toshi_tomieのブログ

一般科学に関する独り言

    最表面原子の電子状態を見る、私が考案し開発製作したEUPSで
    新規分析法を開発し、触媒などの材料評価をしています。

    2013年05月

    次に、直ぐさま、巨大地震が起きるに違いない、とネットで、間違った心配が流布している南海トラフの地震に関して、「南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性に関する調査部会」が、”確度高い予測は困難”という報告をまとめた、というニュースを、昨日、マスコミが一斉に報じました(文献1-3)。


    地震に関しては、”地震研究者”によるおかしな”予測”ばかりがマスコミを賑わしてきました。初めて、当たり前過ぎる内容が、報じられました。当たり前過ぎることは、マスコミには大きな驚きだったようで、全てのマスコミが大きく取り上げました。


    当たり前過ぎる内容が報告されたのは、普通の能力を持った研究者が集められたからなのでしょう。こういう人たちはまともです、と言うことを示すために、委員名簿を示します。


    報告書(文献4)の結論は、当たり前過ぎますが、その結論に至る参考資料(文献5,6)は結構面白そうです。いつか、時間があれば、ご紹介することにします。 


    ーーーーー

    (参考資料)

    南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性に関する調査部会

    (委員名簿)

    座長 山岡耕春   名古屋大学大学院環境学研究科・教授

    副座長     橋本学     京都大学防災研究所・教授

          井出哲     東京大学大学院理学系研究科・准教授

          長尾年恭 東海大学海洋研究所地震予知研究センター長・教授

          堀高峰    

          独立行政法人海洋研究開発機構地震津波・防災研究プロジェクトサブリーダー

          松澤暢     東北大学大学院理学研究科・教授

     


    (参考文献)

    1)

    南海トラフ「予知困難」 前兆否定 揺らぐ根幹

    産経新聞 529()755分配信

    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130529-00000090-san-soci

    東海地震の直前予知を疑問視する見解が盛り込まれた。気象庁が検知を目指す前兆現象の科学的根拠を事実上否定する内容は、予知の根幹を揺るがすものだ。国は確実性を向上させるため新たな観測体制の検討に入るが、技術やコストなど課題は多い。法律施行から35年を迎える予知は、大きな曲がり角を迎えた。


    2)

    南海トラフ地震「確度高い予測困難」…調査部会

    20135290301  読売新聞)

    http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130528-OYT1T01639.htm


    南海トラフで起きる大地震について、作業部会の下に設置された調査部会(座長・山岡耕春名古屋大教授)は28日、「確度の高い予測は困難」とする報告書をまとめた。


    同トラフで国が唯一、数日から数時間以内の発生の予測(予知)を前提として取り組んでいる東海地震の防災体制は、見直しを迫られる。


    東海地震は想定震源域が陸寄りのため、地震の前に起きるとされる地殻変動を捉えやすいとして、気象庁が24時間態勢で観測している。その結果、東海地震発生の恐れがあると判断された場合、首相は「大規模地震対策特別措置法(大震法)」に基づき、警戒宣言を発令する。これを受け、住民の避難や交通規制などが行われる。


    しかし、調査部会はその地殻変動について「確実な観測事例はない」と指摘。山岡教授は「地殻変動が観測される保証はないし、観測されても地震が起きるかどうか分からない」と話す。 また、同トラフで発生する地震には多様性があり、どの領域で発生するかについての予知も困難とし、「東海地震の発生が切迫している」という説にも疑問を投げかけた。

    3)

    南海トラフ地震「高確度の予測は困難」

    NHK ニュース

    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130528/k10014904881000.html


    地震学者の間では、巨大地震が発生する前に地盤がずれ動く前兆現象が起きることがあると考えられています。

    国は、南海トラフで起きる地震のうち「東海地震」は前兆現象を捉えて唯一予知できる可能性があるとしていて、気象庁が地盤の変化を捉える観測機器で監視を続けています。

    これについて政府の検討会は、南海トラフで起きる巨大地震で直前に地盤の変化が起きるという考え方で規模や発生時期を予測できるのか検討しました。

    その結果、▽地盤の変化を捉えられないまま地震が発生することや、▽変化を捉えられたとしても地震が発生しないことがありうるとして、「現在の科学的知見から南海トラフで起きる地震の規模や発生時期を高い確度で予測することは一般的に困難である」という見解をまとめました。


    4)

    南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性に関する調査部会(報告)http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/yosoku/pdf/20130528yosoku_houkoku1.pdf 


    5)

    (報告 別冊)

    http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/yosoku/pdf/20130528yosoku_houkoku2.pdf


    6)

    (報告 別冊 -参考資料-)

    http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/yosoku/pdf/20130528yosoku_s00.pdf

    読者から、

    100mSv以下で白血病や癌の発生が有意に増加したデータはない」と、よく耳にします。これまで100mSv以下でも有意に増加したという研究報告はあったと思うのですが、なぜそれらは無視されるのか疑問に思い質問しました。

    例えば、

    http://peacephilosophy.blogspot.jp/2011/11/cancer-risk-significantly-rises-at.html

    の論文。

    と言う質問があったこと、以前に報告しています(文献1)。


    とても読みにくい論文で、時間がかかってしまいましたが、漸く、読み終えました。大した論文ではない、と言うのが、私の評価です。


    強引にリスクを算出しており、信頼度が低いです。手柄のごとく大きく取り上げるべき論文ではないです。


    ーーーーー

    Peace Philosophy Centreという、反原発サイトに、一寸古いですが 2011年の11月3日に、

    「低線量被曝ガンリスクで重要論文: 10ミリシーベルトでガンが有意増加(カナダ・マギル大学チーム)」というタイトルの、

    ”北海道深川病院の内科医、松崎道幸さんの翻訳・解説による重要論文を紹介します”、

    と言う書き出しの、記事があるのを、読者が見つけられ、
    何故、こんな重要な論文が無視されるのだ!と、ご質問して来られました。

    Peace Philosophy Centre
    は、よくも、こんなつまらん論文を探してきたものだ、と感心します。自分の欲しい内容に近くて学術誌に載っていれば、何でも良いのでしょう。


    この論文(文献2)は、近年、医療診断、治療で、X線が使われることが増えており、それによるがん発生が気になる。低線量での発がんリスクを見積もって見た、と言う内容です。


    心筋梗塞で心臓のX線像診断を行った82,861人の患者の追跡調査を行った。内訳は、10mSv以下が、12,331人、10-20 mSv25,310人、20-30mSv11,091人、30mSv以上が15,090人。5年間の追跡調査で、12,020のがん罹患が見られた。比較対象者は、被ばく019,039人。過剰リスクは、10mSvで、2.8%20mSvで、5.8%、30mSv8.8%40 mSv被ばくで、11.9 %、であった。と言うことが書かれています。


    ーーーーー

    この論文の私の評価をご説明するため、比較として、放射線影響研究所(放影研)のHPに載っている、原爆被爆者で、がん罹患の過剰リスクを計算した例を示します。http://www.rerf.or.jp/radefx/late/cancrisk.html


    1.

    放影研のデータには、下図に見る様に、観察例と過剰と推定した数字が示されています。データの表示は、こうであるべきです。実際に観察された数を書いてくれないと、過剰リスクの計算が正しいかどうか、読者には検証できかねます。件の論文の書きぶりは、的確では有りません。私が査読者ならば、観察された数字を書きなさい、と指示します。

    原爆被爆者の固形がん発生リスク(線量別)


    2.

    下図に示す原爆被爆者のデータでは、被爆時年齢30歳の人が70歳に達した場合に当てはめた「生涯」の過剰リスクが、50%/1,000 mSvでした。

    原爆被爆者のデータにも、非被爆者からの偏見による強いストレスの影響が大きいと考えられます。その影響を排除するのは容易ではないでしょう。しかし、人間への放射線の影響に関して、これを上回る信頼度のデータはない、と理解しています。

    生涯がんの過剰相対リスク


    文献2では、たった5年間の累積の過剰リスクが、12%/40 mSvと言うことでした。1,000 mSv当たりでは、300%になります。さらに、6倍の30年間の累積にするために6倍すると、1,800 % になります。あまりにも違いすぎます。


    3.

    文献2を弁護するために、”低線量では、高線量の場合の36倍もリスクが増える”、と仮定してみましょう。すると、10mSv2.8%20mSv5.8%30mSv8.8%40mSv12%と言う、彼らの報告するきれいな直線性と矛盾します。
    従って、仮定は間違いで、文献2の結果は間違い、になります。


    ーーーーーー

    40 mSvまできれいに直線に載ったのは、私には検証できない彼らの過剰リスクの計算方法が正しいとしても、たまたまだった、と言うことになります。

    これ以上のデータは二度と取れない、極めて貴重な原爆被爆者のデータが間違いで、文献2が正しい、と主張するには、研究が余りにもお粗末です。

    このような低照射線量で結論を導くのは、極めて危険、です。私は、決してこんな論文を書きません。杜撰な論文を一つ発表すると、その後の論文のレベルが如何に高かろうと、読まれなくなってしまうだろう、研究生命が終わるだろうという、恐怖感があるからです。


    ーーーーーー
    人間の集団の分布からある病気の原因を探る、疫学研究、は、とても難しいです。原爆の被爆のように大きな被ばくを受け、効果が顕著な場合は、個々人の差を越えた影響が現れるでしょうが、非常に小さな変化の場合は、他の、無限とも言える要因の影響が大きい可能性が高く、他の要因の影響を排除することは、容易ではありません。件の論文の著者達には、そのような難しいことをする能力はない様である、と判断しました。


    疫学研究はとても難しいです。放射線の生物学への影響は、何回でも実験ができる、条件を整えて実験ができる、動物実験、の結果が最も信頼できる、とお考え下さい。


    一般の病気の場合は別ですが、特別にがんに関しては、高等生物ほど耐性が高い、ある因子で、下等生物でがんが起きないならば、人間では全く大丈夫、と考えて良い、と私は、思い込んでいます。

    ーーーーー

    (参考文献)

    1.
    2013
    0517日「100mSv以下で、発がんしない、は間違いではないか?発がんする例を無視するのは何故か?ーー基本的には、オタワ大がまとめたデータベースをご参考下さい」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52111303.html

    2.

    "Cancer risk related to low-dose ionizing radiation from cardiac imaging in patients after acute myocardial infarction"

    M.J. Eisenberg et al.;CMAJ. 183 (2011) pp.430436.

