山本敏晴のブログ

1965年生、仙台出身。医師・写真家・NPO法人宇宙船地球号理事長。元国境なき医師団日本理事。 峭餾欟力師」という概念を提唱。企業の社会的責任(CSR)を推進。世界中で大切なものの「お絵描きイベント」を実施。著書に『世界で一番いのちの短い国』『アフガニスタンに住む彼女からあなたへ』 『国際協力師になるために』、『あなたのたいせつなものはなんですか?』『世界と恋するおしごと』『地球温暖化 しずみゆく楽園ツバル』『「国際協力」をやってみませんか?』など

2008年06月

CSRランキング(2008年夏版)の問題点

.
最初に:
今回の話は、CSRランキングを付けるための
かなり、実務的な内容なので、
CSR(企業の社会的責任)にものすごく興味がある人だけ、
読んで頂きたい。

・・・

2008年夏現在、当法人は
以下のサイトを一般に公開している。

「CSRランキング、市場シェア5位まで、商品別、あいうえお順」
http://www.ets-org.jp/hosoku/CSR_000_aiueo.html

この作業は、昨年の11月ごろから半年以上にわたって行ったが
続けていくうちに、様々な(評価方法の)問題点が判明してきた。

それを、正直に記載しておく。
今後、改善していく必要があるからだ。

評価方法における
全体的な問題点と、個別の項目の問題点を
分けて解説する。

・・・

まず、今回、評価したのは、
以下の10項目でああった。

1.CSRリポート等(2007年度)があるか?

 「CSRリポート等」に含まれるのは、
 CSR報告書、CSRリポート、
 持続可能性報告書、サステナビリティーリポート、
 環境報告書、社会環境報告書、など。

2.CSRリポート等(2006年度)があるか?

 この過去のCSRリポートを読む必要があるのは、
 その企業が、自社の問題点を、毎年、
 改善していく気があるのかどうか、を見るため。

3.GRI対照表があるか?

 国連環境計画(UNEP)等の製作したGRIガイドラインに沿っているか?
 (注: GRIとは、CSRの国際的な基準。)
 GRIガイドラインを参考にした、と書いてあるだけでは、ダメ。
 「GRI対照表」を掲載している場合のみ、OKとした。

4.第三者機関のコメントが、CSRリポートの末尾付近にあるか?

 第三者機関としては、監査法人、CSR評価会社、
 NPO法人、環境問題系NGO、大学教授、欧米のシンクタンク、など。

5.自社への批判・苦言があるか?

 これは、4.の第三者機関が発言した、
 その企業への批判や改善すべき点を、正直に掲載しているか、
 というところを見る。

6.上記の批判・苦言を翌年に改善したか?

 2006年度のCSRリポート等で、
 上記の第三者機関から指摘された問題点を
 2007年度のCSRリポート等で、
 改善したかどうか。

7.1990年比でCO2削減6%以上を達成したか?

 1990年比で、CO2の「絶対的な総排出量」が
 ちゃんと減っているか?
 「商品あたりのCO2量」が減っていても、ダメ。
 2000年など、他の年度と比べて減らしても、ダメ。

8.グローバルコンパクトに参加しているか?

 元・国連事務総長のコフィー・アナン氏が提唱した
 企業がまもるべき、人権・労働・環境に関する十原則。

9.ISO14001の取得をしているか?

 今回は、工場や事業所が、ひとつでも取得していれば
 星を与えることにした。これについては、後述。

10.ISO26000の取得をしているか?

 2009年に成立予定の、CSRの国際基準。
 これについては、将来的に評価項目に入れる予定。
 現段階でも、いくつかの企業が
 この取得(予定)を、表明していた。


以上のうち、星(☆)を与えることにしたのは、
1.3.4,5,7,9
の6項目とした。

つまり、星6つ(☆☆☆☆☆☆)が最高ランク
ということになる。


以上が、現在の、評価システムである。

以下、この問題点を、列挙する。


・・・

全体的な問題点としては、

1.
ソニーや、松下電器などの家電メーカーは
多種の製品を製造しているため、
いろいろな品目において、それぞれのボランティアが
同じ、ソニーや、松下を評価した。

ところが、
同じ企業を評価しても
担当したボランティアスタッフによって
評価が異なることが、けっこうあったことだ。

この理由は、
10項目のうちの、
5.の「自社に対する苦言や批判があるか」の判断に
主観が入り易いことや、
7.の「1990年比でCO2削減を6%以上したか」、
の判断を、慣れていないと間違いやすいこと、
などがある。
(これらの件については、後で詳述する。)

2.
ボランティアスタッフによって、
その真面目さや、仕事の緻密さなどが、異なり
それによって、結果が大きく変わることになった。

この理由は、
CSRリポート自体が、見つかりにくい場所にあったり、
あっても
上記の10項目を全部含んでいるわけではなく
GRI対照表や、
ISO14001に関する記載が
ホームページの別な場所にあることが多いこと。

(つまり、
 CSRリポートしか見なかった場合、
 その企業が低く評価されてしまうのだ。)

3.
以上のような理由で、
当法人は、「誰が評価しても、同じになるはず」の
客観的なCSRランキングを目指したにも関わらず、
実際には、なかなか、そうは、ならなかった。(反省)

4.
また、
CSRリポートが、PDFファイルとして
ホームページ上に、公開されていない場合、
その企業は、CSR活動を、一切行っていない、
と判断して、
CSRリポートが見つからなかった時点で
調査を打ち切ってしまうスタッフがいたこと。

実際は、
CSRリポートがなくても、
ISO14001ぐらいは、取得していたりするケースは多々あり、
(また、それがホームページのどこかには
 記載されていたにも関わらず)
その部分の評価が抜け落ちてしまったこと。

5.CSRリポートを、その内容に分けて
 複数制作している企業があったこと。

 具体的には、
 キヤノンは、2007年度に、
 なんと、3種類のリポートを作成していた。
 (1)CSRリポート
 (2)サステナビリティーリポート
 (3)社会貢献活動リポート
 以上を全て、公開しており、
 この全てを読まないと、キヤノンのCSRの本当の情報は得られない。

 (つまり、このうちの一つしか読まなかった場合、
  キヤノンは、過小評価されることになる。)

・・・

個別の項目に関する問題点としては、

1.CSRリポート等(2007年度)があるか?

 上述のように、CSRリポートが、まず見つかりにくいこと。
 会社情報、企業情報、環境、社会貢献、その他、の
 いずれの場所にあるか、企業によって異なっていた。

2.CSRリポート等(2006年度)があるか?

 この場所が、さらに探しずらいケースもあった。

3.GRI対照表があるか?

 これが、通常は、CSRリポートの末尾付近にあるのだが、
 企業によってはCSRリポート自体の中に入れず、
 ホームページの別なページに掲載していた。
 このため、見落としが多かった。

4.第三者機関のコメントが、CSRリポートの末尾にあるか?

 まず、この第三者機関として、
 トーマツ監査法人、というのを使っている企業が2割ぐらいあったが
 ここに「第三者からの監査」を頼むと、
 「記載の事項に虚偽がないと、証明する」
 とだけ書いてあり、具体的な内容には、触れていなかった。
 (その企業のどこが良く、どこが悪いかは、書いていなかった。)
 これでは、ほとんど意味がない。

 大学教授や、欧米のシンクタンクや、NPO法人に第三者意見を求めると
 けっこう、辛辣(しんらつ)にCSRリポートの内容を批判することもあり、
 読んでいて、その企業の欠点がわかりやすい。

 で、もちろん、評価されるべきなのは、後者の人々を第三者意見として
 取り入れた企業であり、前者を選んだ企業に、同じように星一つを、
 与えるべきではなかった。

5.自社への批判・苦言があるか?

