toshi_tomieのブログ

一般科学に関する独り言

    最表面原子の電子状態を見る、私が考案し開発製作したEUPSで
    新規分析法を開発し、触媒などの材料評価をしています。

    2014年03月

    本ブログでは、見つけなくてもよい、そして見てはいけない「過剰診断がん」がある(文献1)ことを紹介し、「チェルノブイリ事故後の小児甲状腺がんの急増は、“過剰診断“に過ぎなかった」ことを説明(文献2)しています。


    その典型として、整形大国である韓国で、過剰診断の甲状腺検診ブームになっている(文献3)ことを紹介しています。

    私自身の解析結果として、韓国女性は、罹患率は異常に増加しているが、死亡者数に全く変化がないことを紹介(文献4)しています。大量の手術にも拘わらず、発がんの可能性のあるひとは減っていないのです。百害あって一利なし、はこのことです。


    このブログ記事を引用された方のブログ(文献5)を見たところ、韓国の中央日報が、社説で、「過剰診断・手術防ぐべき」と主張している(文献6)ことを知りました。

    「最も大きな問題は、「過剰診断」と「過剰手術」が患者に不必要な身体・心理負担を与えるという点。がんの手術は副作用も少なくないうえ、甲状腺を除去すれば生涯ホルモン剤を服用しなければならないという問題もある。がん診断自体も患者と家族に不安感と負担を与える。さらに「過剰医療」は国民の医療費負担にもつながる。2012年には24万人の甲状腺がん患者が約2500億ウォン(約240億円)の健康保険診療費を使ったという統計がこれをよく表している。


    しかし、外科医師は悪性の未分化がんやリンパ腺転移のおそれがあるとし、早期診断と手術が必要だと反論している。


    国家機関の健康保険審査評価院が十分な資料と医学的な根拠を確保し、甲状腺がんに対する診断・治療基準を新たに設定する必要がある。

    治療が必要でない小さながんは健康保険の適用対象から除外することも考慮しなければならない。このすべての作業は患者の福祉と国民医療費の効率的使用という原則に基づいて進めなければならないだろう。」

    ーーーー

    上の主張は全く、その通りです。

    わが国でも、福島原発事故絡みで、全く同じことが起きています。韓国に続く、甲状腺「過剰診断」・「過剰手術」国になり、外科医がうはうは喜ぶようになるのでしょうか?

    ーーーーー

    (参考文献)

    1)

    「過剰診断がん」。見つけなくても良い、見てはいけない、がんーー36%もの子どもの甲状腺にしこりを見つける検査法は、スクリーニングにならず、無意味

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52115357.html


    2)

    2014022608:00

    チェルノブイリ事故後の小児甲状腺がんの急増は、“過剰診断“に過ぎなかった。甲状腺がんは罹患率で議論するのは危険

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52141342.html


    3)

    2013062020:00

    整形大国韓国では、甲状腺検診ブーム。がん保険と医療供給側の要望で普及ーー診断された人の100%が手術

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52115524.html


    4)

    2013061908:00

    「甲状腺検診ブームの韓国で、女性の罹患率の近年の異常な増加にも拘わらず、死亡者数に全く変化なし」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52142024.html


    5)

    「甲状腺がん特集」をぜひテレビで

    杜の里から 20140330

    http://blog.goo.ne.jp/osato512/e/d04678760f53f26d5c47c214ac3bf898


    6)

    【社説】甲状腺がん世界1位の韓国、過剰診断・手術防ぐべき

    中央日報   20140321

    http://japanese.joins.com/article/235/183235.html

    NHKの時論公論で解説(文献1)されている様に、ウクライナの政変は、第二次世界大戦中にソビエトに武力で併合されて極めて強い反ロシア感情を持っている、西部ウクライナのウクライナ民族主義者が主体となり、多数の流血の犠牲の上に政権を打倒した、「革命」です。暫定政府の名簿は、民族主義者たちの同意を得て作成され、すでに自らの手に武器を持ち、治安機関の枢要なポストも押さえているとのことです。


    歴史的に、西部の民族主義には否定的な感情を強く持っているクリミアや東部のロシア系住民は、暫定政権がロシア語を準公用語化した言語法を廃止したので、東部やクリミアでも革命の継続を唱えるのではないか、自分たちは二流市民として扱われるのではないかと恐れ、反発を強めている、とのことです。そこで、クリミア自治共和国政府が、ロシアに保護を求め、東部でも、中心都市のハリコフ、ドネツクなどで、ロシア系住民が大規模なデモを行い、行政府を占拠してロシア国旗を掲げました。


    3/15~/16に行われた全ロシア世論調査で、プーチン大統領の支持率は76%だったそうです(文献2)。ソチオリンピックで高まった支持率が2月中旬で62%だった(文献3)ことから、クリミアのロシアへの併合が大きく寄与しています。今、ロシア国民は、大きく高揚している様です。


    日本、韓国、中国においても同一の現象が起きていますが、ナショナリズムを煽ることが政治家にとっていかに有用であるかが分かります。


    しかし、ロシアにとって本当に得策なのか、大いに疑問があるようです。クリミアのロシア系住民にとっては、おそらく確実に、良い選択だったろうと思いますが、ロシア国民の真の幸福を考えると、大失政かもしれません。


    ウクライナの暫定政権によれば対外債務は1400億ドル、14兆円にのぼり、それに対して外貨準備高は1/10しかなく、経済破たんすれば、ウクライナ経済に深く入り込んでいるロシアもヨーロッパも大きな影響を受けるので、国際協力しかないでしょう(文献1)。ロシアは、軍事的にウクライナ全土を支配下に置くことは可能でしょうが、経済的には不可能でしょう。

    ソ連は、1960年代から米国に対抗した高い経済成長を維持するため、無理な原油増産を続け、さすがの豊かな油田も1980年に至って枯渇を始め、原油でしか支えられなかった経済が崩れ、その経済によってのみ維持してきた政治体制が崩壊した、と言うのが、ベルリンの壁崩壊、ソ連崩壊、の真相と考えています(文献4)。

    万が一に、ロシアがウクライナの併合にまで進めば、ソ連崩壊の二の舞を演じるでしょう。ナショナリズムは、ほぼ例外なく、国民の真の幸福(経済的な安定性)を無視して、高揚します。そして、国の破たんにまで行き着きます。


    ーーーー

    (クリミア併合の経済的負担)

    クリミアへの支援金は、20万人の公務員の平均給与は12500ルーブル(340ドル=約34000円)で、ロシア並み(3万ルーブル(800ドル=約8万円))に引き上げるには、月に35億ルーブル、年に420億ルーブル(14億ドル=約1400億円)が必要になるなど、社会保障費、クリミアの予算赤字の補償費、ケルチ海峡横断橋の建設を含むインフラ整備の費用などで、年間3050億ドル(約30005000億円)が必要(文献5)の様です。


    水道の70%、電力の90%をウクライナ本土に依存しているため、生活を維持するにはウクライナの協力が必要になります(文献6)。それを面倒に思うようであれば、ウクライナ東部をロシア支配下に置くことも考えているかも知れません。


    ーーーー

    (ウクライナの歴史)

    wikipediaの説明を見ると、ウクライナはとても複雑な歴史を持っています。

    紀元前には様々な遊牧民族が到来し、紀元前4世紀ころに騎馬民族のスキタイ人が繁栄し、紀元2世紀ころには東ゴート族が支配し、6世紀にはアヴァール族が支配し、8世紀ころにはルーシという国が誕生し、首都キエフはヴァイキング系が支配してキエフ大公国が作られ、支配地域を拡大して、11世紀ころには欧州最大の国になりましたが、12世紀に諸侯の争いで分裂し、1240年代にモンゴル帝国により滅ぼされています。

    その後は他国の支配をうけ、17世紀半ばにコサック国家が誕生しましたが、多くの戦争を経て自治が認められたり自治が廃止されたりの繰り返しで、18世紀19世紀のロシア帝国、オーストリア帝国の抑圧政策などで、ウクライナの民族主義が始まったようです。ロシア帝国は常にウクライナのロシア化政策を行ったが、1917年のロシア革命で1918年にウクライナ人民共和国の独立を宣言したが、ソビエト軍がキエフを占領しウクライナ社会主義ソビエト共和国が作られ、西ウクライナはポーランドが支配しています。その後も複雑な経緯を経ています。


    クリミアのロシア併合で迫害を恐れているタタール人は、モンゴル部族に従属してモンゴル帝国の一員となり、ヨーロッパ遠征に従軍した人たちのことを指すようで、最も長くモンゴルの支配を受けたロシアに最も多く550万人いるそうです。ロシア人にとっては、苦い歴史として認識されているとのことですから憎悪感も強いのでしょう。


    東ウクライナがロシア系が多くなっているのは、ロシア帝国のロシア化政策の結果でしょう。


    とても複雑な民族の入り乱れのある地域のため、西の民族主義者、東のロシア系、少数民族タタール人のどれにも、簡単に肩入れできません。仲良くしてください、としか言えません。米欧が、暴力で政権を転覆させ民族主義を強める暫定政権を非難しないで、ロシアのみを非難するのは、説得力を欠きます。


    ーーーーー

    Wikipediaの説明から、ごくごく簡単に、この10年の政変の歴史をまとめます。


    オレンジ革命と呼ばれた政変が起きたときの2004年の大統領選挙での、地域別の得票率で、ウクライナが東西に真っ二つに分かれていることが分かります。先にクーデターで追放された親ロシア派のヤヌコビッチ大統領は当時の大統領候補でしたが、東部地域で、圧倒的な得票率を得ています。

    ウクライナの地域別大統領選得票率


    対抗する親欧州派のユシチェンコ候補の顔が、毒を盛られたからだと主張する、大きく変形した写真は強烈な印象に残っています。盟友だったチモシェンコ氏を首相にしましたが、次第に対立し、2005年には解任し、2006年にヤヌコビッチ首相が誕生しました。