    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3050947/?tool=pubmed

    2年前の福島原発の事故により、国民が放射線に異常に過敏になっており、医療被曝への関心も高まっていると思われます。どのようなX線検査でどの程度の被曝があるか、まとめて見ました。


    大阪大学医学部付属病院の場合(文献1)、

    レントゲン撮影は1m Sv前後、

    コンピューター断層写真撮影(CT検査)は、数十mSv程度で、

    血管カテーテル撮影は2~3 Sv程度、とのことです。


    医療被曝量聖マリアンナ医科大学のHP(文献2)では、

    レントゲン撮影の場合、胸部が40マイクロSv
    腹部が1.2mSv
    胸部CT、腹部CO8mSv弱、となっています。


    文献3によれば、病変したがんの治療には、1ヶ月で数回に分けて1050 Sv(富江註:凄い量ですね)を照射するのが一般的、とのことです。


    ーーーーー

    文献4によれば、

    精巣、卵巣を3-6 Sv照射すると永久不妊になり、脊髄を500 mSv照射すると造血機能が低下し、水晶体を5Sv照射すると白内障になり、胎児は100 mSv照射すると奇形になるとのことです。


    そして、健康への影響を抑制するため、IAEAは、胸部X線撮影は0.4 mSvCT撮影は頭部で50mSv、腹部で25 mSv、乳房撮影は3 mSv、以下にするように、との指針を示している様です。


    文献5によれば、

    がんに罹る率(罹患率)は、広島・長崎の原爆に30歳で被爆し、70歳になった時の、被曝により増えたと考えられる罹患率の増加は、1Svあたり50%程度だとのことです。

    生涯がんの過剰相対リスク


    ーーーー

    つまり、30歳の時に、2Svの血管造影をすると、70歳でがんに罹る確率が、血管造影をしない場合の倍になる、と言うことです。血管造影をせずに、治療せずに放置すれば、数ヶ月で死亡することでしょう。

    がんに罹ってもすぐに死ぬわけではなく(下図。文献6)、さらに、罹患率(10万人あたり”たった”の1,000人/年 程度)が倍になるだけです。

    全部位のがんの罹患率と死亡率の年齢依存



    このような低いリスクの増加を心配して、血管造影検査をしない、ことを選択する人は皆無でしょう。極めて小さなリスクの被曝を怖がる余り、X線撮影を拒み、病巣の確認を拒み、死を早める選択をするのは、愚かなことです。


    但し、心筋梗塞をしない人が心臓の血管造影検査をするのは、気狂いじみています。不要にリスクを増やしてはならず、不要な検査は止めるべきです。必要な情報を得るための照射量を極力減らす技術開発をすべきです。また、これまで、あまりにも安易にCT検査をしてこなかったか、医療関係者は反省をすべきでしょう。


    ーーーーー

    (参考文献)

    1.

    大阪大学医学部付属病院 放射線被ばくについて

    http://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-radio/info.html


    2.

    聖マリアンナ医科大学放射線医学 医療被曝について」

    http://www.marianna-u.ac.jp/Radiology/patient/007792.html


    3.

    kotobank

    医療被曝

    http://kotobank.jp/word/%E5%8C%BB%E7%99%82%E8%A2%AB%E6%9B%9D


    4.

    京府医大誌 120 (2011) 921

    福島第一原発事故を受けて、医療被曝を正しく捉える 奥山智緒

    http://www.kpu-m.ac.jp/k/jkpum/pdf/120/120-12/okuyama12.pdf


    5.

    放射線影響研究所

    原爆被爆者に於ける固形がんリスク

    http://www.rerf.or.jp/radefx/late/cancrisk.html


    6.

    国立がん研究センターがん対策情報センター

    がん情報サービス

    http://ganjoho.jp/pro/statistics/gdball.html?16%252%251%23Graph%23Graph

    5月8日の中国共産党の機関誌、人民日報にに掲載された論文「独立国家だった琉球を日本が武力で併合した」に関連して、事実をしっかり理解しておく必要があるので、琉球処分について、勉強しました。

    薩摩が1609年に、琉球王国を武力で征服し、割譲させた奄美群島の砂糖生産と、琉球を窓口とする中国との貿易で財力を築いたのは、皆さんご存じの通りです。

    明治維新になってからの、琉球処分は、歴史の授業では言葉は教わった記憶がありますが、詳しくは知りませんでした。

    高良倉吉氏の解説が見つかったので、ご紹介します。

    明治政府が琉球王国に派遣した役人の肩書きは「処分官」でした。何という酷い名称の官職でしょう。明治政府が、沖縄は外国で植民地、と位置づけていたことが明確です。そんなに遠い過去のことではありません。たった、134年前のことです。

    米国の庇護の下での、軍事支出無しでの戦後の日本の高度成長は、米軍基地をほぼ全てと言って良いほど押しつけた沖縄の犠牲の上に成り立っていますが、明治維新も、明治の富国強兵も、沖縄の犠牲があって初めて為し得た、と言えるのでしょうか?


    中国、朝鮮、東南アジア各国は、日本への謝罪を求めています。日本には、沖縄への謝罪の念が全くないようですが、それで、良いのでしょうか?今回、調べて、感じたことです。

    尚、髙良氏は、琉球大学の教授で、琉球王国の内部構造、アジアとの交流史を研究し、首里城復元の委員、NHK大河ドラマ琉球の風の監修も行った、保守派の論客で、今春から、沖縄県副知事になっています。沖縄にとっての「屈辱の日」4/28に政府が式典を行うことへの沖縄の人々の怒りに配慮して参加しなかった仲井真知事の代理で、「主権回復の日」の式典に出席しています。

    ーーーーー

    Yahoo!百科事典(琉球処分)[ 執筆者:高良倉吉]

    http://100.yahoo.co.jp/detail/%E7%90%89%E7%90%83%E5%87%A6%E5%88%86/

    明治政府が1871年に行った廃藩置県では、琉球は鹿児島県の管轄になった。

    しかし、同年11月、琉球内の宮古島民69人が台湾に漂着し、うち54人が現地住民に殺害されるという、宮古島民遭難事件が発生したため、翌72年に琉球使節を来朝させ、琉球国王尚泰(しょうたい)を琉球藩王として華族(侯爵)に列し、琉球王国を琉球藩とする旨宣告し、琉球藩の管轄を外務省に移した。

    そして74年には、琉球藩民加害への報復措置として台湾へ出兵、中国と取り交わした北京議定書で被害者を「日本国属民」と認めさせ、賠償金を払わせた。

    1875年7月に、明治政府の松田道之「琉球処分」官は、琉球側に対し、

    1〕清国への進貢使派遣および清国から冊封を受けることを禁止、

    2〕清国年号をやめ明治年号を使用すること、

    3〕明治政府への謝恩使として藩王尚泰自ら上京すること、

    などの要求を突きつけた。

    琉球が受諾を拒み、791月の再度の同じ要求も、拒否したため、

    3月には軍隊300余、警官160余を率いて武力を背景に要求を提示。琉球藩を廃し沖縄県を設置する旨311日付けで布達し、同31日限りで王宮首里城を明け渡すよう激しく迫った。

    その結果、尚泰が臣下とともに城を出て、琉球王国は崩壊した。

    しかし、明治政府の強行的な処分に反対する空気は根強く、不服従運動をはじめ、清国へひそかに渡航して清国当局に嘆願する動き(脱清運動)が出るなど不穏な情勢となった。清国も琉球に対する宗主権を保持するとして外交的手段を用いて日本に厳重な抗議を行ったため、日清両国の重大事件に発展した。

    李鴻章は来訪中のアメリカ前大統領グラントに琉球問題の調停を依頼し、18797月、清国から来日したグラントは明治政府に対して問題の平和的解決を勧告し、これを受けて政府は清国との間に外交的折衝を開始、翌8010月、分島・増約案を提示した。

    一つは琉球領内のうち宮古・八重山(やえやま)を清国に割譲すること、

    一つは、日清修好条規(1871年締結)にうたわれている日本の最恵国待遇規定をさらに有利に追加する、というもの。

    清国がやがて内容を不利と判断して調印を拒んだため、土壇場で実現されなかった(分島問題)。

    その後も日清間における琉球問題はくすぶり続け、また、沖縄県内においても一部に不穏な空気が流れ続けた。

    最終的には日清戦争(189495)で日本が勝利することにより終止符が打たれた。

    韓国の3大新聞の一つである中央日報(2010年の発行部数131万部(文献1))に、「原爆投下、神の懲罰」と言う論説記事が載ったと言うニュースが出ました(文献2)。あまりにも衝撃なので、中央日報自身による日本語訳(文献3)を読んでみました。

    論説委員という地位の高い記者の記事でした。


    タカ派の安倍政権の登場、橋下の慰安婦発言、など、韓国の気持ちを逆なでする状況が続く日本に対して、反日の論調を展開するのは、理解できる部分はあります。しかし、決して越えてはならない、一線を越えた内容です。在韓国日本大使館が抗議したそうですが、それだけで済ますわけにはいかない、事件です。


    20日に掲載されてから三日も経って、産経新聞の他のマスコミが沈黙しているのは何故でしょう?政府が記者会見しないのは何故でしょう?それが、気になります。

     


    (参考文献)

    ーーーーー

    1)

    世界ランキング統計局

    韓国の新聞 発行部数ランキング(2010年)【韓国ABC(部数公査機構)】

    http://10rank.blog.fc2.com/blog-entry-60.html


    2)

    「原爆投下、神の懲罰」と韓国・中央日報 「日本軍国主義へのアジア人の復讐」

    産経新聞 523()755分配信

    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130523-00000089-san-kr


    3)

    【時視各角】安倍、丸太の復讐を忘れたか

    201305200853分  [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

    http://japanese.joins.com/article/766/171766.html?servcode=100&sectcode=140


    神は人間の手を借りて人間の悪行を懲罰したりする。最も苛酷な刑罰が大規模空襲だ。歴史には代表的な神の懲罰が2つある。第2次世界大戦が終結に向かった1945年2月、ドイツのドレスデンが火に焼けた。6カ月後に日本の広島と長崎に原子爆弾が落ちた。


      これらの爆撃は神の懲罰であり人間の復讐だった。ドレスデンはナチに虐殺されたユダヤ人の復讐だった。広島と長崎は日本の軍国主義の犠牲になったアジア人の復讐だった。特に731部隊の生体実験に動員された丸太の復讐であった。同じ復讐だったが結果は違う。ドイツは精神を変え新しい国に生まれた。だが、日本はまともに変わらずにいる。


      2006年に私はポーランドのアウシュビッツ収容所遺跡を訪問したことがある。ここでユダヤ人100万人余りがガス室で処刑された。どれもがぞっとしたが、最も衝撃的な記憶が2つある。ひとつはガス室壁面に残された爪跡だ。毒ガスが広がるとユダヤ人は家族の名前を呼んで死んでいった。苦痛の中で彼らは爪でセメントの壁をかいた。


      もうひとつは刑罰房だ。やっとひとり程度が横になれる部屋に4~5人を閉じ込めた。ユダヤ人は互いに顔を見つめながら立ち続け死んでいった。彼らは爪で壁面に字を刻みつけた。最も多い単語が「god」(神)だ。


      ナチとヒットラーの悪行が絶頂に達した時、英国と米国はドレスデン空襲を決めた。軍需工場があったがドレスデンは基本的に文化・芸術都市だった。ルネッサンス以後の自由奔放なバロック建築美術が花を咲かせたところだ。3日間に爆撃機5000機が爆弾60万個を投下した。炎と暴風が都市を飲み込んだ。市民は火に焼けた。大人は子ども、子どもはひよこのように縮んだ。合わせて3万5000人が死んだ。


