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オンラインゲームの描く新しい形とは!? 『PSO2』とゲーム版『SAO』の開発者による鼎談を掲載
電撃
『ファンタシースターオンライン2』の酒井智史プロデューサーと木村裕也ディレクター、ゲーム版『ソードアート・オンライン』の二見鷹介プロデューサーによる開発者スペシャル鼎談を実施した。鼎談は、お互いのタイトルの印象や、今後の展開についてトーク。さらに3人の“オンラインゲーム”に対する考え方やコミュニケーションの在り方など、さまざまな話題についてふれている。


PSアワードを受賞した感想はいかがでしたか?

二見:やはり、原作のパワーが今の時代に受け入れられているなという認識ですね。PSアワードは国内+アジアの売上で決まるそうで、『SAO』は海外展開がうまくいっていることもあってゴールドプライズをいただきました。


1作目の『SAO―インフィニティ・モーメント―』のころと現在では、『SAO』のゲームに対するユーザーさんの反応は変わりましたか?

二見:だいぶ変わりましたね。以前は、ノベル原作のゲームが骨太なRPGとして出ること自体が珍しいことで、ユーザーさんはそれを応援してくれました。ボクらもそれをモチベーションにして頑張っていたのですが、最近は求められるものがどんどん高くなっているんですよ。

『ニーア』や『FF』といったすごいシリーズタイトルと比較されるようになってきています。いきなりそんな頂上は無理ですから、もう少しゆっくりとステップアップさせてほしいですね。


その反応は、これまでいい作品を知っているユーザーさんの信頼の現れでもあると思います。

二見:皆さんの期待値が上がってきたのはうれしいことですけど、それと同時にプレッシャーだなと感じるようになりました。

木村:RPGというジャンルは、国内ではひとつ上に見られる傾向にあると思います。特に一度人気が出ると、求められるところがそのRPGという高いステージの視点からになってくるんじゃないでしょうか。

二見:確かに『FF』や『DQ』という数多の名作を生んできたジャンルであるからこそですね。ボクは参考のために『PSO2』をプレイしているのですが、基本プレイ無料であのボリュームはすごい。

 『SAO』と『PSO2』はコンシューマゲームとオンラインゲームという違いはあるものの、さまざまな形のRPGがあるなかで質や量が求められていると感じました。

木村:昨今のRPGに求められるボリュームが、100時間は当たり前って感じですからね。


二見:オフラインでもシリーズものって段々と売上が下がっていくものなんですが、『SAO』は毎回シリーズの売上を更新しています。現時点で『SAO HR』が国内で32万ぐらいですね。『SAO』を1本のゲームとして興味を持って、RPGとして買いたいと思うユーザーさんが増えています。ゲームをプレイした方が逆に原作を読んだりアニメを観たり、そういった広がりを感じます。

 ボクはアニメの製作委員会にも入っているので、原作やアニメに興味を持ってもらうにはどうしたらいいかは考えていて、それがちゃんとユーザーさんに伝わっているのがうれしいですね。

木村:新規ユーザーはどれくらいいるんですか?

二見:原作を知らない人が約3割ってところですね。

木村:そんなにいるってすごいことですよ。

二見:先ほども言ったとおり、シリーズを重ねていくとユーザーさんは減っていくことが多いと思います。そういったなかで新しい人が入ってくるというのは1本のゲームとして魅力を感じてくれているんだと思います。

木村:『PSO2』ももうすぐ5年目になるので、これ1本だけ遊ぶというのはありえないと思っています。ボクらもいろいろなゲームを遊んでいただいて、ふとしたきっかけでまた帰ってきてもらえればいい。そういうサイクルとして、ゲーム全体を好きになってもらったほうがゲーム業界としていいことだと思います。


木村:バンナムさんの昔からのスタイルですよね、IPを絶やさないという。『SAO』は原作が続いてますが、他のタイトルで原作に動きがない時でもつねに展開されている。

酒井セガは絶やしまくるから……。

二見:いやいや、名作ばかりじゃないですか。

木村:止まっちゃうから「あれは名作だった」で終わっちゃうんです。

二見:『ファンタシースター』はずっと続いているじゃないですか。

木村:それはほぼ毎年何かゲームを出していたおかげで、ゲームが途切れていたら間を埋めるものがなかったと思います。

二見:ボクはセガさんのゲームをよく遊ばせてもらっていて、『パンツァードラグーン』が好きで、なかでも『AZEL』がすごい好きでした。いつかああいう作品を作りたいんですよって酒井さんに話したら、それオレが作ってたよって(笑)。

