山本敏晴のブログ

1965年生、仙台出身。医師・写真家・NPO法人宇宙船地球号理事長。元国境なき医師団日本理事。 峭餾欟力師」という概念を提唱。企業の社会的責任(CSR)を推進。世界中で大切なものの「お絵描きイベント」を実施。著書に『世界で一番いのちの短い国』『アフガニスタンに住む彼女からあなたへ』 『国際協力師になるために』、『あなたのたいせつなものはなんですか?』『世界と恋するおしごと』『地球温暖化 しずみゆく楽園ツバル』『「国際協力」をやってみませんか?』など

2009年09月

おいら、4000年かけて「ツバル」を作った(改訂) 2550字

.
おいら、「フォラミニフェラ」。
おいらの名前、「心に穴のあるもの」。
おいら、さみしかった。

4000年前、友達ができた。
サンゴ、っていう名前の、綺麗なやつだ。二人で、海で遊んだ。
「砂の城」を作って、遊んだ。


おいらの体からは、垢(あか)が出る。
垢(あか)は砂になり、おいらのまわりに積もっていった。

サンゴは、小さいお城を作った。そのとなりにもお城を作った。
お城とお城をくっつけて遊んだ。

気がつくと、大きなお城になっていた。
そのお城に、おいらの体から出る、砂がたまっていく。


ふと、まわりをみたら、おいらの仲間、いっぱいいた。サンゴも、いっぱいいた。
どんどん、お城は大きくなり、そこに砂もたまっていく。

いつのまにか、立派な「砂の城」ができた。
太平洋の波から守る、丈夫で大きな、サンゴの城だ。
これ、サンゴ礁って、呼ぶのかな?

おいらの砂はそこにたまり、やがて
サンゴ礁に守られた、美しい砂の島、できていった。
おいら、うれしかった。


3000年前、植物、生えてきた。鳥、飛んできた。
そして、人間、すこし、やってきた。
人間、魚をとって、芋を育てて暮らしてた。


しあわせだった。おいら、しあわせだった。鳥も、魚も、人間も、みんな、しあわせだった。
このまま、ずっと、続いていくと思ってた。サンゴと、おいらと、少しの生きものたち。
ここは、おいらの「パラダイス」だった。


だども、100年ぐらいまえから、「新しい人間」やってきた。
そしてどんどん増えていった。
新しい人間、「永遠に消えないゴミ」と、「変な色の水」を出す。

このゴミと水は、おいらの体に、あわなかった。
ちょっとなら、平気だったけど、いっぱいだと、・・ダメだった。
おいらの友達、死んでいった。島をつくる砂、減っていった。


なんか、最近、暑くなってる。海の水の温度が、上がってる。
サンゴが、苦しそうだ。サンゴの友達、死んでいってる。島を守る、城が、崩れる。
波から守ってくれる、一番だいじな、防波堤が、くずれていく。


ある日、「新しい人間」が、砂浜の砂を、いっぱい、いっぱい、とっていった。
コンクリートって、なに? 戦争のために、飛行機の滑走路を作るの? 
アメリカという国と、日本という国が、ケンカをしているの?
なんであんなに、いっぱい砂がいるのかなぁ。


きがつくと、新しい人間は、いっぱい、増えていた。
もう、おいらには、かぞえられない。
いっぱい、とっても、いっぱい。


ああ、今度は、海の高さが上がってきた。
毎年、だんだん、上がっていく。
もう、だれにも、とめられない。もう、だれにも、とめられない。

おいらと、サンゴの、島が沈む。
おいらの、「パラダイス」が、沈んでしまう。
4000年かけて作った、おいらと、サンゴの島が。


おいら、「フォラミニフェラ」。
日本語だと、有孔虫(ゆうこうちゅう)。
4000年かけて、ツバルを作った。


だども、そのツバルが、もうすぐ・・



















...

補足1:
今日から、1週間、ツバルにいく。

映画ツバル2のロケハン(撮影前の現地の調査)が
主な目的なのだが、
それだけだと(時間とお金が)もったいないので、
上記のストーリーを、写真絵本にするための、
抽象的な風景写真の撮影も、行おうかと思っている。


補足2:
以前、上記のストーリーは、アップしたが、

http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/64973923.html

フォラミニフェラから分泌される
「セディメント」(積もってゆく砂のようなもの)を
そのまま、セディメントとして記述していた。
専門用語で難しいので、今回、単に「砂」とした。

その他、細かい部分を改定している。


補足3:
上記のストーリーは、
科学的に解説すると、以下のような内容である。

(1)サンゴと有孔虫が、サンゴ礁と島を長い年月をかけて作っていった。

(2)そこに、植物や動物が住むようになり、人間も暮らし始めた。

(3)ところが、やがて人間の数が増えすぎ、
   その屎尿(しにょう、尿や便)が、海水に流れ込むと、
   海水中の窒素の量が増え、硝酸や、亜硝酸となり、酸性度があがり、
   有孔虫が死んでゆく。
   要するに、まず、単に人間の数が増えただけでも、自然界に影響を与える。

(4)産業革命以来、人類は、CO2を大量に排出するようになり、
   これにより、地球温暖化が起きた。
   このため、海水の温度もあがり、高温に弱い、サンゴは死んでゆく。

(5)現代文明は、やがてツバルにも入ってきた。
   すると、石油を精製して作る、プラスチックや、ビニールも
   輸入されてくる。これらが、「永遠に消えないゴミ」だ。

   ガソリン、灯油、その他の石油化合物もツバルに入ってくるし、
   それらから生まれる排気ガスや、不燃物が、
   PCBやらダイオキシンやらの、有害な化学物質を産む。
   これらを、「変な色の水」とした。

   もちろん、これらは、サンゴと有孔虫を殺す。

(6)太平洋戦争(第二次世界大戦)の時、
   アメリカは、日本を攻撃するため、
   太平洋の島々に、空軍の飛行場を、どんどん作っていった。

   このため、砂浜の砂を大量につかって、コンクリートを作り、
   それで滑走路を作った。

   飛行場を作ったのはアメリカ軍だが、
   そもそも、戦争を始めたのは、日本なので、
   日本のせいだともいえる。

   なお、ツバルが沈んでゆく最大の原因は、
   地球温暖化ではなく、この戦争のために、
   砂浜の砂のほとんどが、除去されたためだ、と
   主張する人も、多い。

(7)地球温暖化による海面上昇で、
   ツバルが徐々に沈んでゆくのは、
   これまで何度も、解説した通り。

   私は、写真絵本も、映画も作った。

http://www.ets-org.jp/pub.html

http://www.ets-org.jp/hosoku/YouTube20080124.html

   簡単に触れると、
   地球温暖化のために、
   (純粋に物理的な現象で、高温による、液体の熱膨張が起こり)
   海水の体積が増加しているのが最大の理由。これが原因の50%。
   40%が、ユーラシア大陸とグリーンランドの氷が溶けて、
   海に流れ込んだため。

   北極の氷は、水に浮いている氷なので、解けても水位には影響しない。
   南極の氷は、むしろ増えているので、こちらも関係ない。


(8)新しい人間、というのは、
   (昔のツバル人のような、
    魚をとって自給自足の暮らしをする人ではなく)
   現代文明を使うようになった人間、という意味。
   電気を使い、石油を使い、
   永遠に消えないゴミをだし、
   産業廃棄物のまじった水を出す人。
   最初、
   白い人、という表記にしようかと思ったが、
   白人に対する、「逆人種差別」になるといけないので、
   新しい人、とした。
   

と、いうように、ツバルが沈んでゆくのは、
非常に複合的な理由によるものなのだ。

もう一度、まとめると、

 人口増加による屎尿の海水流出

 産業革命以後の化学物質の海水流出

 地球温暖化による海水の温度の上昇

 太平洋戦争の時の大量の砂の除去

 地球温暖化による海面上昇


(以上のほかにも、地盤沈下の問題や、海流の影響、
 人口増加のため湿地にまで住居を作ったこと、など、
 もう七つぐらいの要素が関係している。)


ともかく、これらにより、
サンゴと有孔虫は、殺されてゆき、
(したがって、サンゴ礁でできているツバルは消滅し)
また、それに加えて、
物理的な海面上昇によって、とどめをさされる、
ということである。


いずれにしても、本質的な原因は、

 人類の数の異常な増加
 と
 産業革命以後の人間の経済活動のグローバル化

の二つである。

私のブログを毎日読んでいる人は、
「またそれかよ」
と思うかもしれないが、
本当なんだから、しかたがない。


で、
この二つは、やっぱり、どうしようもないのか?

