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Nintendo Labo: VR Kitから見えてきた任天堂のVRに対する姿勢と未来

Nintendo Labo- VR Kit

かつて任天堂の宮本茂がVRへの懸念を表明したことをきっかけに、筆者は「任天堂はVRに消極的なんだろうな」と考えていた。ところが、2019年3月に任天堂から『Nintendo Labo Toy-Con 04: VR Kit(以下、VR Kit)』が発表されたので非常に驚いた。

VR Kitは発表から発売まで1か月のみという短いスケジュールも衝撃だったし、4月冒頭には追い打ちをかけるように『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『スーパーマリオ オデッセイ』などがアップデートでVR Kitへ対応するといった告知が行われたので、これによって購入に踏み切ることができた。

いざダンボールを組み立てて実際にプレイしてみると、ギミックの種類ごとに完成度のムラはあるものの「Nintendo Switchの機能を活かしてVRがどこまで実現できるのか」をある程度見せてくれた。

VR KitのToy-ConはVRゴーグル(すべてのギミックに必要な共通パーツ)、カメラ、トリ、ゾウ、風、バズーカの6種類が存在するのだが、筆者は種類によって体験のおもしろさや快適さに大きな差があると感じた。


風Toy-Conはプレイヤーがペダルを踏むごとに風を起こすことで触覚に直接訴えかけてくるのが素晴らしい。バズーカToy-Conはダンボールで組み立てたとは思えないほどよくできた体感型コントローラで、リロードやショットがガンコントローラとしてこのうえない完成度を誇る。


一方で、ゾウToy-ConはIRセンサーを使うことで立体空間的なコントローラの操作を実現してはいるものの「ゾウ」のモチーフとミニゲームの関連性がまったくないうえに操作性があまりよくないし、鳥Toy-Conは羽をはためかせる(レバーを握る)たびにゴーグルの位置がずれてまともに画面を見ることができない。カメラToy-Conは3DoFの操作性にカメラのズーム操作で奥行を与えているのが興味深いが、ミニゲームが地味に感じられてもったいない。


Nintendo Switchは液晶の解像度がやや低いものの、スペックや操作性はOculus GoなどのモバイルVRと比較しても大差はないはずだ。任天堂がNintendo Switch向けにVR専用ゲームをリリースすることさえ許可するのであれば、モバイルVR向けのゲーム・アプリケーションはほとんど移植できるのではないだろうか?


ハードが発売されてから2年目で気の早い話題かもしれないが、Nintendo Switchの次世代機について考えていこう。例えば、全世界で爆発的なヒットを起こしたニンテンドーDSからニンテンドー3DSへの世代交代は(立体視を除いて)本質がスペックアップの進化であった。それと同じく、仮に将来的に「Nintendo Switch 2」のようなものが出るとしてもSwitchは「据置も携帯も両立できる」というコンセプトの完成度が高いので、次世代でこの特徴を捨てるメリットもない。

しかし、任天堂のゲーム機は単純なスペックアップを重ねたものは前世代ほど普及しない傾向にある(FCからSFC、DSから3DSなど)。そのため、Switchの次世代機では新規層へのアピールや携帯可能なゲーム機としてのポジションを活かすためにVR/ARの機能を推していくことは十分に考えられるだろう(とくにARは据置ゲーム機では実現できないものだ)。

とはいえ、スマートフォンを用いたVRやOculus Goなどのエントリー機を除いて2019年以降のモバイルVRは3DoFから6DoFに移行しており、今世代のNintendo Switchが今後数年間を3DoFのVR KitのみでモバイルVRとして戦うのは厳しいはずだ。

そのため、次世代のSwitchは本体の背面にカメラを搭載することでほかのスタンドアロン型VRHMDと同じようにプレイヤーの部屋やコントローラを立体的に認識できる機能が追加されると筆者は推測する。そして、そこで活きてくるのがJoy-Conの「レール」だ。Joy-ConのレールはNintendo Switch本体やストラップを取り付けるほかにも周辺機器を取り付けることができるのだ。現在はJoy-Conのバッテリーを拡張するパーツ以外の周辺機器は発売されていないものの、将来的に「VR用のセンサーが搭載されたJoy-Con用拡張グリップ」が販売されることも現実離れした話ではない。




これが実現したとしてもいろいろと酷いことになりそう(´・ω・`)