      満州のハルビンには731部隊の遺跡がある。博物館には生体実験の場面が再現されている。実験対象は丸太と呼ばれた。真空の中でからだがよじれ、細菌注射を打たれて徐々に、縛られたまま爆弾で粉々になり丸太は死んでいった。少なくとも3000人が実験に動員された。中国・ロシア・モンゴル・韓国人だった。


    丸太の悲鳴が天に届いたのか。45年8月に原子爆弾の爆風が広島と長崎を襲った。ガス室のユダヤ人のように、丸太のように、刀で頭を切られた南京の中国人のように、日本人も苦痛の中で死んでいった。放射能被爆まで合わせれば20万人余りが死んだ。


      神の懲罰は国を改造して歴史を変えた。ドレスデン空襲から25年後、西ドイツのブラント首相はポーランドのユダヤ人追悼碑の前でひざまずいた。しとしと雨が降る日だった。その後ドイツの大統領と首相は機会があるたびに謝罪し許しを請うた。過去に対する追跡はいまでも続いている。ドイツ検察は最近アウシュビッツで刑務官を務めた90歳の男性を逮捕した。


      ところが日本は違う。ある指導者は侵略の歴史を否定し妄言でアジアの傷をうずかせる。新世代の政治の主役という人が慰安婦は必要なものだと堂々と話す。安倍は笑いながら731という数字が書かれた訓練機に乗った。その数字にどれだけ多くの血と涙があるのか彼はわからないのか。安倍の言動は人類の理性と良心に対する生体実験だ。いまや最初から人類が丸太になってしまった。


      安倍はいま幻覚に陥ったようだ。円安による好況と一部極右の熱気に目をふさがれ自身と日本が進むべき道を見られずにいる。自身の短い知識で人類の長く深い知性に挑戦することができると勘違いしている。


      彼の行動は彼の自由だ。だが、神にも自由がある。丸太の寃魂がまだ解けていなかったと、それで日本に対する懲罰が足りないと判断するのも神の自由だろう。


      キム・ジン論説委員・政治専門記者

    地震は、何日前に予知できるか、再び、考察します。

    2011年3月9日に起きたM7の地震とその後の地震群が、二日後の3/11の前震であることは明確です(文献1)。

    3-11の前震
    3-9からの地震回数の地域比較


    昨年のブログ記事に(文献2)、3/11前一月間の震央分布を紹介して、「起きたことを知っている今見れば、2/16/22/26/27の三陸沖の地震も、3/11巨大地震の兆候と言えるかも知れません。」と書きました。


    「大地震の前には『嵐の前の静けさ』で地震が減る」と宣ったらしい、地震予知研究センター所長さん(文献3)の、無知さを、読者のみなさんにデータでお示しするべく、いつも利用している、気象庁のデータをtau3000 (kitauchi akira) さんがまとめたデータベースでhttp://tau.f2u.com/equake/

    3/11の前一年間の地震発生頻度を調べたました。すると、文献2に述べた私の推測が正しいことが確認できました。とんでも地震研究者、の、思いもかけない貢献です。


    2010年1月から2011年2月までの、東北各県沖の地震の月毎の発生回数の推移を下図に示します。

    2010年の東北の地震頻度の推移


    月に数回しか地震が起きなかったので、ばらつきは大きいですが、岩手沖、宮城沖、茨城沖では、地震発生頻度は、14ヶ月の間、顕著な変化はありませんでした。

    ところが、三陸沖では、発生0回の月が大半の中、2月に突然、6回も地震が起きました。明らかに、前兆です。

    福島県沖でも、1月、2月に急増したように見えますが、それ迄も月に数回発生していましたので、前兆と断定するのは難しいです。


    3/11の二日前からの地震の発生状況を見ると(2番目の図)、9日昼前11時45分にマグニチュード7.2の大きな地震が起きてから、三陸沖でのみ、多数の地震が起きています。


    三陸沖で、3/11の巨大地震のきっかけになったと言える、最初の地滑りが、2/3に起きました。全くと言って良いほど地震が無かった三陸沖で、2月の16日から10日の間に、マグニチュード5という小さくない地震が、5回も発生しました。

    三陸沖の2月の地震


    3/11地震が起きたことを知っていて、振り返れば、2/3の地震は前兆ではありますが、当時、さすがにこれだけで、巨大地震の前兆とは言えません。しかし、2/27日には、確信を持って、巨大地震が近い、と宣言できそうに思います。つまり、10日一寸前には、超巨大地震の予知ができる可能性があります。


    ーーーーーーー

    (参考文献)

    1)

    20110607日「地震は何日前に予知できるか?ーー3/11地震前後の震央分布から」http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51966150.html


    2)

    20120505日「日本全国の過去1ヶ月の震央分布に、3/11巨大地震の兆候は見えていたか?」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52057860.html


    3)

    20130518日「福島沖で数ヶ月内にアウターライズ地震が発生する?--全く根拠無し。引き続き、余震は着実に沈静化」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52111646.html

    5月8日の中国共産党の機関誌、人民日報に、政府系の中国社会科学院の研究員らの論文


    ”琉球王国が歴代の中国王朝に対して朝貢を行う「冊封国」だった経緯を説明した上で「琉球王国は明清両朝の時期には中国の属国だった」とした。その上で「(当時は)独立国家だった琉球を日本が武力で併合した」とし、尖閣と同様、日本が敗戦を受け入れた時点で日本の領有権はなくなった”
    が掲載されたそうです(文献1)。


    また、中国軍の少将が、「米国が琉球(沖縄)を日本に引き渡すことに、琉球(沖縄)国民は逆らえなかっただろう。だが、彼らは長い間、琉球国の復活運動を展開し、中国と独自に交流することを望んできた。琉球(沖縄)はどこに属するのか、中国なのか。少なくとも日本ではないことを、日本側に伝えておきたい」
    と主張したそうです(文献2)。

    ーーーーーー


    琉球王国が、薩摩に武力征服され(1609年)、薩摩の支配下に置かれたこと。歴史の教科書で習っているので、皆さんご存じの通りです。


    東アジア各国、朝鮮、琉球、ベトナム、が中国と、冊封という形式で貿易を行っていたことも、周知のことであり、わざわざ論文にするような新しい知見はありません。


    冊封は、周辺国の君主が中国皇帝と君臣関係を結ぶことですが、名目上の外交関係でした。

    沖縄は、中国と冊封関係を結んでいました(明治政府による琉球処分で終了)が、朝鮮も、日本に併合される前まで、ベトナムも、清と冊封関係を結んでいました。日本も、足利義満は、貿易の実利のため、明の皇帝から冊書を受けています。豊臣秀吉からは冊書を受けていません。

    日本は、朝鮮併合を正当化するため、朝鮮はもともと属国(冊封国)だったから、日本が支配しても構わないと主張するため、曲解しましたが、冊封は、むしろ独立国の証、でした(文献3)。

    周辺国の国王は、中国皇帝の何の力も借りず、自らの力で国王になりますが、権威付けのために冊封関係を結ぼうとしました。中国にとっては、自尊心を満たせました。独立国であるからこそ、朝貢させる意味があるのであって、植民地とは異なります。

    ーーーーー

    従って、沖縄は、日本に領有権はない、と言うことができますし、独立します、と宣言できます。しかし、中国とは無関係です。中国に、口出しする権利は、全く、ありません。党の機関誌に載せるような事柄ではありません。ましてや、中国軍の少将が、口出すことでは、全く、ありません。万が一に沖縄が日本から独立する場合でも、尖閣の領有権が中国に帰属することはありません。


    文革のおかげで、教育が無茶苦茶になった中国は、知的レベルが無茶苦茶に下がってしまっている様です。そんな無知なことを言い出すようでは、そのうちに、朝鮮も、ベトナムも、中国に属する、と言い出すのでしょう。恐ろしいことです。


    ーーーーーー
    (参考文献)
    1)

    沖縄の領有権「日本にはない」 中国共産党機関紙が論文

    産経ニュース 2013/5/9                   

    http://sankei.jp.msn.com/world/news/130509/chn13050908580002-n1.htm


    2)

    「沖縄は中国の一部、絶対に日本のものではない」―中国人民解放軍少将が主張

    新華社日本語経済ニュース 20130515

    http://www.xinhua.jp/socioeconomy/photonews/344980/


    3)

    朝鮮は中国の「属国」だったのか?

    http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/6084/sakuhou.htm


    4)

    冊封 ウィキペディア

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%8A%E5%B0%81

    冊封の原義は「冊(文書)を授けて封建する」と言う意味であり、封建とほぼ同義である。


    冊封を受けた国の君主は、王や侯といった中国の爵号を授かり、中国皇帝と君臣関係を結ぶ。この冊封によって中国皇帝の(形式的ではあるが)臣下となった君主の国のことを冊封国という。このようにして成立した冊封関係では、一般に冊封国の君主号は一定の土地あるいは民族概念と結びついた「地域名(あるいは民族名)+爵号」という形式をとっており、このことは冊封が封建概念に基づいていることを示しているとともに、これらの君主は冊封された領域内で基本的に自治あるいは自立を認められていたことを示している。


    したがって冊封関係を結んだからといって冊封国がそのまま中国の領土となったと言う意味ではない。冊封国の君主の臣下たちはあくまで君主の臣下であって、中国皇帝とは関係を持たない。冊封関係はこの意味で外交関係であり、中華帝国を中心に外交秩序を形成するものであった。

    川口順子参議院環境委員会委員長が二日間の日程の中国訪問を、一日延長を要望したが野党が拒否し、国会が認めないままに延長強行した。辞任を拒否した川口氏を解任する決議案を7野党(民主党、みんな、生活、共産、みどり、社民、維新)が共同で提案し、野党が多数を占めているので可決された。委員長の解任決議が可決されたのは衆参両院で初めて。


    とのニュースが流れました。大新聞は社説で、一斉に野党を批判しましたそして川口氏はブログで依然反発しています。川口氏の言い分が尤もか、野党の行動が正しいか、考えました。

    先ず、経緯を詳しく振り返ります。
    (文献2,3)。

    ・川口氏は「アジア平和・和解評議会」(22 名の元首、 外務大臣等が発起人となって設立した組織)の発起人の一人

    ・中国外交部の外郭団体、中華人民外交学会の招聘(川口氏個人ではなく、「評議会」を招聘した、と富江は解釈)で、楊国務院(外交担当)と王外交部長との会談のため中国訪問

    参院で、2011年に、国会開会中の常任委員長の海外渡航を自粛することを与野党が申し合わせ。参院議院運営委員会の理事会は、出張日程を1日短縮して4月23、24両日とすることで許可した。

