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「PS5には未発表のユニークな要素がある」SIEジム・ライアン社長インタビュー

【西田宗千佳のRandomTracking】

ジム・ライアンCEO(以下敬称略):PlayStationというブランドを持つ製品には一貫性が感じられることが重要です。誰が見てもすぐに、明確に「PlayStationだ」と思えないといけません。

PS4の世代にとって重要なことは、すでに一億人のPS4ユーザーが存在している、ということです。そして、そこにはゲームをプレイしている人々のコミュニティがあります。PS4ユーザーの方々は、それだけそこにお金も使っている。我々には、彼らに引き続き喜んでもらい、興味を持ってもらい、夢中になってもらう義務があるのです。


このことは、PS5が「PS4と可能な限りの互換性を維持する」ことを公約していることにつながる。ネットワークサービスとしての「PlayStation Network(PSN)」の存在もそのままだ。機能拡張はあるかもしれないが、コミュニティの断絶はない。PS3からPS4へもPSNが引き継がれたが、「コミュニティが断絶しない」ことの意味は、当時よりずっと重いものになっている。


ライアン:PS4からPS5への移行の時期には、非常に多くのPS4ユーザーが存在しつづけるでしょう。最低でも、8000万から9000万のPS4ユーザーが、PS5が出た直後でも、PS4を使っているでしょう。それはとても重要なことで、我々には、彼らに対する義務があります。同様に、PS5という新しい魅力を打ち出していかねばなりません。今年は、いままでの新型ゲーム機の発売以上に、大変で特別な年になるでしょう。

PS5には「まだ秘密がある」。ロード時間短縮や3Dオーディオに期待

ライアン:新しいゲーム機が出るたびに、プロセッサーやグラフィックは向上します。それはもちろん魅力ですが、同様に特別な魅力が必要です。

すでに明かしている部分としては、ストレージとしてSSDを採用したことが挙げられます。スパイダーマンのデモはご覧になりました? あれを見ていただければ、価値はわかっていただけるものと思います。ゲームの読み込みがほぼなくなるのは大きな変化です。


ライアンCEOのいう「スパイダーマンのデモ」とは、PS5を想定したデモとして、ソニーの「IR Day」(2019年5月開催)などで公開された動画だ。同じPS4版の「スパイダーマン」を使い、PS4 Proでは8.10秒かかっていたロード時間が、PS5では0.83秒へと劇的に短くなる様が示された。確かにこれは、ゲームを大きく変える可能性がある。


ライアン:特に注力しているのは、体験を大きく変えることです。そこでは、3Dオーディオも重要です。一度聞いてみれば、従来のステレオやサラウンドとは大きく違うものだ、ということがわかるでしょう。そのために専用の機能を組み込んでいます。

触覚フィードバック対応のコントローラーも、体験してみると驚くほどの変化だと気付いていただけるはずです。体験するチャンスを作りたいと思ってはいるのですが。PS5のコントローラーで、レースゲームの「グランツーリスモSPORT」をプレイするだけで、全然違いますよ。いままでのコントローラーでも良い走りが体験できましたが、ハプティックコントロールによる微細な路面の体験と、アダプティブトリガーによるコントロールを体験すると、元には戻れません。


その上で、ライアンCEOは「まだ要素がある」と指摘する。


ライアン:でもね。PS5にはこれら以上に、従来のゲーム機とは違うユニークな要素がまだまだあります。「もっと大きな違い」については、我々はまだアナウンスしていませんから。


PS5は、PS4とはまた違った発表形態を採っている。PS4まで、ゲーム機は大々的な発表会でお披露目されてきた。

しかし、PS5では違う方法が採られている。最初の情報は、2019年4月に、米Wired誌への独占インタビューの形で明かされた。このようなアプローチを採った理由はなぜなのだろうか?


