スーパーで買い物すると、野菜の高いのに驚きます。中国で2元、3元(数十円)でキューリ数本、ピーマン数個、ジャガイモ数個を買っていましたが、中国での半分くらいの小さなピーマンが三個で、なんと100円!

 

図1に、キャベツの東京中央卸売市場での小売価格の推移(文献1)を示します。12月中旬から急激に高くなり、年明けには昨年の2.5倍です。

キャベツ価格の推移


今冬は、他の野菜も軒並み高くなっています。生育時期だった昨秋に産地が長雨や台風に見舞われ、生産量が大幅に減っているためで、来月には価格は落ち着く様です(文献2)。

 

野菜が高いねと話した食事時、キャベツの巻きが悪いらしい、と言う話が出て、どう言う仕組みで巻くんだろう、なぜ巻くんだろう、と興味が出て、調べて見ました(文献3)。

キャベツ

 

キャベツ、ハクサイ、結球レタスなど、葉が巻いている野菜は、結球性蔬菜と呼ばれるそうです。

 

葉が巻くのは、光屈性による運動の様です。

光屈性は、オーキシンと呼ばれる、植物の成長(伸長成長)を促す作用を持つ植物ホルモンの一群によって行われるとのことです。下図は、その一つIAAの構造式です。


 

オーキシン分子構造

レタス、白菜を暗い所に置くと、葉が立ち上がり、葉による太陽光の遮ぎりの少ない葉の裏面(球の外側)の成長が葉の表面(球の内側)より大きくなって、丸まるとのことです。

 

光屈性

オーキシンの量が(伸長率で評価)、葉球では球の外側で多く内側で少ないこと、葉が広がる外葉では逆になって居ることが測定で確認されています。葉っぱの伸長率の分布

良い結球の形成には、葉数が増えること、葉が立つことが重要ですが、葉の生長点に花の芽ができると葉の数が増えないそうです。キャベツ、白菜では低温により花ができ、レタスでは高温日が多いと花成するようです。

昨秋は長雨や台風に見舞われて日照不足でしたから、オーキシンの生成量が少なくて、光屈性が十分起こらず、巻きが十分にならず、売り物になる結球が成長せず、生産量が減ったのでしょう。

 

下図にレタスの生育過程を示します。10日の「増分」が示されています。

 発芽から
4050日で結球が始まり、5060日で収穫期になる様です。先ず葉の数が増え、次に根が重くなり、球の肥大が盛んになり、収穫期近くには葉数の増大が次第に少なくなり、根は、発達が殆ど止まる様です。

 

レタスの生育過程

結球性蔬菜では葉の分化速度が速く、生育の最盛期(レタスの場合、発芽から40~60日)には、1日に1-2枚の葉の分化をする様です。新葉は球の内側にできる様です。

 

尚、光屈性は、1880年にダーウィン親子が記した「植物の運動」と言う本の中で紹介された古くから知られた植物の運動です。

 

イネ科植物が芽生え時に覆っている子葉鞘を使い、青色光が屈光性を引き起こすこと、光の受容部位は子葉鞘の先端に存在し,屈曲する部位は先端より下であることを紹介しているそうですが、光の入射方向に対応して植物等の成長方向が変化する性質が光屈性と呼ばれ、化学物質に反応して曲がる化学屈性、重力屈性、水分屈性と言う屈性があります(文献5)。

 

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参考文献

1)

 1.「キャベツ」の卸売数量と価格の推移 (29.3/1)

(東京都中央卸売市場)

http://vegetan.alic.go.jp/kakakugurafu/youkeisai.pdf

 

2)

白菜が650円…葉もの野菜高騰、来月には落ち着く?

20181130935

https://digital.asahi.com/articles/ASL1D46TXL1DULFA00Q.html?_requesturl=articles%2FASL1D46TXL1DULFA00Q.html&rm=247

 

3)

レタス,ハクサイはなぜ巻くか

加藤徹 高知大学農学部蔬菜園芸学教室

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/12/12/12_12_844/_pdf

 

4)

オーキシン

Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%B3