    ・①王外交部長の会談はキャンセル。程副部長との会談が24日午前に設定②午後に外交関係シンクタンク幹部との会議が設定③楊国務院との階段が25日午前に設定

    ・川口氏の出張の一日延長の希望を自民党は了承。野党に提案。25日は短時間の法案趣旨説明のみのであり、委員長代理での開会を提案。野党は拒否。

    ・国会の決定に従わず、出張の延長を強行

    ・7野党の共同で、委員長解任決議案提出(文献1)

    ・公明党は、決議案採決の前の辞任を示唆(文献1)

    ・全野党の賛成で可決。委員長の解任決定。

    ーーーーーー


    これに対して、マスコミは一斉に、川口氏の行動は責めずに、野党の対応を批判しました(文献4-6)。幾つかブログを見ましたが、唯一、佐藤優氏が、川口氏を責め、解任は当然、と主張しています(文献7)。


    騒動が起きてから10日、経ちました。日が経ったので、より冷静に判断できるようになっていると思います。


    当初、日中関係改善の一助になるなら、やむを得ぬ行動かな、と川口氏を容認する考えでした。しかしよく考えると、あくまでも川口氏の個人的活動であり、国会の要請によるものでも、政府の要請に依るものでもないのですね。

    国会は、国権の発動の最も重要な機関であり、だから、総理大臣も各大臣も出席しなければならないのですね。国会の意志が最も優先するのですね。総理大臣が、ロシア首相、トルコ大統領、などと会いましたが、これは、国会の日程と調整して外遊したのですね。重要な案件であれば、国会が日程調整するわけです。


    川口氏の場合は、先に委員会日程か決まっており、その中で、私的活動のため海外に行きたいと要望した。最大二日間なら許可しよう、と言う了解を得て、中国に出張しました。あと一日延長したいと願いを出したが、そこまではダメ、と国会が拒否した。とのことですが、国会の決定に不満があろうが、決定を無視してはいけません。国権発動の最高機関の決定を無視したら、処罰されるのは当然、と言えます。


    彼女は、謝罪すべきでしたが、自分は国益のために行動したからと開き直りました。これでは、国会が最高機関であることを理解していないと誹られても仕方がないでしょう。


    野党に、自民党嫌がらせの意図があったのかも知れません。趣旨説明だけだから代理で良かった、と言う川口氏の主張も、野党の言い分を知らない私は、そうかも知れないと思います。


    しかし、どんな経緯があろうと、国会の正式の決定です。どんなに不満があろうと、国会議員は、決定に従うしかありません。悪法も法です。反すれば、国会軽視です。その後で、問題と考える慣例を改める努力をすれば良いでしょう。


    また、委員長と私的活動を両立したければ、国会日程に会わせた会合日程にさせれば良かったのです。私的会合の日程が中国の都合で延びてしまって、自分で制御できなくなった場合に、国会の決定を無視する、は許されないでしょう。いつまでも反省しない(文献8)ことで、川口氏の国会軽視が深刻である、ことが分かります。


    と言う考えに変わりました。


    佐藤優氏は、外交は政府の専管事項だから解任されて当然、と言う論(文献8)ですが、私は、それには与しません。民間でも、政府の邪魔をしない範囲で(このために、外務省と連携を取ることが必須と思います)、友好関係のためになる活動を行って良い、と私は考えます。



    ーーーーーーー

    (参考文献)


    1)

    全野党が賛成

    <参院>川口順子氏の解任可決 常任委員長では初

    毎日新聞 59()112分配信

    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130509-00000016-mai-pol


    2)

    中国渡航問題に関しての経緯のご説明

    川口順子 オフィシャルサイト 

    http://www.yoriko-kawaguchi.jp/official/archives/pdf/20130502.pdf


    3)

    自民党声明・談話

    川口順子議員の環境委員長解任に関する声明

    20130509日参議院自由民主党議員会長中曽根 弘文

    http://www.jimin.jp/activity/discourse/121068.html


    4)

    川口氏訪中 委員長の「解任」は行き過ぎだ(59日付・読売社説)

    http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130508-OYT1T01500.htm


    5)

    (社説)川口氏解任 不毛な対立にあきれる 

    朝日新聞 201359

    http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201305080762.html


    6)

    社説:川口氏の解任案 大局を見ぬ野党の対応

    毎日新聞 20130508

    http://mainichi.jp/opinion/news/20130508k0000m070108000c.html


    7)

    【佐藤優の眼光紙背】川口順子参議院環境委員長は解任されて当然である

    ブロゴス 20130509

    http://blogos.com/article/61875/

    8)

    環境委員長解任を受けて

    http://www.yoriko-kawaguchi.jp/official/archives/pdf/20130509.pdf

    みい>福島県沖のアウターライズ地震が話題になってるようですが、先生はどう思われますか?


    ーーーー

    ご心配ありません。全く根拠のない、あきれるほど出鱈目な予測です。


    ご指摘を受け、検索したところ、以下の情報がありました(文献1)。


    422日放送の「モーニングバード!」(テレビ朝日系)で、アウターライズ地震が起こるメカニズムを解説した際に、東海大学地震予知研究センター長の長尾年恭氏は、数か月以内に東北沖をアウターライズ地震が襲う可能性があるとの認識を示した。注目したのは、淡路島や三宅島、石垣島と全国各地で地震が頻発しているのとは対照的に、福島県沖での地震活動が小康状態にある点だ。長尾氏は「大地震の前には『嵐の前の静けさ』で地震が減る」と指摘する。


    先ず、

    淡路島、三宅島など全国各地で地震が頻発している、が間違いです。以前に紹介したように、全国の地震は、東北太平洋地震の影響を直接受けた地域を除くと、ほぼ例年レベルになっています(文献2、3)。


    また、福島沖が、最近小康状態になっている、が間違いです。

    福島県沖を含め、東北太平洋沖を震源とする余震は、2011/3/11以降、「一定の割合で」、順調に沈静化していることを報告済み(文献4)ですが、本日までの二か月分のデータを追加した図を紹介します。(黒四角データは茨城県沖です。)

    余震頻度の推移2013-5-18まで


    さらには、

    大地震の前に地震が減る、も間違いです。
    少なくとも3/11地震の直前に、有感地震が少なくなった事実はありません。万が一に彼がそういう経験則を見出していたとしても、こんな巨大な地震に当て嵌まらない経験則など、無意味で、間違いです。


    ーーーーー

    一寸調べれば分かることも。調べないので、好い加減なことが言えること、感心します。


    3/11の何らの予知もできなかったことを反省して、全ての地震研究者は寡黙になったと思ったのですが、いまだに、こんな出鱈目を言う人がいるのですね。


    こんな人が地震研究センターのセンター長とは、本当に地震研究のレベルは低いです。特にこの方はレベルが低いと思います。こんなむちゃくちゃを言う様では、地震で飯を食ってはいけません。辞めてもらったほうがよいでしょう。


    尚、調べた限り、ですが、アウターライズ地震は、3/11地震に絡んでの、2011/3/112012/3/142012/12/27の三回と、1933年の昭和三陸地震、2006年の千島列島沖地震だけです。どれも三陸以北で起きています。福島沖で発生した例はないように思われます。理由は、理解できていません。


    ーーーーーーーーーー

    (参考文献)

    1)

    数か月以内に福島沖で「アウターライズ地震」の可能性 最大10メートル級津波がやってくる

    JCAST ニュース 2013/4/22 18:17

    http://www.j-cast.com/2013/04/22173651.html?p=all



    2)

    20121205日「日本全国の地震頻度の推移ーー余震などを除けば、3/11以前のレベルになっている」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52091320.html


    3)

    20121209日「日本全国の地域ごとの地震頻度の推移ーー九州・沖縄では、最初から3/11の影響なし。長野は漸く3/11以前のレベルに。秋田内陸南部では、まだ数倍の頻度」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52092250.html


    4)

    20130311日「今日、3/11超巨大地震から丸二年ーー余震は着実に沈静化。2年後に完全に終息の見通し」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52103859.html

    読者から、

    100mSv以下で白血病や癌の発生が有意に増加したデータはない」と、よく耳にします。これまで100mSv以下でも有意に増加したという研究報告はあったと思うのですが、なぜそれらは無視されるのか疑問に思い質問しました。

    例えば、

    http://peacephilosophy.blogspot.jp/2011/11/cancer-risk-significantly-rises-at.html

    の論文。


    と言う質問がありました。


    ーーーーー

    論文のご紹介、有り難うございます。


    掲載された論文誌は、インパクトファクターが8であり、レベルが高いので、読む価値のある論文だろうと思います。良く勉強してみます。読んで、そして理解するのに一寸時間がかかるでしょうから、取り敢えずのお答えをします。


    これまでに、放射線の生物学的影響に関して、多くの論文が書かれています。過去の研究をデータベースとしてまとめたものがオタワ大学から報告されていること紹介しています(文献1)。白血病の他、部位毎のがんの発生確率が詳しく整理されているので、これが放射線の生物学的影響を正しく示している、と理解して良いと思います。これをご参考にされると良いと思います。

    具体的な幾つかの研究(文献2-13)も、本ブログでご紹介しています。


    私の研究で、過去の研究報告と異なる結果が出た時、何が原因だろうと考えます。実は今、過去の定説は間違いだった、と言う論文を書こうとしています。科学者として、長期間に亘るその分野の、誰もが疑わない常識を否定して、新しい真理を提示することほど、わくわくすることはありません。

    過去の多くの論文の全てに嘘が書かれている(捏造されている)筈はなく、何か境界条件、前提条件が違わねばなりません。精一杯、過去の研究の至らなかった原因を推測しますが、他人がどんなうっかりミスをしたか、完全に説明できるわけはなく、推測の域を出ることはありません。実は、自分がうっかりミスをしている可能性の方が高いかも知れません。1:多数では、数が多い方が正しい、という確率が高いですから。

    最終的には、いろいろな現象をより矛盾なく説明するのは、私の研究結果か、過去の研究結果か、で判断するしかありません。そういう考察を、論文にしっかり書き込みます。研究のレベル、論文の質は、議論および考察がどれだけしっかりしているかで決まります。その人の研究者としてのレベルを判断して貰うために、過去の研究状況および未解決の重要課題をしっかり把握していることが書かれていること(イントロ)も、必須です。

    ご紹介頂いたのは、2011年の論文ですから、オタワ大のデータベースには含まれていません。過去の極めて多数の研究が間違っている、とは考えにくいので、今までに見過ごされていた現象を、今までは難しかった実験を、独自の工夫によって可能にして、初めて見たのかも知れません。もしも、一見矛盾する結果が出たのであれば、前提条件、境界条件が異なるに違いありません。

    高度な論文であれば、過去の結果と一緒なのか、異なるのか、異なるとすると何が原因と思われるか、しっかり書き込んであることでしょう。読むのが楽しみです。

    読んで見て、私に理解できれば、いつか、内容をご報告させて頂きます。


    今後とも、情報提供を、宜しくお願いします。


    ーーーーーー

    (参考文献)


    1)

    20110710日「放射線ホルミシスの領域(電中研報告)ーーオタワ大データベースの追加でより確実に」  http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51977982.html 


