea)と大きく分けて3種類あります。

総じて日本のアジサイは土地の肥えた湿気の多い半日陰を好み、西洋アジサイは日当たりと水はけの良い所を好むそうですよ。
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躑躅の花を背景にした春の轟の滝
自然がいっぱいでしょう
さて、ここで問題です。この蔓性の変った花、ご存じですか・・・
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一見毒々しいですが、果実は10cm前後まで成長。9 ~10月に熟して古くより食べられています。

は樹木に巻き付き、空高く伸び古くなると木質化します。

葉は5つの楕円形の小葉が掌状につく複葉で互生。律儀に5枚づつ付いてますよね。
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高知では開花は今頃、木は雌雄同株で雌雄異花で淡紫色。花被は3枚で、雄花の中央部には6本の雄しべがミカンの房状に(画像後ろの花が雄花)、雌花の中央部にはバナナ果実のような6 ~9本の雌しべが放射状につきます。雌花柱頭には、甘みを持った粘着性の液体が付いており、花粉がここに付着することで受粉が成立。辺りにはとっても甘い芳香が漂っています。
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さあ、こちらを見てください。すでに授粉、結実し実をなしています。っというのは冗談で、蔓が梅樹に巻きついているだけで、果実は梅です。ごめんなさい

自身の果実、夏の終わりになるとこんなになるんです。

淡紫色に色づき、成熟した果実の果皮は心皮の合着線で裂開し、甘い胎座とそこに埋もれた多数の黒い種子を裸出。
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更に秋が深まると・・・ もう分りましたよね。
今では殆ど人に食べられる事も無くなり、専らこの胎座の部分は様々な鳥類に食べられて、鳥たちは、アケビの種子散布に寄与するんです。


今日は自然散策に行って大好きな虫が出てこないっと思ってたら、
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いました何かの幼虫、蛾か蝶か正体不明です。

でもアケビを食樹として利用する昆虫、とっても愉快な蛾がいるんです。アケビはたまらないでしょうが・・・
それがコレ、
蛾 (2)蛾








虫は枯葉に擬態、翅を広げて下翅を見ないと識別できません。更に頭部先端の突起、すごい念の入れようです。

名前はアケビコノハ、まんまな和名です

虫食草がアケビ類の葉、静止時や外敵の刺激を受けたときに、背を丸めて胸部の眼状紋を誇示する独特の防御姿勢をとる、それがっとても面白いデザインなんです。
幼虫 (2)幼虫








すごいですよね、眼(まなこ)の描き方。かなり漫画の勉強をしています。怒った眼や涙眼、びっくり眼までいろんな表情が描けるんですよ。

合計4個の眼状紋が上手く配列されており、前後・左右どこから見ても漫画みたいな目玉なんです。よくできていますよね。
アケビコノハ覚えておいてくださいね。

ところで、今日も思わぬところに話が飛んでしまいました。

の地獲れ鮮魚
香南市吉川の物産店舗『天然色市場』。
天然色市場









土日限定で、獲れたて地もの物産品を市場価格より1~2割安で販売する香南市の人気店舗。生産者さんやそのご家族が販売されているので、コアな情報が収集でき更に消費者としても、鮮度抜群の生鮮品が格安に購入できる近場のメリットを生かし毎週訪れています。
天然色市場











天然色市場』は漁港とこんなに近いんです。ですから流通による鮮度劣化のない地獲れ魚が手に入るんですよ。とびっきりの鮮度と品揃えにこだわるんなら、土曜日の開店直後9:00~10:00がいいですね。

地元消費者間の内緒の情報ですが、割安鮮魚を更に割安で買うんなら、日曜日の10:30以降に来場して、少々品揃えが少なくなった生鮮品の中から、目当ての魚を見つけ出し価格交渉するんですね。

品揃えにこだわらなければ、案外納得のお買いものができるかも
お気に入りの店舗であればあるほど、そこの流通・販売システムを調査し、自分だけの楽しみ方を見出せばその店舗のことが益々好きになり、いつも楽しいお買いものができるのです。
天然色市場鮮魚









