土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

タグ:超高級魚の産地での値段

室戸の超高級魚の価格
超高級魚と言えば、産地にこだわり、魚体の状態にこだわり、漁法にこだわり、旬にこだわるもの。信頼のおける専門銘店でお目当ての超高級魚を食べるなら、当然超高級魚たる所以の対価を支払わなければなりません。
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【アカムツ

それをもし家庭で調理するとなれば、たぶんその四分の一以下の経費でその魚種の食味経験が養えるのです。お値打ち感は別としても、直に触れることでその高級魚の持つ本質に、自らの感性で迫ることが可能です。
佐喜浜釣り魚








そのためには先ず、狙いを定める魚種を選び抜く術を持たなければなりません。産地の漁港へ通い詰める必要があるのです。でもそれが産地を極めるという意味では有意義で楽しいことでもあるのです。

佐喜浜に水揚げされるこれら釣り魚の中には、超の付く高級魚が含まれているのですが、それらを地元の魚屋さんの棚で見る事はまずありません。超高級魚は地元でコンスタントに消費される地産地消の魚類たちではないのです。

地元の魚屋さんも、そんな超高級魚を買い付けはするんですが自店の棚には並べず、業務筋の流通に乗せるのです。旅館や料理店または都市部の契約海鮮料理店等に宅配するんですね。こういった業務筋の売り上げは、店舗の小売り以上に経営を安定させるのです。

超高級魚は、家庭の普段使いで消費されることの少ない魚種であることは言うまでもありません。一般には手に入らない地元産地の超高級魚を手に入れるには・・・
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業務筋で超高級魚を競り落とせる地元の鮮魚店さんに、希望の魚種を通知しておいて入荷を待つしかないのです。
すると後日、突然📱に電話が入り希望の魚が入った知らせが来ます。
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そして翌日の午前中に宅急便の着払いで待ちに待った魚種が到着するのです。私はそれを室戸の浦戸屋さんに頼んでいます。
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私は浦戸屋さんにとって、多くの業務筋と比較して重要な顧客ではないんですが、状態の優れた超高級魚が手頃な値段で多く買い付け出来る時には手配してくださいます。

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そして到着する超高級魚は私が産地で見るそれら以上の高い基準の品質で送られてくるのです。
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このアカムツも、底引き物で15cm程度魚体なら一匹600円くらいで、地元量販店でも販売されていることがあります。
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でもこういった素晴らしい品質の一尾になると、自身で釣るか独自の伝手がないと先ず手に入りません。この念願だったアカムツは浦戸屋さんの手配で4,000円/kgで入手でき自宅で調理できました。
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それでも、一ヶ月に2回位は室戸の漁港を回り浦戸屋さんへ行って情報を収集し、店で買える室戸の魚は都度購入して帰ります。この日は近頃安定して漁があった超高級魚のシロアマダイが棚に並んでいました。

ここでは良く見るアオハタも、2kgを越える良型になると1,600円/kgと200円ほどは高くなります。でも私はこのアオハタにはそれ以上の価値があると確信しています。
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この日はシロアマダイを購入しました。この魚(700g弱)の場合2,300円/kgは高くはないのです。バブル期には1kgを越える良型シロアマダイの価格は10,000円/kg位していた魚、価格よりもまず産地でありながら高知では手に入らない魚種でした。ですから、産地なのにこの魚の味を知らない人か数多くいたのです。
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今なら欲すれば手に入るシロアマダイ。我が家の冷蔵庫で三枚おろしになって風干しになっています。

付き合いで外食をする機会が少なくなった今、食から受ける強烈な刺激はもっぱら家庭料理となっていますから、たまには食材を❝りぐる❞のもありなのかと。創る楽しみは増え、食に対する出費は以前より少なく抑えられているのです。
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そうしていると、たまに外食に行った時に今まで気づかなかった
ことがたくさん見え、思いが無限に広がっていきます。それを人に伝える事で想いが共有できれば自身の未来も、地域の未来もより輝くものに彩れると思っています。


それで、顧客の想いを彩ることができたら産地ももっともっと輝けるはず。私はそれを自らの従事していた組織の顧客の皆さまに教えていただきました。自身が顧客になった今は、精一杯粋な顧客でありたいと思っています。

室戸の高級魚 マハタ属たち
鍋の恋しい季節になってきました。今日はそんな鍋具材に最適な魚種揃いのハタ科のなかの高級魚たちマハタ属を室戸の海で探してみました。
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産地ならではの鮮魚を具材にした一味違った鍋料理の参考にしてみてください。
佐喜浜釣り魚









つい先日も佐喜浜の漁港へ行ってきました。上画像はその時のものです。この漁獲は全て釣り漁、大型キジハタや型の良いアカムツ巨大なシロアマダイなど相当な高級魚たちが多数含まれています。
キジハタ













例えばこの柿色のハタは、この辺りでは珍しいキジハタです。キジハタは日本海や瀬戸内海に多いマハタ属。中・小型のマハタ属では超高級とされるハタ種です。
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キジハタは関西圏で特に人気が高く、アコウの名で知られ超高値で取引されています。でもそれは活魚が主、釣り漁であることと沿岸部の比較的浅場に生息しており、高値で取引されることから活魚で水揚げされるのです。実際に流通している個体は500g程度のものが多く、店舗でも生け簀で保管し活魚を姿造りで提供する専門店が少なくありません。
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キジハタ
私も、室戸市の佐喜浜漁港で
キジハタが水揚げされていたのは初めて。いわばここはキジハタの産地ではなく、キジハタらしい活魚流通のノウハウがなく、偶発的にしか漁獲されない魚種にそれ専用の流通システムを構築する筈もなく、野締め状態での流通となるのです。
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瀬戸内海の道の駅で売られていた野締めキジハタ
この野締めキジハタは2,300円/㎏の値がついていました。
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生け簀のキジハタとアカハタ
ところが、この佐喜浜で漁獲されたキジハタは種としては非常に立派な魚体で、50cm2kgを越える個体。旬が春から初夏とされるキジハタでも、この大きさになると中・小型魚とは違った趣を呈し、身質もしっかりしていて寝かして適度な熟成を促すとうま味も更に増すことが期待できます。ある意味、産地でない漁港での掘り出し物なんですね。
アカハタ