 これが、もっとも問題になった質問だった。
 担当したボランティアスタッフの主観により、
 批判ととるか、とらないかが、大きく、わかれた。

 もちろん、(私の意図としては)
 自社の批判を正直に掲載した企業を、高く評価する、として
 星を一つ与えることにしたのだが、
 この部分が、もっとも客観性がなくなってしまった。
 今後、検討を要する。

 (なお、不二家や、雪印などのように、
  大きな不祥事があった後の、お詫びのコメントは、
  書いて当たり前なので、自社への苦言・批判には、入れない
  ことで統一した。)

6.上記の批判・苦言を翌年に改善したか?

 これも、かなりの主観が入る。
 これは、事前にわかっていたため、
 星を付ける付けないには、関係ない項目とした。

7.1990年比でCO2削減6%以上を達成したか?

 これが難しかった。
 1990年比で、CO2の(絶対量としての)削減量を
 明確に記載している企業は、2割ぐらいしかなかった。

 (京都議定書には、1990比で6%減、と書いてあるのに)
 ほとんどの企業は、1990年比での削減量は、
 記載していないのである。

 書いてあるのは、
 「商品一つを作る当たりのCO2排出量は、減らしましたよ」
 (でも、その商品は、とっても売れているので、
  CO2排出の絶対量としては、1990年の時点よりも増えている)
 ということを、正直に書いている企業は、
 2割ぐらいしか、なかった。

 この誤魔化しに、評価を担当したボランティアスタッフが
 騙されてしまうことがあった。

 また、
 2000年比や、2005年比など
 自社に都合のよい年度を、比較の対象にしている企業が多く
 これが、全体の8割を占める。

 (この他、商品のライフ・サイクル・アセスメント(LSA)における
  誤魔化しを行っている企業が多かった。この件は最後に詳述。)  

8.グローバルコンパクトに参加しているか?

 これに関しては、参加している企業は少なかった。
 あまり重要視されていないのかもしれない。
 もともと、そう思っていたので、星付けには、入れなかったが。

9.ISO14001の取得をしているか?

 これも、難しかった。
 通常、会社というのは、事務所が数か所と、工場が数か所
 からなる。

 で、ISO14001を取得する場合、
 普通は、工場のほうで取得するのだ。
 (1)一か所の工場だけ取得すれば、OKか?
 (2)工場は、すべて取らないと、ダメか?
 (3)事務所を含めた、全てで取らないとダメか?
 ということが、
 かなり早期から問題になった。

 結局、(1)の一つでも取得していれば、星を付ける
 ということで、今回は、統一したが、改訂版では
 この部分を補正・改良する予定。

10.ISO26000の取得をしているか?

 これは、まだできていない。来年できる予定。
 だが、残念ながら、日本の経団連からの圧力により
 かなり形式的で、中身の薄いもの、になりそうだ。
 が、それにしても、国際規格ができるのは嬉しいので
 まずは、できあがって欲しい。

・・・

その他の問題点としては、

1.大企業の子会社が、その製品を作っている場合、
 子会社には、CSRリポートがないことが多く、
 その場合、親会社のCSRリポートを、今回は、引用した。
 これが、良かったか、悪かったか?

 たとえば、
 携帯電話端末を、松下グループは、
 パナソニック・モバイル・コミュニケーションズ
 が、制作している。
 通常、こうした子会社では、CSRリポートを作らず、
 親会社のサイトを見てくれ、と書いてあることが多い。

 が、上記の
 パナソニック・モバイル・コミュニケーションズ
 は、がんばって、一応、作った。
 が、まだ内容が甘いため、星ひとつ(☆)
 という評価になった。

 もし、この子会社が、CSRリポートを作っていなければ
 親会社の松下電器産業のCSRリポートを引用することになり、
 星五つ(☆☆☆☆☆)の、評価を得たことになる。

 つまり、
 子会社が、がんばって一応作ると、評価が下がる、という
 おかしなことになってしまった。
 これは、大きな問題である。

2.企業の合併や、合併吸収の時の問題点もある。
 たとえば、カメラメーカーのペンタックスは、
 2007年、環境報告書を制作していた。
 (これは、CSRリポート等に含まれる。)
 ところが、
 業績不振のため、HOYAという企業に合併吸収されてしまった。
 HOYAは、CSRリポートを、作っていない。
 よって、ペンタックスの評価は、星なし、になってしまう。
 こうした事態への配慮も、必要であろう。

3.
CSRリポートが、見つからない、見つかりにくい場合の
手順を明確にしておくべきだった。

通常は、
その企業のホームページの、右上のあたりにある
サイト内検索、を使って、CSR、という文字で検索する。

これで、通常は、CSRリポートのある場所が見つかる。

(サイト内検索がない場合、自力で、全ページを
 探していくしかない。(汗))

CSRリポートのPDFファイルをダウンロードしたら、
アドベ・アクロバット・リーダーの
編集メニューの中にある、「検索」機能をつかって
次の単語を探してゆく。

GRI (GRI対照表があるか、探すため)
第三者 (第三者機関による評価を探し、読むため)
1990 (1990年比のCO2削減を探すため)
90 (同上)
CO2 (同上)
ISO14001
ISO26000

これで、ほとんどの情報が入手できるはずだ。

以上が終わった後、これで安心せず、
企業のホームページに戻って
サイト内検索で
GRIや、ISO14001の記述が
どこかにないか、
さらに
環境報告書、持続可能性報告書などの
他のCSR関連リポートがないか、を探す必要がある・・
ことになる。

で、
以上の検索の結果、
CSRリポート等が、全く見つからなかった場合、
企業の「お問い合わせ」のページに行き
Eメールまたは電話にて、
以下のように質問する。

「すみません。
 今度、そちらの会社への就職を考えているんですが
 その参考に、CSRリポートを読みたいんです。
 ホームページ上には、ないようなのですが、
 紙媒体の、冊子としては、ありますか?
 (これで、紙媒体なら、ある、ケースが、稀にある)
 2007年度版は、何月ごろに出ますか?
 (普通、12月までにはでるが、遅れる場合もある)
 CSRリポートはないんですね。
 じゃあ、環境報告書とか、持続可能性報告書とか、
 ありますか?」

以上のようにきくことになっていた。
で、実際に、一応、スタッフによっては行っていたのだが
徹底はしていなかった。

よって、上記のように、
紙媒体ならあるが、ホームページ上のPDFファイルには
していなかったケースの企業は、
過小評価されてしまった可能性がある。

・・・

感想

1.結局、今回の10項目では、
 CSRリポートがあるか、ということと、
 第三者機関の監査が入っているか、
 ということの、二つの側面を主に見たことになる。
 よって、
 それ以外の側面は、まったく見ていない。

 このため、
 各企業を正当に評価するためには、
 他の団体が行っている、普通のCSRランキングも参考にした上で
 判断する必要があると思う。

 逆に言えば、
 当法人は、他の団体のランキングシステムには、
 第三者機関からの監査の重要性が抜け落ちていたので
 今回のようなプロジェクトを考えた、とも言える。

 いずれにしろ、
 お互い補いあった上で、総合的に見なければならない。

・・・

今後、検討すべき内容としては、

1.
今回の10項目の評価では、
企業の統治(ガバナンス)や、
法令の順守(コンプライアンス)の部分は、
いっさい、評価されていない。

その部分も、入れたほうがいいのではないか、
という議論もある。

ちなみに、今回入れなかった理由は
まずは、客観的に判断できる部分だけをやろう、
と思ったからだ。

ガバナンスやコンプライアンスは、
基本的に「日本語で書かれた表現」であることが多く
それを読んだ人が、それをどう受け取るかは
ものすごく主観が入ってしまう。

よって、今回は、あえて入れないことにした。

が、今後、
ランキングの星を付ける評価項目には入れなくても、
参考、として、これらに関するなんらかの項目を
追加するべきである、と考えている。

2.
ダイヤモンド・チャートの検討も考えている。
企業の統治、法令の順守、透明性、
環境問題(CO2)、環境問題(CO2以外)、社会貢献、
の、
6つを軸とするダイヤモンド型のチャートを作り、
それぞれの方向に、5段階(?)で評価した図形を
その企業の評価とする、というものだ。