そうだとしたら、
「次善の策」として、何をするべきなのか?

(現実的で、最善なのは何か?)

ということを考えてゆくのが、
私たちがやるべきことだ、と考えている。


まあ、しかし、
上記の、童話のようなストーリーを読んで
ここまで理解してくれる人は、
やっぱり、ほとんどいないんだろうなあ・・・





さて、今日から、また行ってきますか。


「サンゴと有孔虫」が作った 「壊れかけの 砂の城」へ。







映画 「ツバル 大切なものに導かれて」 (予告編・1分半)
http://www.youtube.com/watch?v=dJGUPRNwOGM&feature=player_embedded




新型インフルエンザ、アップデート 6158字

.
9月11日に、私の母校の慈恵医大で、
新型インフルエンザに関するフォーラムが
行われた。

パネリストとして、
会社のリスク管理の人など、
いろいろな立場の人が呼ばれていた。

ある意味、おもしろかったので、
その内容を、以下にまとめておく。


(が、今回は、細切れの情報が、23個で、読みにくい。)

(でも、企業のリスク管理に興味がある人は、読んだほうがいいかも。)


・・・

1.
まず、いきなり余談だが、

明日(9月29日)、午後10時からの
NHK総合の番組
「プロフェッショナル・仕事の流儀」に
私の医学部時代の同級生である。
進藤奈邦子医師が、登場する。

http://www.nhk.or.jp/professional/

WHOで、新型インフルエンザの対策を担当しているので、
今、マスコミの注目のまとだ。

興味のある方は、ご覧になるといいだろう。


(私は、明日、ツバルに行ってしまうので、見られない。
 くすん・・)


・・・

2.
新型インフルエンザは、弱毒、と言われているが、
それは間違い。

「普通」あるいは「中等度」と言うのが正しい。
死亡率は、季節性インフルエンザとほぼ同じ
0.1〜0.01%程度なので、
「普通」の殺傷能力がある。

このため、WHOなどは、
弱毒性という言い方を、
改める方針を出している。

と、いうわけで、これを読んだ皆さんも、
「中等度」というようにしましょう。


・・・

3.
アメリカのデータだが、

H1N1の免疫をもっている年代は、

1880年代生まれから、
1920年代(今、90歳代)がピーク。
55%ぐらい。

1950年代で、20%まで低下。

1990年代で、3%ぐらいしかない。


要するに、高齢者は、
スペイン風邪の名残りの、H1N1に対する抗体を
持っている人もいる。

こうした人は、感染しても重症化しない
可能性がある。

この、昔のインフルエンザに対する抗体を持っていると、
今の(ある程度ウィルス表面の形が似ている)インフルエンザに対しても、
免疫を持つことを、
「クロス・リアクション(交差耐性)」
という。


・・・

4.
当たり前だが、知らない人のために、念のため、

季節性のインフルエンザに対するワクチンでは、
今回の新型インフルエンザに対する耐性は
上昇しない。


・・・

5.
新型インフルエンザに対するワクチンをうつべきなのは、

(1)基礎疾患を持つ人。
   具体的には、
   心臓病、喘息など呼吸器疾患、糖尿病、など。

(2)妊娠中の人。

高齢者に対する接種を優先するかどうかについては
意見が分かれる。

上記の、昔の抗体を持っていれば、軽くすむのだが、
もっていない人は、重症化するかもしれないからだ。

日本でも、地方自治体によって、
考え方が異なるようだ。

あなたの住んでいる地域はどっちなのか、
確認したほうがよい。

(数日前、厚生労働省でガイドラインができたのだが、
 それをそのまま実行するかどうかは、自治体による。)


・・・

6.
新型インフルエンザは、
季節性インフルエンザと同じくらいの
0.1%弱程度の、死亡率がある。

しかし、
感染力は、約3倍と言われている。

これまでのインフルエンザと型が違うので、
抗体を持っている人が少ないため、
最終的に、季節性インフルエンザよりも
多くの人が罹患する可能性が高い。

・・・

7.
大手スーパーの、ある企業の
リスク・マネージメント担当者は、
(現在、沖縄で、患者が大発生しているのだが)
PCR検査で、
はっきり陽性、とでた場合だけ、
その職員を、強制的に休ませる方針だ、

このフォーラムでいっていた。

(この人は、パネリストとして呼ばれていた。)


発熱して、インフルエンザが疑われた場合、
普通、病院で医師は、
迅速診断キット、という
鼻の粘膜をこするやつで、
A型インフルエンザかどうかの検査をする。

(10分から15分で、すぐ結果がでる。)

これが、陽性であれば、
季節性インフルエンザ、または新型インフルエンザである。

で、
もし、新型インフルエンザかどうかを
知りたい場合、
その地域にある。指定研究機関(衛生研究所等)で、
PCR法、という検査をやってもらう必要があるのだが・・・。


注:
PCR : polymerase chain reaction
簡単にいうと、
ウィルスの遺伝子が少量でも、まず、それを酵素を使って増殖させて増やし、
見つけ出せるようにする検査方法。
(増殖させないと、ふつう、ウィルスの遺伝子は、見つけられないのだ。)


これに関しては、
やはりパネリストとなっていた医師たちから、
次の批判がでた。

現在、PCRの検査キットは、
数が足りず、
(また、国家予算の中の医療費が高額になってしまうため)
新型インフルエンザの疑い例であても、
全員には、PCR検査を行わないことに
全国でなっている。

(PCR検査を行っているのは、
 全国に約5000以上ある医療機関のうち、
 500か所(約1割弱)程度のみで、行っている。
 これは、サンプリング(標本の抽出)をして、
 統計学的に、流行の状況を把握するため。)

(あと、重症化して、病院に入院した場合などは、
 その医師の判断で、PCR検査が行われる。
 が、ここまでいくケースは少ない。)


つまり、
沖縄の、上記のスーパーで、
職員が、新型インフルエンザの疑いでも、
医師も、病院も、PCR検査までは勧めないので、
その職員は、
疑いのままで、それ以上の検査はされない、
ということである。

理由は、上記の二つ
(PCRキットが足りない、医療費が高額になる)
だけではなく、

仮に、新型インフルエンザであろうが、
季節性インフルエンザであろうが、

現場の医者としては、
患者に、タミフルを処方して、
家で寝てて下さいね、
あと、重症化したら、病院にきて点滴をうけてね、
という風に言うだけなので、

要するに、「治療方針は、かわらない」のである。

このため
PCR検査は、ほとんどの病院で行われず、
しかして、
新型インフルエンザの本当の流行状況は、
わからない、ということになる。

(統計的に、推測はしているが・・)

で、だから、
上記の大手スーパーで、
PCR陽性の場合だけ、その職員を強制的に休ませる、
というのは、考え方として、本質的に問題がある
かもしれない、という話になった。


(要するに、新型インフルエンザの疑い、になっても、
 その段階で、PCR検査をしてくれる医療機関は、
 全国の1割よりも少ないのである。
 だから、
 PCRで確定されるケースなど、ほとんどないわけだから、
 むしろ、「疑い例」の人を、
 どのように扱うかを、徹底的に議論するべきだ、
 ということ。)



・・・

8.
上記の大手スーパーの話は、さらに続いた。

で、
ある職員が、PCR陽性だ、つまり、
新型インフルエンザだと確定されたとする。

すると、この会社の場合、
その状態で、さらに
咳、発熱、下痢、などの症状の
どれか一つでもあれば、強制的に、休ませる方針だ、
という。

で、次に、その職員を
いつ、職場復帰させるか、ということだが、
次のような方針だといっていた。


職場復帰は、次の三つの場合のうち、
一番長いものをとる、という。

(1)医者がこうなったら職場にいっていい、といった状態。
(2)発熱してから、一週間めまで
(3)解熱後三日めまで(学校保健法)

上記の、(1)〜(3)のうちの、
一番長いものをとり、その期間、休ませるという。

ええと、
最も一般的なのは、
解熱後三日目まで、なのだが、
(これは、学校保健法という法律に書いてあるから有名なのだが)