ゲーム業界にはいい作品がいっぱいあって、ただそれがコンテンツとしてないと忘れられていってしまう。そういったものを思い出してほしいという気持ちがあって、『SAO』にはボクが昔の作品で思ったこと、やりたかったことを盛り込んでます。


それがよかったと言われたので、皆さんに興味を持ってもらえるような仕掛けは今後も入れたいと思っています。そして酒井さんには『パンツァードラグーン』の続編をぜひ。

(一同笑)

さまざまな形でメディア展開を続けるというのは、作品を存続させるひとつのあり方なんですね。


二見:メディア展開の仕方は今後も検討していきたいですね。ゲームに関して言えばコンシューマゲームとアプリで展開するビジネスサイクルを見直していきたいと思っています。


ユーザーさんは豪華なものを求めている反面、あまり長くは待ってくれないですよね。

二見本当にいいものを提供していきたいというのは、作り手として皆さんが思っていることです。一方で、コンシューマゲームはどんどんハイエンドになっていて、作るのが困難になってきている。その間、皆さんを満足させるものは何なのかを考えないといけない。

 昨日、『PSO2』で2B(※11)のコスチュームが欲しくてスクラッチを引いた時に思ったんですけど、衣装を作るのにもお金がかかるんですよね。今後、オフラインでどうやって開発費を回収しようかなって考えた時に、参考にしようと思いました。

※11:『NieR:Automata』の主人公ヨルハ二号B型のこと。『PSO2』ではコラボレーションで2Bや9S、2Aのコスチュームなどが登場した。

木村:それをパッケージタイトルでやるとけっこう反発があるかもしれませんね。

二見:いや、やります! 『PSO2』は無料での体験なので、次にいいものを作るためにもどこかしらで開発費を回収しなければいけないじゃないですか。ああいうのは今後、オフラインのゲームでも必須になってくるんじゃないかと考えてます。

 いいものはユーザーさんに還元したいし、新しいコンテンツを提供したい。だけどお金がない、開発費がとれない。ですので、これだったらお金を出してもいいよっていうものを提供できればと。


今は昔ほどDLCに対する抵抗感は少ないんじゃないですか?

二見:ボクが言うのも何ですけど、DLCじゃ無理です。継続的・計画的にユーザーさんがお金を出していただいて、遊んでいただけるのであれば続けられます。

木村:ゲームはどんどんハイスペックになっていくんですけど、ボクら開発のスキルはそんなに早くスペックアップしないので、いいものを作ろうとすると当然コストはかかります。ただ、ソフトの値段って昔とあまり変わらないじゃないですか。

 それに対して開発費だけがどんどん肥大化していくのが現状です。たくさん売ればいいと言っても限界があるので、ビジネススキームを変えていかなければいけないですね。


酒井ボクらも過去にいろいろと失敗しているんです。『ファンタシースターポータブル』シリーズのときはDLCで衣装を売っていましたが、値段を安くしすぎてDLCの開発費すら回収できなかった。たしか1着300円でした。買う側からすると「これくらいで欲しい」という価格にしたつもりでしたが、厳しかったですね。

二見:DLCを作るにもコストがかかりますからね。

酒井:一方で『PSU』をずっと運営してきて、このままでは厳しいなという時に無料化して、オプション課金という形でコスチュームのガチャを入れたんです。そうしたらそっちはそこそこ成功することができました。その経験があって、『PSO2』ではゲーム自体はできるだけ無料で遊んでもらうようにして、コスチュームのほうでお金をいただくというスキームにしました。


二見:うちは無料のアップデートもいろいろやっていますが、『SAO HR』以降は止めようと思ってます。


木村:でも1回無料でやっちゃうと、今度は何で無料じゃないんだって言われませんか?