これは、あるホームページで
特定の企業に関して行われているが、
うちのように、
「買い物の参考になるように配慮」されて
制作されているものは、ない。

よって、将来的には、これを作ろうと思っている。

3.
今回、制作したCSRランキングを
携帯電話でも見られるように、するつもりだが、
うちの団体のホームページを見るために
(ネットにつなぐために)
お金がかかるのであれば、
ほとんどの人は、日常的に使うことは、ないであろう。

よって、携帯電話会社のいずれかと組んで
うちのホームページを見る時だけは
お金がかからないようなシステムが必要だ。

そんなことが可能とは、あまり思わないが、
なにかアイデアがある人、Eメール下さい。


・・・
・・・

補足:
ライフサイクルアセスメント(LCA)を考えた場合の
CO2削減のウソについて:

まず、
日本ビクターという会社の話をしよう。

この会社の、CSRリポート2007、を読むと
次のように書いてある。

「当社は、1990年度比で、45.7%の
 大幅のCO2の削減を達成しました。」

で、
上記のことは、例の誤魔化しの「商品あたりのCO2発生量」を減らした・・
のではなく、本当の「絶対量」だというのだ。

日本ビクターは、ビデオカメラ部門で
市場シェア2位を占める、トップ企業の一つである。

その地位を維持しながら、こんなことができるはずがない。

ところが、
これを実際に可能にする方法があったのだ。

それを知って頂くには、以下の
商品のライフサイクルについて、
知って頂かねば、ならない。


一つの商品を作るには、以下のような段階がある。


1.原料の調達(通常、南米やアフリカの小さい企業)
   鉄や、銅、アルミニウム、など。

2.それを輸送

3.部品の製造(通常、中国や台湾などの中くらいの企業)
   それぞれのパーツを人件費の安い、国外で作る

4.それを輸送

5.日本の工場で、部品が合体させて製造。

6.それを輸送

7.問屋へ

8.それを輸送

9.小売店へ

10.消費者が購入し、それを家まで輸送

11.消費者が、電力を消費しながら、使用する。

12.壊れる。修理不能なら、ゴミになる。

13.それを輸送。

14.ゴミの場合、焼却や、埋め立てが行われる。

15.リサイクルセンターで、一部が再資源化されることも。


で、
通常、日本の企業というのは、

3.と、5.の部分を
自社の工場でやっている。

部品を作り、それが合体させることを
自分の工場でやるのだ。

ところが、これだと自分の工場から
CO2が出てしまう。

よって、
CO2を減らすためには、どうすればいいかというと、
部品を、中国などで作って、合体の部分だけを
日本で行うか、
または
思い切って、合体も中国などで行ってしまい
日本では、販売だけ、を行う、という方法もある。

で、
日本ビクターが行ったのは、
この、後者の方法だ、ということである。

日本ビクターは、
商品の企画と設計、そして販売だけを行い
間にあるはずの、
製造や、運輸、の部分は、自分たちで
やらないことにしたのだ。

これならば、CO2など、でるはずがない。

・・・

で、これが良いのか、悪いのか、という話になる。

上記の、15段階ある、
ライフサイクルの全てを考えた場合、
別に
日本ビクターのビデオカメラが作られる時に
(世界全体で)排出されるCO2の量は、おそらく変わっていないはずだ。

単に、部品を作ったり、合体作業を行ってくれる他の会社に
自分が排出する分のCO2を押しつけただけ、である。


または、もしかすると、増えているかもしれない。

なんでかというと、
日本の火力発電は、世界最高の効率を誇り、
非常に、有効に石油が燃やされている。

ところが、途上国の火力発電所は、効率が悪い。

その
効率の悪い電気を使って、
ビデオカメラの部品を作られているので、
その分、余計に、火力発電所から、CO2が出ているはずだ。

つまり、
ライフ・サイクル・アセスメントで考えた場合、
むしろ、世界で発生るCO2の量は、増えた可能性がある。

・・・

注:
別に、私は、日本ビクターに、恨みなどなく
単に、実例として挙げただけである。

同様のことを、これから、他の企業も
どんどんやっていくに違いなので、
そうした企業の動きを
みなさんは、是非、注目してみて頂きたい。

物事の本質は、いつも、難しいのである。

・・・

難しいついでに、もっと難しい話をしておく。

結局、商品を作る時の
ライフ・サイクル全体の中で、
「その企業が、どこまで責任を持とうとしているか?」
という姿勢を
見極めなければいけない。

例えば、
「トッサン自動車」という名前の自動車会社があるとする。

トッサンは、
車を作るための、最終合体を、
子会社である、「トッサン合体工業」、で行う。
(ここは、明確に、子会社としている。)
(よって、この会社で排出されるCO2には、トッサンは責任を持つ)

その前の、
大きな車の部品を作るのは
取引先である、「ハイブリ部品工業」、という会社である。

(ここは、名前に、トッサンと入っていないが
 実際は、トッサンの100%出資会社である。
 が、ここからCO2が出ても、トッサンのCO2は増えない、ことになっている)

さらに、その前の
小さい車の部品を作ったり、その前の鉄などの原料を売るのは、
途上国の小さい会社たちである。
(彼らは、本当の取引先だ。)

以上、
あなたなら、1台の車を作る時に、
「どこまでが、トッサン自動車の責任だと思うだろうか?」

・・・

これ関して、
バウンダリー(境界線)という概念がある。

つまり、
トッサン自動車の責任は、
同じ社名を冠する、子会社までだ、とし、
社名が違えば、関係ない、とするような
「境界線を引く」という考え。

同様に、日本国内で発生するCO2は関係あるけど、
途上国などの海外で発生するCO2は関係ないよね、
という考え。

このように、どこで境界線を引くか、が
非常に大きな問題になっているのだ。

で、
(トッサン自動車が、どの自動車メーカーかはともかく、)
大手自動車メーカーののCSRリポートを読むとわかるが、
最後の最終合体の部分を行う際の
CO2しか、CSRリポートに表記していない、ことがわかる。

これが、CO2削減に関するトリック、に使われる可能性がある。


よって、
「1990年比で、CO2の削減を6%以上した」
と書いてあったところで

「その企業が、(商品のライフサイクルにおいて)
 どこまで責任をもったのか?」

を、同時に考えないと
だまされてしまう可能性がある。


最後の合体だけのCO2を表記しているのか?
部品の製造などは、海外の他の企業へおしつけたのか?


さあ、難しいだろう?

あなたは、このような企業の流れを、どう思うだろうか?



私は、このような側面も踏まえた上で、
それでもなお、わかりやすい、客観的な指標を
なんとかして作っていこうと思う。


あきらめてしまっては、全ては終わり、なのだから。



補足1:
サプライ・チェーン・マネージメント(取引先・連鎖・管理)
については、また後日、詳述する。
中小企業にできることに、これが関係してきます。

補足2:
今回の、ボランティアによる調査システムの問題点は、
CSRの普及は、業界によって、非常にムラがあり、
おおむね、
製造業系は、非常によくやっていました。
CSRリポートがあり、ISO14001の取得が当たり前、という風潮。

対して、
マスコミ関係、映像業界、サービス業などは
軒並み、壊滅で、
どの企業も、まったくCSRをやっておらず、CSRリポートすらない、
という状況でした。

で、
ボランティアは、18名、いたのですが、
最初に希望した品目が、広告や、出版や、映画、などだった場合、
どの企業も、ほぼ全くやっておらず、
したがって調べようがなく
「急速にやる気を失い」
1品目を完了した後(または、それすらも完了せず)
ボランティアを止めてしまう・・
という現象が、数件おきました。

