本ブログでは、見つけなくてもよい、そして見てはいけない「過剰診断がん」がある(文献1)ことを紹介し、「チェルノブイリ事故後の小児甲状腺がんの急増は、“過剰診断“に過ぎなかった」ことを説明(文献2)しています。
その典型として、整形大国である韓国で、過剰診断の甲状腺検診ブームになっている(文献3)ことを紹介しています。
私自身の解析結果として、韓国女性は、罹患率は異常に増加しているが、死亡者数に全く変化がないことを紹介(文献4)しています。大量の手術にも拘わらず、発がんの可能性のあるひとは減っていないのです。百害あって一利なし、はこのことです。
このブログ記事を引用された方のブログ(文献5)を見たところ、韓国の中央日報が、社説で、「過剰診断・手術防ぐべき」と主張している(文献6)ことを知りました。
「最も大きな問題は、「過剰診断」と「過剰手術」が患者に不必要な身体・心理負担を与えるという点。がんの手術は副作用も少なくないうえ、甲状腺を除去すれば生涯ホルモン剤を服用しなければならないという問題もある。がん診断自体も患者と家族に不安感と負担を与える。さらに「過剰医療」は国民の医療費負担にもつながる。2012年には24万人の甲状腺がん患者が約2500億ウォン(約240億円)の健康保険診療費を使ったという統計がこれをよく表している。
しかし、外科医師は悪性の未分化がんやリンパ腺転移のおそれがあるとし、早期診断と手術が必要だと反論している。
国家機関の健康保険審査評価院が十分な資料と医学的な根拠を確保し、甲状腺がんに対する診断・治療基準を新たに設定する必要がある。
治療が必要でない小さながんは健康保険の適用対象から除外することも考慮しなければならない。このすべての作業は患者の福祉と国民医療費の効率的使用という原則に基づいて進めなければならないだろう。」
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上の主張は全く、その通りです。
わが国でも、福島原発事故絡みで、全く同じことが起きています。韓国に続く、甲状腺「過剰診断」・「過剰手術」国になり、外科医がうはうは喜ぶようになるのでしょうか?
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(参考文献)
1)
「過剰診断がん」。見つけなくても良い、見てはいけない、がんーー36%もの子どもの甲状腺にしこりを見つける検査法は、スクリーニングにならず、無意味
http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52115357.html
2)
2014年02月26日08:00
チェルノブイリ事故後の小児甲状腺がんの急増は、“過剰診断“に過ぎなかった。甲状腺がんは罹患率で議論するのは危険
http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52141342.html
3)
2013年06月20日20:00
整形大国韓国では、甲状腺検診ブーム。がん保険と医療供給側の要望で普及ーー診断された人の100%が手術
http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52115524.html
4)
2013年06月19日08:00
「甲状腺検診ブームの韓国で、女性の罹患率の近年の異常な増加にも拘わらず、死亡者数に全く変化なし」
http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52142024.html
5)
「甲状腺がん特集」をぜひテレビで
杜の里から 2014年03月30日
http://blog.goo.ne.jp/osato512/e/d04678760f53f26d5c47c214ac3bf898
6)
【社説】甲状腺がん世界1位の韓国、過剰診断・手術防ぐべき
中央日報 2014年03月21日