    ヤヌコビッチ氏率いる地域党は2007年の選挙で第一党になったものの連合がうまくいかず野党に転じましたが、2010年の選挙で大統領になりました。


    「革命」で追放されたヤヌコビッチ大統領の邸宅には、私設動物園やゴルフコースが存在するなど贅沢三昧な暮らしをしていたことが報道されました。一方、チモシェンコ氏も、ウクライナで最大の資産家とされ、蓄財には多くの違法行為の疑いが持たれ、ガス資源に関する汚職行為で逮捕され、201110月に、職権乱用を認定、禁錮7年と賠償を命ずる判決が出ました。尚、先のクーデター前に、EU接近を図ったヤヌコビッチ大統領が、EUの求めに応じて、チモシェンコ氏を釈放することを決めていました。


    時論公論で石川氏が解説するように、ウクライナの政治指導者は、政権につけば近親者に利権を与え、私腹を肥やす、清貧とは、縁遠い人たちの様です。


    ーーーーー

    (参考文献)

    1)

    「ウクライナ危機の行方・ロシア軍クリミア掌握」

    NHK時論公論 石川一洋 解説委員 20140304 () 午前0時~

    http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/182261.html


    2)

    プーチン大統領支持率、政府系機関の調査で最高に

    MSN 産経ニュース     2014.3.20 19:11 [ロシア]

    http://sankei.jp.msn.com/world/news/140320/erp14032019120011-n1.htm

     

    3)

    プーチン露大統領の支持率上昇 ソチ五輪とクリミア寄与

    MSN産経ニュース 2014.3.6 18:45 [ロシア]

    http://sankei.jp.msn.com/world/news/140306/erp14030618460017-n1.htm


    4)

    20130115日「ソ連政治体制の崩壊の真相は、原油減産がもたらした経済破綻、か?」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52097628.html


    5)

    クリミア編入にかかるコスト

    ロシアNOW アンナ・クチュマ 2014319,

    http://jp.rbth.com/business/2014/03/19/47595.html


    専門家や政府筋のさまざまな評価によれば、クリミアへの支出の総額は、年間3050億ドル(約30005000億円)。これには、社会保障費、クリミアの予算赤字の補償費、ケルチ海峡横断橋の建設を含むインフラ整備の費用が含まれている。


    クリミア最高会議のレオニード・ピルンスキー議員によれば、同共和国の財政面の自給率は、34%にすぎない。 


     2014年、予算収入の半分以上は、ウクライナ政府からの補助金で賄われることになっており(予算収入の総額58000万ドル=約580億円のうちの32500万ドル=約325億円)、最初の二月でその21%が収められたが、クリミアがロシア連邦構成主体となれば、ウクライナからの収入はなくなる。


     また、ウクライナにおける年金その他の社会保障費の水準は、ロシアの二分の一から五分の二くらい。


     ウクライナの専門家エカテリーナ・オブホフスカヤ氏によれば、クリミアには約20万人の公務員がおり、ウクライナ統計局の今年二月時点の資料によれば、公務員の平均給与は12500ルーブル(340ドル=約34000円)だが、ロシアのそれはほぼ三倍の3万ルーブル(800ドル=約8万円)であり、現在の水準をロシア並みに引き上げるには、月に35億ルーブル、年に420億ルーブル(14億ドル=約1400億円)が必要になる。


     ロシアのアレクセイ・ウリュカエフ経済発展相は、クリミアとウクライナの関係が絶たれた場合にはロシアが年金その他の社会保障費をロシア並みに引き上げる問題に直面することを認めた。


     必要な投資の額は、50億ドル(約5000億円)と評価された。最も高額なのは、インフラプロジェクト、とりわけ、14億ドル(約1400億円)規模のヘルソン~ジャンコイ~フェオドシア~ケルチ間の自動車道路の改修、ならびに、約18億ドル(約1800億円)規模のエヴパトリア、フェオドシア、ケルチ、ヤルタにおける海洋橋関連のプロジェクトである。このほか、観光リクリエーション施設、農業分野の施設、ケルチおよびセヴァストポリの空港関連施設の建設に関する投資プロジェクトが含まれている。ケルチ海峡横断輸送路の建設には、12億ドル(約1200億円)の投資が必要とみられている。


     ルカショフ氏は、「これだけの資金があれば、たくさんのホテルおよび速やかに回収できるその他の観光インフラを建設できる」と話している。「AForex」のアナリストであるナレク・アヴァキャン氏によればクリミアの経済規模は現在たった100億ドル(約1兆円)であることを考慮するならば、50億ドル(約5000億円)以上の投資は、経済成長にとっての大きな弾みとなろう。


    6)

    クリミア、ロシア編入でもウクライナ依存―電気・水道の大半供給

    The wall street Journal     . 2014 3 17 14:20 JST

    http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304471904579444352956015242.html

    乾燥して風の強いクリミア半島には、名高いリゾート地と港湾を支えるための自前の資源がほとんどない。ロシアとは陸地でつながっておらず、天然ガスの約25%、水道の70%、電力の90%をウクライナ本土に依存している。

    .

     ロシアが先週末にウクライナ本土に侵入しガス輸送施設を一時占拠したことで示されたように、クリミアのウクライナ依存度の高さが紛争の発火点になる恐れがある。


     ウクライナ政府にとって、クリミアを失うことは政治的な打撃となる一方で、年間10億ドル(約1010億円)のクリミア向け予算の削減となる。


     ウクライナは理屈の上では、クリミアが分離すれば電力供給を遮断できるが、クリミアに大混乱を引き起こすため、供給停止命令を出す可能性は極めて小さいとみられている。


     クリミアは電力需要の約10%を独自の小型発電所で満たせているが、残りについてはウクライナ本土からの2系統の送電網で電力供給を受けている。


     家庭向けの水道供給は十分にあるが、かんがいや工場向けは本土に頼っている。天然ガスに関しては、沖合ガス田の生産がブームとなっているおかげで、需要の約4分の3は自前で賄える状況だ。


     昨年クリミアを訪れた観光客の70%はウクライナ本土から来ていた。また、クリミアのインフラやホテルは投資不足のため老朽化が進んでいる。


     ウステンコ氏によれば、インフラ問題や犯罪率の高さ、「影の経済」活動のせいで、多くの投資家はクリミアを敬遠していた。今やウクライナやロシアだけでなく国際投資家にとっても、クリミアに新規投資を行うのは問題外になるという。


     今後はロシア政府がクリミアに対する主要な投資者にならざるをえない。ロシア政府当局者によると、クリミア併合に伴う費用は1年目だけで40億ドルに及ぶという。


     しかし、ロシア国内ではクリミア併合への支持は強い。この当局者は「まとないチャンスが到来した。併合のコストについて言い争う者などいない」と語る。


    7)

    クリミア軍事介入、併合を画策 露の財政負担、年30億ドル試算も

    MSN 産経ニュース     2014.3.15 07:46

    http://sankei.jp.msn.com/world/news/140315/erp14031507570005-n1.htm


     「前政権は権威主義に傾斜し経済情勢も悪化させた。腐敗した官僚機構によるビジネスの圧迫が深刻化し、政権に近い『ファミリー』と呼ばれる一団が経済を牛耳っていた」


     ヤヌコビッチ前政権の崩壊につながった大規模デモの背景について、ウクライナの有力政治学者、フェセンコ氏はこのように解説する。


     デモの直接の契機は、昨年11月に自由貿易協定(FTA)を柱とした欧州連合(EU)との連合協定締結を前政権が突如見送り、プーチン露政権からの経済支援を得る方針を示したことだった。フェセンコ氏は「欧州統合路線への期待が大きかっただけに、これで大衆の怒りが沸点に達した」と話す。


      ウクライナはかねて財政と貿易の二重赤字に悩み、今や外貨準備高は150億ドル(約1兆5500億円)と、輸入の2カ月分を切る水準だ。国家債務は国内総生産(GDP)の約40%で、2014年には80億ドルを返済しなければならないとされている。放漫財政や鉄鋼輸出の頭打ちなどに加え、ロシアから高い価格で天然ガスを輸入しながら国内燃料価格は政府補助金で低く抑えてきたといった構造問題が根底にはある。


    8)

    深刻なウクライナ経済危機 頼みの綱はロシアからEUへ

    朝日新聞デジタル 20142250102

    http://digital.asahi.com/articles/ASG2S61MPG2SUHBI03C.html?_requesturl=articles/ASG2S61MPG2SUHBI03C.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG2S61MPG2SUHBI03C

     

     欧州か、ロシア接近か――。国の将来をめぐる論議が政権崩壊に発展したウクライナが今後直面するのは、危機に陥った経済の再建という課題だ。トゥルチノフ大統領代行は23日、「ウクライナは債務不履行の寸前」と発言。ロシアに頼れなくなった同国経済をどう支えるかは、欧州連合(EU)にとっても深刻な問題となる。


     「2014~15年で350億ドル(約3兆5千億円)の支援が必要だ」。ウクライナのコロボフ臨時財務相は24日、こう訴えた。親ロシアのヤヌコビッチ政権が崩壊したことで、ロシアからの総額150億ドル(約1兆5千億円)の支援が見込めなくなったためだ。


     ウクライナの政府債務(借金)は総額700億ドル(約7兆円)超で、今年中に100億ドル(約1兆円)超の返済が必要とされる。


     しかし、政府の台所は火の車だ。国営ガス会社への補助金などが重荷で、毎年の政府の赤字は増える一方。赤字を埋め合わせなければいけないが、国内政局の大混乱で国の信用が落ち、投資家から新たにお金が借りにくくなっている。


     さらに、主力の鉄鋼産業が新興国との競争にさらされて伸び悩み、景気も悪化。12、13年の経済成長はほぼゼロで、失業率は8%台に上る見通しだ。


     ウクライナ経済が行き詰まれば、欧州経済にも悪影響を与えかねない。EUや国際通貨基金(IMF)は早速、動き出した。


     EUのアシュトン外交安全保障上級代表は24日、韓国や豪州などアジア歴訪の予定を変更して、キエフに飛んだ。権力を掌握した議会幹部らと会って、支援に向けた地ならしをする意味がある。欧州委員会のレーン副委員長(経済・通貨担当)やIMFのラガルド専務理事は23日、「経済改革が条件」としながらも、相次いで経済支援に前向きな姿勢をみせた。


     IMFはこれまで、国営ガス会社への補助金の削減などの経済改革を要求。EUは昨年末、条件を満たせば、国際機関と連携して7年間で200億ユーロ(約2兆8千億円)の支援の用意があると伝えたとされる。だが、ヤヌコビッチ政権がロシアにすがったため、立ち消えになった。瀬戸際の状況で、EUとIMFが頼みの綱になった。(ブリュッセル=野島淳)