二見:はい、だからすでに無料アップデートを配信している『SAO HR』が最後です。アップデートをやりすぎて開発は疲弊しているし、ユーザーさんからは叩かれる。「なんだこの運営は」って言われるんだけど、ボクらは運営じゃないですからね。『SAO』は疑似MMOですから。


武器の見た目が変わったり、DLCが入ったり、実際のオンラインゲーム並みだから勘違いするのもわかります。

二見:『PSO2』や『FFXIV』のようなオンラインゲームをニアイコールで体験させるというお話をしましたが、DLCに関しては『ウィッチャー3』に影響を受けました。『ウィッチャー3』では、新規のDLCコンテンツを入れる時にさまざまな技術検証しているんですよね。

 もちろん、ユーザーさんにおもしろい体験を提供したいというのもありますが、『SAO』を次に続けるためには、いろいろなことをやってノウハウをためたかったんです。何かしら新しいチャレンジをして、ユーザーさんの反応を見たうえで次のステップへ行きたい。

 オンライン対応もそういったことの一環です。今後、オンラインとどう向き合っていくのか、その方向性を決めて行こうと思っています。運営が続くオンラインゲームと違って『SAO』のいいところは、オフラインだから1回そこで切って次に反映できることです。そこは生かさないともったいない。


将来的にVRのMMOは出てくると思いますか?

二見:VRのオンラインゲームは出てくるんじゃないでしょうか。たぶん、そんなに遠くない未来に。『SAO』のようなフルダイブMMOとは違う体験になるとは思います。

 VRMMOという単語だけで言えば、ここ5年、10年の間に出てくるでしょう。ただ、それで凄い体験ができるか、『SAO』みたいなことができるかと言えば2022年にはできないと思いますね。

酒井:バンナムさんは今一生懸命VRやってるじゃないですか。

二見:そうですね。新宿にもできますし。でも、VRでMMOをやれと言われても大変じゃないかな。オンラインゲーム開発の経験が長い酒井さんたちのほうがそのハードルはわかると思います。


木村:今のVRインターフェースでも技術的には作れます。でも、最終的にビジネスにならないといけないわけで、そこが難しいところですね。VRインターフェースは売れてますが、PS4本体の普及率ほどではありません。プラットフォームが広がらないとビジネスとして成り立たないので、オンラインゲームがVR化するのはもっと先の話だと思います。

 ただ、オンラインゲームも最初から今の形だったわけではなく、ちょっとした対戦などから始まってそれが進化してきました。まずはアミューズメント施設を使った対戦だとか、そういったところから始めていくのがいいんじゃないでしょうか。

酒井:一番問題になるのは時間だと思うんですよ。オンラインゲームは時間のかかるゲームですが、今のVRだと長い時間はプレイできません。もっとVRがカジュアルになって、3D酔いなどが解消されないとVRMMOという形にするのは難しい。

『PSO2』なら、マイルームで寝そべっている自分のキャラを見るだけをVRにするくらいならすぐにできると思いますが。……これってけっこう需要あるんじゃないかな。

二見:VRは体感のあるコンテンツなので、コンシューマで長時間遊ぶタイトルが対応するにはまだ時間がかかりそうですね。

酒井:ぜひ、アーケードにやってほしいですね。昔、アーケードでできたことが今はほとんどコンシューマで遊べてしまう。VRはアーケードのような特殊な環境で、そこでしかできない体験が作れるものだと思います。

二見:体感機と言われたものがVRと一緒になって、もっと進化する可能性はあります。まあ、いずれVRで『SAO』を再現できればいいですね。あと、VRよりもAIがあるといいとかな。AIとVRが密接にかかわって仮想空間としてどうやって進化していくのか、その提案はしていきたいです。


『PSO2』ではオフラインイベントを毎年やっていますが、『SAO』でもユーザーを集めて何かしらイベントを企画しないのでしょうか?

二見:オフラインイベントはやりたいですね。今後、今年もしくは来年かわかりませんが、どこかしらでコンシューマの『SAO』オフラインイベントはやりたいなあと思っています。

 それがコンシューマだけなのか、アプリも含めてのイベントにするかはわかりませんが、『SAO』のゲーム主体でやれたらいいですね。ボクらもそこでユーザーさんにお会いして、お礼を言いたいです。


『SAO』も今年で5年目ですが、今後の予定を言える範囲でお聞かせください。

二見:ボクがかかわっている間は、ブレなく『SAO』のゲームを作るために邁進していきます。あと作ってないのが“ファントム・バレット編”と“アリシゼーション編”の2つくらいなので、残りの5年の間に頑張ります。

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SAOHRで無料アプデ辞めちゃうのか・・



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