アカハタ
色彩の鮮やかさでいえば、最も鮮やかなマハタ属がアカハタ。アカハタの産卵期(夏)の直後は特に痩せた個体を避ければ、周年美味しく食べられるというのがマハタ属の優れた特徴なんですよ。
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逆に言えば、魚屋さんでは色鮮やかで肥えた個体を選ぶのがコツです。温帯の中・小型マハタ属では特に小型種のアカハタ。出来れば30cm以上の個体を選びたいものです。
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煮付けが旨いアカハタ
更にマハタ属のなかでは足の早い部類のアカハタ。身が白濁するのも早く、特に生食の場合は鮮度にもこだわりたいもので、そこに産地の値打ちが現れやすい種がアカハタなのです。

マハタ









マハタ
こちらはマハタ属の旗種マハタ。クエ同様の高級マハタ属ですが、大型魚は深場へ落ち身質も変化、大型種でありながら中型個体が食材重宝される魚種で養殖も盛んに行われています。
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キジハタとは逆に、高知では天然資源の豊富なマハタ。遊漁でも秋から冬にかけて天然ものがものが高確率で狙える魚種なのです。
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マハタは5kgから10kgくらいが絶品。それより小型個体はキジハタ同様に活魚流通が面白いと思います。さらに10㎏を超える頃から徐々に深場に落ち、更に老成化すると深海にまで移動するのです。
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マハタの薄造りと刺身
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マハタの価格
その最も優れる大きさのマハタの価格がこれ。冬場の野締め物、産地ならではのお値打ち値付けだと思います。
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家庭で創るマハタのフランス料理
マハタ属は和食だけでなく洋食に中華とどんな料理にも合います。
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生け簀のマハタモドキ
マハタには酷似した別種のマハタモドキが存在します。両種の差異は、市場関係者でも識別が出来ない程に微妙。というか、双方マハタとして隔たり無く流通する食材価値の変わらない種同士、敢て識別する必要もないのです。
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ホウキハタ
個体数はマハタより極端に少なくても10kg近くに成長するのがホウキハタ。これを食した経験のある幸運な方は、ホウキハタはマハタより旨いと豪語します。室戸ではその食材価値が確立しており、冬場は4,000円/kgくらいの値が付き、5kgほどの最良個体を見かけることがあっても個人ではなかなか購入し難いのです。
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鮮魚店のホウキハタ画像は分かり難いので、水族館で撮影したものがこちら。ホウキハタにもカケハシハタやイヤゴハタといった紛らわしいマハタ属が存在します。でもそれらは、体表斑紋が似ている訳で後者2種は50cm程度までしか成長しません。
巨大アオハタ










室戸で最も個体数が多いマハタ属がアオハタ。アオハタはマハタ属としては、比較的安価です。
アオハタも中・小型のマハタ属です。
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アオハタ
通常は35cm前後の個体が流通するアオハタですが、佐喜浜では50cm以上がゴロゴロ。
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時には60cm3kgを越えるような個体も見ます。
これら中小型のマハタ属は総じてより大型個体が美味しいはずです。
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オオモンハタ
中・小型マハタ属で個体数が安定し、価格も安くないのがオオモンハタ。確かにアオハタよりはうま味が豊かなマハタ属ではあります。
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オオモンハタのちり鍋はクエの代用品としても十分。むしろ小型のクエよりは旨いのかもと思ってしまいます。勿論オオモンハタも40cm以上を選びたいですね。
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コモンハタ
マハタ属にはオオモンハタがいればコモンハタもいます。
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コモンハタは和名は小紋でも、大紋ハタよりずっと大きく成長するんですよ。そんなコモンハタは希少種です。

マハタ属に限っては、釣り物ではありませんが、
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巨大な活クエ
大敷網に入る大型のマハタ属を代表するのが超高級食材。しかも活魚で水揚げされます。エア抜きをすれば泳ぎ出すんですよ。
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佐喜浜漁港の活チャイロマルハタ
これはクエの近縁で自然環境下でも稀に交雑個体が見られるチャイロマルハタです。更にこの両種に加えヤイトハタもそれらと自然交雑します。
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チャイロマルハタとヤイトハタ
チャイロマルハタやヤイトハタはクエより南方種。クエとは海水温で棲み分けしていましたが、近年は共棲状態に近づいているのです。室戸や土佐清水の岬周りではこの様な大型個体が水揚げされるのも珍しくなく、冬場は漁港活〆でこのような大型だと4,000円/kg位が流通価格でしょうか。
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小型クエ
おしなべて2kg以下の小型個体は食材価値が下がる大型マハタ属の魚種。
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小型クエの活魚
小型個体はこ多くのマハタ属同様に活魚流通させることで、付加価値をつける努力をしています。
マハタ鍋









今日、ご紹介したマハタ属。いずれもが鍋具材としては最適な魚種揃い。

食味は、それぞれに特徴ある身の中に秘められたうま味と、マハタ属に共通する皮目の旨さ。触感は、加熱することによってぎゅっと締まる身の上質感。できれば同種でもより大きい個体を選んでくださいね。

つづく

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