実は、
タミフルなどを使って、無理矢理はやく解熱させた場合、
それ以後も、ウィルスが排出されている場合があることが
報告されている。

このため、解熱後三日ではなく、
発熱後1週間にしたほうがいい、という意見もある。

あとは、現場の医師の、その患者に応じた個別の判断もあるだろう。

よって、
上記の三つのケースをすべて考慮にいれ、
このうちで、最も長いものを採用して、
その後、職場復帰するようにしているとのこと。

これは、私は、妥当だと思った。

・・・

9.
なお、上記の会社の
リスク管理担当者は、

現在、沖縄のような多発地帯でも、
全職員の0.5%が感染している程度なので、
まだ大丈夫といっていた。

(業務に影響ないといっていた。)

また、
上記の、「職場復帰」をするまでの期間を考えると、
最長でも、1週間の休みで、もどってくるので、
企業活動が、そこなわれることはない、
といっていた。

最長でも、一週間で戻ってくる、ということを
強調していた。

・・・

10.
日本で、初めて新型インフルエンザが見つかり、
一時、パニックとなった、
神戸市の、保健担当者もきていたので、
興味深かった。

ポイントは、
「学校を休校にしても、感染の拡大を封じ込めるか?」
ということだったそうだ。

例えば、
その学校の生徒一人だけに初発例がでて、
まだ、その家族と同級生数人ぐらいまでにしか
広がっていない場合、
学級閉鎖(学校閉鎖)等は、有効だが、

既に、交通機関(バス、電車など)で
地域へのかなりの感染が進んでいる場合、
学級閉鎖や学校閉鎖をしたところで、
大勢に影響があるのか、という判断が
むずかしかったという。

実際に、
アメリカのCDC(国立感染症予防センター)には、
学級閉鎖や学校閉鎖は、ほぼ無駄である、
と明記してある、とのこと。

すくなくとも、
蔓延期になった場合は、
学校閉鎖の意味は、ほぼないと判断したので、
学級閉鎖のレベルにとどめた、と言っていた。

なお、
10%から15%の生徒が休むと
学級閉鎖を行う。

学級閉鎖は、4〜5日で解除するのが通例とのこと。


また、
アメリカのCDCが
1000の症例にもとづいて
学級閉鎖は意味がない。
生徒本人のみに対して、一週間の自宅療養をすすめる、
という主旨のことを、
5月上旬に既に記述していた。

その後、
5月15日、神戸で最初の患者が発生した。
マスコミが騒いだが、
彼は、もうその時には、
上記の、CDCのデータは、知っていたとのこと。

・・・

11.
神戸の担当者は、次のようにいっていた。

大騒ぎになってしまったのは、
次の三つの理由による。

これらにより、
リスク(危険の可能性)でなく、クライシス(大きな騒ぎ)になった。


(1)
マスコミが騒いだ
このため、市民の40%が、かなり不安に思っていた。

(2)
海外渡航歴がない人が、
いきなり感染し発症したので、
市民が、当惑した。

(海外渡航歴のある人だけが、
 新型インフルエンザに最初にかかる、と市民は思っていた。
 それなのに、そうじゃなかったので、
 一気に不安が、広がった。)

(3)
かつ集団発生

(一気に、数十人の人が感染していたことが
 わかったので、市民は、パニックになった。)


・・・

12.
再び、大手スーパーの人

新型インフルエンザが広まった場合、
お客さんからの訴訟が、おきないように、
以下の二つをやっている。

(1)
予見措置
従業員に知識を伝えること。

(2)
回避措置
スーパーの入口に、手の消毒液を置いたり、
従業員に、マスクを配ること。

この二つをやるべきか?

しかし、
大手スーパーのこの会社が、マスクをつけると
社会的に、不安を「あおる」影響がある。

・・・

13.
このスーパーには、
買い物をするお客さんのほうも、
新型インフルエンザを警戒して、
混雑する夕方ではなく、
早朝や、深夜に買いに来るひとが増えた。

よって、スーパー側も、
早朝や深夜も営業したほうがいいのではないか、と。

・・・

14.
新型インフルエンザのワクチンは、
日本国内のものは、皮下注射、
外国からの輸入は、筋肉注射、
が勧められる。

(これは本当か? 確認を要す。)

・・・

15.
WHOから、最近、
タミフル等の使い方に対する
ガイドラインがでた。

基礎疾患のある人と、妊婦には
積極的に使いなさい。
健康な人には、つかわなくていい。

しかし
WHOのアナウンスは、
おもに、中から低開発国に向けている。
よって、
日本もまねするかどうかは、別。

よって、
(同じ先進国である)
アメリカのCDCは、
WHOとよく意見が矛盾している。

日本は、通常のインフルエンザで
さんざん、タミフルつかってるのに
新型インフルエンザで
ぜんぜん使わない、というのは
おかしい。
よって、日本は日本で考えるのだ妥当ではないか、
という意見が、
パネリストの医師の一人がいっていた。

・・・

16.
新型インフルエンザに限らず、
たいていのワクチンを接種しても、
80%ぐらいの人にしか効果はなく、
20%ぐらいの人は、感染してしまう。

が、
この20%の感染してしまう人でも、
重症化を防ぐ効果はあるので、
やはり、ワクチンの接種をすすめる、
と、パネリストの一人が言っていた。

(これも、要確認。)

・・・

17.
タミフル耐性の新型インフルエンザが
世界各地で、見つかってきている。

それが、人から人に感染した例が、
先日、アメリカで見つかった。

しかし、
季節性インフルエンザのソ連型で、
タミフル耐性になったものが、
日本まで入ってくるのに
およそ、1〜2年かかった。

よって、
この新型インフルエンザについても
同様の経緯をとるのではないか?

・・・

18.
新しい抗インフルエンザ薬が
いろいろできてきており、
治験も終了している。

・・・

19.
ワクチンの優先順位

医療従事者は優先するようだが、
病院を運営するには、
社会基盤(インフラ)である
電気・ガス・水道も必要だが、
その職員はどうするのか?

これに対しては、

実際に患者さんに直面する人を
医療従事者と考える、とのこと。

・・・

20.
今回の新型インフルエンザの
不顕性感染(ふけんせいかんせん)の割合は、
南米ペルーのデータでは、7割、とのこと。

注:
不顕性感染とは、
ウィルスに感染しても、
症状がでない状態のことを言う。
この場合、
発症しないだけで、ウィルスは感染しており、
まわりへのウィルスの排出はしている。


つまり、
症状がでていなくても、
感染してしまっていて、
かつ、
誰かにうつしている人が、それだけいる、とのこと。


世界全体の不顕性感染のデータは、
もうすぐ算出されるとのこと。

(この質問をしたのは、私)

・・・

21.
強毒性の定義は??

全身感染症をおこすかどうか。
臨床症状が中心とのこと。

ウィルス学的な裏付けはあとからするとのこと。
これは、WHOの担当官のコメント。

(この質問をしたのは、私)

・・・

22.
もし、強毒性の新型インフルエンザが今後きた場合、

企業として、

独立空調設備や、
陰圧・陽圧による管理はいるか?


陽圧は、いらないと思う。

部屋ごとの独立空調は、した方がいい、とのこと。

・・・

23.
バレンタインデーの頃に
新型インフルエンザが流行っていたら、どうするか?

(上記のようになる可能性は高いが)

区画を分けた、催事場でやる?
スペースを広くあける?


その、大手スーパーは、イベントをやらない、
と言っていた。

・・・

24.
会社に勤めている人の、家族が、
新型インフルエンザにかかった場合、
その会社員はどうするか?