よって、実際の作業は、10人ぐらい行うことになり、
ボランティアの「やる気」をコントロールすることが
非常に難しいプロジェクトとなりました。

次回からは、
新人ボランティアの人には、
工業製品を作っている系の、
製造業の企業のCSR調査から
やってもらうことにします。

国家資格「国際協力士」制定の動きの背景と、いくつかの問題点

.
先日の、東京新聞の記事を解説をしたブログの反響が
かなり大きかったため、
以下、その背景を補足しておく。


参考:
前回の記事をまだ読んでいない方は、
まず、以下へどうぞ。

「国際協力士」の国家資格の創設を、外務省とJICAが検討
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65074625.html


必ず、上記を読んでから、以下を読んで欲しい。

上記は、やや肯定的にコメントしており、
下記は、やや否定的にコメントしている。

両方読んでもらうことが、必要だからだ。

・・・

最初に、ことわっておくば、
この「国際協力士」が国家資格になることは
(たとえ、その内容に、少々の問題点があったとしても)
基本的に、私は、「朗報」と考えている。

しかし、まあ、
今回のこの話が浮上した背景を考えると
どうしても
その問題点を、指摘せざるを得ない。

よって、以下に、わかりやすいように、整理しておく。

・・・

さて、まず、
私は、国際協力を、ある程度、本格的にやってみたい人に対して
その「とばくち」として
青年海外協力隊への参加、を勧めている。

その理由は、多数あるが、主なものは以下である。

1.2年間の海外勤務経験が得られるため、
  その後、国連JPO試験などを受ける時に有利に働くこと
  JICA内にも、ジュニア専門員制度、海外長期派遣制度などもあり
  将来のJICA専門家への道が、一応、示されていること

2.政府機関によって運営されているため、ある程度、信頼できること

3.毎月、総額で十数万円のお金がもらえること
  (日本の銀行に9万円、現地で数万円、さらに家賃手当)

等々があり、NGOで海外にいくよりも、
はるかに条件がいいからだ。

(NGOの場合、給料はゼロで、旅費は自己負担のことが多い。)

・・・

よって私は、青年海外協力隊を、大筋で応援しているのだが
この「システム」には、重大な問題点がある。

それに関しては、以下に詳しく書いた。

青年海外協力隊の良し悪し
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/51901806.html


と、書いても、
上記を面倒くさくて読まない人が多いようだから、
あえて、再度、解説する。


要するに、
青年海外協力隊の最大の問題点は、

1.帰国後、国際協力を続ける人が、1割もおらず、

2.それどころか、日本の社会にすら復帰できず、
  「ニート」や、良くて「フリーター」になっている人が多いことだ。

この数は、ものすごく多く、社会問題にすらなっている。
青年海外協力隊OBのブログなどを検索して、読んでみて欲しい。


この理由は、いろいろある。

1.に関しては、

帰国後、国際協力を続けようと思っても
国連職員になるには、大学院修士が(事実上)必須。
でも、もっていない。
(また、今更、大学院にいくのは、面倒くさい・・)

JICA職員になるための就職試験を受けても、
倍率が20倍以上で、まず受からない。


2.に関しては

良くも悪くも、青年海外協力隊は、
毎年9万円前後が、日本の銀行口座に振り込まれるため、
2年間で200万円以上たまる。
「再就職準備金」という名目で、もらえる。

このため、
この金があるので、帰国後、半年から1年ぐらい
ぼーっとして、自宅でニートになっているケースが多い。

半年後から、社会復帰してくれれば、それで良いのだが、
実際は、
途上国の、のんびりムードとは、あまりにかけはなれた
日本の、せかせかした生活、管理社会、組織の厳しさ、
についていけず、会社員などになれず、
社会復帰、職場復帰ができなくなってしまっている人が
(残念ながら)多いのである。

また、
会社側や、社会の風潮にも、問題があり、
(欧米と違って)
日本では、開発途上国でボランティアをしてくる活動を
企業があまり評価しない傾向がある。
(一部、例外はあるが)


このため、
会社の就職試験の面接で、

「青年海外協力隊?
 ああ、大学卒業後、海外で2年間、好きなことをやって、
 遊んできたんだね?
 お山の大将に、なっちゃってない? 協調性は、あるの?
 日本の社会で、組織の中で、きちんと働ける自信はあるの?
 ま、それはともかく、何ができるの?
 営業とか、できる? 
 経理とか、できる?
 うちの会社で役に立つ、なにか専門的な技術はもっているの?
 資格かなんか、もってるの?」

と、言われたときに、
答えようがないため、なかなか就職できない、というのが
現状なのである。

・・・

で、私のブログを読んでいる人の中に、

1.これから青年海外協力隊に挑戦しようと思っている人
2.青年海外協力隊の試験に既に合格し、その訓練所にいる人
3.現在、任地国へ派遣中の人
4.青年海外協力隊から帰ってきたOBの人たち

が、多くいることを、私は知っている。

(それどころか、うちの団体のボランティアスタッフの中にも
 上記の人々は総計で百人以上いるため、
 状況はかなり正確に把握しているつもりだ。)

で、
これまでの記述は、別に
(青年海外協力隊でがんばりたいという)
「あなたたちの意気をくじこう」
と思って書いているわけではない。

ただ、残念ながら、それが現実だ、ということだ。

あなたたちを
応援する気持ちがあるからこそ、本当のことを書き、
それを知った上で、冷静に対策を立てて欲しい。

・・・

で、今回の「国際協力士」の国家資格化の検討は、
上記の「帰国後の、就職問題」を、なんとかしようということで
検討されてきた。

この問題は、もちろん、
「青年海外協力協会」の方々も把握しており、
その理事長の方が、10年前ごろから、

「青年海外協力隊に派遣されて、帰国した人に
 国際協力士、という資格を与えては、どうか?」

ということを、発案した。
国会で、一応、発言した。(実現しなかったが)

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000514519990730012.htm#p_top


この狙いは、

1.帰国後、
  「青年海外協力隊に行った、というだけでなく、
  国家資格である「国際協力士」という資格を持っている人物ならば
  「それなりの活動をしてきたようだから、我が社に、就職させてあげよう」
  と、日本の企業が、思ってくれる(かもしれない)こと、である。

  つまり、帰国後、就職に困っている青年海外協力隊OBの人たちの
  救済策として提案されたのが、
  「国際協力士」の国家資格化、だということである。

  この側面が、一番強い。

2.で、上記の企画が、以前からあったにも関わらず、
  なかなか法案として通らなかったので、
  今回、「新生JICA]ができる時期に
  ある意味、便乗して、
  「国際協力士」の国家資格化を、再び提案してみよう、
  という感じである。


参考:
「新生JICA」とは、以下。

 これまでのJICAは、「技術協力」という分野だけを担当していた。
 そこに、外務省の行っていた「無償資金援助」と、
 国際協力銀行(JBIC)の行っていた「有償資金援助(円借款)」も
 JICAが引き受け、一括した援助を行えるようになったこと。


3.で、3番目の目的として、やっと出てくるのが、
  日本における国際協力を行う人の育成に、貢献しよう
  という、
  とって付けた理由・・・というところなのだ。


・・・

で、この制度が、できあがってしまう前に
先回りして、私が問題点を書いておこう。

が、
ちょっと、長くなりすぎるので、
今回は、その項目だけを書いておく。


1.青年海外協力隊のOBのみに
 国際協力士の受験資格を与えるのは、
 どうかんがえても不公平なので
 国連JPO、民間NGO,NPO、開発コンサルタント職員などで
 海外で2年以上勤務経験のある人にも
 その受験資格を与えるべきだ、という点。

2.青年海外協力隊のOBが、
 帰国後、日本の会社に就職する時に
 国家資格「国際協力士」があれば
 (以前より)就職しやすくなるのでは?
 と考えているようだが、はたして本当か?
 私見では、そんなにかわらないと思う。
 そんな理由では、企業は人を雇わないのではないか。
 (各企業にアンケート調査の必要あり)