こだわり生鮮品のなかで、私がいつも購入するのは、鮮魚やその加工品(釜揚げちりめん、干物等)、特にちりめんは主力商品ですから、試食して購入できます。

天日干しちりめん









天日干しちりめんだって前の漁港で上がったばかりのドロメを、『天然色市場』隣の加工場等、極近隣の加工場で釜揚げにし、寒い季節の天気の良い日は天日干しにして揃えているんです。

更に近海地獲れの旬の鮮魚を確認することで、海洋の季節の移ろいを感じに行くのです。
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近海獲れ曳縄漁の初鰹も入荷してきましたね。魚体は1~2kgです。海洋も春本番ですね。鰹は地球規模で季節回遊する魚類ですから、海の状態を知るのには絶好の魚です。

実はこの分野(海洋生物学)は私の大学での専門科目で、その後も職業として食材活用に生かして来ましたから、高知県内であればどの時期にどのような魚が並び、どのように料理すればその個性が生かせるのかは、概ね分かります。特に季節の変わり目には、急に魚の構成も変化しますから要チェックですね。

年中並んでいる魚でも、漁獲方法や鮮度以上に当然旬による品質の差異がありますから、魚介を美味しく料理し家族に提供する為には、ある程度の知識が必要です。
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ゴマサバ
例えば青物。高知の近海ものでは、コンスタントに入荷するゴマサバは、今比較的安価で購入できますが殆どが産卵期を終え一年で最も身質が悪い時期なのでお勧めできません。サバ本来の旨さを味わう為には、最低梅雨が上がるまで待たなければいけませんね。
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マアジ
代用はアジ(特にマアジ)。サバより高価ですが、産卵を控え一年で最も脂がのっています。

ブリも天然は例年2月末頃から、大きな群れとなって近海を回遊し価格も手ごろになっていますが、オススメできるのは、2月いっぱい迄。その後は、寄生虫が多く、身質が極端に悪化します。
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【ブリ】
反面養殖であれば、3月頃迄は美味しいですね。暖かくなれば、ヒラマサがいいですが、高知では流通量が少なくまず手に入りません。
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ヒラマサ
一般に、初夏が旬といわれるヒラマサですが、今頃になると抜群に旨いです。
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画像は偶々通りかかった、田野町道の駅で見かけ思わず購入したヒラマサ刺身。近頃よく水揚げされるそうですね、原魚につると5kgぐらいありそうな切り身です。

日本海青物王者は氷見のブリ、太平洋はブリではそれに全く敵いません。でも太平洋の青物、東西の横綱はシマアジヒラマサ。大関がカンパチですね(お値段も)。このヒラマサ、極上でしたよ。一度食べたら忘れられない味です。

それと小型の天然ハマチは、暖かい季節も案外美味しいですが、鮮度が良いことと魚体が肥えていることが条件です。
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サワラ
旬のこだわった青物大型魚のいちおしはサワラ。濃厚な旨みのある魚で漢字で鰆(さわら)と書くくらいですから美味しいはずです。少々身質が柔らかいですから西京味噌や塩麹で身をしめる漬け焼きがいいですね。

ところで多くの鮮魚の中から、こだわりの一尾を選りすぐる訳ですが、鮮度(眼・鰓を見て、外観痛みのない魚を選ぶ)については『天然色市場』の場合、前述のようにどれも良い状態です。

次に絶対、検質をしなければならないのが肥えている魚を選ぶこと。人間のようにお腹を見て肥えていると判断しては絶対ダメです。

お腹が肥えているのは抱卵している場合(真子や白子の調理法を知っていれば、これはそれなりに価値があります)と、餌をたくさん食べている場合(これは最悪です)。餌をたくさん食べ、胃袋等腹腔内に多くの残渣を持つ魚は、残渣の目方まで価格に反映されるほか、消化器内細菌やバクテリアによる劣化が早く、特に磯魚の場合臭みが生じます

でも産卵を前にした旬鮮魚は、少なからず摂餌意欲が活発で且つ餌の多い場所に群れていますから、空腹で肥えた魚はまずいません。要は腹だけを見て肥えていると判断してはいけないのです。そして腹部が大きい鮮魚を購入したら、迅速な調理をしてください。

天然色市場』店内では、一般鮮魚店のような魚調理場が無いため、一尾買いの魚はおろしてくれません。でも本当に魚が好きで、目利きを覚えたいなら自身でさばく事に勝る勉強は無いのです。(それが現代の魚離れの要因でもあるんですが)