     ■プーチン氏に見通しの甘さ

     プーチン大統領が威信をかけて開いたソチ五輪の閉会式。懸念されたテロは起きず、ロシアはメダル数でトップに立った。しかし、得意の絶頂のはずのプーチン氏は、貴賓席で終始暗い表情。胸中にウクライナ情勢が去来していた可能性が高い。


     ヤヌコビッチ政権が瞬く間に崩壊し、政権を支え続けてきたロシアは状況に対応できていない。


     23日夜、ラブロフ外相は米国のケリー国務長官と電話で協議。政権崩壊前にヤヌコビッチ氏が野党勢力代表と署名した合意の実施が重要だという考えを伝えた。メドベージェフ首相は24日、インタファクス通信に対して、キエフで権力を掌握している勢力について「正統性に大きな疑念がある」と述べた。だが、ヤヌコビッチ氏をキエフに戻すことはすでに不可能だ。


     ロシアもこうした状況は理解しており、「ヤヌコビッチ氏は選挙で選ばれた正統性を持つ大統領」といった主張は、外務省が発表したラブロフ氏の発言には含まれていない。駐ウクライナ大使をモスクワに呼んで情勢を分析する方針だ。


     ロシアが打つ手を決めかねている最大の理由は、ヤヌコビッチ政権を支える方針を、プーチン氏自身が決めたからだ。


     昨年12月、反政権デモが荒れるウクライナに対して150億ドル(約1兆5千億円)の金融支援を表明し、天然ガスを当面の間、市場価格の約3分の2で輸出するという破格の支援策を打ち出したのも、政府内の異論を押し切ったプーチン氏の決断だった。


     金融支援が焦げ付く懸念に対し、プーチン氏は「ウクライナの格付けは低いが、ファンダメンタルな競争面の強みを信じている」と説明していた。しかし、ウクライナのトゥルチノフ大統領代行による「債務不履行寸前」発言で、見通しの甘さが露呈してしまった。


     約束した150億ドルのうち、30億ドルはすでに融資されている。これが返済不能となれば、プーチン氏への国民の不満が高まることは避けられない。ロシアのシルアノフ財務相は23日、第2弾となるはずだった20億ドルは当面凍結して事態の推移を見守る考えを示した。


     ロシアは、旧ソ連の国々に広げようとしている「関税同盟」でも、ウクライナに強く加盟を働きかけてきた。しかし、当面こうした路線は断念せざるを得なくなった。


     ヤヌコビッチ政権の崩壊は、シリアの化学兵器問題などで存在感を増してきたロシア外交にとって大きな失点。プーチン氏はソチ五輪閉会後、直ちに態勢の立て直しを迫られている。(ソチ=駒木明義)

    人類を救う期待を担うStap細胞の発見は、純粋な科学の話から離れて、ゴシップの色が濃くなりました。科学の面白さを伝えるのが目的で始めたブログで、こういうことは書きたくないですがーー。


    中日新聞は、コピペ「Nature」論文を書いたのは、小保方さんではなく、上司の笹井芳樹副センター長ではないかと示唆する記事(文献1)を書きました。

          3/14の理研の発表での質疑で、石井調査委員長は、「小保方さん程度の経験では、ネイチャーの論文のロジックを組み立てるのは、力不足だと思われる。画像をどのようにアレンジして、メインテキストをどういう論理の流れにするかということについては、笹井さんが指導したと認識している」と述べたそうです。(文献2)


    Stap細胞など存在しない、と理研内で運動した研究者がおられ(文献3)ますが、そのブログ記事へのコメントに、笹井副センター長の行動が書かれています。

    女子力の強い小保方さんに恋した笹井さんが、小保方さんのやることを全て信じる色眼鏡が外せず、実験結果の批判を全く忘れてしまった、のが問題のすべて、と解説しています。恋した小保方さんを大舞台に押し上げようと奮闘したが、一方で、小保方さんは、笹井氏からセクハラを受けたと訴えているそうで、それを知れば、目が覚めるだろうと。(文献4)


    今どきの「博士」なんて、実験をする技量がある、という資格にすぎず、博士を取ったばかりの人間は、「科学者」はおろか一人前の「研究者」にすらなっていない、と考えるべきです。30代の見習い研究者を、一人前の研究者に育てる義務は、先輩研究者にあります。

    長い経験を積めば、実験のやり方のどこかに拙い点があることは、結果を見れば、多くの場合、直観的に、わかります。それを若い人に指摘するのが、先輩の役目です。

    iPS細胞の発見までは山中伸弥京大教授よりも上の評価を得ていたようである笹井氏であるならば、小保方さんが実験的にどのようなへまをしようと、すぐに見抜けなければなりません。また、その人の文章ではないコピペは、すぐに分からねばなりません。

    恋してしまったために、優秀な研究者の目も、曇ってしまったのでしょう。

    今回の騒動の相当の割合の責任は、笹井氏にある、と思わせる、情報です。


    ーーーーー

    (参考文献)

    1)

    STAP疑惑底なし メディア戦略あだに

    中日新聞 2014315

    http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20140315070914336

     STAP細胞は、論文共著者の丹羽仁史氏は今も「実在する」と主張する。多能性の目印が細胞に現れると蛍光が出る仕組みをつくっておく。論文発表後も蛍光の出現が観察されている。

      中武悠樹・慶応大助教は「これだけでは多能性があるとはいえない。」と述べる。

      有力なのは「死にかけた細胞が強い蛍光を発する現象(自家蛍光)」という見方だ。「再現が成功した」といったん報告した関西学院大の研究者は後に「自家蛍光を誤認した」と訂正した。理研で研究グループが見ていたものは万能細胞といえるものではなさそうだ。

      世界を驚かせた論文は、若い小保方氏をみこしにかついだ腕自慢の面々による共同作業だった。

      「刺激で万能細胞」という「構想」は、芸術的発想が豊かな大和雅之東京女子医大教授と米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授が唱えていた。「執筆」は、再生医学で日本を代表する笹井芳樹理研副センター長が主導し、マウスの「実験」は名人として知られる若山照彦山梨大教授が担当した。
     

      笹井氏は小保方氏を大舞台に押し上げようと奮闘。会見に備え、理研広報チームと笹井氏、小保方氏が1カ月前からピンクや黄色の実験室を準備し、かっぽう着のアイデアも思いついた。文部科学省幹部は「笹井先生はうれしかったんだと思う。iPSが見つかるまでは、笹井先生が(山中伸弥京都大教授より)上にいた」。会見ではSTAP細胞の優位性が強調された。

    メディア戦略は理研幹部が「予想を上回った」と驚く成功を収めた。あまりに目立ちすぎたため、疑惑探索の専門家が早速、動きだした。インターネット上での指摘が静かに広がり始め、理研も内々に調査を始めた。ネイチャーが論文を無料公開すると、さらに疑惑探索者が増え、坂道を転げ落ちるように問題点が次々に見つかった。

    (STAP細胞問題取材班)


    2)

    STAP細胞」小保方さんと並ぶキーパーソン「笹井芳樹」副センター長とは?

    弁護士ドットコム 20140316 1515

    http://www.bengo4.com/topics/1307/


    理研発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長。再生医学の分野で日本を代表する研究者の一人とされ、生命科学の領域で顕著な功績をあげた現役研究者に贈られる上原賞を受賞したばかりだ。

    314日に開いた記者会見で、調査委員会の石井俊輔委員長が、次のように語った。

    「いろんなデータを集めてヒアリングした結果、論文の作成はかなりの部分、小保方さんと笹井さんの共同作業だったと認識している。正直、小保方さん程度の経験では、ネイチャーの論文のロジックを組み立てるというのは、まだ力不足だと思われる。論文の画像をどのようにアレンジして、論文のメインテキストをどういう論理の流れにするかということについては、笹井さんが指導したと認識している」

    理研の野依理事長は「シニアの研究者になればなるほど、起こした問題に対する責任は大きい。笹井副センター長は、私は、責任は非常に重いと思っている」とコメントした。

    (弁護士ドットコム トピックス)


    3)

    STAP細胞の非実在について#2

    kahoの日記: 20140306 427

    http://slashdot.jp/journal/578550/STAP%E7%B4%B0%E8%83%9E%E3%81%AE%E9%9D%9E%E5%AE%9F%E5%9C%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%EF%BC%83%EF%BC%92


    私は件の論文に直接関わる立場ではないのですが、研究所の外から見れば「中の人」になります。内部では実名でこのような活動をしており、隠れているつもりはありません。できるだけ内部での解決を目指しています。その目的は迅速な論文の撤回とできる限りの真相の解明がなされることでありーーー。

    科学的な事実を争う立場としては私は間違っていないという自信がありますが、政治的に勝利できるかどうかは全く分かりません。


    4)

    科学的事実は政治的事実に勝る。所長に直訴奨励

    by Anonymous Coward on 20140306 1443 (#2557435)


    政治的にっていうと、S先生とのバトルって事で、内情を知る人間であればそれが如何に困難かは知ってるはず。


    OさんとSさんの関係は、出入り業者や秘書レベルまで、皆知っていること。

    「僕はケビンコスナーなんだよ」という発言なんか有名すぎます。


    この件、Sさんが鍵というか主犯。

    ここ一年くらいOさんとこか広報のとこに入り浸りでしたし、あの前のめり過ぎるプレスはSさんの意向で、全体のストーリーを書いた張本人。

    本来は、有頂天になる以前に、冷静な疑義を彼女に突きつけなければならなかった役のはず。

    Sさんがチェックができていない状況なのに、Oさんを囲い込んでしまい、他の著者からの指摘が充分に機能しなかったから、現状況があります。


    一方で最近、Oさんが、Sさんからのセクハラとして上層部に訴えてたりと内情はカオスですから、それをSさんが知れば状況は一転するかも。

    ちょっと前まで上層部は二人まとめてクビ切ろうとしてたわけで、Sさんも掌を返さざるを得ないでしょう。


    Sさんは「Oさんはすばらしい研究者だ」「データの捏造なんてするわけがない」という色眼鏡を外すきっかけを(潜在的には)待っていると思いますよ。(笹井氏に(富江補足))データがいかにヤバイかってのを明示することは、「俺も騙されたんだ」と自己正当化でき、正気に戻るチャンスになるはず。さすがに地頭の良いSさんだから、最後は損得勘定で「持論を引っ込めたほうが得」という結論が出せるのでは。(kahoさんに(富江補足))そこまで持っていけるだけの論拠があれば、大丈夫だと思ってます。