これは、会社によって、
大きく方針が異なり、統一見解がないようだ。

比較的多くの会社が、
家族がかかったら、その会社員も
休む、としているようだが、

問題は、いつまで休むか、である。


純粋に医学的に考えると、
家族が発熱して、かつ、PCRで
新型インフルエンザだと確定した場合、

まず、
その家族が、
発熱後7日間
または
解熱後3日間

長いほうまで、ウィルスを排出している
可能性がある。

で、
それにより、その会社員に感染すると、
潜伏期が、3日から10日間の間なので、

合計で、最大、
7日、プラス、10日、なので、
合計、17日間まち、
それで、発熱などしなかったら、
会社にいってよい、ということになる。

つまり、
家族のだれかが、感染しただけで、
その会社員は、17日間も、
会社にいけないのである。

が、
もちろん、ここまで徹底して方針を出している
会社は少ない。


そもそも、
国の方針で、PCRはやらない方向なので、
家族に「疑い例」が現れるケースが多くなると考えられるが、
この場合は、企業は、その会社員に対して、
強制的な休みは、とらせないらしい。


また、もっとややこしいことに
上記の不顕性感染の問題もある。

17日間まって、発症しなくても
不顕性感染になっている可能性もあるので、
会社にいっていいとも、限らない。

が、これをいったら、
もう、国民全員にPCRをやるしかないので、
そんなことはできない・・

と、いうわけで、
実は、この問題に対する明確な答えは、ないのだ。







参考サイト:

厚生労働省、新型インフルエンザ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html

国立感染症研究所
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html

世界保健機構、WHO,Pandemic H1N1 2009
http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/index.html

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)
Centers for Disease Control and Prevention
http://www.cdc.gov/h1n1flu/index.htm





生命の誕生 4608字

.
46億年前、暗黒星雲の中に
太陽が誕生し、まわりに
その重力による「うずまき」を作った。

「うずまき」の中で、
無数の塵(ちり)や岩がぶつかりあい、
塊(かたまり)が形成される。

塊がある程度大きくなると、
その塊も重力を持つようになり、
そこに
多数の小さな隕石たちが降り注ぐようになる。

この重力による物質の集積の結果、
惑星が誕生してゆく。


・・・

絶え間なく隕石が降り注いでいた間、
惑星の表面は、マグマの海だった。

しかし、やがてそれはおさまり、
38億年前、惑星全体が冷えていった。

大気中の水蒸気たちは、水となり、
大きな、水たまりが形成された。

それが、「海」である。

・・・

当時の大気には、
メタン(CH4)、アンモニア(NH3)、
水蒸気(H2O)が多かった。

大量の水蒸気は雲を作り、
雨と、そして「稲妻」を呼ぶ。

「稲妻」は、エネルギーとなり、
メタン、アンモニア、水蒸気を反応させ、

タンパク質のもとになる「アミノ酸」を作り、
遺伝子(DNA、RNA)のもとになる「塩基」も生まれた。

これら、
アミノ酸と塩基は、海の中にたまっていた。


これを、「原始プール」 または 「生命のスープ」 と呼ぶ。

・・・

当時、まだ海の底では
火山活動が激しく、
深海での噴火が続いていた。

この噴火口の付近では、
温度が、400度ぐらいまで
上がっていた。


同時に、
深海では、水圧が高くなる。

すると、物理学の現象で、
水の「沸点」(液体から気体になる温度)は
上昇する。

そこでは、100度以上に温度が上がった
「熱水」が存在する。

高い水圧が存在する場合、水は、
なんと400度近い温度でも、
水蒸気にならず、
「液体と気体の中間」のような特殊な状態で存在する。


これを、「超臨界水」(ちょうりんかいすい)という。


超臨界水の中では、
(酵素などの触媒がなくとも)
様々な化学反応が、急激に進んでいく。


この結果、
普通、自然界では
(酵素などの触媒がなければ)起こりえない、
アミノ酸とアミノ酸同士の結合、
すなわち、「タンパク質」の生成が行われた。


・・・

タンパク質は、
「立体的な構造」を作ることができる。

アミノ酸の配列によって、
様々な、複雑な形状をとることができる。

この様々な形は、
「鍵(カギ)」と「鍵穴(かぎあな)」のように
いろいろな物質を結びつける。

自分の持つ形に、適合する物質たちを引き寄せ、
化学反応を誘発する、
すなわち
「酵素」(こうそ)
としての性質を持つようになる。



が、まだ、足りなかった。

生命を生み出すには、
立体構造と、酵素の他に、
もう一つ、

それらの材料となる物質を包み込み、
まわりに拡散していってしまわないようにするための
(反応する物質たちの濃度が、
 薄くなっていってしまわないための)
包み込む、なんらかの「膜」が必要だった。


・・・

タンパク質には、
親水性の部分と、疎水性の部分がある。

(炭素原子(C)が多い場所は、疎水性(水を嫌う場所)となり、
 水素原子(H)が多い場所は、親水性(水を好む場所)となる。)

親水性の部分と、疎水性の部分は、
それぞれが、くっつきあう性質がある。


原始の地球の海の、波打ち際で、
海水は、蒸発と乾固を繰り返していた。

この単純な物理現象が、
タンパク質の重合を促進し、
ついにある日、次のような配列が生まれた。


水素をH,炭素をC,とすると、


HHHHHHHHHH
CCCCCCCCCC
CCCCCCCCCC
HHHHHHHHHH


親水性の部分を、外側に出し、
疎水性の部分内側にしてできた、
「二重構造」の「膜」である。


この膜が、「泡(あわ)」のように
くるりとまるまり、

数億年の時を経てできてきた
アミノ酸とタンパク質、
そして(遺伝子のもとである)塩基たちのすべてを
包み込んだ。


これを 「コア・セルベート」 と呼ぶ。


・・・

「コア・セルベート」の中で、
膜につつまれ、高濃度となった塩基たちは、
まわりにあるタンパク質の酵素作用で、
重合を繰り返し、
ついに、最初の核酸である、
「RNA(リボ核酸)」を生みだす。

(RNAは、非常に不安定な物質で、
 まわりに膜がなければ
 自然界で存在しえない。)


このRNAは、遺伝子としての機能を持つ。


RNAの中にある4つの塩基が
暗号のようにして、
アミノ酸の並べる順番
(すなわち、タンパク質の立体構造と性質)
を決定するシステムが生まれていく。


以下が、RNAが持つ、4つの塩基(遺伝子情報)である。

U:ウラシル
C:シトシン
A:アデニン
G:グアニン


RNAの配列の中で、塩基たちが、たとえば、

GUC と並ぶと バリン      というアミノ酸が生成
GCC と並ぶと アラニン     というアミノ酸が生成
GAC と並ぶと アスパラギン酸  というアミノ酸が生成
GGC と並ぶと グリシン     というアミノ酸が生成


このように、
4種類ある塩基は、「三つ組」で、
ひとつのアミノ酸をコード(暗号化)する。

また、最初に生まれた遺伝子「RNA」は
(上記の例を見ればわかるが)
三つ組の中の、「真ん中(二番目)の塩基」が、何であるかで、
そのコードするアミノ酸が、決定される、という単純なシステムだった。
(1番目は常にGで、3番目は常にCだった。)

(現在の生物は、進化し、1番目も3番目も、変化し、
 さらに多数のアミノ酸を、つまり多種類のタンパク質を
 合成できるようになっている。)


・・・

RNAは、遺伝子情報としての機能を持つだけでなく、
それ自身が、タンパク質のように、
「酵素」として働くことがある。

これを、「リボザイム」 という。

(RNAは、リボ核酸で、酵素が、エンザイムだから。)


このため、
コア・セルベートの中で
RNAを中心として、
アミノ酸、タンパク質、塩基たちは、
急速に、様々な化学反応を繰り返し、
ある日、
もう一つの、塩基を生みだした。


チミン(T)という塩基を。


チミンは、ウラシルに置き換わる遺伝子情報になり、
(UCAGの4種類の塩基ではなく)
TCAGの4種類の塩基による遺伝子情報の継承が生まれる。


これが、「DNA(デオキシリボ核酸)」の誕生だ。


DNAは、RNAよりも物質として安定していたため、
以後、DNAは、RNAにとって代わる「遺伝子」となった。


・・・

この頃、
海水中にある「リン」(燐)を取り込んだ
コア・セルベートは、
自分の中で、新たな化学反応を起こし、
「リン脂質」という物質を生みだす。

この物質は、
炭素(C)が並ぶ、疎水性の部分と、
水素(H)が並ぶ、親水性の部分をもち、
かつ、
簡単に合成でき、
かつ、
簡単にまるまって、「膜」を作る性質があった。