3.一方、国家資格「国際協力士」を、
 日本(または海外)で国際協力に携わる人たちを増やすための
 モーティベーション(動機付け)に
 使おうというのは、賛成だが、
 しかし、
 現実問題として、
 日本政府のODA(政府開発援助)は、
 1兆円だったのが、どんどん減っており、
 産業(または就職先)としての国際協力(または開発)の分野は
 「斜陽産業」と言われているのである。
 つまり
 国際協力士をとったところで、財源(ODA)が減っているため、
 JICA関係、開発コンサルタント関係の業務において
 就職先(および一人当たりの給料)は、減っていっているため、、
 根本的な(経済的な)理由により、
 日本で国際協力に携わる人材を増やせることには、
 ならないのではないか、と考える。

4.国家資格「国際協力士」を与える時に、
 どんな試験を行うかが、問題となる。
 国際協力の分野は、
 私のブログや本を読んでいる人ならわかるだろうが、
 膨大な分野を含んでいる。
 政治・経済・教育・医療・環境問題。
 さらに、宗教や文化人類学などにも
 ある程度の知識が必要だ。
 この膨大な内容の中で、
 いったい、どこに焦点を置くというのか?
 また、だれがその試験問題をつくるのか?
 もう一ついえば、緊急援助と、開発援助の、
 どちらにより焦点をおくかが、最初のポイントになるはずだ。

5.国際協力士、の最後は、士になっているが、
 基本的に、士は、武士を意味し、男性的な色合いが強い。
 現代は、男女共同参画の時代であり、
 性的に中立のイメージが強い「師」のほうが
 新しく創設する国家資格としては、妥当であると考える。
 (例: 看護師)
 よって、やはり、国際協力師、のほうを、言葉としては
 勧めたいと思う。

・・・

 以上より、まとめてしては、

国家資格「国際協力士」を作るのは、大賛成だが、

政府系団体である
「青年海外協力協会」「JICA」「外務省」

三つの団体で作ってしまうのではなく、

以下の様々な立場の有識者たちを組み入れた
「国家資格・国際協力士を作るための委員会」
を、まず作って頂きたい。

必ず、
国際機関である、国連職員、世界銀行職員、JPO経験者、
民間組織である、NGO職員、NPO職員、開発コンサルタント会社職員、
その他、
大学教授やら、シンクタンクやらからの有識者も必要だし、

もっと必要なのが、
青年海外協力隊OBであり国際協力を続けたいのに、続けられない人、
青年海外協力隊の試験に落ちたが、それでも国際協力をやりたい人、
(協力隊の試験は5〜6倍。よって、落ちる人のほうが圧倒的に多い)
NGOやNPOで、薄給で、がんばっている人が望むこと、
開発コンサルタント会社職員の近年の就職に関する厳しい現状を伝える人、
国際協力/開発系団体の、人事担当者
(国家資格・国際協力士が、どんなものであれば、雇用しようと思うか?)
一般の大学や大学院における進路相談室の担当者
(国家資格・国際協力士が、どんなものであれば、その取得を勧めるか?)
など
上記をあわせると、少なくとも、数十名の人たちによる検討会が必要であろう。


以上を、まずは、提案しておく。


「国際協力士」を立案しようとしている方々の
真摯な対応を期待する。



・・・
・・・

補足:
もしも、日本のODAは削減傾向なのだから、
国家資格「国際協力士」を持つものは
海外の援助機関で、通用するものであるべきだ、
(そうでないと、資格をとっても就職先がない)
と考えるならば、

手前みそだが、
私が提唱してきた「国際協力師」の3条件

1.英語力(TOEFLのCBTで210〜250点以上)
2.2年間の海外勤務経験
3.大学院修士(またはそれと同等の専門性の証明)


満たすものに、国家資格「国際協力師」の
受験資格を与えては、いかがだろうか?

これらを満たす人材であれば、
仮に、今後も、日本のODAが削減傾向を続けても

国際機関である、国連、世界銀行など、
日本以外の政府機関である
アメリカのUSAID、イギリスのDfID、などの職員や専門家、コンサルタントなど
になって
活動できる可能性がある。


それだからこそ、私は、国際協力「師」を提唱してきたのだ。


敷居が高すぎるといわれれば、その通りだが、
これが、国際機関や政府機関で、プロとして働くための現状なのだから、
しかたがない。


で、
大学院修士などを持っていない人のためには
もちろん、別なアプローチを考えている。

それには、
NPOやNGOと
「企業の社会的責任(CSR)」の融合体、などがあるのだが、
それについては、長くなるので、また別に触れる。




CSR評価システムが、世の中に必要な理由、SRIの黎明期

.
マスコミなどによって
各企業のCSR(企業の社会的責任)ランキングが、
時に発表されることがあるが
残念ながら、当たり前の「大企業」の名前が
上位にずらりと並ぶことが多い。

CSRをきちんと実施しているからではなく、
その経済力の大きさから、
信頼できる会社、とされてしまっているのが現状だ。

つまり、現在、
世の中に公表されているCSRランキングには、
信頼できるものがほとんどない、
と思ったことが、
今回、
「商品別、市場シェア5位までの企業のCSRランキング」
http://www.ets-org.jp/hosoku/CSR_000_aiueo.html
を当法人でやろうと思った最大の理由であった。

・・・

ちょっと話は飛ぶが、
SRI投資、というものがある。

SRIとは、Social Responsible Investment
の略称で、社会的責任投資、と言う。

これは、(本当は)

「CSR的な優良企業に、選択的に投資していくことで、
 環境に配慮し、社会に有益な企業を増やし育てていこう」

という趣旨のファンドである。

CSR的優良企業を、支援する方法の一つとして
私は、自分の著書でも講演でも、SRI的な投資手法を勧めてきた。
(これまでは)

が、
他人に勧めるのであるならば
まず、自分でやってみるべきだ、と思い、
大手の証券会社(のほぼ全て)を回って
話をきいてみた。

私個人が持っているお金を使って
実際に投資してみようと思ったのだ。

ところが、なんと!

SRI、と銘打っておきながら
本当のSRIを行っている「SRIファンド(?)」は
なんと、日本にひとつも、なかった・・。


どういうことかというと
投資を行う場合、
「ポートフォリオ」と呼ばれる
投資先の企業のリスト、が作られる。

SRIの場合、
ポートフォリオに入ってくる企業たちが、
CSR優良企業でなければならない。

ところが!
なんと、SRIファンドの対象とされている
CSR優良企業(?)とは、
単なる、(安定して運営されている)大企業たち、
だったのである。

(補足すると、もうちょっとは、ましで、
 軍需産業ではない、とかぐらいは調べられている。)


ぶったまげて、しまった。


日本には、まだ、本物のSRIファンドは、ないのである!!



