【 Introduction 】 

 日産自動車は、リーフのバッテリー容量を5年間 10万キロ 80%強、10年間 20万キロ 70%保つ事ができ、バッテリー交換は廃車まで発生しないと公言し、その性能を大々的に保証して、2010年に発売した。

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【 リーフの使用状況 】

 当方は大学の研究者であるが、次世代の自動車として電気自動車を大いに期待していたところに、日産のリーフ開発の情報を入手した。2010年頃、実車も試乗データも第三者が検証していない状況であったが、追浜での日産の開催した発売前試乗会、及び技術者の説明会に参加し、直接、技術者ともお話しをして、バッテリー性能、航続距離について、それまで日産が公表していた内容が確かであることを確認して初期型リーフを購入することとした。
 

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        追浜、テストコース


 私は、リーフを、主に高速道路中心に、週に4回85〜130km走行しており、月に2500〜3000km走行し、6万キロ走行時、一般ユーザーでは日本で2番目に多く乗っていると日産より言われていた。

また、バッテリーに対しては、高温下にさらさない、しない、高温下での充電はしない。急加速等の過放電の負荷を与えない。急速充電は週に1回、多くて2回、100%普通充電の時は満充電後すぐに使用して満充電を持続させない。高速道路は80-87km/hの間の速度で巡航し、長時間の負荷を最小限にする等、目標として10万キロ時、バッテリー容量90%前後をキープさせたいと大切に乗用していた。
  


【 劣化の始まり 】
:1目盛り消失とメーター改ざん


 しかし、4万キロ前後より航続距離は徐々に低下し出し、4万5千キロでバッテリー残容量を示す目盛りが1目盛り消失してしまった。

44597km145km一バー減少 のコピー


このとき、日産お客様相談室より
1目盛り消失で、バッテリー容量は10〜15%(追加:実際は15%以上)減少しています。」との返事を受ける。まだ10万キロの半分も走っていないのに、最大85%へ減少していることになるため、セルバランス等も含めてチェックを受けるが問題ないと説明を受け、さらに最終的には、「前のデータが悪さをしておかしくなっており、前のデータを消去し、正常化している。バッテリーの劣化はないと言われ、リーフは返された。

45918km-D155kmメーター改ざん後 あおり補正


そして、メーターのバッテリー残容量をしめす目盛りは復活して目盛りの消失はなくなっていた。その時はプログラムの問題かと安心していたのだが、急速充電場所で、EVタクシーの方と話す機会も多く、どうも3万5千キロを超えたあたりでバッテリー残容量の目盛りが1つ消え、さらに走行距離が落ちて、業務に支障がでていることが確認できたため、過酷な使用のタクシーに比べれば、1万キロ遅く症状はでているが、ソフト上のバグなどではないことが、その時はっきりしてしまった。

後日、わかったことであるが、本社の指示で、言われるがままディーラーで対応しており、その時、初期化し、メーターを戻したようであるしかし、本社に内容を再確認しても、作業内容は言わなかった。 つまり、電気自動車で、その後のバッテリー保証にも関わるメーターを、いちディーラーの判断ではなく、日産本社指示で改ざんしたと言わざるを得ない。
 


【 問題解決に向けて 】
:無視とリプログラミング


 また再三に渡り、日産には、「このままユーザーの走行距離が伸びてくれば、私のように問題が生じる人がでるため、対策を取った方がいい」と走行データも送付して言い続けてきたが、最終的に10万キロ直前まで無視を貫かれ続けた。現在、一ヶ月以上、リーフは車庫に眠っている。

話は前後するが、走行データを送付したあとの沈黙、4ヶ月後の6万8千キロに達した時点で、ディーラーより「走らなくなったリーフのプログラミング変更を行う」との連絡があり、ディーラーでは「前回の解答ですね」と言われ、その時、すでに満充電での走行可能距離が170kmから最小95kmまで落ちていたものが、リプログラミング後、一旦、若干の回復をみた。(その後、すべてのリーフにリプログラミングしているようである。)


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しかし、現在、再び、平均90km前後にまで落ち、すでに、購入時の53ー55%に達しており、バッテリー寿命でいう60%を切る状況に迫っている可能性が非常に高いといえる。(日産は、リユースも考慮して70%を寿命としている)
 


【 バッテリー保証の変遷 】
:見せかけの保証、再びリプロ


 また日産は、バッテリーの保証に関しては次々と内容を変更させ、最新の新バッテリー保証制度では、バッテリー残容量の目盛りが4つ消失したら無償修理(追加:初めはあった「交換」の内容はのちに消えていた)すると。
現在、日産公表では、4つ消失したら残容量は66%になると言っている。

私のリーフは99,970kmの現在、走行可能距離は50%強で、バッテリー残容量目盛りは2つ消失どまり。(リプログラミングされたリーフも同レベルにまでされている可能性が高い)
いったいどれだけバッテリー容量が減少すれば保証するのであろうか!!

