土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

タグ:春の魚

春の逸品鮮魚アコウダイ
強風の中、好天に誘われ室戸へ岬の春鮮魚を見に行ってきました。
室戸展望台









春の旬魚といっても、先日ご紹介した香南市と室戸では全く違うんですよ。
本来は、岬まわりの漁港を2・3見てからいつもの魚屋さんで、これはという旬鮮魚を選ぶんですが、生憎の時化模様、どの漁港も魚が揚っていません。
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でも、魚屋さんは営業していました。時化で漁が少なくても、この品揃えです。
この中から室戸らしい旬鮮魚を選んで、料理してみましょう。

室戸の地形は世界遺産に認定されるほと、激しい地震性地殻変動を繰り返し、傾動隆起していくんです。陸上の景色同様、海面下の地形もなだらかに水深が増すのではなく、急に落ち込み一気に200メートル以深となり更なる深海へと続くんです。
スルメ










【室戸名物、空飛ぶスルメイカ
ですから、深海からの栄養豊富な湧昇流が動植物プランクトンを育み、小魚が群れそれを餌とする大型魚が周年回遊する、室戸の海ならではの生態系が確立されています。結果として室戸の鮮魚は、香南市のそれと比べて同じ種類でも総じて大型。更に岬周りでしか手に入らない、深海性の美味しい魚が店頭に並びます。
コタイ・ネイリ









【5キロ程度の中型カンパチは、周年回遊】
最も美味しいサイズのカンパチの上は3キロ位の極近海根付き魚コロダイです。
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【大判
だって室戸では大判、春から5キロは軽くこえています。香南市のそれとは全然違います。
そして足摺岬同様に潮通しが良い分、魚の熟度が早く旬を迎える時期が早く、旬のはしりの先取りができるのです。
サクラダイ











【2~3キロ位の桜鯛
旬の逸品、桜鯛は既に婚姻色を呈し
雌(下)は体型に丸みを帯び抱卵しています。雄(上)の婚姻色、判り易いでしょう、吻部はオレンジ色、それを囲んで黒色変化、さらに老成魚の雄になると、頭部がニュージンランドマダイのようにやや突出し体型が角ばり、眼球周囲の皮膚が白色化します。

この特徴を知っていれば、割と簡単に旬のマダイの雌雄判別ができます。
カンパチ・マダイ













ちなみに、このマダイは婚姻色の雄。3、5キロ前後ですね。タイの白子天婦羅、絶品ですよ。
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イサキ
梅雨頃が産卵期のイサキも、室戸ではすでに抱卵しています。

さて、室戸らしい魚介類といえば、
ナガレコ













トコブシ

トコブシ、高知では流れ子です。室戸名物で刺身ではなく、加熱調理すると更においしんです。
キンメダイ













キンメダイ
こちらも室戸名物キンメダイ700グラム位。価格の安定した高級魚、名に恥じない旨みがあります。でも去年からずっと不漁なんです。この日だって6匹しかありませんでしたから。
ウメイロ (2)












ウメイロ
鮮度の良いものは、背一部がコバルトブルー。鮮度が落ちるとこの色は消えますが黄金色(熟した梅の実に似ている)は光沢が消えても黄色く残ります。
このように鮮度が良いものは刺身、白身でやや旨味に欠けても、身色の美しさなど総合的に優れているんです。カルパッチョやムニエルといった洋食、シンプルに塩焼き等、クセが無くどんな料理にも使えるスグレもの鮮魚。
周年美味く味に季節差異の少ない魚ですが、強いて旬を上げれば夏。でも夏季は美味い沖魚が少なく、ウメイロは夏安定して漁獲できることなどの理由が繁栄していると思います。
マサバ (2)










マサバ
身質の良いマサバ。この辺でマサバが安定して獲れる時は沿岸海水温が低めなんです。普段はゴマサバの主回遊域で、マサバゴマサバより低水温を好みますから、地球温暖化の影響でマサバは少なくなったんです。
メジナ・グレ











マゴチ
メジナ(口太グレ)と一緒に入っていたのは、大型マゴチ。あっさりした白身で夏が旬の魚。活魚であればお値打ちは倍増します。マゴチは内湾、浅海を好む魚。深海魚から、こんな魚までいる室戸の魚種の豊富さ。豊な海の証です。
そして本日、私の選んだ魚は
アコウダイ











アコウダイ
キンメダイと同じ手釣り漁で、大陸棚縁部の400メートルからときには1000メートルもの深海から釣り上げます。

何本もの釣針を有する仕掛けが、上手くアコウダイのポイントに入れば、複数のアコウダイが食いついて、それを水圧の高い深海から釣り上げてくるとアコウダイの浮き袋、眼球がパンパンに膨れ上がり、途中から自身の浮力でどんどん浮き上がってくるんですね。そして、舟べりに近い海面から、沖に向かって一尾、2尾、3尾と次々に美しい魚体が浮き上がり、海面に漂うんですね。