「す、すみません」
(平伏)


私は、著書や講演や映画の中で、
SRIを皆さんに勧めてきたが、
残念ながら、まだ時期尚早、という状況だ。

日本には、本物のSRIは、まだないため、
今、そこへ投資をしても、CSRの普及には、貢献しない。

(ただの、大企業たちに、投資されるだけ、である。)


もし、この方面に興味のある方は、
自分で、SRIファンドを作るところから
始めなければならないのが現状だ。

(または、大手証券会社のSRIファンドを使うのではなく、
 「自分で」CSR的優良企業を見つけ、そこに対して投資をする
 あなたの姿勢こそが、SRIだ、ということになる。)


・・・

この、本物のSRIが(大手証券会社に)ない理由の一つが、
日本に、まだ、本物のCSR評価システムが、ないこと

原因の一つではあるので、それを
とりあえず、当法人でやってみることにしたのである。

・・・

で、
CSRの評価をするためには、
ひとつの雛型がある。


インテグレックス社、というのがある。

ここは、企業に質問票を送り、
過去の1年間に、どのようなCSR的活動をしてきたとか、
これから、どんな計画があるか、などを
自由に記述してもらう、という形式をとっている。

主に、透明性、法令の遵守、企業の倫理、などを見ている。

この会社は、大企業と資本提携の関係にないため、
当法人のように中立であり、
基本的には、かなり信用できる団体である。

ただ、
企業側に自由に記述してもらっているため、
「はたして書いたことが、本当なのか?」
というチェックが、なされていない。


日本の経済3団体の一つ、経済同友会で
先日私は、講演をしたが、
こちらの団体も、インテグレックス社と同様に
質問用紙を送り、それに会社側に記入してもらう
という方法で、
CSRの現状の調査を行っているようだ。

(残念ながら、この調査結果は、
 一般に公表しない、という条件で行われたため、
 公表されていない。)

ちなみに、この経済同友会は、
日本におけるCSRの火付け役的な役目を果たしたことで
その方面の業界では有名である。

・・・

さて、
上記の、質問票の結果による方法には
良いところもある。

CSRには、たとえば、以下の6つの側面があるとして、

1.企業の統治(ガバナンス)会社の意志決定の方法の適切性
2.企業の倫理・法令の遵守(コンプライアンス)
3.透明性・ステークホルダー(利害関係者)への説明
4.環境問題(CO2削減部門)
5.環境問題(CO2削減以外の部門)
6.地域貢献・国際協力・ボランティア

それぞれに、その内容の質問を、10個ぐらい作る。

この結果によって、その企業をダイヤモンドチャート式に
評価できるようになる。

この結果は、(ある特定の業種の企業に関してのみだが)
既に行われているので、探してみて欲しい。


参考;CANPAN CSR CSR情報一覧

http://canpan.info/csr_list_search.do


ただし、この方法は・・

欠点にもどるが、
こうして得られた結果が、
正しいことが書かれているかどうか、わからないし、
また
企業が、その質問票に回答する「義務」は
別にないため、
回答しなかった企業は評価されない、ことになる。

・・・

こうした理由で、
私は、今後、(ある一定の規模より大きい)全ての企業が、
CSRリポートを提出することを
義務付ける、ことが、非常に重要だと思っている。

また、
CSRリポートの内容も
国連環境計画(UNEP)の提唱するGRI(第三版)という
CSRのためのガイドラインにのっとった内容にする
ということが、必要だと思う。

なぜなら、GRI対照表、というものがあり、
上述のダイヤモンドチャート作成に必要な
様々な項目が、すでにそこに
網羅されている、からである。

・・・

で、
以上は、20年先の、理想の世界の話であり、
現状では、
CSRリポートすら作成していない企業が多い中で、
どうやって、その企業たちを評価するか、
ということを、考えなければならなかった・・

ということである。


こうして、当法人の苦難は、始ったのだ。


「国際協力士」の国家資格の創設を、外務省とJICAが検討

.
2008年06月04日(水)の東京新聞朝刊・第3面に
下記の記事が掲載された。

・・・

「国際協力士」の資格検討 JICAと外務省

国際協力機構(JICA)と外務省が、
青年海外協力隊などに参加した人材に対して資格を与える
「国際協力士制度」
の創設を検討している。

開発途上国での協力隊への参加経験を「資格」として確立し、
就職や企業内での評価に有利になるよう支援する。

資格制度は、一定の語学力と協力分野の技術を対象とする
検定試験の実施を条件としている。
非政府組織(NGO)での活動認定の対象とするかどうかも検討する。
外務省関係者は
「まだアイデア段階で、内容は詰めていない」としている。

JICAは今年10月、これまでの技術協力や協力隊派遣に加えて
国際協力銀行(JBIC)の円借款部門と
外務省の無償資金協力事業の一部を統合して
政府開発援助(ODA)の一元的な実施機関として機能が強化され、
「新生JICA」として生まれ変わる。

「国際協力士」の創設は機能強化にも寄与しそうだ。

・・・

以上が、記事である。

基本的には、朗報である、と考えている。


私は、以前から、
「国際協力師」というのを提唱してきた。

(最後の漢字が、士、ではなく、師だが。)

数年前から、
NHKテレビ、NHKラジオ、毎日新聞、民放ラジオ局数局、
その他多くのメディアを通して
その言葉と概念を広めようとした。

私が提唱してきた「国際協力師」の概念とは
以下のようなものであった。

・・・

国際協力を行う方法は、
無償で(無給で)ボランティアとして行う道だけではありません。

まず、ボランティアとして、2年ぐらいの海外勤務経験を持ったあと、
英語などの高い語学力があり、
かつ、
国際協力分野におけるなんらかの専門性が証明(大学院修士等)できれば、
プロとして
有償で(有給で)仕事として続けていく方法もあるのです。

こうした、
高い専門性を持ち、有給で、持続的に国際協力を行っている人たち
のことを、「国際協力師」と、呼ぶことにします。

具体的には

1.国連職員・世界銀行職員などの国際公務員の人たち、
2.JICA職員、JICA専門家、JBIC職員などの政府機関の方、
3.開発コンサルタント会社(民間のODA業務関係)で働く人、
4.NGOやNPOでも有償で、大型の有名団体で働く方、

などを
その対象とすることに致します。

これは、まだ、国家資格、ではありません。
とりあえず、上記の概念を普及するための
キャッチコピー、として作ったものです。

・・・

この概念を、普及しようとした理由は、以下であった。

1.国際協力は、無給のボランティアである、と思っている人が多く、
 将来の職業として考えている小中学生は、非常に少ない。

 よって、消防士、看護師、弁護士、医師、などのように
 人々を救い、社会の役に立ち、かつ、自分の生活もささえられる、
 国際協力師、という職業があるのだ、ということを
 若い人たちに、知ってもらいたいため。

2.国際協力が、有給で、かつ、専門性の高いプロの仕事である、
 ということが、世間一般に認識されていないため、
 この分野に、優秀な人材が、なかなか入ってこないのが、現状。

 (要するに、優秀な人材にこそ、この分野にどんどん入ってきて欲しい)

 これを打開するために、
 高校生、大学生、大学院生に、
 国際協力は、自分の能力を発揮するために、最も魅力的な分野の一つであり、
 かつ、収入も一般のサラリーマンなどよりも高額であることが多い、
 (日本人の平均年収である500万円を超えることが通常であり、
  総額で年収1千万円前後になることも多い。)
 ことを認知してもらう。

以上より、
まず、国際協力の世界に入ってこようという子どもたちを増やし、
かつ、その中でも優秀な若者が、仕事としてこの世界に入ってくる機会を
増やそう、というのが、私の狙い、だった。

・・・

2006年、書籍「世界と恋するおしごと 国際協力のトビラ」(小学館)で、
最初に明文化し、
2007年、書籍「国際協力師になるために」(白水社)で、
題名にその言葉を組み入れた。

http://www.ets-org.jp/pub.html

これにより注目を集め、
JICA本部の近くにある紀伊国屋書店・新宿南口店で、一気に数百冊が売れ、
かつ、
国際協力関係のメディアから多数の取材を受けた。

同時に、インターネット上にも、
国際協力師になりたい人のために
私は、いくつかのメディアを作った。

1.未来の国際協力師たちへ

 将来、国際協力をやってみたい人と、山本との対談をそのまま掲載。
 http://www.ets-org.jp/mirai/

2.山本敏晴のブログ

 本当に意味のある国際協力とは何か、その概念と方法論などを掲載。
 http://www.ets-org.jp/hosoku/blog_000.html

3.国際協力師への道

 プロの国際協力師になるための、チャートなどを掲載。
 http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/52357466.html


こうしたサイトやブログは、かなりのヒット数を記録しており、
少なくともこれまで(のべで)十万人以上の人の参考になったようだ。

・・・

このようにして、「国際協力師」という概念を啓発してきた目的の一つに、
政府を動かし、制度として確立させ、
「国家資格」
として、一般に認知されるところまで持っていこう、ということもあった。

