いろいろな機会に提示される80km圏内の航空機モニタリングの測定結果の図(文献1)で見る様に、放射能汚染地域は、北西方向に伸び、福島原発から30kmを越える飯舘村の汚染が大きいです。

80km圏内空間線量率


これは、上空に舞う放射能は雨雲に取り込まれて降雨で地上に降下する(文献2)ので、当時の雲の動きが、現在の地表に沈着している放射能の分布を決めたことは、良く知られています。


放射能密度の分布は、もしも降雨がなければ、二次元の円筒状に拡散し(文献3)、拡散方程式 φ=∂2φ/r2 (1/r)∂φ/rの解であるexp(-x2/D) (ここで、xは、原発からの距離)になると考えられます。


そこで、2012年11月18日~20日に測定された、20km圏内50箇所のの空間線量率分布(文献4)を詳しく解析してみました。降雨の影響がない場所では、exp(-x2/D)の分布になっていました。


原発からの方向に依って、降雨の影響が大きく異なるので、6つの方向に分けて、距離依存を図示しました。
原発の南側(黒□)の距離依存は、exp(-x2/D)でフィッティングでき、等方拡散がハッキリ見える、と言えます。

20km圏内南方の空間線量率


北側では、西北西&西(青△)の距離依存は、exp(-x2/D)に比較的良くフィッティングできますが、北西方向(赤○)は、遠方になるほど放射能濃度が高くなると言う異常な分布です。雨雲によって遠方に運ばれたことがハッキリ見えています。

20km圏内北方の空間線量率



(参考文献)

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1)

文科省の平成24年9月28日の発表

①第5次航空機モニタリングの測定結果、及び

②福島第一原子力発電所から80km圏外の航空機モニタリングの測定結果について

http://radioactivity.mext.go.jp/ja/contents/7000/6289/24/203_0928.pdf


2)

20110326日「つくばでの放射線強度変化(2)ーー放射能の新たな大気放出は検出されず」

http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51934064.html


3)

20111205日「問題のBuesseler,K. らの論文はオリジナルデータがないだけでなく、解釈もでたらめーー朝日新聞(プロメテウスの罠)第3シリーズ(6)」

http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/52022687.html


4)

”東京電力株式会社福島第一原子力発電所の20km圏内の空間線量率測定結果(平成241118日~20日測定)”

http://radioactivity.mext.go.jp/ja/contents/7000/6505/24/197_1_1127.pdf