    2)

    20110331日「小児の甲状腺がん発症リスク増は、1グレイでも2.2症例/10,000人・年」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51936324.html


    3)

    20110510日「放射線ホルミシス(1)ーー未成熟精子での実験。DNA修復機能が重要」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51955740.html


    4)

    20110702日「放射線は少し浴びたほうが健康によい(1)ーー英国放射線科医の統計」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51975298.html


    5)

    20110702日「放射線は少し浴びたほうが健康によい(2)ーー米国原子力船修理従事者の統計」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51975323.html


    6)

    20110807日「8/68/9にあたって。原爆と原発事故の被害比較(近藤宗平著書から)」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51987610.html


    7)

    20110908日「紫外線(UV-B)を浴びるとがんになるって本当?ーー紫外線が少ない地域でがんが多い」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51997587.html


    8)

    20110909日「皮膚細胞は、体内細胞の10倍の放射線耐性」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51997882.html


    9)

    20110909日「放射線は少し浴びたほうが健康によい(3)ーー被曝二世の調査。遺伝子異常は遺伝しない」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51998142.html


    10)

    20111014日「世田谷の高放射線量源は、歴史的な放射線被曝事例を引き起こした夜光塗料に混ぜていたラジウム」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52008345.html


    11)

    20120203日「チェルノブイリ原発事故で日本に降下したセシウムで乳癌死亡者が急増した?ーー悪質な肥田舜太郎」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52035702.html


    12)

    20120209日「放射線は得体の知れない特別な障害を起こす、という誤解(2)ーー細胞は、DNA損傷を修復する能力がある、を示す実験データ」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52039649.html


    13)

    20120621日「100 mSv1.4分で被爆するとDNAが損傷するが、5週間(毎時100マイクロSv)では、損傷が見えないーーMIT論文の詳細」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52065798.html

    昨日は、1972年5月15日に沖縄が返還されてから、41年目の記念日でした。


    「沖縄を返せ」

    固き土を破りて 民族の怒りに燃ゆる島 沖縄よ

    我等と我等の祖先が血と汗をもて 守り育てた 沖縄よ

    我等は叫ぶ沖縄よ 我等のものだ沖縄は

    沖縄を返せ (返せ) 沖縄を返せ


    私がこの歌を聴いたのは、確か1967年。奄美大島に接岸した船の上です。この歌を聴いて初めて、沖縄返還運動が行われていることを知りました。とても力強く、そのときに一回聞いただけですが、今も口ずさめます。

    沖縄戦の悲惨さも、

    米軍支配下の厳しさと、それに強く反発する琉球の人々の復帰運動も、勉強することなく、過ごしました。


    沖縄の本土復帰後、1975年に海洋博が開かれました。大学生になっていた私は、弟と沖縄を訪れ、ひめゆりの塔、平和記念公園、など南部巡りをしました。町と隣り合わせの米軍基地も見ました。しかし、沖縄戦の悲惨さ、米軍基地を負担させられている厳しさ、を垣間見たに過ぎず、真に理解はしていません。自分の問題としては、捉えられてはいません。


    橋下、日本維新の会共同代表が、普天間基地を視察した際、飛行場の米軍司令官に、「もっと風俗の活用を」と促したとか(文献1)。米軍司令官は、買春は禁じられていると答えたそうです。米軍による性犯罪を減らそうと言う意図だと弁明しています。彼は、私よりは沖縄のことを考えている、と言う見方もできますが、主目的は、朝鮮の従軍慰安婦問題での日本の正当化(文献2)です。そんなことのために、沖縄を持ち出す必要はなく、沖縄の人々の嘆きは相当のことでしょう。


    米軍基地の本土移設は全く展望が無く、また、政府は今年初めて、沖縄にとって「屈辱の日」の祝賀式典を行い(文献3、4)、さらには、橋下発言で、本土の人々の冷たさが再認識される。こういう状況で、沖縄に、「本土復帰」を祝う雰囲気が出る筈はありません(文献5)。


    琉球「共和国」として、独立すべきなのかも知れません(文献6,7)。

    そうすれば、ちっぽけな沖縄を守るために、巨大な米軍基地が必要、と言う論理は立たないので、米軍は出て行かざるを得ません。米軍がどうしても側に欲しい本土に、米軍基地を移すことになります。また、日本政府には、尖閣で、中国、台湾と張り合う資格がなくなります。

    各方面に平和が訪れるでしょう。


    ーーーーーーーーーーー

    (参考文献)

    1.

    「もっと風俗活用を」と橋下氏 凍り付く沖縄の米軍司令官

    産経ニュース 2013.5.13

    http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130513/waf13051319370013-n1.htm


    2)

    高ぶる猛者集団を休息させるため…(従軍慰安婦)制度は必要だった

    産経ニュース 2013.5.14

    http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130514/wlf13051400540000-n1.htm


    3)

    20130502日「「屈辱の日」に「平成の切り捨て」と一万人を越える怒りの拳<==>「反発一辺倒へ嫌悪」と、低レベルなネトウヨと変わらぬ、産経新聞」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52109678.html


    4)

    20130506日「米軍の弾圧を避けた命名「屈辱の日」の誕生は1961年4月8日。佐藤栄作「沖縄の祖国復帰が実現しない限り、わが国の戦後は終わらない」と。つまり主権回復は沖縄復帰の時」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52110184.html


    5)

    沖縄復帰41年:祝賀ムードなく 政府へ募る不満

    毎日新聞 20130515

    http://mainichi.jp/select/news/20130515k0000m040148000c.html


    6)

    脈打つ沖縄「独立論」 小学校のすぐ隣…オスプレイの列 無視される抗議、日本に見切りを

    毎日新聞 20121101

    http://mainichi.jp/feature/news/20121101dde012040007000c.html


    7)

    本土復帰41年:沖縄、独立論再び

    毎日新聞 20130515

    http://mainichi.jp/select/news/m20130515k0000e040248000c.html

    ブラジル沖の海底に大陸が沈んでいるのを日本の潜水調査船が見つけた(文献1)というニュースを紹介しました。何故、大陸だと言えるのかの理由を調べ、大陸地殻は花崗岩質であり、花崗岩は、玄武岩質の海洋地殻が他の海洋の下に潜り込む場所で形成されるらしいことをご紹介しました(文献2)。


    何故、花崗岩が海洋地殻の沈み込み場所でのみ、形成されるのかを調べました。


    ーーーーー

    地球の元素組成は以下の様です(文献3)。

    地球の元素比率


    (鉄)

    地球全体では、鉄(Fe)が28%と(隕石の分析から)推測されていますが、マントル、海洋地殻、大陸地殻では7%6%しか存在しません。これは、鉄(金属)の比重が、大気圧での融点(1538℃)で7と大きく、中心部(核)に沈むからでしょう。(内核の圧力は300万気圧以上、温度が5,000度程度と推測され(文献4)、密度は9~15g/ccと推測されているようです)

    地球内部の温度圧力


    (マグネシウム)

    マグネシウムは、かなりの割合がマントルに存在する様です。これは、酸化マグネシウム(MgO)の密度が、大気圧での融点2852℃での密度3.65が核の密度より小さく、地殻の密度3弱より大きいからと考えられます。


    マントルの温度は下部では3000度程度と推測されており、MgOは溶けているでしょうが、上部(深さ660kmより浅い)では、2000度以下と推測されているので、固体になっていると思われます。これが、比重の小さな地殻に混じる割合が小さい原因だと考えます。


    (カルシウム)

    酸化カルシウム(CaO)の大気圧での融点は2572度と高いので、1600度以下と推測されるマントル上部でも固体でしょう。マントルでの存在比がとても小さいのは、マントルの比重がCaOの比重3.35より大きいからだと考えます。


    (アルミニウム)

    酸化アルミニウムの大気圧での融点は2072℃と高いので、マントル上部より浅い場所では固体になっていると言うことになりますが、すると、比重が4とマントルの比重3.4より大きいのにマントルには存在せずに地殻に存在することと、矛盾します。この矛盾を解くには、マントル中の高圧では、酸化アルミニウムの融点が低くなるから、と考えるしかありません。本当か、まだ確認はできていません。


    (シリコン)

    (水分を含めば融点が下がり、浅い場所で酸化ケイ素が溶け、SiO2が多い花崗岩ができる)

    溶融酸化ケイ素(SiO2)の比重は2.2と小さく、上部に浮き上がります。マントルが急激に冷却されて海底地殻ができるので、存在比はマントル中より若干大きくなるのみ、と理解できます。マントルより若干SiO2が増えた海洋地殻が溶ければ、軽いSiO2成分が上に浮き上がり、SiO2存在比が増える、と期待できます。


    SiO2が溶けるには1700度が必要で、この温度になるには、660kmより深く沈まねばなりません。こんなに深く沈み込むと、地表に浮き上がることはできません。SiO2の比率の高い花崗岩質岩体ができるには、温度が1,000度程度と推測される、マントル上端部でSiO2が溶ける必要があります。SiO2の融点が1,000度程度まで下がる必要があります。


    酸化ケイ素の融点は、水を含まない場合は1,700℃(実線の境界)ですが、水分を含むと(点線の境界)、1500気圧では、1,000℃程度まで下がるようです。(文献5)

    酸化ケイ素の相図


    つまり、大陸の形成には、海(水)の存在が必要で、水(比重1のH2Oではなく、HとOHに分離して)を含んで沈み込む場所でのみ、花崗岩岩体(SiO2が60%程度以上)ができるようです。

    このことから、月や火星に花崗岩があれば、かつて、水を湛えた海があった、と言うことになるでしょう。

    大陸地殻の形成機構



    ーーーーーー

    (参考文献)

    1)

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52110489.html


    2)

    20130510日「海底に大陸が沈んでいた、の根拠は、花崗岩は大陸にだけ、だからーー花崗岩質の大陸地殻は、プレートの沈み込み場所で作られる」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52110665.html


    3)

    兵庫県立大学 理学部(生命理学研究科)地球テクトニクス講座

    http://www.sci.u-hyogo.ac.jp/life/geology/lecture.files/res3a.html


    4)

    世界で初めて地球中心の超高圧高温状態を実験室内で実現

    ~地球内部のあらゆる物質が人工合成可能に~

    海洋研究開発機構 プレスリリース 2010 4 5

    http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20100405/


    5)

    水晶と鉱物 5.i2の頂点に立つ水晶の構造

    http://www.asahi-net.or.jp/~up5s-andu/SUISHO/05_suisho.htm

    4月9日に99.6/ドルになってから(文献1)、100円を目前に足踏みしていた円/ドル為替レートですが、丁度1ヶ月経った5月9日に、ついに100円を突破しました(文献2)。私が適正水準と判断した100-125/ドルのゾーン(文献3,4)への突入です。異常円高の解消で、製造業の貿易は韓国ドイツなどと公正な競争ができる環境に戻りました。


    ーーーーー

    トヨタ自動車は、2014年3月期は、北米など海外での販売拡大を見込むほか、円安も追い風となり、営業利益は36%増の1兆8000億円を見込む、と発表しました(文献5)。