(そのほうが、一般の人に受け入れられ易いと考えるため。)

(また、当法人は、NPO法人であるが、実際には、
 新型の「シンクタンク」として機能している側面がある。)

(シンクタンクとは、(中立の立場で)政府に政策を提言する団体のこと。)


ちなみに、当法人は、
文部科学省とは、すでに連携関係をもっており、
全国の公立の小中学校の総合学習において
以下のプログラムを行ってきた。

プログラム「世界に目を向けた子どもたちの育成」
http://www.odeco-net.jp/program/s06.html

上記のサイトを見てもらえればわかるが、授業の内容の中に、
「国際協力師」という職業の紹介や、
「企業の社会的責任(CSR)」の説明が含まれており、
それを子ども向けに簡単にした手法が、全国で好評を得ている。


また
一般のマスコミでも、少なくとも年間数十回はとりあげられており
「国際協力師」に興味をもった方々からの
Eメールでの問い合わせは、毎日あとをたたない。

そんな中、掲載されたのが、今回の東京新聞の記事だった。

・・・

よって、最初、私は

「やった!、ついに、政府が動いた。
 地道に提唱を続けてきて良かった!」

と、思ったのだが、
よーく調べてみたら、たぶん、今回の提案は
別に私の啓発活動に影響されて、
資格化されようというわけでは、ないようだ。

(まず、最後の漢字1文字が異なるし、内容も異なる。)

(もしかすると、多少の影響、または多少の後押し、をしたかもしれない程度。)


文末に掲載するが、(調べてみたところ)
もともと、平成11年ごろから
「青年海外協力協会」などからの提案によって
国会(衆議院)でも、
「国際協力士」の立法化が検討されてきていた。

(議事録に、一応、残っている。後述。)

内容は、私の提案するものとは
けっこう違うものだったが、
ともかく、ある程度、似たような概念が
既に昔からあって、検討はされてきていた、というのが
本当のところである。


で、
基本的に、今回の「国際協力士」創設(まだ検討中)
の背景には、いくつかの要素(政府機関の思索)がある。

1.新生JICAの目玉が欲しい
2.国際協力を行う優秀な人材が、日本になかなか育っていかない現状
3.ODA削減(国際協力の予算が毎年減っていること)への歯止めが必要
4.青年海外協力隊から帰国した後、再就職できない人が多い(社会問題化)

最後の部分に関しては、
すでに私のブログに詳しく掲載している。

青年海外協力隊の良し悪し
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/51901806.html


が、
まあ、そんな細かい政府の思索はともかく
とりあえず、国際協力をやろうと思う人たちにとって
目標を立てやすい「国家資格」が創設される動きがあるのは
非常に良いことだと思う。

それが「国際協力士」であろうが、「国際協力師」であろうが
そんなことは、どうでもいい。

(ただ、「士」のほうが武士のイメージから、男性的な色合いが強く、
 近年は、性的に中立である「師」のほうが
 新設される資格の名前として、多く用いられている傾向がある。
 たとえば、看護師、など)


まずは、国際協力をプロとして行う人々が
どんどん増えていって欲しい。

そうすれば、その中に
「本当に意味のある国際協力とは何か?」
について
真摯に考えてくれる人が、増えていくだろうからだ。


「持続可能な世界」を実現するためには
現在行われている形の、国際協力では
まだまったく、足りない。

この現状を叩き直し、新しい社会を、新しい世界を作っていく、
「真の国際協力師」
を育成することこそが、
私の本当の願いだからだ。






・・・
・・・

補足:

以下、過去(1999年)にあった、参考資料

一番下から6行目に、「国際協力士」
という言葉がある点に注目。


・・・

衆議院議事録 

第145回国会 外務委員会 第12号 平成11年7月30日(金曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000514519990730012.htm#p_top


社団法人 青年海外協力協会理事長 貝塚 光宗さんの発言:


一つの国際協力に携わる者たちへの資格制度の導入、
御検討はいかがかなという思い込みもございます。
過去、これは事業関係者の中、仮称
「国際協力士」
とか、幾多支援検討はされたやに伺っておりますが、
今もって実現はなされておりません。
このような大きな外交の一翼を担う国際協力要員者に対する
社会的な資格制度の導入はいかがなものなのでしょうか
という思い込みでございます。



宇宙船地球号とCSR(企業の社会的責任)の歴史

.
NPO法人・宇宙船地球号が、
なぜ、企業の社会的責任(CSR)を推進し、
かつ、そのCSRの内容を、
より良いものに変革しようとしているのか、
ということを、以下にまとめておく。
.
・・・
.
1963年 「宇宙船地球号操縦マニュアル」が出版。
 バックミンスター・フラー(米国、都市工学・建築学者)著。

 地球の資源は有限であり、このままでは人類は生き残れない。
 化石燃料の使用は、(将来の持続可能性を考え)
 再利用可能エネルギー(太陽エネルギー等)を獲得するためにこそ使うべき。

 現在の個々の国家に分かれたシステムではダメで、
 世界全体を包括する新体制が必要。


1966年 「来たるべき宇宙船地球号の経済学」が出版。
 ケネス・E・ボールディング(米国、経済学者)著。

 上記の宇宙船地球号の概念を経済学に導入。
 無限の資源を想定している「開かれた経済」ではダメ。

 有限の資源を想定する「閉じた経済」を提唱。
 循環型社会の必要性を強調。


1972年 「成長の限界」が出版。
 マサチューセッツ工科大学・デニス・メドゥズら著。

 人類の人口増加の、異常なほどのスピードを強調。
 それによって起こる食糧不足、環境汚染などを提言。
 100年以内に、人類の成長は限界に達すると述べた。


1973年 国際連合環境計画(UNEP) 発足。
 
 ストックホルムで1972年に採択された
 「人間環境宣言」及び「環境国際行動計画」を実施する機関。
 様々な国際環境条約を締結。

 このUNEPの発足により、世界中に環境問題への意識が高まった。
 以後、以下のような環境に関する無数の会議が開催される。


1977年 国連砂漠化防止会議
1979年 欧米で 越境大気汚染条約(NOx, SOx排出規制)
1985年 オゾン層の保護と、ウィーン条約


1987年 「持続可能な発展 sustainable development」

 この頃から、持続可能性という言葉がマスコミに頻出。


1988年 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の創設

 UNEPと、世界気象機関(WMO)が共同で創設。
 地球温暖化に対する科学的な知見の集積と、その評価をする。

 数年おきに「評価報告書」を作成する。
 世界中の様々な国の100人以上の科学者が参加している。


1992年 地球サミット(環境と開発に関する国連会議)

 リオデジャネイロで行われ、180カ国が参加した。

 セヴァン・カリス・スズキという12歳の少女が
 世界中の首脳を感動させた「伝説のスピーチ」が有名。


1996年 ISO14001(環境マネージメントシステム)

 上記の地球サミットを受けて成立した。
 企業の営利活動によって生じる環境への影響を
 持続的に改善するためのシステムを構築する規定。

 日本国内ではこれらに対応し、
 日本工業規格 JIS Q 14001 などが制定。


1997年 トリプル・ボトム・ラインの概念
 ジョン・エルキントンが提唱。

 大企業の経済力やその予算は、もはや国家予算に匹敵する。

 国家予算と企業の予算を並列にならべてランキングすると
 40位ぐらいから、大企業の名前たちが入ってくる。
 (マイクロソフト、三菱、トヨタ、など)

 これからの企業は、社会的な責任を持たなければならない。
 経済(利益追求)・環境(持続可能性)・社会(倫理の順守)
 という三つの側面(トリプル・ボトム・ライン)のバランスが必要。

 これが、世界の持続可能性のためには、必須。
 この概念が、企業の社会的責任(CSR)の元となる。


1997年 京都議定書 ( Kyoto Protocol )