肥えている魚を見分けるのは主に2法で、鯛のような扁平な魚は上(背側から見る)尾びれの付け根付近まで肉厚であることを確認してください。長い魚(サンマのような)は頭部直後の肉つきを見ます。
チヌ (12)













【クロダイ(チヌ)】
勿論天然魚、2月下旬抱卵直前のクロダイです。これ以下の厚みのクロダイは肥えているとは言いません、むしろ痩せているくらい。
3月中旬を過ぎると更に肉厚な個体が増えてきます。

ミクリガイ (2)
天然色市場』の個性魚介、ヨダレ貝ミクリガイ)も入荷しています。とても美味しい貝ですが特に大ぶりのヨダレ貝はおすすめ。見つければ絶対買いです。
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ヨダレ貝は、さっと洗って塩ゆでにすればいいんです。料理法はこちら
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漢字で攻めればちょっと高級な、桜鯛桜色の鯛も複数種入荷してきました。
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朱色の鯛は、マダイチダイキダイレンコ)が入荷しています。でも真に桜鯛といわれるのは真鯛(マダイ)だけです。この季節産卵を控え、雄のなかにはやや黒ずんでいる個体もありますが、雌は鮮やかな桜色を呈します。
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【マダイ】
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【チダイ】
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【キダイ(レンコ)】
最も大きく成長し、最も高価なマダイ。これらの中では最も身質がしっかりしていて、今の時期(旬)は上品な旨みと、季節にぴったりの色彩で超人気の高級魚。でも更に水温が上昇してくる季節には、マダイは産卵を終え一時身質が落ち、代わってチダイは旨みを増してきます。3種の中では最も安価なキダイでも料理法によっては、充分美味しくいただけるのです。
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【キダイ煮付け】どうです、マダイみたいでしょう。
レストラン四季








キダイは洋食食材としてもいいんですよ。香南市の洋食店はとても美味しく調理されています。
3種の朱色に染まる鯛。詳しい同定方はこちらを見てくださいネ。
マダイとチダイの同定
キダイ(レンコダイ)の説明

さて、種々の魚が並ぶ中この中央の魚『コロ』ってなんでしょう。クジラのコロ(鯨皮から鯨油を絞った残りかす)ではありません。価格票は50円/100gですからこの一尾は800gくらいですね。
天然色市場鮮魚 (2)








コロとは、標準和名コショウダイ
ここで言うコロ(ダイ)の事ですが、これもまたややこしく、コロダイとは本来違う魚で、標準和名コロダイは比較的資源量の多い下画像の白身魚。
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コロダイ高知ではコタイというのが一般的です。問題のコロですが
鮮魚









【コショウダイ】両種は属で分離されますが、それほど遠くない種同士。特に味に関しては似通っています。食材としての評価ですが、白身魚でとにかく身質がしっかりしています。その身の締まりはイシダイに匹敵しますが、悲しいかなイシダイのような旨みが感じられず、更に生臭いと感じる人もいるようです。高知では1年を通じ特に脂ののる季節もなく、私も刺身では食べません。でもムニエルにすると、厚めの皮がパリバリ香ばしくとても美味しいです。
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【クロダイ2種 左チヌ・右キビレ】
クロダイも、今とても美味しいですよ。クロダイ料理こちら

更に昔懐かしい魚介、今では殆どお目にかからない種にも会えるかも分かりません。
今日もいましたよ、面白いのが。
タビエビ 高知













テングニシ
に混ざって一匹だけいる黒い目玉が印象的な『草履海老ゾウリエビ)』です。香南市に水揚げされているのを見たのは久しぶりです。
学名:Parribacus japonicusセミエビ科に分類されるエビの1種ですが、同科では小柄なため、割と安価なんです。でもとっても美味しいんですよ。さらに平たい近似のウチワエビ」ともよく混同されています。

どちらも料理法は同じ、昔は高知県各地でどっさり獲れたんで、「塩ゆで」にして(大きさの割りに身が詰まっていて、甘みがひき立つんです)郷土料理『皿鉢』に組み込んだり、味噌汁の具材にしてその旨みを満喫しました。

子供の頃が懐かしいです。

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