    想定為替レートを1ドル=90円と前期より7円円安に設定したらしいですが、今後、100円以下になることはないでしょうから、利益は軽く2兆円を越えるでしょう。


    13
    年3月期も、連結決算の純利益が前の期の3.4倍の9621億円だったので、年間配当を前の期より40円増やして90円にするとのこと。


    ですが、日本という国だからこそ成功したトヨタです。超々巨大企業として、日本の産業全体を活性化する義務があります。円安で得た利益を、株主だけに分配してはいけません。従業員の給料を上げる、下請けの利益を増やすなど、国内の景気を上向かせることに使うべきです。


    経済を支える個人消費の刺激のため、賃上げが必要。国が模範を示し、公務員給与1割カットの暫定措置を直ちに廃止すべき)


    円安で輸入品(石油、食品など)が高くなって(80/ドル=>110/ドル、で4割も)、しかし給料が増えなければ、生活は苦しくなります。輸出企業を助けるために、国民の暮らしが苦しくなるなら、円安政策は、飛んでもない悪政です。GDPが増えなければ、税収も増えず、国の財政も潤いません。


    GDPの6割を、個人消費が占めています(文献6)。個人消費が増えなければ景気は良くなりません。個人消費を増やすには、賃金を上げなければなりません。

    GDPと家計消費

    安倍総理は、経済界に、賃金を上げるようお願いしました(文献7)が、他人に頼む前に、自らできることを行うべきです。それは、愚かな民主党が実施した、公務員給与の1割カットです(文献8)。民間は、国に右を倣え、です。国が賃金カットするので、大手を振って、社員の給料をカットします。


    人事院勧告を無視した、憲法違反の措置(文献9)です。昨年4月から実施されている2年間の暫定措置、これを直ちに撤廃すべきです。


    ーーーーーーー

    (参考文献)

    1)

    20130410日「1ドル99.6円にーーー78円だった昨年9月に富江が指摘した、適正水準(100-125円)に突入間近」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52107263.html


    2)

    1ドル100円突破、さらに下落 4年1カ月ぶり

    産経ニュース 2013.5.10 08:16

    http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130510/fnc13051008160002-n1.htm


    3)

    20120906日 「ぐんぐん価格上昇する天然ガスーーー異常円高が是正された時に電気代の大幅上昇必至。製造業の衰退必至」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52078829.html


    4)

    20130206日「円ドルレートの適正レベルは100~120円だろうーー「どうしても1ドル50円時代が来る」の浜矩子氏の主張通りになる日が来るか?購買力平価説は正しいか?」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52100125.html


    5)

    トヨタ純利益、42%増1兆3700億円 14年3月期販売台数910万台

    日本経済新聞 2013/5/8 15:17

    http://www.nikkei.com/markets/kigyo/gyoseki.aspx?g=DGXNASFL080HR_08052013000000


    6)

    内閣府、国民経済計算(GDP統計)

    http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2012/qe124_2/gdemenuja.html


    7)

    20130317日「春闘、ボーナス増額次々。アベノミクス追い風ーー何のための労働党(民主党)政権だったのか?」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52104582.html


    8)

    国家公務員の給与減額支給措置

    http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/gyokaku/02jinji02_03000079.html


    9)

    勧告の見送りは憲法違反であるとの国会答弁

    江利川毅 人事院総裁 ウィキペディア

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E5%88%A9%E5%B7%9D%E6%AF%85

    ブラジル沖の海底に沈んだ大陸を見つけた、と言うニュースを紹介しました。この機会に、花崗岩が見つかったら、何故、大陸が沈んだと言えるのか、調べてみました。


    (海底地殻は玄武岩質、大陸地殻は花崗岩質)

    海底の地殻は玄武岩質であり、大陸の地殻は花崗岩質だそうです。先ず、組成の違いを見てみます。

    花崗岩と玄武岩


    大陸の地殻は60%程度の二酸化ケイ素 SiO2 を含みますが、SiO2の比率は、深海底では50%程度、マントルでは45%以下になっているようです。表に記入したように、岩石中の化学成分の内、SiO2の比重が最も小さいので、SiO2を多く含むほど比重が小さくなります。比重は、マントルが3.3、海底地殻が3.0、大陸地殻が2.7の様です。(文献1、2)

    大陸、海洋地殻の成分比率


    ですから、重いマントルに浮いた海底地殻がマントルの対流で移動し、より軽い大陸の底に沈み込みます。


    (大陸(花崗岩)の形成場所は、海洋地殻の沈み込み場所)

    (丹沢は、伊豆半島の衝突で花崗岩質マグマが形成されて、できた)

    海洋研究開発機構が面白い研究成果を発表をしているので、ご紹介します。(文献3)


    誕生初期の地球の表層は海洋地殻で覆われ、海洋の地殻(玄武岩質)が地球の深部に沈み込む場所で、大陸の地殻(花崗岩質)が形成されるとのことです。


    伊豆・小笠原島弧は、海洋地殻が別の海洋地殻の下に沈み込んで大陸地殻を形成している場所ですが、その北端は、本州弧と衝突していて、世界で唯一、現在進行形の島弧ー島弧衝突が起きている場所で、島弧の衝突で大陸が成長する過程を解明する重要な研究場所、とのことです。


    それが起きている丹沢は、従来は、伊豆・小笠原弧の深部の花崗岩質が、衝突によって、隆起し露出したものだとされてきたそうです。


    丹沢の岩石を年代測定した結果、700万年前に伊豆・小笠原弧が本州弧に衝突した後の、500万年から400万年前のマグマ活動によって、丹沢の深成岩体が形成されたことが分かった、とのことです。

    丹沢の地質の年代


    つまり、島弧同士の衝突で、深部の花崗岩質が隆起し露出した、のではなく、「新たに」花崗岩質のマグマが形成され、そのマグマが急速に上昇して固結した、と言えるそうです。

    衝突から僅か200-300万年の間に地殻が成長したわけで、地殻の成長速度は非常に速いことが分かった、とのことです。

    大陸地殻の形成機構


    ーーーーーー

    (参考文献)

    1)ウィキペディア

    地殻

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E6%AE%BB


    玄武岩 

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%84%E6%AD%A6%E5%B2%A9


    花崗岩

    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B1%E5%B4%97%E5%B2%A9


    2)

    名古屋市科学館 地圏ー層構造

    http://www.ncsm.city.nagoya.jp/cgi-bin/visit/exhibition_guide/exhibit.cgi?id=S608&key=%E3%81%BE&keyword=%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AB


    3)

    大陸地殻成長過程において島弧-島弧衝突帯が重要な役割を果たしていることを解明

    ~伊豆衝突帯・丹沢複合深成岩体の高精度年代測定に成功~

    海洋研究開発機構 2010 3 1

    http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20100301/

    ブラジル沖の海底、水深910mに、大きな花こう岩の崖があるのを、日本の海洋研究開発機構の潜水調査船「しんかい6500」で見つけたそうです(文献1、2)。

    海底地殻は玄武岩でできていて、大陸地殻にしか存在しない花崗岩が見つかったので、調査地点は過去に大陸であった、と言える、とのこと。


    古代ギリシャの哲学者プラトンの著書に、「アトランティス」大陸が、1万2千年前の洪水で、大西洋に沈んだ、と書かれている様です(文献3)。今回見つかった花崗岩は、それより遙か前の5,000万年ほどまえに沈んだと見られるそうで、残念ながら伝説の大陸ではないようです。

    アトランティス


    調査した地点は、幅千キロほどの台地状に隆起している(文献4、5)ことが分かっていて、南米大陸とアフリカ大陸が1億年以上前に分裂して大西洋ができた時、千切れた大陸の一部、と考えられている様です。

    大西洋の海底地形図

    http://www.earthinstitute.columbia.edu/news/images/TharpMapLarge.jpg


    ブラジル沖海底(Google earth)

    (Google Earth(文献5)より)


    ーーーーーーー

    (参考文献)

    1)

    「アトランティス」と関連は海底に大陸痕跡

    5月7日 1730   NHK on line

    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130507/k10014398171000.html


    2)

    アトランティス大陸あった? しんかい6500、陸特有の岩発見

    産経ニュース 2013.05.07

    http://photo.sankei.jp.msn.com/essay/data/2013/05/07Atlantis/


    3)

    「アトランティス」 ウィキペディア

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9


    プラトンの著書『ティマイオス』及び『クリティアス』の中で記述した、大陸と呼べるほどの大きさを持った島と、そこに繁栄した王国のこと。強大な軍事力を背景に世界の覇権を握ろうとしたものの、ゼウスの怒りに触れて海中に沈められたとされている。


    4)

    Lamont-Doherty Earth Observatory Bestows Heritage Award on Marie Tharp

    The earth Institute, Columbia University     posted 07/05/01

    http://www.earthinstitute.columbia.edu/news/story7_1_01.html


    5)

    Google earth  海洋、海底地形

    http://www.google.co.jp/intl/ja/earth/explore/showcase/ocean.html#tab=underwater-terrain

    1.

    左翼と見られる団体・人の言うことは何でもかんでも批判する、そういう人がいるようです。安倍総理が言い出しっぺで、今年初めてやった「主権回復の日」に抗議をし、50年以上続けている「屈辱の日」の集会を今年もやった沖縄を、”非国民”、となじる人がいるようです。産経新聞もその一つです。


    2.

    サンフランシスコ講和があったからこそ沖縄が米国の信託統治から解放されたと、いう論理が自民党議員から聞こえて来ますが、切り捨てしたことの責任をないことにしようとするこじつけ論です。


    どのような思想、意見を持とうと自由ですが、史実は、知っておいででしょうか?


    そういう方のため、老婆心ながら、史実をまとめておきます。


    ーーーーーーーーー

    1.「屈辱の日」誕生の経緯。米軍の弾圧を避けた命名


    戦後、米軍の統治が行われた沖縄で非民主的過酷な支配が行われ、本土復帰に希望を託していたが、日本からの切り離しを正式に決めたサンフランシスコ講和条約に希望を打ち砕かれたことをご紹介しました(文献1)。


    条約が発効した1952年4月28日の沖縄の新聞には、「屈辱の日」の文字はなく、一定、歓迎する文章です。先ず本土が返還され、次に、沖縄が返還されるのだろう、と間違った、淡い期待を持っていました。


    当日の沖縄タイムスの社説(文献2)には、祖国の国際社会復帰を喜び、すぐに合流することを期待し、それまでに琉球の人々も民主主義をしっかり学ばねば、と、置いてきぼりにされた不安と苦しみを抑えて、明るい希望が述べられています。その健気さに、その後の苦痛の歴史を知っているので、涙が出ます。


    その後の、米軍の圧政は、機会があればご紹介しますが、淡い期待に反し、米日政府からは祖国復帰のシグナルは全くない中、住民から強力な祖国復帰運動が起き、その中で、1961年4月8日に「屈辱の日」の言葉が生まれています(文献3,4)。

    米軍による弾圧を避けるため、命名には、「反基地」をにおわせないための配慮もあったとのことです。(文献3)


    2.沖縄は悲劇を口実に、金をせびろうとしている?ーー何故そういう発想?

