QUADRINITY ~MEMBER’S BEST SELECTIONS~(初回限定盤)(DVD付)
QUADRINITY ~MEMBER’S BEST SELECTIONS~(初回限定盤)(DVD付)

L'Arc〜en〜Ciel
『QUADRINITY 〜MEMBER’S BEST SELECTIONS〜』
2010/3/10 album
Rock, J-POP

企画はじめます。長いです。この間発売されたL'Arc~en~Cielの企画盤ベストアルバム「QUADRINITY 〜MEMBER’S BEST SELECTIONS〜」についての全曲レビューです。本当は発売前に記事をまとめて載っけたかったんだけど、えー、サボってました。twitterでは発表前に収録曲予想をしたりしてました。

でも遅くても書きたいので書きます。このアルバムは企画盤で終わらせるにはもったいないアルバムだし、ある意味「clicked best 13」よりもずっとベストアルバムらしいベストアルバムだと言えると思います。その理由については、全曲解説を交えながら書くつもりだけど、敢えて言うならラルクはシングル曲だけではその魅力を捉えきれない事が大きいです。それでははじめます。

<Disc.1>
hyde best

Music all composed by hyde
Mastered by Ian Cooper(Metropolis,LONDON)

一応説明すると、このアルバムは4枚組で、それぞれメンバー自身が作曲した曲の中からそれぞれ選んでいます。つまりこのディスクは「hydeが作曲した曲の中から、hydeが選んだ7曲」が収録されています。

1. I'm so happy (1996、SINGLE「風に消えないで」)
まず、hyde盤を予測した時に1曲目は「flower」と書いたわけで、まさかカップリングに納められたこの曲が、しかも1曲目に選ばれるなんて思いもしませんでした。マニアックな曲が多数収録される事は想像したけど、初っぱななのは完全に想定外。にもかかわらず、この曲すっごくいい!リマスターによって音がクリアになった事も大きいけど、それ以上にこの曲の肉食な感じが今のhydeのVAMPSにも繋がっている感じがします。自分は、ラルクがアメリカっぽいロックンロールを奏でるはじめたのが「DIVE TO BLUE」か「HONEY」だと思っていたんだけど、「I'm so happy」の頃からだったことが目から鱗でした。

2. HONEY (1998、SINGLE「HONEY」)
説明の必要のないヒット曲。この曲の発売した時って、今では憶えている人も少ないかもしれないけど、実は「花葬」と「浸食〜lose control〜」とこの「HONEY」の3枚同時発売でした。結果、「HONEY」が1位で、「浸食〜」が2位。「花葬」が4位でした。ちなみにこの曲は昨年のVAMPSの海外ライブで歌ったりしています。

3. flower (1996、SINGLE「flower」)
これもシングル曲にしてヒット曲。この頃のラルクって案外ラブソングが多くて今カラオケで歌うと恥ずかしい曲が多かったりするのね。にもかかわらず、「プロ野球ニュース」の主題歌に使われたりしていて、小学生の頃、歌に興味のない友達が知っていたりしてた。それから《かなわぬ想いなら せめて枯れたい》という歌詞からわかるけど、hydeの歌詞って最後は投げやりみたいなところが初期の詩にはあって、そういうところに凄く共感していた自分がいる気がします。

4. さようなら (1996、SINGLE「flower」)
そして「flower」のカップリング曲。この事からいかにhydeにとって「flower」という作品が大事だったのかがよくわかる。「flower」が収録されたアルバム「TRUE」期が一番ラルクの中で異国間の強い時期であり、またポップソングを自覚的に書いていたと思う。それはラルクがヒットすると言う事に対して自覚的に取り組んでいた証だけど、その結果ラルクの中でも最も異色な曲が多数生まれていた事が凄く不思議。多分、ラルクにとって何か新しい事をするために、いろんなものに別れを告げていた時期でもあるのだと思う。そんな時期の一曲。

5. Anemone (2001、BEST ALBUM「Clicked Singles Best 13」)
ベスト盤に収録された当時の新曲。そのあとラルクは「Spirit dreams inside」をリリースして実質的な長期活動休止期間に入った。この頃のラルクは既にボロボロだってことだ。「TRUE」「HERAT」をリリースして自らのポジションを確立したあとに、色々な疲れや問題が起こりチームがバラバラになっていた時期の曲だと思う。実際、ラルクは「解散してもおかしくないバンド」で何度も1位を獲得していて、その事に対する自嘲性、そしてよい音楽を鳴らす覚悟、その両方が危ういバランスで成り立っていた時期の曲だと思う。ちなみに僕はラルクの中で2番目にこの曲が好きです。

6. いばらの涙 (1999、ALBUM「ray」)
アルバム「arc」「ray」期の曲。ラルクが一度活動休止に鳴ったあとに、hydeは「静」のアルバム「ROENTGEN」と「動」のアルバム「666」「FAITH」、そして娯楽色とロックンロールを自覚的に鳴らすVAMPSの活動をしているけど、その中でも宗教性の強い「FAITH」に近い楽曲。ラルクの宗教性はhydeソロの「FAITH」以降、加工してわかりやすくしたものが作られるようになったけど、この時の「いばらの涙」に関してはそのまんま吐き出した感じがする。その結果、今でもライブで時々演奏してる。

7. In the Air (1994、ALBUM「Tierra」)
メジャー・デビューアルバム「Tierra」の最初の曲。《君を何度もひざまずかせた この大地に口づけして ざわめきに塞いだ耳をすませば 解るだろう すべての物の呼吸が空は果てしなく澄みきった青をたたえる 果てしなく…果てしなく》という歌詞がとんでもない。ラルクの宗教性が、単なる耽美的なラブソングだけじゃないってことを示している感じがする。この歌詞を読むと案外、ラルクって苦労しているんだなーってしみじみ思います。

以上、hyde best盤でした。あと3回続きます。少しうんざりしてきたけど楽しんでやります。