    多分今まで、Sさんのまわりには優秀な人が沢山いたので「まさかそこまでするか?」というような想定ができていないんだと思いますよ。

    SさんがOさんの仕事を懐疑的に見れていないのが一番の問題です。

    Oさんのセクハラの訴えで「俺も騙された」となるかどうか。

    大騒動になっているSTAP細胞の発見者小保方晴子さんが、精神的にかなり参っている様です(文献1,2)。

    理研幹部の発言を読むと、理研はいま、彼女を切り捨てて組織を防衛することに必死です。

    最も重要な共著者と言える、若山照彦山梨大教授が、ぶ、がないと見るや、いち早く撤回を表明して、自らに降りかかる火の粉を払いのけたのは、世渡り上手の、卑怯千万です。

    今、小保方さんの味方は、米国留学先の指導教官だったCharles A. Vacanti教授だけの様です。

    自分を守って呉れると信じて来た人たちが次々に敵にまわって自分を攻撃する状況に絶望して、自らの命を落とさないことを祈ります。

    ーーーーー
    「(STAP細胞作製の)根幹は揺るがない」としていたが、この日は「調査前の楽観的な見方だった」(川合理事)と、川合真紀さんが発言されたらしいですが、こんなことで言い訳になっていると思うのが、研究者、と、笑ってしまいます。

    「似たようなことが起こっているのであれば、時代のなせる業、カルチャーが変わったなと非常に心配している」と、野依理事長は険しい表情で述べた、とのことですが、日本の科学政策に影響を持たれている方が、任期付き研究者を大幅に増やしていることの深刻さをご理解いただいていないらしいこと、そちらの方こそが、心配です。

    「現在、マスコミに流れている博士論文は審査に合格したものではなく下書き段階のものが製本され残ってしまっている」と小保方さんがメールで回答した件に関して、会見で小保方氏の独断を知った川合真紀理事(研究担当)は「発言の自由を妨げることはできないが、調査中ということもあり、今はお答えしないでいただきたい」と不快感を表明。ということから、小保方さんはかん口令を敷かれている様です。これでは、束縛を死ぬほどに嫌う性格の人がなる研究者は、気が狂うでしょう。

    ーーーーー

    並みの研究者は、研究する能力しかありません。ノーベル賞受賞者で学長になったのは朝永信一郎さんの東京教育大学長、福井謙一さんの京都工繊大学長、江崎玲於奈さんの筑波大学長、3人くらいでしょうか。いずれも、旧7帝大や早慶などの巨大私立大ではありません。常勤職員3000人もの巨大研究所の理事長になったのは野依さんだけ。政治力がなければ、権力者にはなれません。理事になった川合さんなど権力闘争を勝ち抜いた研究所上層部と違い、普通の研究者は、精神的には極めて弱いです。


    研究所幹部による無神経な高圧的「調査」で、同僚研究者2名を自殺で失った経験から、小保方さんには、是非とも、自殺することがないように願います。


    ーーーーー

    研究とは、誰もが想像しないことを、誰もが否定することを、きっとあるに違いない、起きるに違いない、と信じて始めるものです。その信念、信仰は、日の目を見ないままに、一生涯続くこともあります。


    ですから、僅かな兆候が見えても、やった!と大喜びします。


    Stap細胞のような世紀の大発見でなくても、研究者は常に、ある現象を説明する、自分独自の仮説を立て、それを検証する実験を行い、仮説が立証されると大きな喜びを感じます。


    以前のブログ記事(文献4)に書きましたが、私は、ある実験結果から、それを説明する仮説を立て、しかし仮説で導かれる現象が再現できず、という生活を送っています。研究者ならだれも似たりよったり、でしょう。


    混沌の中に、法則(真実)を見出すのが科学者の仕事で、その能力は、経験で見に付けられるものもありますが、最も大事なものは先天的なものだろう、と考えています。

    発見能力は先天的な要素が大きいと思いますが、検証能力は、後天的なものでしょう。長年の経験を積まないと、やった!でとどまってしまい、自分を疑うことは難しいと思います。

    小保方さんの場合、2011年に博士課程を卒業してわずか2年半。自分の発見を検証する能力が劣っていたとしても仕方がありません。


    wikipediaによれば、博士課程で2008年に米国に留学し、20098月にはstapの論文をNatureに投稿したということですから、研究の最も重要な部分は留学先で完成されていたもので、彼女は単に実験をしただけ、とも言えるかも知れません。また、3/11震災のために米国の就労ビザがいつ得られるか分からない不安で、理研に就職したとのことですから、Stapへの思い入れは強く、やった!の気持ちは、物凄く大きかったでしょう。発見の重要さからは、イントロの文章や画像やなどは、どうでもよいことだったでしょう。


    経験のない彼女を支えるべきは、周りでなければなりません。組織でなければなりません。


    彼女を理研の発生・再生科学総合研究センターに呼んだ若山照彦(46)現山梨大教授、外部の資金も含め約40億円を超える予算を使って、多数の研究チームを抱える同センターの笹井芳樹副センター長(51)や、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った世界初の臨床研究を進める高橋政代(52)プロジェクトリーダーらが、僅か30歳の研究者を支えねばなりません。


    問題になっている論文は

    Nature (Article) 505, 641647, 2014

    Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency

    Haruko Obokata, TeruhikoWakayama, Yoshiki Sasai, Koji Kojima, Martin P. Vacanti, Hitoshi Niwa, Masayuki Yamato & Charles A. Vacanti


    Nature (Letter) 505, 676680, 2014

    Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency

    Haruko Obokata, Yoshiki Sasai, Hitoshi Niwa, Mitsutaka Kadota, Munazah Andrabi, Nozomu Takata, Mikiko Tokoro, Yukari Terashita, Shigenobu Yonemura, Charles A. Vacanti & Teruhiko Wakayama


    で、articleは8人、Letter11人の共著です。名前を連ねるとは、すべてに関して、筆頭著者と同じ責任を負うということです。研究の本質に貢献できない共著らは、文章のチェックくらい、すべきです。発表後一月もせずに部外者ができるくらいの画像チェックくらいすべきだったでしょう。


    ーーーー

    (参考文献)


    1)

    STAP論文:「切り張りダメとは…」小保方さん謝罪

    毎日新聞 20140315日 0820分(最終更新 0315日 1245分)

    http://mainichi.jp/select/news/20140315k0000m040154000c.html


     やってはいけないという認識がなかった−−。英科学誌ネイチャー誌に「STAP細胞」の作製成功を発表した小保方(おぼかた)晴子さん(30)らの論文で、改ざんとの認定にいたったDNA画像の切り張りについて、理化学研究所の調査委員会にそう答えていた。「学問の世界でやってはならない」という行為を疑問視していなかった姿勢に、理研幹部は「あるべきことでないことが起こった」と漏らした。


     DNA画像の切り張りについて、小保方さんは「やってはいけないという認識がなかった」と話したといい、調査委の石井俊輔委員長は「抵抗がなかったのか倫理観を学ぶ機会がなかったのか。コメントするのは適切ではない」と語った。


     理研によると、今月上旬に論文撤回を提案されると、うなずきながら小声で「はい」と答え、精神的10+件にも疲れ反省しているという。理研は調査終了時に小保方さんらに弁明の機会を設ける方針。


     「似たようなことが起こっているのであれば、時代のなせる業、カルチャーが変わったなと非常に心配している」。ノーベル賞受賞者として研究の厳しさを知る野依理事長は険しい表情で述べた。


    2)

    疑惑の小保方氏「24時間監視下」に
    東スポ web 20140316 09

    http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/245124/


    理化学研究所の野依良治理事長(75)らが14日、都内で記者会見し、小保方晴子研究ユニットリーダー(30)については「未熟な研究者のデータの取り扱いが極めてずさんだった」と断罪。


    小保方氏は精神的にかなり参っており、「万が一(自傷行為等)が起こらないように理研の関係者が常に小保方氏を見張っています」と、事情を知る関係者は話している。


     竹市雅俊同センター長が「本人が研究を続ける精神状態になく、研究室に来ないので停止状態になっている」と話す通り、厳しい状況にある。


     理研の事情を知る関係者は「理研の人間が小保方氏に常時、張り付いています。逃亡や証拠隠滅を防ぐためでもありますが、今、小保方氏は精神的にかなり不安定になっている。万が一がないように監視しているということです」と、理研が“見張り役”をつける特別対応を取っていることを本紙に明かした。


      これまで調査委は小保方氏に3回のヒアリング(聞き取り調査)を行っている。2月20日に調査委の石井俊輔委員長が直接会い、同28日、3月1日はテレビ会議で聞き取り。石井氏は「1回目は非常にクールな対応で的確だった。2回目も緊張しながらも冷静だった。そのときにたくさんの資料提供を求めたこともあり、3回目はお疲れというか、ヒアリングの内容が伝わりづらかった」と振り返る。


    聞き取りに対する小保方氏の返答も驚くべきものだった。継続調査となった論文データを切り貼りしている疑惑について、小保方氏は「やってはいけないとの認識がなかった」と、研究者として倫理観が欠如していることを告白。他人の論文を盗用した疑惑については「自分で書いたが、どこから取ってきたか覚えてない」と記憶すらはっきりしないという。


     数々の疑惑が持ち上がったため、竹市氏から論文の撤回を提案されると、小保方氏は「相当、心身を消耗した状態で、うなずく感じだった」(竹市氏)とかなり参っていたともいう。


     精神状態の不安定さを示すように14日、米紙「ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)」に対し、小保方氏は理研に許可を取らずにメールを送っていたことも判明。WSJによると、小保方氏は早稲田大学に提出した博士論文の無断引用疑惑について「現在、マスコミに流れている博士論文は審査に合格したものではなく下書き段階のものが製本され残ってしまっている」とメールで回答したという。


     会見で小保方氏の独断を知った川合真紀理事(研究担当)は「発言の自由を妨げることはできないが、調査中ということもあり、今はお答えしないでいただきたい」と不快感を表明。理研が入手している博士論文は「早稲田から直接入手しているので正本です。調査委員会も正本でやっています」(同理事)と、下書きという主張に首をかしげた。

     これまで理研は「(STAP細胞作製の)根幹は揺るがない」としていたが、この日は「調査前の楽観的な見方だった」(川合理事)と打ち消した。



    3)
    小保方さん、理研入り転機は震災 STAP細胞作製

    神戸新聞 NEXT 2014/1/31 07:40

    http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201401/0006674818.shtml


    4)

    2013070420:00 「仮説はいつも打ち砕かれる、研究の日々ーーー「フェルミ準位のピン止め」をEUPSで見る試みで泥沼に」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52117120.html

    サイダー>今日の夜中に伊予灘で大きな地震がありましたね。調べてみたら大体同じ場所で1905年にM72001年にM6.7の地震があったようです。どちらもスラブ内地震だったらしいですが、今日の地震も過去の二つの地震と同じような地震なのでしょうか?