     先祖の土地を返せ、危険な基地は出て行け、と主張している沖縄を、悲劇を演出して金をせびろうとしていると考える人がいるようです。想像できない発想に、驚きました。

     朝鮮の従軍慰安婦の方々による日本政府への補償の要求を不当とは思いませんが、沖縄では、本土を守るための地上戦で何万人も死んだ、日本軍の命令で自決させられた、だから補償しろ、とも言っていません。


    基地を本土も平等に負担せよ、と言う当たり前の要求(一票の格差以上に当然、と私は思います)に答えられず無視したい自分を、正当化したいが為の、錯乱でしょう。


    3.本土が返ってから沖縄の信託統治が解除された?ーーいいえ。今や、信託統治はゼロです。時代の必然の流れ


    沖縄は、1952年から1972年までの20年間、米国の信託統治地域でした。信託統治は、国連憲章第75条に規定された制度で、国際連合の信託を受けた国が、国際連合総会および、信託統治理事会による監督により、一定の非独立地域を統治する制度です。


    過去に、以下の 11 地域が信託統治地域とされましたが、199410月のパラオ独立を最後に信託統治領は存在しません。


    西カメルーン(イギリス)、東カメルーン(フランス)、ソマリランド(イタリア)、タンガニーカ(イギリス)、西トーゴランド(イギリス)、東トーゴランド(フランス)、ルアンダ=ウルンディ(ベルギー)、西サモア(ニュージーランド)、太平洋諸島・琉球諸島・小笠原諸島(アメリカ合衆国)、ナウル(イギリス、オーストラリア、ニュージーランド)、ニューギニア(オーストラリア)

    (以上、参考文献6)


    パラオですら独立できました。明らかに自分の領土でない地域の支配を続けることはできない時代になっているのです。沖縄は、日本本土の主権回復(?)がなくとも、いつか必ず、独立できたでしょう。佐藤政権時代の日米交渉により復帰が早まったのは確かですが、サンフランシスコ講和条約があったればこそ、沖縄が本土復帰できた、言う説は正しくないでしょう。沖縄の強烈な復帰運動こそが最大の力でした。


    4.日本の戦後のおわり(主権回復)は、1952年の4/28?いいえ。沖縄の本土復帰で終わったのです。


    佐藤栄作首相は、就任翌年の1965819日に那覇空港で「沖縄の祖国復帰が実現しない限り、わが国の戦後は終わらない」との声明を発しています(文献7)。主権回復とは、戦後が終わる、と言うことでしょう。長期自民党政権の最も在職期間の長かった(歴代でも、通算では桂太郎に次いで2位、連続では歴代1位)総理大臣が明言しています。沖縄が復帰した1972年5月15日こそ、主権回復の日、と言えるでしょう。


    ーーーーーー

    (参考文献)

    1)

    20130502日”「屈辱の日」に「平成の切り捨て」と一万人を越える怒りの拳<==>「反発一辺倒へ嫌悪」と、低レベルなネトウヨと変わらぬ、産経新聞”

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52109678.html


    2)

    歴史の峠に立ちて(1952年4月29日沖縄タイムス社説)

    http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-04-25_48498

    講和条約が発効して国際社会へ復帰した祖国日本の慶事を、われわれ琉球住民は無量の感慨をこめて祝福したい。

    それにしても取残された嘆息が深く、もがいたところでどうともならぬ諦めがわれわれの胸を締めつける。しかし感傷に浸つてばかりもおれぬ厳しい境位におかれたわれわれ琉球住民だ。

    祖国日本の独立を契機として、われわれも亦心機一転、住民総起ち上りの誓いを固めなくてはならぬ。講和発効後果してわが琉球に如何なる変化がもたらされるかの関心が真つ先に抱かれる。

    (略)

    残存主権が日本にあるから、将来日本へ復帰することは既定の事実であり、その線に沿うて日・琉の関係が一層近づきはしても、遠のく恐れはあるまい。そこにわれわれの明るい希望がある。

    (略)

    琉球の政治、経済、文化の総てが民主主義を指向して住民自体の意志に基いて運営されることを米国は強力に勧奨している。有難いことだと思う。それにしてもわれわれは希望の灯をかかげて真の民主々義を学びとる誠心と自負を持つべきである。

    (略)

    とにかく明るい希望を失わずに、平和と自由を求めて、祖国日本とわが琉球の健やかな民主的成長を祈りつつ、日本の独立復帰を祝福することにしたいものである。


    3)

    61年4月8日「屈辱の日」は生まれた 

    琉球新報 2013年4月20

    http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-205570-storytopic-1.html


    61年度運動方針案の「県内情勢」に、4・28を「屈辱の日」とする、これまでにない文言が盛り込まれていた。

    これに対し、本土決戦の「時間稼ぎ」にされた沖縄戦で、多くの住民が犠牲になったことと重ね、沖縄を「捨て石にした日」という意見も出た。53年以降の米軍による土地接収や事件事故が頻発する状況を「第二の沖縄戦」と表現する人も多かった。

     「復帰運動を反基地運動として明確に位置付けられないか」。総会で立ち上がり、こう求めた青年がいた。米軍による読谷村でのミサイル基地建設に反対する運動に取り組んでいた。「みんな迫力を持ってわじわじい(憤り)を表す熱い雰囲気だった」。約3時間に及ぶ議論の末、運動方針案を全会一致で承認した。4・28が「屈辱の日」と呼ぶことになった瞬間だった。


    総会に向けた執行委員会を思い出す。「特に誰かが口にしたのではなく、みんなが『屈辱』を繰り返していた。だから文案に入れた」


    ベトナム戦争が気になっていた福地さんは「反戦平和」「反戦復帰」の方が良いと思っていた。しかし、復帰運動をけん引し、米軍から弾圧を受けていた屋良朝苗氏は復帰運動が「米軍につぶされる」ことを恐れ、「基地反対は絶対言うな」と福地さんや若いメンバーに強く促していたという。


    4)

    最初にマスコミに「屈辱の日」の言葉が載った1961429日の新聞

    本文、4段目、右から10行目

    「われわれは沖縄県民にとって屈辱の日、忘れることのできない1960年4月28日に沖縄県祖国復帰協議会を結成し、この希望を訴え続けて来た。」

    https://twitter.com/ftoku/status/330278764997144577/photo/1


    5)

    沖縄県祖国復帰協議会:

    沖縄県民の本土復帰運動の中心団体。1960年4月28日,沖縄自由民主党を除く各政党および沖縄県教職員会など民主団体が参加して結成。初代会長は屋良朝苗(1968年主席)。


    6)

    信託統治 ウィキペディア

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%A1%E8%A8%97%E7%B5%B1%E6%B2%BB


    7)

    佐藤栄作 ウィキペディア

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E6%A0%84%E4%BD%9C

    三宅島噴火でマグマのことを書いた機会に、マントルとマグマの関係、プレートと地殻、マントルの関係を、整理しました。


    文献1の説明に依れば、マグマ≠マントル、プレート≠地殻、です。


    文献2の地球内部の説明図を転載します。

    地殻とマントルは、モホロビチッチ不連続面と呼ばれる、地震波の速度が急に変化する境界面で分かれています。これは、鉱物相の違いに依るものの様です。地殻は、ケイ酸塩(SiO2)が多く含まれる花崗岩と玄武岩で構成され、マントルはSiO250%以下のかんらん岩でできているとのこと。

    地球の内部構造


    マントルの大半は硬いメソスフィアですが、200~300kmより浅い層は流動性のあるアセノスフェアになっており、更に、100kmより浅い表面は剛性の高いリソスフェアになっている様です。


    剛性の高いマグマと地殻を合わせた、厚さ100km程度の「リソスフェア」がプレートです。


    マグマとは、溶けた岩石のことであり、地殻がとけてもマントルが溶けてもマグマになります。


    深部から上昇してきたアセノスフェア層では、圧力が低くなるため、部分的に溶けていると言われている様です。マグマ(液体)になると、溶け残った部分よりも軽くなり、表層近くまで上昇します。


    海洋プレートの中央海嶺は、マグマが上がっている場所で、マグマは表層近くで固まって、厚さ510kmの、海洋地殻を形成します。その下に30~40kmの厚さの、マントルと同じ物質の、溶け残り層があり、その下に厚さ数十kmの硬いマントル物質があり、その3層でプレートができている、とのことです。



    序でに、かんらん岩、花崗岩、玄武岩の説明もまとめておきます。(参考資料、wikipedia)

    ーーーーーー

    火成岩:マグマが固まった岩石(火山岩:急冷、深成岩:徐冷)


    かんらん岩

    SiO2成分に乏しい(<45%)深成岩。マントル上部を構成する。


    花崗岩

    SiO269%以上の深成岩。対応する火山岩は流紋岩。主成分が石英と長石で、他に10%程度の有色鉱物(黒雲母等)を含み、全体的に白っぽい。

    陸地を構成する岩石の中では非常に一般的。数mmの結晶が寄り集まった粗い粒子構造であるため、ラテン語で種子や穀粒を意味する granum からgranite と命名された。

    主要構成鉱物は、石英カリ長石斜長石黒雲母白雲母普通角閃石

    平均密度は通常2.75g/cm3付近であるが、産地や品種によっては1.74g/cm3から2.80g/cm3に及ぶ。

    緻密で硬く、古くから石材として使用されてきた。石材としては御影石とも呼ばれる。墓石などに使われる「黒御影」は花崗岩ではなく閃緑岩斑れい岩であるが、黒っぽい花崗岩もある。


    成因:マグマ説(火成岩説)

    玄武岩マグマの地殻内での結晶分化作用により形成された流紋岩質マグマ、あるいは玄武岩質マグマが周囲の壁岩(一般に堆積岩等から成る)を溶融して形成された流紋岩質マグマが地上へ出ることなくゆっくりと冷却されてできるという説。花崗岩体の規模が大きいことなどから、多くは後者の成因によって形成されたと考えられている。


    玄武岩

    SiO2 45-52%の火山岩。対応する深成岩は、はんれい岩。斑状組織を有する。斑晶は肉眼で見えないほど小さい場合もある。肉眼での色は黒っぽいことが多い。ものによっては灰色に見えることもあり、含まれる鉄分の酸化によって赤 - 紫色のこともある。

    玄武岩質溶岩は流動性が高く、高い火山噴火した場合、遠くまで流れて溶岩流となり、平坦な場所で噴出すると平らな台地を形成する。


    地下深部から上昇してきたマントルが減圧融解をおこし、玄武岩質マグマが海洋底を形成する。海嶺で噴出する玄武岩マグマは枕状溶岩となる。すなわち、大洋の底は全て玄武岩(枕状溶岩)である。