至福の瞬間です。釣り人はこれをアコウダイの提灯行列と呼ぶんです。

アコウダイは、カサゴ目フサカサゴ科のとっても美味しい最高級魚
旬はで、旨みが濃く身質がしっかりしており、美しい色彩は忘年会シーズンの鍋具材としても最適。冬場は価格が高騰します。

ですので価格の落ち付く今頃も狙い目なんです。本日の価格は、1,600円/kgでした。一尾1kg前後のアコウダイとしては中サイズです。

では、いつものようにお気に入りを選び料理してみましょう
今日の逸品は室戸らしいアコウダイ。それと、試食程度にウメイロも一尾。
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アコウダイは、キンメダイ以上に歩留りが悪い魚ですから、頭を外すととても貧相です。
でも皮目が本当に美しい魚ですね。
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巨大な頭部、食材活用しないともったいないです。
深海魚ですから眼球突起がすごい
早速、おろして皮を挽いてみましょう。
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アコウダイ柵取り】
旬を少し外れたといってもこの状態。
身質の良さ、脂ののりとも申し分ない状態。何と美味しそうな魚でしょう。
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ウメイロ柵取り】
更に身質がしっかりしているのがウメイロ。とても扱い易い魚です。
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アラもしっかり食材活用します。
身がほろほろしてとても美味しそうですよ。
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【アコウダイの刺身】
皮もしっかり食材活用です。脂がのり身質もコリコリしていますから、これ位に削ぎ切ってポン酢でいただいてみましょう。
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どうです、
室戸のアコウダイ。とっても美味しい高級魚、そして今がお買い得です。ただし量販店にはまずありません。

春の魚 鰆(サワラ)
二月に入り暦の上では春となっても、今年は寒い日が続きます。高知の各地で水揚げされる魚も12月からあまり変わっていませんね。
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春の魚、青物代表は鰆(サワラ)刺身・焼き物、脂がのって美味しい全国区の魚

鰆は鰤(ブリ)と同じ大型回遊魚
。旬の魚としても、冬から春へと鰤から襷(たすき)を渡されて食卓を飾る日本食伝統の駅伝走者です。

早春には、のっこみ(産卵)のために極浅場で漁をする黒鯛に混ざって早朝と夕暮れ時に鰆も良く釣れます。でも鰤と異なり歯が鋭く殆ど釣り糸を切られます。
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『サワラ』 カマスみたいですね。
CAY9MOOBオニカマス【食べられません】
2010-0221%20CAVITE024[1]ナガタチカマス【脂があってそこそこな味】

古くより日本食伝統の食材として多くの調理法がある鰆。最も商品価値が高いものは、ホンザワラと呼ばれる種で資源量も多く、入手しやすい便利な魚です。又、字の如く一般的旬は春となっていますが秋から翌年の春どころか、夏でもそこそこ美味しい魚。つまり年中美味しいです。全国の産地でそれぞれ旬の違う紛らわしい魚ですから。

1メートルを超える魚ですが、私たちが釣ってくるサイズは60~80センチ。元来鰤と比べ身質が弱い魚ですが小型のものは更に身が弱く足も早くなります。中型のものは柵におろすと、背と腹の節で身色と味が極端に異なるこれまた不思議な魚ですが大型になると身全体の味が安定してきます。
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鰆の身、サゴシと呼ばれる中型のものは背節がやや黒みがかり(クロダイかスズキのよう)腹節は淡い桃色です。味自体は決して淡白ではなく深いコクがある青魚独特の味です。臭みはありません。新鮮なものは絶対刺身がおすすめ。
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特に鮮度が良いものは透明感のある白身、でも短時間で身は白濁します。

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高知らしくたたきもいいです。


そのほか瀬戸内海、特に岡山ではいろいろな加工法があり、鰆は名物料理でもあります。
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岡山名物『ばら寿司』(ちらし寿司の一種)鰆ははずせない伝統食材。

期待の鰆
先日(2月14日)手結漁港では鰆、一匹しか水揚げされていませんでした。
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沿岸ものでは、レンコ鯛にまざって鰆は一匹

鰆は曳縄漁ですが、漁自体やってないみたいです。
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鰆 曳縄漁
DSC00558昨年秋の撮影

高知中部より、旬の魚がいち早く取れる土佐清水や窪津でも鰆は揚っていません。
結局、まだ旬には少し早いんですね。気がはやりすぎました。ここまでやったのに、食べれないんです。
本日は、鰆の予告だけになりました
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土佐清水               窪津
どこも季節風が強く、漁が少ないですね。そして、本当に寒いです。


気を取り直し…
新タイトル

旬の魚料理
お値段手頃な鍋料理なら、
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グレは水温が最も下がる今が美味しいです。あっさり癖のない身のシロハゲもいいですね。
グレは窪津でたくさん取れています。スーパーでも買いですね。
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グレは、刺身・たたき・お鍋で楽しめます。

                  終わりです、お粗末でした。

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