ライアン:理由は「リーク対策」です。PS4の時には、発表前に様々な情報が、コントロールできない形で流れ、中には正しくないものもありました。

PS5の開発者向けキットは4月に出荷したのですが、現在は誰もがスマートフォンを持っていますから、リークを防ぐのは難しくなっています。

PS5では、我々以外から誤った情報が流出するのを回避すること、またアーリーアダプターの方に情報をお届けするのが目的で、あの時期、あのような手法をとりました。

ただし今後は、すべてメディア発信ということではなく、イベントの開催も含めて、さまざまな可能性を検討しています。


クラウドゲーミングに潜む課題とは。マイクロソフトとの提携の理由

ライアン:次の世代の話を考えた場合、クラウドが今より大きな役割を果たすようになるのはほぼ間違いないです。

そう、これがマイクロソフトと提携した理由の一つです。確かにマイクロソフトは競合ではありますが、先般、提携に向けた意向確認書を締結し、彼らとクラウドゲーミングにおいてさまざまな可能性を模索していきます。

実は、PlayStation Nowをドイツに拡張し、さらにフランスとスペイン、イタリアに進出する際、データセンターの変更がとても難しかったのです。

データセンターの運営は、私たちの得意分野ではありません。私たちが得意なのはアイデアです。

マイクロソフトとの提携によって、クラウド側の迅速な拡張が可能になります。もしクラウドがより大きな意味を持つようになるなら、この提携は、私たちにとって非常に理にかなったことだと思いますし、おそらく、私たちが次世代に向かって前進する上での解決策の一つになるでしょう。

では、ゲームはクラウドゲーミング・サービスになり、音楽や映像と同じように「サブスクリプションで遊び放題」が主流になるのだろうか? そこには、ゲームならではの事情があるだろう、とライアンCEOは言う。


ライアン:確かに、音楽や映像ではサブスクリプションによる見放題・聴き放題が主流です。

しかし、そうしたマクロかつソーシャルなトレンドは、ゲームですぐには主流にならないと考えています。ゲームは他のエンターテインメントコンテンツとは楽しみ方が違います。

一方で、いくつかのゲームは、それ自身がプラットフォームになっています。例えば「Fortnite」は、それ自体がプラットフォームです。その上では、ある種の遊び放題もすでに生まれています。

ですから、「ゲームが遊び放題になるのか」という議論は、音楽や映画よりももっと複雑なのです。

もちろん、使い放題になっていくことを望むトレンド自体は押しとどめることができないでしょう。それに対しては、PlayStation Nowなどのコンペティティブなサービスを提供しています。その上で、どのような状況になるのかを見ていきたいです。

高まる日本のゲームデベロッパーへの評価。PS4で日本発売が遅れたのは「いいアイデアではなかった」

ライアンCEOは、他のハードウェア、マイクロソフトやゲーミングPC、クラウドゲーミング・サービスも含めた「競合状況をどう思うか? 」という質問には、「競合については直接コメントしない」とだけ答えた。ただし、「競争があるのはいいこと」と述べている。

ライアン:競争があるのはいいことですよ。2013年、コンソールゲームの市場は予想を超えて伸び始めました。それと同じことが、2020年にも起きると期待しています。


一方、PS4の発売というと、日本のゲーマーは、どうしても「発売時期」のことを思い出してしまう。

PS4は、アメリカ・ヨーロッパでは2013年11月に発売されたものの、日本での発売は3カ月遅い、2014年2月になった。PS4の生産量に限界があったこと、当時の日本のゲーム市場に勢いがなかったことなどが原因だが、消費者としては寂しい思いをしたのも事実だ。

PS5の日本での発売時期がどうなるのか? ダイレクトに質問をぶつけてみた。

ライアン:申し訳ないのですが、発売時期などの詳細についてはコメントできないんです。同様に、投入する市場についてもです。

ただ……。

PS4の時に日本での発売を3カ月遅らせたことについては、当時自分も深く選択決定に携わっていました。

選択には相応の理由がありましたが、いまは“良いアイデアではなかった”と考えています。多くの議論の末に決断したことではありましたが、他の選択肢があったかもしれません。


日本のゲーム市場・デベロッパーの状況について聞くと、次のような答えが返ってきた。


ライアン:あなたもご存じのように、現在、日本のゲームデベロッパーに対する評価は、世界中で高まっています。

率直にいって、5年から7年前、日本のゲームデベロッパーは、モバイル業界に注目していて、コンソールの方にはあまり注目していませんでした。

しかし、PS4世代になり、ゲームデベロッパーの目は、次第にコンソールへと戻ってきています。その結果として、現在、非常にエキサイティングな状況になっている、と考えています。実際、日本のゲームデベロッパー・コミュニティもPS5に非常に注目しています。


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世界中のゲーマーやゲーム開発会社までも夢中にさせる、それがPS5なんだよね(´・ω・`)

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