    安山岩

    SiO2 5363wt% 火山岩。対応する深成岩は閃緑岩。ほとんどがプレート沈み込み帯で噴火した非アルカリ質の岩石。


    長石

    アルミノケイ酸塩(xM2OyAl2O3zSiO2nH2O)を主成分とする、三次元構造の網状ケイ酸塩の一種。

    ーーーー
    (参考文献)

    1)

    火山のできる場所と地球の大構造ーープレート・海洋プレート・大陸プレートーー

    火山学者に聞いてみよう -トピック編-

    http://kazan-g.sakura.ne.jp/J/QA/topic/topic4.html


    2)

    マントル

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AB

    マントルと地殻の境界は、モホロビチッチ不連続面(略称モホ面)と呼ばれる。地震波がモホ面を通るときには密度の違いから速度が急変し角度によって屈折を起こす。
    マントルの下面はグーテンベルク不連続面と呼ばれており、外核との境界になっている。

    読者から、鳥島近海で起きた深発地震は、4/17に起きた三宅島の火山性地震と関連があるか?と、ご質問がありました。


    答えは、関連無しです。


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    私は気づきませんでしたが、4/21に、北緯 29.9度 東経 139.6度でマグニチュード6.7の地震が起きていました。震源の深さは450kmと極めて深くマグマと関係しそうで、三宅島には近いので、関係があるのか?と言うご質問だろうと思います。


    昨年の元日に、鳥島近海( 北緯31.4度、東経138.6度)で震源深さ約370kmで起きたマグニチュード7の地震が、3/11の余震ではないか、と騒ぎになり、そうではないと言うブログ記事を書いていますが(文献1)、前年の8/7に発生した鳥島近海の深発地震の際にも同じご心配が寄せられ、ご説明しています。(文献2)


    どちらも、プレート境界地震(東日本太平洋沖地震など)および内陸の活断層地震(兵庫県南部地震など)とは異なる原理の、プレートが400~600kmの深さのマントル(文献3)に沈み込んで起きる「深発地震」(文献4)です。

    深発地震と地球内部の構造


    海底地形図(文献5)に、二回の鳥島近海深発地震の震央位置を描き込みました。鳥島近海と言ってもかなり離れています。

    深発地震と海底地形図


    プレートが深く沈み込んで起きるので、深い地震と浅い地震の起きる場所は、ずれています。最初の図で見るように、深発地震の分布で、プレートの沈み込みがハッキリ分かります。

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    このような構造の違いがあり、深さもかなり違い、三宅島地震と鳥島「近海」(?)地震との間には、関係がありません。


    数百kmの深部であっても、地震で揺らされれば、三宅島、新島・神津島のマグマが動いて地震が発生する可能性があるのでは?と言う質問もあるでしょう。確かに全くゼロ、ではないかも知れません。しかし、この2年間を見る限り、相関は見られません。

    三宅島地震と鳥島近海地震


    更に興味深いことに、直ぐ側であるにも関わらず、三宅島の地震と新島・神津島付近の地震にも、相関が見られません。マグマの動きの影響は、局在していることを意味します。

    三宅島地震と新島・神津島付近の地震




    ーーーーーー
    (参考文献)

    1)

    20120101日「新年早々の地震は、深発地震です。3/11の余震ではありません。」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52028585.html


    2)

    20110809日「沖縄、伊予灘の地震は?鳥島の震源深さ430kmの地震は?ーー珍しくありません。世界の地震の分布図」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51988467.html


    3)

    マントル Wkipedia

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AB


    4)

    深発地震 Wikipedia

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%B1%E7%99%BA%E5%9C%B0%E9%9C%87


    5)

    海底地形図

    第9管区海上保安本部海洋情報部

    http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN9/sodan/kaiteitikei/kaiteitikei.htm

    民間人を巻き込んだ唯一の地上戦が行われ、20万人が亡くなったとされる沖縄は、戦後も米軍による過酷な支配が行われ、それから脱する希望を、本土への復帰に託していました。それを打ち砕いたのがサンフランシスコ講和での沖縄切り捨てでした。それが発効された日は、沖縄の本土復帰運動の象徴の日になりました。4/28は、沖縄が永遠に忘れられない「屈辱の日」です。沖縄にとって、この日を祝うなど、あり得ません。


    沖縄が、長年「屈辱の日」としてきた4/28を、本土復帰運動の象徴だった日を、「政府」が「祝う」など飛んでもないことであり、「平成の切り捨て」と怒るのは当然です。

    (1万人抗議「沖縄 捨て石のまま」沖縄タイムス 4/29 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130429-00000007-okinawat-oki&pos=2

    1万人 怒りの拳



    沖縄にも、歴史に無知な人間はいるでしょう。権力にすり寄って、甘い汁を吸おうという人はいるでしょう。


    産経新聞が、「屈辱の日」もはや風化」

    産経新聞 430()1510分配信 編集委員・河村直哉

    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130430-00000091-san-soci


    と言う記事を書きました。


    例外的地方紙の記事の一部の表現を、記事のタイトルにしてはいけません。


    「ネットで都合良い情報ばかり集めては、身内でそうだそうだと盛り上がっているだけ」の「在日特権を許さない市民の会」と同じこと
    20130428日「在日攻撃 牙をむく言葉。決別したら自分が標的にーー朝日新聞の新連載「敵がいる」」 http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52109366.html

    を、いやしくもマスコミの新聞記者が、やっては行けません。

    ーーーーーー

    (参考資料)

    1)
    照屋寛德ブログ http://terukan.blog44.fc2.com/blog-entry-173.html


    4月28日は、沖縄県民にとって忘れられない日、永遠に記憶されるべき日である。

     沖縄では1960年に祖国復帰協議会(復帰協)が結成され、サンフランシスコ平和条約が発効した1952年4月28日を「屈辱の日」として、復帰運動を展開した。


    アメリカは沖縄で、人権無視、民主主義否定の政治をおこなった。私自身、復帰運動世代として中・高校・大学時代を過ごした。アメリカの軍事支配下における「無憲法下」の人権蹂躙も日常生起するさまざな事件・事故を通して、常に怒りを覚えていた。

     復帰運動は、当初民族主義的で「母の懐に帰ろう」式の運動であった事は否定できない。私自身、当時復帰運動に「参加」したといっても、結局「動員」されたようなものだった。復帰運動の内実を問う思想性などなく、アメリカ軍の理不尽な支配に反発する感情だけが激しかった。1964年4月に琉球大学に入学して以降、学園闘争、B52墜落炎上事故、2・4ゼネストなどの運動の中で、復帰運動も民族主義的内実を脱し、反基地的「即時無条件全面返還」へと変わり、私の思想的「武装」もそれなりに変わった。


    2)
    沖縄戦(wikipedia)からの写真
    降参する地元住民

    降参する地元住民


    収容所

    収容所



    3)
    4/28
    は、ずっと「屈辱の日」と呼ばれてきた

    http://library.thinkquest.org/19981/data/text/kutsujoku-j.htm


    「沖縄で始まった、過酷な米軍支配」


    占領下の住民の暮らしは、収容所の中から始まった。収容所は沖縄全島に12ヵ所あった。

    なにもない場所に有刺鉄線を張りめぐらせただけのもので、住民はそこにテントを張ったり小屋を作ったりして雨露をしのいだ。衛生状態は悪く、マラリアのような伝染病が流行して多くの死者が出た。


    食糧は配給されたが、一日たった1400カロリーで人々は食糧不足に苦しめられた。

    1945815日、米軍は戦前の県議会議員や中学校長などの政治的文化的指導者をよび集め、15名の委員で構成される米軍政府の諮問機関、沖縄諮詢会をつくった。また、9月には市長の選挙を行い、10月頃からは被収容者を解放し始めた。ただし、これらの事は米軍が広大な軍用地を確保した後に行われた。沖縄住民は米政府の民主的軍政を期待していたが、実態はそうではなかった。


    『タイム』誌の記者フランク・キプニーは次のように書いている


     軍規は世界中のほかの米駐屯軍のどれよりもわるい。過去6ヶ月間に米軍兵士は殺人29、強姦18、強盗16、傷害33というおどろくべき数の犯罪を犯した。



    「本土復帰に期待していた希望を打ち砕いた、沖縄切り捨ての講和条約」


    沖縄戦で肉親を奪われ、戦後は土地を奪われた沖縄の人々はすべて、悲惨な状態を脱するには本土に復帰し、一体化する以外にないと痛切に願っていた。しかし、対日平和条約は、それまで米軍の占領下にあった本土の独立と引き換えに、沖縄の占領体制を法律化してしまったのだ。これは、沖縄の人にとって屈辱以外の何であるだろう。

    さらに屈辱的なことは、この条約によって基地化が激しくなるのを見越した本土の土建会社が、条約調印の数ヶ月前から次々と沖縄に潜入したことである。長年にわたり沖縄を犠牲にしながらもなお、儲けの場として踏みつける本土人の醜い姿であった。


    「強制土地収用と、島ぐるみ闘争」

    19547月米軍は伊佐浜集落の水田に対して、農耕禁止の通告をだした。「土地収用計画はない。水田に蚊が発生するという衛生的理由のため」と弁明していたが、やがて立ち退き通告に変わった。


    農民、住民さらに琉球立法院は米軍政府に対し懸命な陳情を続けたが、まったく聞きいれられず、19553月、米軍は伊佐浜の一部地域に武力による強制収容を強行、これを阻止しようと農地に座り込んだ農民が、武装憲兵に排除されるという衝突が起こった。


    いままで土地を奪われつづけてきた沖縄の人々の怒りが噴き出し全島各地で抗議集会が開かれた。


    しかし、それを無視して米軍は立ち退きの最終通告を出した。その日、1955718日には、早朝から数千人の人々が伊佐浜に応援に駆けつけた。昼過ぎには一万人を超える群衆にふくれあがった。


    その日、米軍は姿を見せず支援者たちはひとまずひきあげた。深夜に残っていたのは数百名だった。米軍の武装兵を満載したトラックやブルドーザーが明かりを消したまま徐行しながら集落に近寄り、夜明けごろには13万坪という広大な土地を包囲してしまった。付近の交通を遮断して、厳戒態勢の中で集落の建物を壊し始めたのだった。


    沖縄県は、地代一括払いを食い止めるため米国と議論をし、調査団を派遣してもらうようにした。195510月プライス議員をはじめとする調査団が沖縄に到着。翌年に「プライス勧告」が発表された。しかしそれは、ここ(沖縄)では、わが国の原子兵器(核兵器)の貯蔵または使用権限に対し外国政府による制限はないなど、核まで含めた沖縄の自由使用、前進基地としての重要性を説き、軍用地代の一括払いの妥当性を確認するという言語道断なものだった。


    19566月、全沖縄住民は激怒。「土地四原則」すなわち「一括払い反対、適正補償請求。損害賠償請求。新規接収反対」の態度を決めるとともに総会を開き「プライス勧告を阻止するには全住民の一人一人が一括払いを拒否する固い決意を持ち領土権を死守する以外に途はない」という声明を発表した。

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