土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

タグ:百舌鳥の高鳴き

山には山の野には野の
香美市の低山でマルハナバチ属のトラマルハナバチに出会いました。
トラマルハナバチ









因みにコレ、クマバチではありませんからね。

トラマルハナバチの越冬態は成虫で、花蜂として花粉媒介の役目をする重要なハチ種。春の花が咲き揃う4月には活発に活動しています。
トラマルハナバチ 中舌








しかし花粉媒介者としての活動時、その個体密度は高くはなく、私が見る限りではいつも単独で活動。咲き乱れる季節の花をわが物顔で飛び回り、状態の良い花を探しています。
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発達した中舌を持つマルハナバチたちは、吸蜜花に合弁花の中でも特に管状の花弁型の花を選んでその花粉媒介を行います。
この日トラマルハナバチが選んだ秋の山の花はシソ科のアキノタムラソウでした。

そんなマルハナバチの中でも特に筒の深い花を好むのがこのトラマルハナバチなんですね。

一方、この日は里へ降りてきてからもう一緒の花蜂を見つけました。
スジボソフトハナバチ









この前ご紹介したばかりのコシブトハナバチ科スジボソフトハナバチです。クサギの花期が終わり今日はシソ科の園芸品種、サルビアの花の仲間で吸蜜しています。

トラマルハナバチとスジボソフトハナバチ、両種は分類上近くはなくても、花粉媒介虫として活躍する花蜂同士であり日本在来種です。互いに長い中舌を有し筒の深い管状花の花粉媒介を行います。でもとスジボソフトハナバチの成虫活動期は秋に限ったもの、コマルハナバチが活動しなくなる頃に満を持して出現するのです。

そしてそれに呼応するかの様に現れるのがルリモンハナバチ。自然界には植物も動物も越えた数多の生物たちが互いの呼吸を測り合って生きているのです。季節毎に、野には野の山には山の阿吽の呼吸があるのです。

後は野となれ山となれなんて思っているのは誰⁈
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今日、住宅地脇に広がる田園から2018年の秋最初、百舌鳥の高鳴きが聞こえてきました

秋の風物詩
物部川河口部、毎年決まって季節を代表する同じ音が聴かれ、里の人々はそれを聞いて秋を感じます。
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その音を発するのは、ある生き物ですから鳴き声なんですが、周りへの響き様は、集団で翅を摺合せ鳴く鈴虫とも比較にならないほど甲高く、とこまでも海碧色の秋空間を貫くように響き抜けていきます。

人はその声の主を知っていても、その圧倒的なパフォーマンスに自然と音源に目をやります。
モズの高鳴き








【オス モズの高鳴き】
その目線の先にいるのがモズLanius bucephalus で、モズは渡り鳥なんですが、日本に生息しているのはその亜種で留鳥化しています。実際には日本亜種も冬には北部に生息する個体は南部へ、高地のものは低地へ若干の移動を行うんですが、渡り鳥ほど広域で顕著な移動ではないのです。
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【メス モズの高鳴き】
モズは、スズメ目モズ科モズ属の大きくはない野鳥なんですが、完全肉食性に特化した特徴的な生態や形態が、同じ体格の野鳥とは一線を隔る獰猛な小野鳥。
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ショウリョウバッタを狩ったメスのモズ
狩りの姿や獲物を切り裂く嘴形状などは猛禽類さながらです。又モズは多くの狩りを行う動物に見られる、狩った獲物を貯蓄する習性があり、その行為は『速贄はやにえ)』と呼ばれます。
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モズの速贄はやにえ
モズは百舌鳥と表わされる様に様々な鳴き声を持ち、時にそれは他の野鳥を真似るとも言われるほど。
モズ 高鳴き










そのモズの真の鳴き声といわれるのが、秋から初冬に聞かれる『高鳴き』。これから暫くこの地を、自らの縄張りとして守り抜く覚悟を辺りの生き物達に示す行為なのです。『高鳴き』は傍から見ると、この体格の生き物としては不相応。ですから余計に勇猛で清々しい秋らしい儀式に映るんですね。
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私の今立っている場所から見渡せる範囲で2羽のモズが、河畔林や河岸の植林の高枝で互いに『高鳴き』を繰り返し、自らの縄張りを巡回しながら互いに接する制空域で、時に空中で互いを追い合って凌ぎを削っています。
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互いの空中戦、 dog fightは高速で急旋回、急下降、急上昇を行うも短時間で一度収束し、暫しの時を置いてまた再開。適当に休みを挟んで体力の消耗を避け、又互いに触れて怪我をすることもない、手加減のある行為です。でもモズの高い狩りの能力が容易に判る、飛翔習性は何度見ても絶対に飽きることないモズの秋姿。
モズ オス











夏には一度、色彩抜けしていたモズ達も秋には本来の色彩を取り戻し、『高鳴き』に揃えた衣装で、自身の新しい出発に花を添えます。
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モズの雌雄識別はとっても簡単で、黒い眉斑が目立ち精悍に見えるのがオス。
モズ メス









一方、眉斑が茶色でどことなく優しそうに見えるのがメスのモズです。更にメスの胸部には鱗状の斑紋が見られます。
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ですから、ここで互いに縄張り主張していた2羽は雌雄だったんですね。秋のモズは同種雌雄間でも、決して他を自身の間合いに入れることはなく、その縄張りにおいて雌雄の優劣もありません。
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ところが年が変わって桜の蕾が緩んで来る頃には、互いの結界も徐々に緩み、冬が終わりを告げる季節には、雌雄が同じ枝にいる姿が頻繁に見られるようになって来ます。今度はモズのつくりだす音の無い暖かい空間と空気によって、里の人々は春が近いことを知るんですね。
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これが季節限定、モズの縄張りのかたち。明日は思いもよらない弱々しい生き物の意外な縄張りのかたちをレポートします。
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