 京都市で開かれた第3回「気候変動枠組条約締約国会議」での議決。
 2004年にロシアが批准したことにより2005年2月16日に発効。

 1990年を基準として各国別にCO2の削減量を定めた。
 世界全体で、−5%。日本は、−6%。


1999年 グローバル・コンパクト
 国連アナン事務総長が提唱。

 人権・労働・環境・賄賂に関する「企業の十原則」。

 人権に関しては、人権の擁護など。
 労働に関しては、組合結成の自由、児童就労の禁止、差別を撤廃。

 環境に関しては、環境問題の予防、新技術の開発。
 賄賂に関しては、賄賂を含むあらゆる腐敗の禁止。


2000年 GRIガイドライン(第一版)
 UNEPと、NGOセリーズなどが創設したCSRガイドライン。

 国連系、政府系、民間系の様々な組織や有識者が入っている。
 企業は、CSR報告書(CSRリポート)を制作するべきだとし、
 また、そのリポートの内容は、このGRIガイドラインに沿うべきだ、
 という提言を行った。
 CSR報告書の最後に「GRI対象表」を掲載することが提唱されている。


2002年前後 CSRが日本でブームに。マスコミを席捲する

2006年 GRIガイドライン(第三版)

 現在、これを基準にして、世界中にCSRが広がっている。

2007年 IPCCからの第四次報告書

 地球温暖化が人類の産業活動によるものであることが
 90%間違いないこと、などを明言。
 未来の予測についても触れている。


2009年 ISO 26000

 国際標準化機構(ISO)が、
 CSR・マネージメント・システムを創設する予定。

・・・

以上が、主な歴史の流れである。
こうした流れの中で、

2004年に、NPO法人・宇宙船地球号を私は創設した。

2006年 NPO法人・宇宙船地球号による各企業のCSRランキングを開始した。

 プロジェクト「商品別・市場シェア5位までの企業のCSRランキング」 始動

・・・

CSRの普及には、3段階が必要と考えている。

 第一段階: 環境や社会性に配慮している、と標榜する企業の増加

 第二段階: 具体的に行っている行動を書いたリポートの作成と公開
       (CSRリポート、社会環境報告書、持続可能性報告書、等)

 第三段階: 作成されたCSRリポート等を、第三者機関が監査する制度の確立


以下、もう少し詳しく、解説する。

 1.まず、とりあえず、形だけでもいいから、
   環境に配慮し、社会の倫理を守ろう、といっている企業が増えること。
   会社のイメージアップのためでも、広報戦略でもいいから、
   企業はそうしなければならない、という風潮を社会に作ること。

 2.次に、CSRリポート等を制作させること。
   具体的にどのように環境や社会に配慮した活動をしているか、
   まずは、自社側からの説明で良いから、細かく書いてもらうこと。

 3.最後は、そのCSRリポートの内容が第三者機関により監査されること。
   これにより、企業は、言ったことと、やっていることが、
   一致せざるを得なくなる。
   具体的には、国連環境計画(UNEP)の作ったGRI対照表などが、その一例。
   他にも、国際標準化機構のISO14001など。


で、2002年前後に、日経新聞や、経済系の週刊誌で、CSRが特集されたため、
1.を(形だけでも)言うようになった企業は、かなり増えた。
全体の7割ぐらいだと思う。
 
このうち、CSRリポートなど等を
まがりなりにも、とりあえず発行している企業は、
現在、1割前後、ぐらいである。

(東証一部上場企業1700社のうち、CSRリポート等を発行しているのは、約200社)

と、
いうわけで、この第二段階の、入口にいるのが、日本の現状だ。

第三段階の監査まで入れて、きっちり行っている企業は、もっと少ない。
全企業の数%、というところ。

が、しかし、ここまでやっている企業こそが、本物のCSRを行っている企業だ、
ということになる。

是非、そうした企業たちを見つけてやって欲しい。

・・・

以上より、
当法人は、上記のような三段階にわたるビジョンを持ち、
徐々に、
CSRを普及し、かつ、その内容を「本物」にしていくための方法を
模索してきたのだ。

そして
企業のイメージアップのためだけのCSRを行うのではなく、
本当に社会の役に立つ(第三者機関からの監査を受けながら)CSRを行う企業を、
世の中に増やしていこうと考えている。

このためには、
一般の市民(消費者)に、どの企業がどのくらいCSRを行っているのかを明確にし
かつ、
市民が商品を買う時に、そうした情報が簡単に入手できるシステムが
社会になくてはならない。

(それ以前の問題として、市民一人一人に、CSR優良企業の商品を
 優先して買うのだ、という社会の意識改革が必要なことは、言うまでもないが。)


そこで考えたのが、(最終的には)携帯電話で見られる予定の、
以下のサイトである。

・・・

「商品別・市場シェア5位までの企業のCSRランキング」

http://www.ets-org.jp/hosoku/CSR_000_aiueo.html


・・・

まだ、実験段階であり、パソコン上でみることが前提となっており、
携帯からみると、非常に読みにくいが、現状でも、一応、見られることは見られる。

たとえば、
消費者が、コンビニに入って、チョコレートを買おう、という時に
上記のホームページにいき、

「チョコレートを作っている会社の中で、
 一番、CSRを正しく行っている会社は、どこかしら?」

と思って、携帯電話を開き、ウェブにつないで、上記のサイトに来ると、
そこには
商品が、あいうえお順に並んでいるため、簡単にチョコレートが見つけられる。

かつ、そこをクリックすれば、以下が表示される。

http://www.ets-org.jp/hosoku/CSR_chocolate.html

チョコレートに関する
CSRの客観的評価とランキング

明治製菓   ☆☆☆
森永製菓   ☆☆
ロッテ    ☆
不二家    ☆
江崎グリコ  ☆

(もちろん、星の数だけでなく、どのように評価されたかも記述。)
(かつ、各社のCSRリポートがあるURLにも、リンクしている。)

と、いうわけで、
2007年度の各社のCSRリポートで比較する限り
チョコレートに関しては
明治が、もっとも上だった、ということになる。

どのように評価したかは、以下に詳細がある。

http://www.ets-org.jp/hosoku/CSR_000.html

(要するに、まず、CSRリポート等があるか?
 次に、第三者機関の監査が、どれだけ入っているか、を見ている)

・・・

なお、当法人は、どの企業からも一切の献金を受けておらず、
政治・宗教的にも中立である。

さらに、こうした評価を行った当法人のスタッフには
事前に履歴書を提出してもらっている。
その人が、評価を担当する企業と利害関係にない、ことが重要だからだ。
(過去および現在、その企業に在籍している人などには、作業をさせない、等。)


以上だ。

これが、2006年から、試行錯誤を繰り返しながら行ってきたプロジェクト、
その全貌である。





「商品別・市場シェア5位までの企業のCSRランキング」

http://www.ets-org.jp/hosoku/CSR_000_aiueo.html





追伸:
なお、この評価システムには、もちろん、欠点があり(改善の余地があり)
それについては、また後日、詳述する。


CSRランキング制度は、進化していく。

しかもそれは、まだ  始まったばかりだ。

Earth the Spaceship . . . ETS



このブログの 「目次」 はこちら


山本敏晴の今日の日記はこちら


ツイッター・ログ(ブログ形式で読めるツイート)はこちら


favstarはこちら


ツイッターはこちら


ミクシーはこちら


NPO法人・宇宙船地球号ホームページはこちら


ETS_logo














「未来の国際協力師たちへ」はこちらへ。国際協力をやってみたい12人の人達と山本との対談。

パソコン版の企業の社会的責任(CSR)ランキング(2010年版)はこちら


携帯電話版の企業の社会的責任(CSR)ランキング(2010年版)はこちら

Profile
Amazonライブリンク
Amazonライブリンク
1か月以内の記事
このブログの 「目次」 はこちら
山本敏晴の今日の日記はこちら
ツイッターはこちら
ミクシーはこちら
  • ライブドアブログ