以後、
タンパク質でできた膜ではなく、
リン脂質でできた膜が、
「それ」を包むようになった。


「それ」とは、すなわち、

最初の細胞、最初の「生命」である。


・・・

「生命」の定義は、基本的に次の二つである。

1.自己複製できること
2.代謝(化学反応)が、
  その中で継続的に起こっていること

ただし、
1.2.が起きるためには、
自己がなんであるかを決めるための境界線であり、
かつ、
自分の中と外を区別するための境界線である、
「膜」が必要だった。


この中に、
自己複製をするためのDNAがあり、
代謝を行うためのタンパク質(酵素)があれば、
それは、
「生命」である、ということになる。


・・・

繰り返すが、

DNA(遺伝子)の中にある、
4種類の塩基(TCAG)が、
「三つ組」となり、
それらが様々なアミノ酸をコード(暗号化)して指定し、
かつ、その並べる順番を指示することにより、
様々なタンパク質(立体構造または酵素)が生まれる。

酵素は、次の反応を誘発し、
また、
別の遺伝子へ働きかけ、次のタンパク質が合成され、
それがまた・・

という風に、繰り返されるのが、
生命の本質である。


遺伝子であるDNAと、酵素であるタンパク質は
いわゆる
「卵とニワトリ」の関係にある。

・・・

現在の生物は、すべて、全く同じ上記のシステムを持つため
全ての生物は、原始に生まれた
「たった一つの生物」から生まれたことがわかっている。


この、最初の生物(細胞)のことを

「LUCA(ルカ)」 Last Universal Cellular Ancestor

と呼ぶ。


彼女が、私たち全ての先祖、全ての母である。


・・・

「LUCA」が生まれた後は、
それはそのまま、現代でいうところの
「細菌」
となり、まわりの養分(アミノ酸ななど)を取り込んで
自分を増やす活動を開始した。

やがれそれは、
多細胞生物に進化し、
カイメン
(海綿。海の中で、筒のような形状で揺れている軟体動物)
となる。

・・・

カンブリア紀(5億年前)になると
「カンブリア爆発」 または 「生命のビックバン」
と呼ばれる
急速な進化(生物の多様化)が起こった。

理由は、
この時期、地殻の変動が激しく、
造山活動が強く起ったからである。

このため、マグマからの噴火などにより
海水中の、リン(P)とカルシウム(Ca)の量が増えた。

この二つが結合すると
「リン酸カルシウム」となり、
この物質は、すなわち
「骨」となる。

多細胞生物の中で「骨格」となる
骨ができたことで、
生物は、劇的な進化を始める。

二つの道があった。

外骨格を作る、昆虫などの甲殻類と、
内骨格を作る、魚などの脊椎動物系だ。

・・・

最初は、甲殻類のほうが、優勢だった。

海の中で、脊椎動物たちは、最初は、
「狩られる」ほうの立場だった。

しかし、
餌の豊富な浅瀬で生活していた魚が、
ある日、ついに、
陸上へと進出することになる。

爬虫類、そして、恐竜の誕生だ。

恐竜の時代は、
1億年以上も続いた。

・・・

6500万年前、
巨大な隕石が落下し、
恐竜を絶命させた。

以後、哺乳類が繁殖するのだが、
このころから、地球の乾燥化がおきる。


ある日、木に登っていたサルは、
乾燥化のため、枯れてしまいそうになった木から
下に降り、餌(えさ)を求めた。

木につかまる必要がなくなった「手」で
石をつかみ、
それを武器として、他の動物を殴って殺し、喰うことを覚えた。


こうして、「道具を使う動物」
すなわち、

「人類」が誕生する。


・・・

このサルは、
効率よく、餌を得るために、

狩猟生活から、牧畜(遊牧)生活へ移行し、
さらに、
農業を行うようになった。

農業の技術を後世に伝えるため、
文字が生まれ、

宗教、思想、哲学が誕生し、



ある日、サルは、次のようなことを考えだす。




「私は、何のために生きているのか?」



「どうして、生まれ、そしてやがて、死ななければならないのか?」





「この宿命を持つ、最初の生命は、いつ生まれてしまったのか?」



























補足1:
38億年前の大気は、
メタン、アンモニアが多かったのは誤りで、
(それらよりも、ずっと反応しにくい)
窒素や二酸化炭素などの普通の物質が多く、
そこに(稲妻ではなく)宇宙線が降り注いだ
ことにより、
最初のアミノ酸等が生まれたのではないか、
とする説もある。


補足2:
最初の生物は、
タンパク質だったのか、DNAだったのか、
ということは、
ニワトリと卵の関係として、
長い間、論争されてきた。

現在では、
どちらでもなく、
遺伝子機能を持ちながら、酵素の作用も持つ、
RNAが、最初の生命を作った、とする意見が強い。

文中に登場する、リボザイム、である。


補足3:
この他、最初の生命は、
宇宙からやってきた、とする説も
かなり有力である。

太陽が発生した頃の、暗黒空間は
非常に温度が低かったが、
そんな状態でも、
メタン、アンモニア、水があれば、
それらが含まれる「氷」に
宇宙線がそそぐと(それをエネルギーとして)、
アミノ酸や塩基がうまれる。

これは、多数の隕石の中に、
アミノ酸や塩基などが含まれていることから
示唆されている。


ハレー彗星の中には、
「芳香族(ほうこうぞく)アミノ酸」という
最も複雑な形状の有機物があることが、
1986年に証明された。


つまり、
母なる「LUCA」は、
彗星に乗って、やってきたかもしれないのだ。

それを信じて、今夜、星空をながめて見るのも、いいかもしれない。


「わたしたちのお母さんは、今も、星空を駆け抜けているのだ」と。


























やつらの足音のバラード (ちのはじめ) 名曲です。是非聞いて!
http://www.youtube.com/watch?v=fkauoiO4YKA


最古の人類 ラミダス猿人「アルディ」
http://www.asahi.com/science/update/1002/TKY200910010472.html

日本の医療の国営化・公営化の是非 7027字

.
日本の医療の崩壊が、論じられることがある。

とりあえず、
その論点をを列挙しておこう。

1.産婦人科医が減っている。
2.小児科医が減っている。
3.救急室が減っている。
4.地方と都会の医療レベルの格差

上記が生じている理由は、
以前、すでに書いたが、
簡単に再記述しておく。

・・・

最近日本でも、アメリカのように
訴訟が増えており、
患者が医師を訴えるケースも
多くなってきた。

しかし、
内科では、80歳前後の
高齢者が亡くなるケースが多いため、
(亡くなるのに平均的な年齢であれば)
あまり訴訟にならない。

が、
20歳の若く美しい妻や、
0歳の生まれたばかりの赤ちゃんが
亡くなってしまった場合、
医者は、訴えられるケースが多い。

このため、医療訴訟の
6割は、産婦人科、
3割が、小児科、
である。

このため、これらの科で働こうという医師は
どんどん減っている。

・・・

小児科の場合、その給料の安さも影響している。

基本的に病院の利益は、
処方した薬の量によって、決まる。

例えば、
60kgの大人に、ある抗生物質を60mg処方した場合、
製薬会社に、6000円がいき、
病院に、その1割である、600円が、支払われる。

(このシステムを、薬価差益、という。)

同様に、
10kgの子どもに、ある抗生物質を10mg処方した場合、
製薬会社に、1000円がいき、
病院に、その1割である、100円が、支払われる。

一人の患者を診た場合、
どちらが儲(もう)かるかは、明確である。

(大人を診るほうが、子どもを診るよりも、数倍儲(もう)かる。)


このため、病院は、あまり儲からない小児科に
力を入れようとはしない。

(小児科病棟は、現在、各地でどんどん減っている。)

小児科医の給料も、内科医の半額程度、
外科医の数分の1程度に抑えられているケースも多い。

・・・

夜の当直の時間帯の忙しさも、
かなり不公平である。

内科で当直すると、ほぼ朝まで寝ていられる。

小児科で当直していると、
ちょっと熱を出した子の母親が、頻繁に来る。

気管支喘息の発作の子も、しょっちゅう来る。
夜、10回以上起こされるのは、普通だ。

産婦人科で当直すると、
陣痛が始まってから出産になるまでの
8時間から16時間の間、
ずっとおきていなければならない。


で、
一般の人は、知らないと思うが、
医師に、翌日の休みは、ない。

夜の当直を朝までしても、
翌日は普通に、朝8時から夜10時ごろまで
仕事をしなければならない。

ナースの場合は、
8時間ごと、あるいは12時間ごとの交代なので、
深夜の勤務を行ったら、少なくとも次の8時間は、
休みである。

医師の場合は、そんなものはないので、
(仮に徹夜でも)ぶっ続けで仕事をする。


ちなみに前日の日勤もやっているので、
40時間、連続勤務である。

1週間あたりの勤務時間は、
14時間X7日プラス夜勤で、108時間。

普通の会社員は、
1週間あたりの勤務時間が
原則40時間前後になっているはずだが、
医師は、その約3倍である。

(これで、医療ミスをするな、
 というほうが、おかしい。)