    ーーーーー

    3/14日2時6分に伊予灘を震源とするM6.2の地震が起き、最大深度5強の揺れが、愛媛西予市で観測されました。20人程度のけが人が出た程度で、大した被害は出なかったようです。(文献1)

    震源は80kmと深く、南海トラフ地震とは関係がない、と言えます。


    地震調査研究推進本部の資料(試料2)によれば、安芸灘~伊予灘~豊後水道のプレート内地震は、1649年,1686年,1854年, 1857年, 1905年, 2001年に起きており、400年に6回起きていることから平均発生間隔67年、と計算しています。


    資料では深さは40-60kmとされており、今回はそれより深いですが、より内陸で起きたためであり、プレート境界ではあるようです。


    安芸灘から日向灘にかけての震央分布の断面図と、プレート境界面の推定深線図(文献2)を示します。80km位から急激に深くなっている様です。

    安芸灘、日向灘の震央深さ分布
    フィリピンプレート境界面の深さ


    10年以内の発生確率が10%程度、とされていましたが、それまでの5回の地震の規模はM7.07.27.47.37.2だったのに2001年はM6.7だったので、エネルギーが残っていて、近いうちに発生する可能性があると考える(文献3)のが適当でした。50%程度、としておけば、さすが地震調査委員会!と感心されていたでしょう。


    ーーーーー

    (参考文献)

    1)

    伊予灘の地震、6県で19人けが 愛媛や広島で断水

    20143141211

    http://www.asahi.com/articles/ASG3G3D72G3GPTIL00M.html?iref=comtop_list_nat_n03


    2)
    日向灘および南西諸島海溝周辺の地震活動の長期評価について

    平成16227    地震調査研究推進本部

    http://www.jishin.go.jp/main/chousa/kaikou_pdf/hyuganada.pdf

    3)

    最大深度6弱、家屋倒壊5万棟、西日本を襲った100年に1度の震災

    国土交通省河川局 2001年の自然災害

    http://www.mlit.go.jp/river/pamphlet_jirei/bousai/saigai/2001/frame008_009.html


    Yurara>モンモリロナイトはイオン交換性が高い、と習いました。

    イオン交換とは、モンモリロナイトが持つ交換性陽イオンは、反対符号(陰イオン)と交換する、と習いました。

    しかし、層間にあるいくつかの交換性陽イオンが他の陰イオンと交換して、そこの場所が陰イオンだらけになると、もともとの粘土鉱物としての構造は成り立たなくなってしまうので、これは陰イオンではなく、

    陽イオンと交換するのではないのかな?と思っていました。



    ーーーー

    クレイセラピを仕事にしておられるyuraraさんのご質問は、私の知らない世界のことで、勉強するのに大変時間がかかってしまい、お答えが遅くなりました。以下、wikipediaなどにある説明を紹介しますが、全く知らかったことを勉強する良い機会になりました。


    勉強して理解する限り、Yuraraさんが正しい、と考えます。モンモリナイトは多くの陽イオンを持っていますが、それと置き換わるのは「陰」イオンではなく、別の「陽」イオンです。


    (クレイセラピ、粘土、粘土鉱物)

    ーーーー

    (クレイセラピ:yuraraさんに誘導された宣伝)

    ペルーに住む金剛インコは、粘土を食べて毒性のある実を食べることができ、古代エジプトでは死体をミイラ化するのに粘土を使い、古代ローマでも、怪我の治療や癒しの儀式に粘土が用いられた。
    19世紀にドイツの牧師は水に粘土を混ぜて様々な病気の治療を行った。
    世界大戦中、フランス軍の師団が蔓延する赤痢を粘土の内服で克服し、20世紀前半にはスイスやドイツで結核を粘土の湿布で治した。


    (クレイの主な使用例)

    1.    乾燥粉末状のクレイ:ボディパウダーとして使用し、汗やにおいを吸収する。傷や虫刺されの止血を行う。

    2.    ペースト:シップやパック、歯磨き

    3.    溶液:化粧水、クレイ風呂

    4.    オイル:手足のハンドクリームで、べたつかない使用感が特長

    5.    ジェル:固化作用で使用部位の保護。ひんやりとした使用感でスポーツ後のボディジェル


    (鉱物群と、鉱物と、粘土)

    粘土を構成する鉱物は、カオリナイト、イライト、クロライト、スメクタイト(smectite)などのグループに分類され、膨潤することが特徴のスメクタイト群には、モンモリロライト(Montmorillonite)、サポナイトなどがある。モンモリロライトを主成分として、石英、ゼオライト、長石、方解石などの鉱物を含む粘土がベントナイト(bentonite)。


    モンモリロライトは、1847年にフランス Montmorilonに産出した粘土にちなんだ命名で、ベントナイトは、1888米国ワイオミング州 Fort Bentonで発見されたことからの命名です。


    ーーーーー

    (モンモリロナイトの結晶構造)

    モンモリロナイトの結晶は、酸素原子4個で作る四面体(テトラポット)の中にSi原子が入った四面体のシート2枚と、その間に挟まった、酸素原子6個が作る八面体(ピラミッドを二つ重ねた形)の中心にAlがつつまれた八面体シートからなっている様です。三層の厚さは1nm弱とのことです(文献1)。

    モンモリロナイト


    酸素原子は2個の電子を欲しがるので、安定状態では、大きく負に帯電しているでしょう。ですから、隣り合う結晶層の間に、多くの陽イオンが取り込まれる(インターカレーション:層の間に分子が入ること)のでしょう。


    層間にNa+を持つのはNa型と呼ばれますが、その構造は、Na2Si24(Al10Mg2)O60(OH)12になります。


    イオン価数が大きいほど、イオン半径が大きいほど、より取り込まれやすく、その順番は無機イオンでは

    Li+<Na+<K+<Mg2+<Ca2+<Al2+<Fe3+<H+

    とのことです。(以上、文献2)


    無機イオンより分子量が大きい有機陽イオンは、より取り込まれやすい、と説明されています。これは、軽いイオンは容易に拡散して、いったん層間に取り込まれてもすぐに外に出ていくが、分子量が大きいと動きにくく、いったん取り込まれるとなかなか出ないため、と理解します。


    (モンモリロナイトの膨潤)

    層間の陽イオンに水分子が水和して、層間の体積が増え、膨潤する様です。


    汗やにおいを吸収する機構は、層間の陽イオンが、水分などを取り込むから、の様です。類似の性能を持つ物に活性炭がありますが、内部表面積は、活性炭と同等(文献2)とのことです。活性炭との違いは、炭は水となじまないですが、粘土は水に溶けることではないかと思います。


    まだ十分理解できておらず、誤解があるかもしれないことご容赦ください。


    (ベントナイトは8万トンが猫砂で)

    猫砂は、ベントナイト、とのことで、消費量は8万トン程度の様です(文献2)。

    尿を吸収したベントナイト粒子は互いに結びつき固化します。固化してくれるので、その部分を取り出して、尿を容易に除去できます。


    ーーーーー

    (参考文献)

    1)

    モンモリロナイト結晶と層間水の構成から観たベントナイトの自然含水比に関する一考察

    茨城大学小峯秀雄 47 回地盤工学研究発表会2012 7

    http://wwwgeo.civil.ibaraki.ac.jp/komine/mypapers/JGSPaper/2012/2012JGS154komine.pdf


    2)

    ベントナイトの特性とその応用

    鬼形正伸 ホージュン応用粘土研究所

    http://www.cssj2.org/seminar1/section23/text.html

    世界の大注目を浴びたSTAP細胞は、発表からひと月もたたずに、多くの疑念が語られ、ついに、共著者からも、撤回すべき、という声が出る(文献1)事態に発展しました。


    分子生物学会の理事長声明(文献2)にある通り、Nature論文には、単純ミスをはるかに超えた多くの作為的改変が見られ、多くの科学者の疑念を招いているので、撤回すべきでしょう。


    あまりにも単純な、見え見えの「作為」であることから、故意とは思えません。故意でなければ良いのではありません。人類に大きく貢献すると期待される、極めて重要な発見に関して、このような単純ミスをするということは、筆頭著者だけでなく連名者全員が、科学者として最も重要な資質を欠く、と考えさせてしまいます。


    リケ女のイメージを一新させる若い女性研究者が、iPS細胞を越えると思わせる画期的な細胞を見出した、という1/29のニュースは、全世界を駆け巡り、若者を、女性を、科学に目を向けさせた、科学分野にとってはとても喜ばしいニュースで、私も拍手喝采しました(文献3)。このような事態になったのは、私は、とても残念です。


    ーーーーー

    (参考文献)


    1)

    STAP論文撤回提案…共著教授「疑問点多い」

    20143110131  読売新聞)

    http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20140310-OYT1T00960.htm


    2)

    日本分子生物学会

    3 11 日、理事長声明。

    http://www.mbsj.jp/admins/statement/20140311_seimei.pdf

    データ自体に多くの瑕疵が有り、その結論が科学的事実に基づき、十分に担保されているものとは言えない。多くの作為的な改変は、単純なミスである可能性を遙かに超えており、多くの科学者の疑念を招いている。理研は、

    Nature 論文2報(Nature 505, 641-647, 2014; Nature 505, 676-680,2014)