さらに最新の話では、「4つ減ったものを3つ以下の状態に戻します」との話で、バッテリー交換など、はなからしない様子で、プログラミングの変更で表示を変えるだけの対応を公然としようとしていると考えられる。

 バッテリー全体の取り外しと分解(以前、オートメカニックで実験していた)は大がかりであり、また部分的なセル交換は劣化の程度が異なるセルを混在させることは、リチウムイオン電池の特性、及びリーフの構造上困難であり、例えばトランクなど別にセルを設置することも米国の衝突安全基準をクリアしないため、機械的な修理は困難である。

  


【 リチウムイオン電池の特性 】
:劣化しないための使用できない保護領域の存在


 リチウムイオンバッテリーは電極間をリチウムイオンが移動することで、充放電を行っており、今までの化学反応を中心としたバッテリーとは構造が異なる。携帯やPCと比較して充電効率は劣るが、日産の陽極は、Mnでスピネル構造を呈しており、充電で陽極からリチウムイオンが陰極へ移動しても、格子状のMnで電極を保持できるため、 過充電で電極が崩壊しにくい。しかし、満充電、過放電ではイオンの移動が大きくなり、過放電では化学変化を呈し、満充電、過放電ともに寿命を低下させる。

よって、日産は、使用できない保護領域を設けなければならない。また、どのような使用がされるかわからない自動車では、場合によっては命に関わることもあり、電欠防止のため安全マージンも取っているはずである。

今回のリプログラミングでは、これらの領域も充放電領域に組み入れて強引に改善させていると言わざるを得ない。
 


【 十分なフィールドテストは行われたのか 】
:10万キロでの保証逃れ

 今回の予想外の劣化の程度から、はじめのプログラミングのフィールドテストでさえも十分に行っていたとは言い難い状態(通常の新車開発は5年、効率を上げてリーフは3年)であり、今回の付け焼き刃的リプログラミングのバッテリーへの影響のデータを時間的に日産が持っている可能性は極めて低い。

このことは、これまでのプログラミングの上で、バッテリーの性能を評価してきたわけだが、今回のリプログラミング後では、今後、バッテリーが急速に劣化、寿命となることも否定はできない。しかし、10万キロさえ乗り切れば日産は保証対象外となり、あとはしらないで通ることになる。
 


【 消費者をあざむく 】

 また、これまで消費者は、保護領域等(詳細は社外秘)の存在自体も知らない、
またどれくらい取っているのかもわからないため、80%容量が維持されるとは、
つまり、モーター、駆動系のエネルギー変換効率の経時的変化が極めて少ない電気
自動車では、走行可能距離=バッテリー容量を反映するため、走行に使用できる
容量が80%、維持されると理解するのが通常である。(追加:弁護士に確認済み内容)
(タイヤの転がり抵抗等の要因は同じとして)
 


【EVタクシードライバーの憂鬱】
:容量評価のからくり


鳴り物入りで始まったEVタクシーは、現在、悲惨な状態にある。

業務としてエアコン使用、市街地走行と条件が悪いが、それでも一回の充電で100km以上走行できたものが、現在は50kmも走れないため、遠方のお客さんを断っている状態。補助金の関係で保有義務があり、手放すこともできないジレンマに陥っている。しかし、このように、タクシーの走行距離が半分以下になっても、日産発表では、「容量は78%であった」と。

つまり、走行に使用できない保護、安全マージンも含めて評価し、「あなたのバッテリーは十分容量はありますよ」と突き返しているのである。
これはまったくのペテンである。

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【リチウムイオン電池の容量評価の難しさ】
:日産のかくれみの


 バッテリー容量管理や容量評価について、放電曲線を使って電圧で簡易的に管理している。

本来の容量については、劣化に伴いバッテリーの内部抵抗増大によるロスも含めて、実際に同じ負荷をかけた状態で放電させた電力容量の実測値を測定しなければ正確な容量を評価できない。詳細は割愛するが、日産は、このプロセスを困難な表現で使用し、消費者を煙に巻いている点もすでに見られる。



 

【 総 括 】

〇発売当初、宣伝していたバッテリー
 性能は嘘であこと。

〇その保証は刻々と変わり、また最終
 の新バッテリー保証制度では、
 どんなにバッテリー性能が低下して
 も、誰一人受けることができない
 内容であること。
 もし仮りに受けられるようなリーフ
 が発生したとしても、その内容は、
 リプログラミングで乗り切る魂胆で
 ある。

〇バッテリー評価方法やプログラム
 は、いつでも日産が都合よく書き
 換えることができ、ユーザーには
 ブラックボックスであること。

〇日産の容量評価と、消費者の実際に
 走行に使用できる容量の考え方の
 違いについて、日産は消費者を
 あざむき続けていること。

〇私のリーフは、勝手に初期化されて
 容量を書き換えられており、都合の
 悪くなったユーザーのリーフについ
 ては「メーター改ざん」で対応する
 信じがたい企業である。


 



日産本社と話し合いを、7月1日に行いました。
⑨「日産本社の見解:80%を保証
 などしていない」
http://blog.livedoor.jp/toshi_792t/archives/1005259578.html
      をご覧ください。



また、
② 走行可能距離と総走行距離との
関係のグラフについても、
http://blog.livedoor.jp/toshi_792t/archives/1004762744.html
                          ご覧ください。