・・・

以上、まとめると、
産婦人科医と小児科医が減っている理由は、
訴訟が多い、給料が安い、当直がきつい、
という三つの理由である。

・・・

救急医療も、崩壊の危機にある。

最初、医者になりたてのころは、
(私もそうだったが、)
夢と希望に燃えており、
どんな病気でも見られる、
スーパードクターを目指す。

(それには、いろんな患者、あらゆる疾患が来る、
 救急室は、かっこいい場所に思える。)

が、
(医師は、最速24歳で医師免許をとれるが)
30歳を超えたころから
だんだん体がきつくなっていき、
夜通し働き続ける救急医療の仕事は
そうそう何年も続けられない。

また、
実は救急医療は、つまらない仕事ともいえ、
なんでかというと、
全ての病気を見られるドクターはいないので、
結局、
救急医の仕事というのは、(極論すれば)
患者がきたら、どの科にまわすかを判断する、
「振り分け」作業をするだけのものだ、とも言える。

このため、数か月もやれば、飽きてくるので
一生、この分野でやっていこうという医師は
少ないと思う。

(近年、救急医療の専門医制度などができたので、
 多少は、ましになったが、本質的に変わっていない。)

・・・

地方と都会で、医療格差が生じるのは、
まあ、しょうがない。

理由は、
ラーメン屋をたてるなら、
既にラーメン屋が何件も建っているところに
建てたほうが、つぶれる確率は低い、
と言われている。

医者も、開業をするなら、
既に何件もクリニック(診療所)があるところに、
自分もクリニックを建てたほうが、
つぶれる確率が低いことが、わかっている。

(これは、これまでの膨大な統計データから、
 間違いないことが確認されている。)

よって、既にクリニックの多い都市部に
医師は集中していき、
田舎には、開業してもつぶれるので、
だれもやろうと思わない。


(その他、仮に(地方での)高額の給与が提示されても、
 周囲に娯楽施設等がなければ働く気になれない。
 また、
 子どもがいる場合、将来の進学のことを考えると、
 優秀な私立の学校にいれ、優秀な進学塾に
 入れておく必要がある。
 そうでないと、将来、自分の子どもを医学部に入れられない。
 が、地方にはそれらがない。
 こうした、医師の家族全員を含んだ社会的側面もある。)

・・・

あとは、医者の給与の話を
しないといけない。

医者の給与は、千差万別である。

まず、下から上までいこう。


医師免許をとっても、大学に残り、研究者となり、
いわゆる基礎医学(解剖学、生理学、生化学、ウィルス学など)
の教室に入って、研究ばっかりする医師もいる。

(こうした人は、患者さんをみたことが全くない。)

この人たちは、(大学の教員などと同じなので)
初任給は、月給で17万円程度、やがて、25万ぐらい。
最終的に、運よく教授になれても35万円程度である。
(ふつうは、25万前後で、一生を終わる。)
要するに、サラリーマンよりも安く、
日本人の平均年収である、550万円よりも低い。

病院の勤務医になると、
小児科医で、年収500万円から1000万円の間。
内科医で、年収1000万円から2000万円の間。
外科医で、年収1000万円から数千万円の間。
あとは、
どのくらいバイトをしたかどうか、というところ。

(普通、大学病院の医師は、
 週に1、2回、バイト日、というのがあり、
 大学の関連病院にいって、バイトをするのである。
 毎日、こればっかりやって、金を稼ぎまくる医師もいる。
 すると、自分が大学で担当している入院患者は、
 おろそかになるが・・)

開業医になれば、
顧客(常に来る患者)の確保に成功した場合、
年収数千万円から、数億円。
失敗すれば、
借金が数億円、となる。

(開業医としての成功のためには、
 医学的な優秀さは、ほとんど関係がなく、
 接客のうまさ、宣伝活動、経費節減などが影響する。)


以上、まとめると、(かなり単純化した場合)
研究者になると、年収400万円。
勤務医で、年収1000万円前後。
開業医で、年収数千万円以上。


もし、あなたが医師になれるとした場合、
あなたは、どれを目指すか?

(金のことだけを考えるのならば)
バカでなければ、当然、開業医だろう。

しかも、訴訟のリスクのない、
眼科、皮膚科、内科などが、人気である。

逆に、
訴訟があっても、優秀な弁護士を雇って、
訴訟を撃退できるほど儲かる
美容整形は、もっと大人気である。


今の医学生は、こうした
儲けるために、医学部に入ってくる人が多いため、
ますます、この現象に拍車がかかっている。

・・・

あとは、まわりの状況、も関係している。

人間は、まわりにいる人間で、その人の人間性の半分は決まる、
と私は思っている。

私が、
ほとんど金にならないNPO法人の仕事を続けていけてる理由は、
まわりにいる、金儲けをしている友達との縁を
切っていったからである。

自分の友達や、知人が、
自分より、はるかに短い時間の勤務で
自分の10倍以上の収入を得ているのを知った場合、
(それを、毎日きかされた場合)
人間、どうしても、自分も金儲けをしたくなる。

で、
そうした情報を頻繁に見る状況の中にいると、
やがて自分も、金儲けを最優先する人間に
なっていってしまうのだ。

もちろん、私もそうした、「弱い」人間である。

私は、自分の弱さを知っているので、
自分のまわりに、金儲けをしている人を、置かないことにした。

(極力あわないようにしている。)

(変人だと陰口を言われることもあるし、
 孤高の人だと褒められる(?)こともある。)


ともかく、
だから私は、今でも、金にならない仕事を行う医師として
働けているのである。


が、普通の医師は、違う。
大学の医局や、医師会、その他の場所で、
もうかっている医師たちとも、つきあわねばならない。

そして、金、金、金、という情報を聞いていると、やがて、
自分も、自分も、と思うようになっていってしまう。


この現象が繰り返されていけば、当然、
小児科医などは絶滅するし、
地方の医療が、悪化していくことも、当然である。


つまり、医師たちの全体的なモラル(倫理感)の低下、
あるいは、
医学部に入ってこようという若者のモラルの低下、
そして、
金儲けをしている医者が、まわりの医者もそう変えていく現象。

これらが、
現代日本の、医療崩壊のもとを作っていると
私は考えている。

・・・

さて、話を本論に戻す。

こうした数々の問題を解決する方法の一つが、
医療の国営化、公営化である。

要するに、病院や診療所を、
すべて国立か公立(地方自治体の運営)とし、
同時に、
医師や看護師のすべてを、
国家公務員または地方公務員とすることである。

そうすれば、国や都道府県などが、
医師が何科にいくか、
どの病院で働くか(都市部か地方か)
などを指定できる。

また、給与も、
国家公務員や地方公務員に準ずるので、医師間の給与の格差は減り、
上記の問題は、すべて解決する。


が、
いきなり結論からいうと、
私は、それは、
ちょっと無理なんじゃないかと思っているのだが、

今日は、それでも、
それをやらなきゃいけない、と言っている人を紹介する。

京都大学の名誉教授、泉孝英という人だ。

最初に、データを示す。

・・・

まず、現在の病院と診療所の
国営、公営(地方自治体の運営)、民間
の割合を示す。


病院(ベッド数、20床以上の医療機関)

総数    8862(100.0%)
国立     291  (3.3%)
公立    1325 (15.0%)
社会保険関係 123  (1.4%)
民間病院  7123 (80.4%)

上記のように、我が国の病院は、
民間病院が多い。
民間病院は、採算性の良い地域に開業するので
適正な地域配置を期待することは、できない。


診療所(ベッド数、20床未満の医療機関)

総数     99532(100.0%)
国立       631  (0.6%)
公立      3827  (3.8%)
社会保険関係   700  (0.7%)
民間     94374 (94.8%)

診療所の状況は、さらに悪く、
国営化・公営化など、まず無理な状況である。
開業医は、基本的に金儲け主義であるからだ。


では、
これらの病院や診療所を、
徐々に20年ぐらいの計画で国営化・公営化していくことが、
可能かどうか?