    に関する生データの即時、かつ、全面的な開示、および、同論文に対しての迅速かつ適切な対応(撤回、再投稿などを含む)

    2 このように公正性が疑われるような事態を招いた原因に対する詳細な検証

    と報告

    を行うよう、望む。


    3)

    2014020813:03 「”巻き髪の美しすぎるリケジョ”小保方晴子さんの快挙。細胞が弱酸の刺激で初期化され万能細胞に。STAPと命名」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52139457.html

    2011年3月11日1416分の東日本太平洋沖巨大地震から丸三年になりました。死者、行方不明者約2万の方々に哀悼の意を表します。


    避難先からの帰還希望者が減っていると言うニュースがあり、悲しいです。故郷は懐かしくあっても、復興に長い年月が掛かると、新しい地での新しい生活を始めることになり、故郷に戻ることがだんだん難しくなってしまいます。是非とも、復興のスピードを上げて貰いたいものです。

    この一年は、東北に本拠地を置く、東北楽天イーグルスが日本シリーズを制し、田中将大投手が負け無し24連勝の大記録を打ち立て、ニューヨークヤンキースに移籍し、ソチオリンピックでは、避難所生活をし、「自分だけ好きなことやっちゃダメだと思って」、スケートをやめようとも思った羽生弓弦選手が男子フィギュアスケートで金メダルを取るなど、嬉しいことがありました。

    これらに元気づけられて、復興が加速することを希望します。


    過去2年、3/11の記事には、地震頻度の推移をまとめていますので、今年もデータを紹介します。順調に地震の頻度は減っています。

    地震頻度の推移140310

    世界的な研究成果を目指す「特定国立研究開発法人(仮称)」に理化学研究所と、わが産業技術総合研究所を指定することで、関係4閣僚が3/5に合意し、月内にも開く総合科学技術会議で正式に決め、内閣府などが関連法案を今国会に提出する。と言う段取りとのことです(文献1)。

    特定国立研究開発法人


    報道では、優れた研究者に高い給与を支払える、ことしか書かれていませんが、給与の多寡など、研究者にはどうでも良いことです。如何に良い研究環境であるかが最も重要です。内閣府のHPで見られる資料(文献2)に書かれている、制度改革の目的を読む限り、良い方向に進んでくれそうな期待があります。

    海外との比較


    37の研究法人の中で、常勤職員が3,000人程度であるのは、日本原子力研究開発機構(原研)、理化学研究所(理研)、産業技術総合研究所(産総研)、農業・食品産業技術総合研究機構です。特別に配慮する「特定」研究法人は、2-3に限定するという方針です。規模が大きいから当然とはいえ、私の属する産総研が指定される見込みであることは、喜ばしいことと考えて良いでしょう。

    独立行政法人


    研究機関の制度のことは殆ど知らない方が大半でしょうので、簡単に説明させていただきます。


    ーーーー

    公団の経営の透明化のとばっちりを受けて、国立研究所も、橋本行革で、公団と同じくくりの、独立行政法人にされてしまいました。我々労働組合の反対運動の成果で、当初は、公務員型でしたが、ほとぼりを置いて5年後には、非公務員型にされてしまいました。国家公務員上級試験を受け、国家公務員になったつもりだったのに、「国立」研究所ではなくなってしまいました。


    一番の問題は、独立行政法人化のそもそもの目的にありました。それは、有無を言わさず、予算を毎年5%減らす、と言う大方針でした。どんなに成果を上げようと、職員数と予算が減らされる、制度です。


    経常研究と呼ばれる、研究所独自の長期方針で使用できる予算がどんどん減らされ、基礎研究費ほとんどなくなりました。職員数も少しづつ減らされました。さらには、最初の数年は、「任期付き」であり、論文を多数書かないと、追い出されるので、落ち着いた研究は不可能になりました。2001年の独法化から数年は、それまでの国研時代の蓄積があったので、何とか絞り出せましたが、最近は、論文数が減っています。独法化が良いことだと考えたい人は、研究が基礎から応用に移ったからだと主張しますが、私は、研究所の最も重要な基礎研究が崩壊しつつあるからだと考えます。


    国研時代は、私のような、奔放な人間も許容してもらえました。私が今若手研究者であれば、大した研究ができない自信があります。


    契約職員が過半数になってしまった現在、彼らの将来性のために、昔の状況に戻すのは不可能ですが、国際競争力のある研究をするには、制度を大きく変更することが必要です。


    毎年5%予算を減らす、と言う絶対方針を適用しないこと、23年で右往左往する予算しかない現状を改め、総額は大きくなくて良いので、種を育む研究ができるようにすること、物品の選定発注の条件を緩和すること、複数年度会計にすること、などです。


    新たな研究開発法人制度が、どうなるか良く分かりませんが、年俸制や高い給与などつまらないことではなく、上に述べたことが実現できるよう、希望します。


    ーーーー

    (参考文献)

    1)

    研究開発法人に理研と産総研指定 4閣僚が合意

    日本経済新聞          2014/3/5 19:28

    http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0502F_V00C14A3EE8000/


    下村博文文部科学相や山本一太科学技術相ら4閣僚は5日、世界的な研究成果を目指す「特定国立研究開発法人(仮称)」に理化学研究所と産業技術総合研究所を指定することで合意した。月内にも開く総合科学技術会議で正式に決め、内閣府などが関連法案を今国会に提出する。


     新法人に指定されれば、優れた研究者に高い給与を支払える。2機関については、論文の引用数や特許数、国際性などをもとに国内を代表する研究機関で、世界最高水準の研究を実施できると判断された。


    2)

    資料1-2   成長戦略のための新たな研究開発法人制度について

    総合科学技術会議 > 平成25年度 総合科学技術会議(本会議)> 115

    http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu115/haihu-si115.html

    キャロライン・ケネディ駐日大使が3/6NHKのクローズアップ現代に出演しました(文献1)。NHKの関係者の情報として、経営委員の百田氏、会長の籾井氏の発言で、インタビューに難色を示されていたとの、東京新聞のスクープ(文献2)から、一月近く経って取材可、になったようです。


    キャスターの国谷さんの、安倍総理の靖国参拝の影響、沖縄辺野古への米軍の県内移転への沖縄県民の強い反対など、率直な質問のどれにも、ケネディ大使は柔らかに答え、さすがでした。難題をうまく処理してもらえそうな期待を持たせてくれました。


    NHKの番組でありながら、新会長の発言が日米関係を悪くしていると言われるが、など、の質問、スタッフと綿密に打ち合わせてとは思いますが、国谷さんの声であるように、聞こえました。


    このインタビューを見て、私が特に感じたのは、国谷さんの英語でした。Wikipediaによれば、“1981年から、NHKニュースの英語の同時通訳を務めたのを機に、報道の世界”と言うことですから、英語が上手なのは当然で、発音が上手なのはさりながら、単語が、文章が、とても上品でした。


    中曽根内閣の懐刀と言われた後藤田正晴さんが国谷さんの大ファンだったと読んだことがありますが、国谷裕子さんが、教養のある魅力的な人であることに改めて気づかされました。



    ーーーー

    (参考文献)

    1)

    日米関係はどこへ ~ケネディ駐日大使に聞く~

    NHK   クローズアップ現代

    http://www.nhk.or.jp/gendai/yotei/index_yotei_3473.html

    2)

    米大使館、NHK取材に難色 百田氏の発言理由に

    東京新聞   2014214 2147

    http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014021401002679.html


    NHKがキャロライン・ケネディ駐日米大使のインタビュー取材を米国大使館(東京都港区)に申し込み、調整を進めていたところ、経営委員を務める作家百田尚樹氏の東京裁判や南京大虐殺をめぐる発言を理由に大使館側から難色を示されていたことが14日、複数の関係者の話で分かった。


     NHK広報部は「取材・制作の過程に関わることについては回答を差し控える」とコメント。米国大使館は「大使のスケジュールはお話ししないことになっている」としている。


     NHKの最高意思決定機関である経営委員会委員の発言の影響が、報道の現場に及んでいることが明らかになったのは初めて。

    見なくても良い、見てはいけない「過剰診断」の代表として取り上げられる、韓国女性の甲状腺がんについて、罹患率と死亡率の推移のデータを示しました(文献1)が、その図では、死亡者数が少なくて、どの程度に変動がないのか、よくわからなかったので、数値データを探しました。


    乳がん検診が導入されたのが2001年で、乳がん検診と一緒に手軽に検診出来るため、2001年から罹患率が増大していますが、2005年~2010年の、罹患者数と死亡者数のデータが見つかりました(文献2-6)ので、図示します。


    2005年から2010年にかけて、女性の甲状腺がん罹患者数は1万人から3万人に、3倍に増えましたが、女性の死亡者数は、240人前後で一定です。

    韓国女性の甲状腺がんの罹患者数と死亡数の推移


    死亡者数が最も多い三つのがんについても経緯を図示します。罹患者数が増えていますが、ごくわずかです。

    韓国女性の胃がん肺がん大腸がんの罹患者数と死亡数の推移

    次に、罹患者数と死亡者数の比の推移を示します。

    甲状腺がんの死亡率はとても小さいので、他のがんと合わせるため、30倍にしてあります。

    韓国女性のがんの罹患者数と死亡数の比の推移

    他の三つのがんも死亡する割合が少し減っています。これは、医療技術の進歩によるものかも知れません。


    甲状腺がんの比率の低下は極めて顕著です。「見なくてもよい」しこりを見る「過剰診断」により、罹患者数が増えただけ、と言うことが明確です。


    韓国では、しこりが見つかるとほぼ全員が手術をするそうですが、死亡したかも知れない人が早期発見で、死ななくなっていれば、少しはご利益はあります。しかし、2005-2010年の間、死亡者数は全く変化がありません。


    がんでは5年生存率、が良く用いられます。見つかってから5年くらいで死亡が始まるということでしょう。韓国の甲状腺検診ブームが始まってから10年も経っても、死亡者数に全く変化がないですから、効果ゼロです。町医者をもうけさせるだけの、全くの無駄な検診です。

    ーーーー

    (参考文献)

    1)

    20130619日「『過剰診断がん』。見つけなくても良い、見てはいけない、がんーー36%もの子どもの甲状腺にしこりを見つける検査法は、スクリーニングにならず、無意味」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52115357.html


    2)

    Cancer Statistics in Korea: Incidence, Mortality and Survival in 2005

    Kyu-Won Jung,et al.;

    J Korean Med Sci. Dec 2009; 24(6): 995–1003.