基本的に、現在、国の予算も、地方の予算も、赤字だらけであり、
医療費は、むしろ削減する方向にある。
新しく増えた病院や診療所の面倒をみる金など、
どこにもないはずだ。

よって、これに関しては、やっぱり無理なんじゃないかと
私は思う。

・・・

次は、医師の国家公務員化もしくは地方公務員化だ。

これを行う場合、
その給与が問題になる。

どのくらいにすれば、妥当か?、ということだ。

(公務員化した医師の給与は、国や都道府県が
 支払うことになるので、
 税制を考えると、低いほうがいいのだが、
 それだと医師側から不満がでる。)


普通の日本人の給与が、
年収550万円なのだから、それくらいでいい、
という考え方。

大学病院の勤務医で、バイトをしていない真面目な人が、
現在、1000万円ぐらいなので、その辺にするのか?

医学部は6年生の大学のため、それを卒業した場合、
事実上、大学院修士と同じ学歴を持つ。
また、厚生労働省の事務次官(一番上)が、
年収2千万円ぐらいである。
これよりは下だろうから、
1500万円ぐらいか?

開業医は、数千万円以上もらっている人もいるが、
そんな金を医師全員に、(国などが)払えるわけがない。


で、私のように、年収数百万円で、納得する医師は、
ふつう、いないはずである。

(医学部は、一応、受験戦争を勝ち抜き、
 偏差値のトップにある学生たちが入ってくる場所であり、
 それに応じた高収入が見込めなければ、
 納得できない、と考える人もいる。)

ほとんどの医師が反対するということは、
医師会が反対する、ということで、
医師会から金をもらっている政治家(族議員(ぞくぎいん))が、
反対するわけだ。

・・だったのだが、自民党が負けて、民主党政権になり、
チャンスが巡ってきた。
民主党の族議員は、まだ少ない。
(今、医師会が、必死に、民主党へのロビー工作をしているが。)

だから、やるなら、(ロビー工作が整う前の)今かもしれない。

全ての医師を、全員一律で、年収1千万円前後にして、
その勤務する科も、その勤務する病院の場所も、
国や地方自治体が決める制度にするのがいいかも。

が、現実的に考えると、
すでに、都内に一戸建ての家を持ち、ベンツを2台もっていて、
子どもを私立の学校に通わせている医師たちは、
死んでもこれに反対するだろう。

人間、一回いい暮らしをしてしまうと、
昔の、質素な暮らしには、戻せないのである。

(地球温暖化の問題も、
 これがあるので解決しないんだけど・・)

と、いうわけで、こちらも難しいのだが、
病院・診療所の公営化よりは、
こちらのほうが、
「徐々に」行っていけば、可能であると私は思う。

・・・

次に、日本で行われている医療は、
「過剰医療」であることを、述べる。

・・・

日本の医師数の少なさの問題を書く。

人口1000人に対する、医師の数は、

日本     2.0
アメリカ   2.4
イギリス   2.4
スウェーデン 3.4

(ちなみに、日本、イギリス、スウェーデンは、
 国民皆保険。
 アメリカのみ、自由診療。)

で、
ともかく、日本は医師の数(絶対数)は、
他の先進国と比較した場合、ちょっと少ない。

もうちょっと、医師の数を増やしてもいいかも。

小児科医や産婦人科医の割合を増やすのは、
絶対数を増やすことと、同時に行わないとダメ。

・・・

次、
国民一人あたりの、医療機関の年間受信回数は、

日本     13.8
アメリカ    3.8
イギリス    5.1
スウェーデン  2.8

これでわかるように、
我が国の特徴は、
一人の患者さんが、頻繁に医療機関を訪れ、
そのために、
医師の負担が増え、医療費も増える、
という現象が起こっていることだ。

もちろん、開業医さんなどは、
来れば来るほど、診察料金をとれるので、
儲かることに直結するが、
勤務医の場合、
外来患者を診察した数が増えても、
自分の給料は変わらないので、
その分、疲れる、ということになる。

(だから、楽な勤務場所に移動したがる。)

ただ、
私が内科外来などをやっている経験だと、
特に、高齢者の方は、
ほぼ毎週(?)、
病院にいって、お医者さんの話をきき、
「精神的な安心」を得ることを
習慣としている人が、多いと思う。

(要するに、病院に通うことが、
 「日課」のようになっている人が、 
 日本の高齢者には多いのである。)

が、
上記をやめさせることは、
その人の(広い意味での)「幸せ」を
損ねる可能性があるので、
「あんまり病院に来るな」
とは、いいずらい。

・・・

上記を、逆に、医師側の立場からみてみる。

医師一人あたりの、年間診察回数

日本      6795
アメリカ    1593
イギリス    2124
スウェーデン   834

上記のように、我が国での医師の負担は、圧倒的に多い。
が、
これまで示した統計を考えれば、当然であろう。

・・・

一般病床数(ベッドの数)の、人口1000人あたりの比較は、

日本     8.2
アメリカ   2.7
イギリス   3.1
スウェーデン 2.2


平均入院日数は、

日本     19.8日
アメリカ    5.6日
イギリス    6.1日
スウェーデン  4.6日


と、いうように、
要するに日本は、入院のさせすぎ。
これが、医療費を圧迫している。

(国家予算なども圧迫している。)

これを削ることで、財源を産み、
そこから、
国立や公立の立場で働く医師を育成し、獲得するのはどうか。

・・・

画像診断に関してのデータは以下。


CT(コンピューター断層撮影)の
人口10万対の施行回数

日本    92.6
アメリカ  32.2
イギリス   7.5
デンマーク 13.8


MRI(核磁気共鳴画像)の
人口10万対の施行回数

日本     40.1
アメリカ   26.6
イギリス    5.4
デンマーク  10.2


この画像診断についても、日本はやりすぎ。
財政を圧迫しており、
また、他のことに使うほうがいいかも。

・・・

以上のデータから、
京都大学の泉孝英は、三つのことを主張している。

(1)病院・診療所の国営化・公営化
(2)医師の国家公務員化・地方公務員化
(3)過剰医療を抑制し、そこから財源を転用

で、
私が思うに、
この中で、最も難しいのは、(1)だと思う。
(2)は、ある程度、できるかも。
(国家公務員の医官は、すでにけっこういるし。)
(3)は、やろうと思えば、けっこうできると思う。
(基本的に医療費の抑制なので、現行の方針にあっている。)

いずれにしても、
20年以上の計画をもって、
日本の医療を改革していく必要性は、
あるのではないかと思う。

そうでないと、
みんな、金になるほう、金になるほうに流されて、
ダメな医者ばかりの世の中になりそうだ。




補足:
過剰医療を削減し、そこで生まれた予算で
次のことを行うのが有力。

自治医大や、防衛医大のように、
卒業後、10年ぐらいは、
国家公務員(または地方公務員)となることを
義務付けられる
「医師公務員養成大学」(仮名)
というものを、創設してはどうか。

この大学は、授業料も安く(もしくは無料で)
また入学の際にも
偏差値による試験で行うのではなく、

中学時代・高校時代に、
以下にボランティア活動や、社会貢献活動を行ったか、
学生時代の総合的な成績による学校および教員からの推薦、
などで、入試にかわる選別を行う。

試験は、面接と、小論文。

このシステムで将来公務員となることを
確約された医学生を獲得する。

で、
医学部卒業後、
その時点で社会に少ないと考えられる
人気のない科や、地域に配置し、
働いてもらう、というわけだ。





小児科医と産婦人科医が減る理由は? 2,295字
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/51160990.html

京都大学名誉教授・泉孝英の論文などがあるサイト
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/issue/kouhou/documents/633.pdf





シッコ SiCKO 5078字

.
アメリカの医療制度が、「崩壊」していることは
非常に有名である。

それを批判する有名なキャッチコピーは、
「金がないやつは、死ね!、という医療制度」
であるとのこと。

で、
日本では、ほとんどヒットしなかったが、
最近、日本の医療制度改革も話題になっていることもあり、
参考になるかと思って、この映画を見ることにした。

この映画、とは、
社会派ドキュメンタリー映画を作ることで有名な
アメリカ人の、マイケル・ムーアが、
自国の医療制度の問題を、厳しく(かつ、コメディータッチで)
紹介したものだ。

題名は、「シッコ」
英語の題名は、"SiCKO" (狂人の意。ここでは sick のもじり、か?)