    Published online Nov 7, 2009.

    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2775885/


    3)

    Kyu-Won Jung,et al.;Cancer Statistics in Korea: Incidence, Mortality and Survival in 2006-2007

    J Korean Med Sci. Aug 2010; 25(8): 1113–1121.

    Published online Jul 21, 2010

    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2908777/


    4)

    Kyu-Won Jung,et al.;Cancer Statistics in Korea: Incidence, Mortality, Survival, and Prevalence in 2008

    Cancer Res Treat. Mar 2011; 43(1): 1–11.

    Published online Mar 31, 2011

    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3072529/


    5)

    Kyu-Won Jung,et al.;Cancer Statistics in Korea: Incidence, Mortality, Survival, and Prevalence in 2009

    Cancer Res Treat. Mar 2012; 44(1): 11–24.

    Published online Mar 31, 2012.

    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3322196/


    6)

    Kyu-Won Jung,et al.;Cancer Statistics in Korea: Incidence, Mortality, Survival and Prevalence in 2010

    Cancer Res Treat. Mar 2013; 45(1): 1–14.

    Published online Mar 31, 2013.

    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3629358/pdf/crt-45-1.pdf

    琴乃>去年、最近もなんですが、各地で深海魚が相次いで定置網に捕獲されてますが、地震と関係あるのでしょうか?

    >先日、室戸沖でサケガシラが4回の漁で81匹かかったみたいです。ほかにも新潟でダイオウイカや別のところではリュウグウノツカイが定置網にかかっているみたいなのですが、

    >海底で異変が起こっているのでしょうか。

    >漁師の方達も地震を懸念しているみたいです。

     

    ーーーー

    以下で説明するように、リュウグウノツカイの発見が本当に珍しいことなのか、疑わしいですが、実際に、「深海」で何か起きているとしても、地震とは、無関係、です。

     

    理由は、地震の「巣」での熱変化があったとして、それが、地球表面に伝わるのに、千万年程度かかる(文献1)からです。地震の「巣」は浅くても10km程度ですが、熱伝導はとても遅く、10kmの地中を温度が伝わるのに千万年ほどかかります(文献2)。

     

    海水は対流するのでより早く変化が起きますが、「深層水」が、赤道から極まで流れるのに、1000年かかる遅さと言われています。この深層水の深さはせいぜい数百mではないかと思いますが、たとえ数kmの深さを流れるとしても、海底の温度変化が「深海魚」が住む深さ100-500mに伝わるのに、1000年程度はかかるということであり、マグマの上昇の前兆にすら、なりえません。

     

    ーーーー

    (ニュースの内容)

    今年の2月に、京丹後の琴引浜(文献3)と、山口の萩(文献4)で、体長が1・6メートルから最長で2メートルのサケガシラ6匹が定置網にかかったというニュースですが、琴乃さんのコメントにもある通り、昨年夏にも、4回の漁で計81匹がかかっています(文献5)。

     

    通常は年に1回ぐらい、数匹かかる程度だから、生息する水深200-500mで、何かが起きているに違いない、と騒いでいます(文献6)

     

    ーーー

    (本当に珍しいことか?深海魚の大半を占めるワニトカゲギスとハダカイワシはどうした?)

    Wikipediaによれば、サケガシラは、条鰭(じょうき)綱、アカマンボウ目サケガシラ科、リュウグウノツカイは、同じくアカマンボウ目、リュウグウノツカイ科、ダイオウイカは、頭足綱、開眼目、ダイオウイカ科、とのことです。

     

    そして、中深層(水深200-1000m)遊泳性魚類の大半を、条鰭(じょうき)綱のワニトカゲギス目と、ハダカイワシ目の650種の魚が、占めている、とのことです。ですから、深海で何かが起きていれば、大半の魚である、ワニトカゲギス目と、ハダカイワシ目に異常がなければなりません。

     

    ワニトカゲギス目の体型は一般に細長く、体長は10cm前後の小型種が多く、最大でも50cm程度、ハダカイワシは、体長は数cm20cmということで、小さいので、見つかっていないだけ、と言う可能性はあります。

     

    ただし、2010年にもリュウグウノツカイが見つかった、と騒いでいました(文献6)から、本当に珍しいことなのか、大いに疑問です。インパクトの強い外見だから騒いでいるだけの可能性が高いです。

     

    ーーーー

    (リュウグウノツカイは古くから文献に登場)

    wikipediaによると(文献7)、最大11m 体重272kgのリュウグウノツカイが見つかっており、インパクトの強い外見から、世界各地の巨大生物伝説のもとになっていると考えられているそうです。

     

    リュウグウノツカイ

    古今著聞集、甲子夜話、などに登場する人魚の特長はリュウグウノツカイの特長と一致し、日本海沿岸に人魚伝説が多く、富山県では、冬にしばしば定置網にかかる、とのことです。

     

    (なぜ、日本海で多く見つかる?)

    深海魚も餌を食べないと生きていけません。生物は、太陽のエネルギーをもらってしか生きていけませんので、暗闇の中では生きられません。

     

    青い光の水の中の吸収長は30mです(文献8)から、海水と真水の吸収長が同じとすると、水深200mでの光の強度が地上の1/1000程度になり、かろうじて光合成ができ、生物が住むことができます。それより深いところでは、浅いところの生物の死骸などが沈んだものを餌にすることになります。


    海底が深くなければ、海底にたまった餌を食べるプランクトンが舞い上がることもあるでしょう。また、陸地に近ければ、海の底でなくても、川から流れて来た餌が沈む途中で餌が豊富でしょう。

     

    深海魚が見つかっているのは、日本海が多いのは、狭く、陸地に近いことと、平均水深は1,752mですが、中央の大和堆の水深は約400mと浅いため、と思われます。

     

    ーーーー

    (海の深さ方向の構造:海流の深さは400mまで。”深層水”は、赤道から極への移動に1000年)

    海の深さ方向の構造を調べて見ました。

     

    海面付近には深さ方向に”水温変化の少ない”表層混合層があり、冬季には海面で海水が冷却され、また海上を吹く風によって上層と下層の水が活発にかき混ぜられるため、厚い表層混合層が形成され、夏季には、海面付近の海水が、日射により温められ、海面付近と下層の温度差が大きくなるため、表層混合層は薄くなる、とのことです(文献9)


    海水温の鉛直分布


    海水温に何らかの変化があるとすると、混合層でしか起きないでしょうが、日本海では浅く、深くなる冬で30m程度です。温度の変化がないので、低温が最適温度の深海魚が浅くまで上ってくることもあるでしょう。深海魚の発見が冬に多いのも、混合層が深くなるからと推測します。


    混合層の厚さ


    混合層の下は、深さ1km位までは水温が大きく変動し、温度躍層、と呼ばれます。1kmより深い「深層」では、水温は大きく変化しないようです(文献10)。

     

    海水温の鉛直分布-2

    深さ400mまでの海水は、風の摩擦抵抗で流れ、「海流」になります。

     

    温度躍層の下の中・深層水は、温度と塩分の濃度が違う密度差で、赤道から極まで1000年くらいかけて移動しているそうです。

     

    ーーーーー

    (参考文献)

    1)

    20131004日「酷暑は巨大地震の予兆?ーーーいいえ。気象と地震は無関係。熱伝導はとても遅いから。地下3mの温度は年中一定。震源の地下10kmに地表の熱が伝わるのに、千万年」
    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52126811.html


    2)

    2011年0306日「海の青と、空の青と夕焼けの赤」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51925136.html

     

    3)

    深海魚サケガシラ6匹が網に、環境の変化? 山口・萩

    朝日新聞デジタル 20142202149

    http://www.asahi.com/articles/photo/AS20140220004053.html

    山口県萩市沖の日本海で20日未明、深海魚サケガシラ6匹が定置網にかかった。リュウグウノツカイの仲間で、体長は1・6メートルから最長で2メートルあった。

     太刀魚を巨大にしたような細長い体で、銀白色の肌が所どころピンク色という特徴がある。通常は水深100~500メートルのぬるめの環境にいるらしい。

     昨年末から捕獲地点が南下しているという。萩博物館の担当者は「厳しい寒さで弱っているのかも」。昨夏の猛暑に続き、環境の変化に気をもむ毎日だ。

     

    4)

    京丹後・琴引浜に深海魚サケガシラ 発見者「海に変化?」

    京都新聞 222()1229分配信

    http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20140222000059

     

    5)

    「ギョギョ!」リュウグウノツカイ、サケガシラ 室戸沖で深海魚多数かかる 大地震の前触れ!?

    2013.9.4 07:50 1/2ページ)[東南海・南海地震]

    http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130904/wlf13090407550000-n1.htm

    高知県の室戸岬沖の定置網で、7月と8月に多くの深海魚が捕獲された。専門家によると夏に深海魚が見つかるのは珍しく、地元漁師らも異変に首をかしげている。

     室戸市に拠点があるNPO法人によると、捕獲された深海魚は、赤い背びれと鮮やかな銀色の長い体が特徴のリュウグウノツカイ(竜宮の使い)や、目が大きく、タチウオに似た形のサケガシラなど。

     いずれも室戸市の地元漁師が深さ約70メートル付近に仕掛けた定置網で、4回の漁で計81匹がかかった。NPO法人が調査し、カウントしている。通常は年に1回ぐらい、数匹かかる程度という。

     神奈川県立生命の星・地球博物館の瀬能宏専門学芸員(魚類分類学)は「風の向きや強さ、潮の流れが変化し、深層から海流が湧き上がったためでは」と推測する。しかし、夏場は太陽光で温められた軽い表層の海水と、冷たく重い深層の海水との間で循環が起きにくく、深海魚は浅い所に来ないのが普通という。

    リュウグウノツカイをめぐっては、日本海側の福井県、越前海岸の米ノ海水浴場(同県越前町)でも8月に見つかっている。

     越前松島水族館(同県坂井市)によると、同月6日に海水浴に来ていた岐阜県多治見市の中学2年、加納有沙さん(13)が、深さ1メートルほどの海中に浮いている死骸を発見。福井県に住む親戚を通じて同館に連絡した。

     リュウグウノツカイは水深200メートル以上の深海でも生息していることが知られている。長く伸びた赤い背びれと鮮やかな銀色の体が特徴だが、詳しい生態は分かっていない。3~5メートルほどの体長のものが多いが、今回見つかったのは約1・2メートルと小さい個体。リュウグウノツカイ漂着は地震の前触れとの言い伝えもある。

     

    6)

    「竜宮からの使者」たびたび漂着 日本海側 深まる謎

    朝日新聞 デジタル    2010221859

    http://www.asahi.com/eco/OSK201002160034.html

    年に1、2匹が見つかるかどうかの長大な深海魚、リュウグウノツカイが昨秋以降、日本海沿岸に相次いで漂着している。各地の水族館や水産センターが確認しただけで少なくとも19匹。生態はほとんどわかっておらず、昔から「大漁の吉兆」「地震の前触れ」などと各地で言い伝えがある。今季に限ってなぜなのか。謎は深まるばかりだ。

     

     「長年、水族館に勤務してますが本物を見たのは初めて。大きさに驚きました」。福井県坂井市、越前松島水族館の笹井清二飼育員(38)が3日の出来事を振り返る。

     福井新港で釣りをしていた男性から「リュウグウノツカイがいる」と連絡を受け、駆けつけると、長さ3.61メートルの魚が消波ブロックに引っかかって死んでいた。メスと思われる。1月31日にも近くの海岸に漂着しており、「珍魚が続けて見つかるなんて」と笹井さんは不思議がる。

     竜宮城からの使い、との言い伝えがあるリュウグウノツカイは硬骨魚類としては世界最長。細長く、大きいものでは10メートルほどになる。世界中の外洋の水深200メートル以上に生息するとみられる。

     各地の水族館や水産センターによると、昨年11月20日に松江市沖で弱って漂っていた4.3メートルのリュウグウノツカイを釣り人が引き揚げて以来、石川県や富山県を中心に少なくとも8府県で19匹。確認していないものの、見たという報告を含めると40匹近く。ほとんどが発見時にすでに死んでいたり、発見直後に死んだりしている。

     それにしても、なぜ、今季に限って相次ぐのか。

     越前松島水族館の稲木明浩副館長は「遊泳力の弱い魚なので、荒れた冬の日本海で海水がかき回されたせいだろうか」と話す。だが、日本海が荒れるのは今年に限った話ではない。

     深海魚に詳しい尼岡邦夫・北海道大名誉教授は「元々暖流域にすむ魚。日本海では最近、今まで取れなかった南の魚が水揚げされるなどの報告が多い。海水温の上昇と関係があるのかも」と推測する。

     千葉県立中央博物館の宮正樹・上席研究員は「そもそも、どこで産卵し、どう成長するのかも分からない。なぜ、これほど見つかるのか理由を特定するのは難しい」と話している。(浅見和生)

     

    7)

    リュウグウノツカイ

    wikipedia

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%82%B0%E3%82%A6%E3%83%8E%E3%83%84%E3%82%AB%E3%82%A4

     

    8)

    20110306日「海の青と、空の青と夕焼けの赤

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51925136.html

     

    9)

    表面混合層

    気象庁>気象等の知識 > 海洋 > 海水温・海流の知識 http://www.data.kishou.go.jp/kaiyou/db/kaikyo/knowledge/mixedlayer.html

     

    10)

    第11回海洋の構造と循環

    名古屋工業大学 張研究室 地球科学

    http://www.cm.nitech.ac.jp/cho/earth_science/Lesson-11.pdf

    武尊43>がんは歳をとらないとなれない病気?じゃあ甲状腺癌以外の小児がん(白血病、脳腫瘍、骨癌等)は何?罹患して145歳で死ぬ子が多いの何故?30才前後で癌になると、死ぬの早いですよ。下手すれば、分かってから半年で死亡します。

    ーーーー

    そうですね。殆どの人には理解が難しい表現でした。


    本ブログでは、1年半前に、公開講座の最終講義で「がんになったら、おめでとう、良く長生きしました、と言って良いでしょう」と話しました。長生きするから、死因ががんになることを考えると、全くの冗談でもありません。と書いています(文献1)。

    また、二年前に、がんの進行は老人ほど早いこと(文献2-4)、人間の子供ほど丈夫な動物はないこと(文献5)、も、説明しています。

    詳しく説明するため、文献5と重複しますが、2012年の、死因別の死亡率の年齢依存のデータ(文献6から)を紹介します。


    ーーーー

    まず、24歳以下の、死因別死亡率を示します。

    14歳以下の死因


    生まれた直後の、淘汰の時期を過ぎた子供は、ほとんど死にません。5-14歳の全死因死亡率は、10万人当たり10人=1万人に一人程度ですから、年をとってもその死亡率が続くなら(=永久に14歳以下の体にとどまっていれば)、5,000年後も、半数が生きている計算になります。

     

    10代の、がんによる死亡率は10万人当たりわずか二人ですので、他の死因がなければ、2.5万年も生きることになります。

    子供の死因の最大は、交通事故を含む不慮の事故です。そして、15歳以上では、自殺が最大の死因です。

     

    ーーーー

    「死亡率が1万人に一人であれば、寿命が5,000年」、と言う計算に、納得いかない人がいるかもしれませんので、数式を使って、詳しく説明します。

     

    死亡率が1万人に一人と言うのは、1万人の集団は、翌年の生存者が9999人になるということです。

     

    生存者は毎年0.9999に減ります。二年後には0.9999x0.9999に、3年後には0.9999x0.9999x0.9999になり、N年後には(0.9999)^Nになります。

     

    生存者が半分になる年数(半減期)が寿命ですので、(0.9999)^N=0.5になるNが寿命、です。N=log 0.5/log 0.9999 = 0.301/4.34E-5 =6,930ですから、正確には6,930年ですが、その程度の誤差を無視すると、死亡率が1万人に一人であれば、生存者が半分になる年数(寿命)は5,000年、です。

     

    実際の寿命80歳程度と全くかけ離れているじゃない!荒唐無稽なことを言うな!と叫ぶ人がいるかも知れません。実際の寿命がはるかに短いのは、”死亡率1万人に一人”は10代の時だけで、年齢を重ねるにつれ、死亡率が急激に増えるからです。

     

    寿命は、死亡率が極めて低い時の死亡率は全く無関係です。1万人に一人と、とても小さい若者の死亡率が10倍の千人に一人、になっても、寿命はほとんど変わりません。死亡率が大きくなってからの、つまり、70歳以上の死亡率が、寿命を決めます。統計に表れる寿命は、高齢者の死亡率が減らないと、延びないのです。

       

    何事につけ、一番速度の遅い過程(ボトルネック)で、全体の速度が決まります。ボトルネックは何か、見つけ、その対策に全力を注ぐことが、コストパフォーマンスを高くする秘訣です。


    ーーーー
    次に、40歳以上の、死因別死亡率を示します。

    40歳以上の死因


    40-44歳のがんによる死亡率は10万人当たり30人で、他の死因がゼロならば、3千年も生きることになります。50-54歳では114人、70-74歳で690人、80-84歳で1,400人と、年齢とともに、がんによる死亡率が急増します。

    80-84歳の人は、他の要因がなくても、平均35年で、がんで死にます。

     

    脳血管疾患は、もう少し急激に増え、肺炎と老衰の死亡率は、がんよりはるかに急激に、年齢とともに増えます。

     

    尚、80-84歳の全死因での死亡率は10万人当たりで4842人なので、80歳の人は、10年で半数の方がなくなる割合ですが、5年後の85歳になると、85-89歳の全死因死亡率は倍の8500人程度になるので、計5+2.5=7.5年で、半数になる計算です。見聞きする余命、実感する余命に近くなります。

     

    5-14歳の時の死亡率で計算される、余命5千年、は荒唐無稽と感じた人が大半でしょうが、真実です。実際に100歳まで生きるのが難しいのは、年齢とともに死亡率が急増してしまうからです。

     

     

    子供は弱い、と、紋切り型の言葉をよく耳にします。確かに、極めて貧しく飢餓状態で衛生環境が酷い地域、では正しいですが、日本では、間違いです。日本でも、暴力などの不慮の事故や、自殺などの精神的な病に対しては、そういう面もあるでしょうが、体の病気に対して、子供は極めて強いです。がんや、肺炎や、あらゆる病気に対して、10代以上に強い世代はありません。10代の体のままでいられれば、数千年も生きてしまうのです。地球としてはそれも困るので、年齢を重ねると急激に死亡率が増えるようになっているのでしょう。


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    40歳未満の死因の中でがん死が占める割合は20%以下ですし、そもそも全死因死亡率が極めて低く、何千年も待たないと死なないので、若くして、がんで死ぬのは、ごくごく特別な人です。

    しかし、長生きすれば、急激に死亡率が高くなりますし、がん死の占める割合も、50-74歳では40%を越えます。

    ”がんで死ぬには、長生きしなければならない”は、アフガニスタンなどの短寿命国との比較で、正しいです。日本では、若くして死ぬことが殆どなく、また、がん死の割合も少ないので、”若くして、がんで死ぬのは、ごくごく特別な人”、が、より正確でしょうか。


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    (参考文献)

    1)

    20120912日「甲状腺がんの死亡率が他のがんより二桁も低いのは、がんが食物の取り込みで発生するから?」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52079910.html


    2)

    20120211日「若いとがんの進行が早い、という都市伝説は、間違いだろう(一部訂正)」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52040128.html


    3)

    20120211日「大腸がんでは、全発がん者の10%以下の40歳未満の若年者で、腫瘍の発育が若干早いようだ」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52040234.html


    4)

    20120212日「若い人に「がん」が少なく、高齢者に発生頻度が増えるのは何故か?若い人のがんの進行が早いと言われているのは、本当か?ーー順天堂大学の答え」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52040359.html


    5)

    20120606日「人間の子供くらい丈夫な動物はないーー死因別死亡数の年齢依存」

    http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52063534.html


    6)

    人口動態統計年報 主要統計表(最新データ、年次推移)

    厚生労働省 平成23121

    http://www.stat.go.jp/data/nenkan/zuhyou/

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