映画は、アメリカ人が、(医療制度的に)悲惨な状態で生活してる
実例を、次々と紹介してゆくことで構成される。

以下、それらを列挙。


(内容は、予想をはるかに超える、すさまじいものだった。)

(ただし、この映画は、マイケル・ムーアの
 独断と偏見が入っている可能性があることを
 最初に明記しておく。)


・・・・・・・・・
・・・・・・・・・

1.
アメリカ合衆国は、先進国の中で唯一、
国民健康保険制度がない国である。

このため、
全人口3億人のうち、
まったく健康保健を持たない人が、5000万人。

・・・

2.
この、健康保険を持たない人は、
病気や怪我をした場合、法外な料金を請求される。

(アメリカの医療費は、ものすごく高い。)

どのくらいかというと、以下。


リックという名前の男性は、
仕事中、左手の指二本を切断した。
中指と薬指だった。

病院は、それを元通り、くっつけて欲しければ、
中指には、6万ドル(600万円)、
薬指には、1万2千ドル(120万円)、
払え、と言った。

"ロマンティックな"リックは、
(左手の)薬指をくっつけてもらったが、
中指は、あきらめて、ゴミ捨て場に捨てた。

(アメリカの病院は、金のないやつの治療はしない。)

・・・

3.
この「保険を持っていなかったため」に
(つまり、治療費が払えないので、
 病院で治療してもらえなかったために)
死亡した人間の数は、毎年、1万8千人前後。

繰り返すが、これは「先進国」である、アメリカ国内の話である。

・・・

4.
健康保険を取得しようとしても、
民間の保険会社には、厳しい「入会」の基準があり、
なかなか入れない。

例えば、体重と身長を比べて、
(BMI: body mass index を計算し)
太りすぎか、やせすぎかが判断され、
どちらかにひっかかれば、入会できない。
つまり、健康保険を取得できない。

アメリカ人は、
肥満が多い。
それも、かなりの肥満が多い。
(いわゆる、ちょーデブ、である。)

肥満の人は、糖尿病や心筋梗塞になる
確率が高い。
保険会社は、当然それをいやがる。

よって、保健に入れない人は多い。

・・・

4.
それ以外に、
過去になんらかの
「将来、リスクになる病気」をしたことがある人、
いわゆる「既往歴(きおうれき)」がある人は、
保険を取得できない。

気になる病気とは、
コレステロールが高い(高コレステロール血症、高脂血症)、
アレルギー性疾患(気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症等)、
喫煙をする人、
など、
将来、心筋梗塞や、呼吸不全、癌(がん)になるリスクが高く、
したがって、
高額の医療費がかかる可能性の高い人
(保険会社が高額の支払をしなければならない可能性が高くなる人)
は、
保険に入れないようになっているのである。

(そうした、既往歴のある人や、肥満のある人が、
 無理やり、保健に入ろうとすると、
 保険料金が、10倍、下手すると100倍以上に
 値上がりする。よって、事実上、入れない。)

また、
上記の、「将来、リスクになるかもしれない病気」
と保険会社が考えられる病気のリストは、
なんと!、
A4サイズの紙にプリントすると、
37ページにもなる、膨大な数がある。

(つまり、数百ある、これらの病気(または状態)の
 ひとつでもあると、アメリカでは健康保険に
 入れないのである。)


例えば・・ (アルファベット順)

アルコール依存症、
AIDS,HIV陽性、
貧血、
動脈瘤、
狭心症、
心臓弁膜症、
先天異常、
先天代謝異常、
動脈硬化、
不整脈、
心房細動、

など、アルファベットの、
Aで始まる病気(または状態)だけで
40ぐらいある。

Zまで数えたら、いくらあるか・・?

・・・

5.
このため、
健康保険を取得するために、
アメリカ人は、
自分の「既往歴」を隠す、ことになる。

つまり、
過去に、大きな病気(手術、入院等)があっても、
現在飲んでいる、高血圧の薬などがあっても、
書類に書かない、のである。

(保険会社の書類だけでなく、
 保険会社にばれないように、
 病院での医師の質問などにも
 医師に対して、本当のことを言わなくなる。)

このため、後に、なんらかの病気をして、
医師の診察を受けた時も、
本当の既往歴をいわないため、
医師は、誤診をしやすくなる。

(正しい既往歴を言ってもらわないで、
 正しい診断をすることは、
 まず、無理である。)

よって、正しい治療は行われず、
結果として、
患者は死亡する可能性が高くなる。

・・・

6.
一方、
保険に入っている人でも、
後日、
既往歴を隠していたことが
ばれてしまった場合、
医療費は、払ってもらえない。

なんで、ばれるかというと、
医師の記録(カルテ)のコピーが、
保険会社に郵送されて、「審査」を受けるからだ。

つまり、
医師に本当のこと(既往歴)を言った患者は、
保険会社から診療費を払ってもらえない。

・・・

7.
また、医師の治療も、
「確実に効果のある治療」だと
「現在、そう判断されているもの」
でないと、
保健会社は、診療費を払ってくれない。

つまり、
癌に対して、
ある大学病院の医師が、
最新の新薬を使おうとしたり、
あるいは、
まだ一般的ではないが、
最近学会で効果がある可能性が高いと
報告があった治療方法、などを
医師が行った場合、

保健会社は、それを
「必ずしも、医学的に必要であるとは言えない」
または、
「実験的だ ( experimental )」
といって、保健料金の支払いを拒否する。

この、治療方法が
「実験的だった」
(現在おこなわれている一般的医療ではない)
として、支払を拒否する保険会社は、
ものすごく多い。

つまり、はっきりいえば、
アメリカの医療保険会社には、
入っても、ほとんど無駄である、
という極論すらできるような状況だと、
映画では描かれている。

(これには、確認を要する)

・・・

8.
保険会社(ヒューマナ社)も、
医師を雇っている。

なんのための医師かというと、
上述のように、
患者から、医療費を払ってくれ、
という申請があったときに、
その申請に、「なんくせ」をつけ、
支払を断ることを仕事とする医師を
雇っているのである。

支払いの「拒否」をした割合の高い医師は、
(保険会社の中で)どんどん給料が上がり、
会社内での地位も上がっていく。

そうした医師の給料は、
最初、年収で数百万円なのだが、
拒否する確率が高い医師は、昇給され、
優秀だと、数千万円まで上がる。

このため、
医師は、なんとしても
患者からの医療費の申請を拒否し、
自分の給料を上げようとする。

(保険会社の利益を、最大にしようとする。)


本来、人の命を救うべき、
「医学の知識」を用いて、
患者からの保険料金の支払いの要求に
「なんくせ」をつけ、それを拒否する。

拒否された患者は、治療を受けられず、
そのまま死んでゆく。

(アメリカの病院は、金のない人には、
 治療をしないため。)

これが、保険会社に雇われた「医師?」
たちの仕事だ。

(まさに、世も末、である。)


(こうした(強欲な)医師たちは、
 最初、調子にのって、お金を稼ぐのだが、
 後日、
 そのうちの一部の人が、
 やはり慙愧(ざんき)の念に
 耐えられなくなり、
 保険会社をやめ、
 自分が行った悪行・非道を
 ブログや、マスコミや、国会で、ばらす、
 ということを行うこともある。
 こうした映像も、映画の中に登場する。)

・・・

9.
上記の、医師が、「なんくせ」をつけて、
支払を拒否するのは、まだいいほうで、
ある会社(ブルー・シールド社)では、
会社員が制作した「支払いの拒否状」に
医師は、
(眼を通さずに、事務的に)
サインをするだけ、というシステムになっている。

・・・

10.
さらに保険会社は、
上記に加えて、
さらに、
医療費の支払いの申し込み用紙の
どこかに
ちょっとでも、「記入漏れ」があったり、
本人も忘れていた既往歴を
様々な方法(刑事事件の捜査のような方法)で探し出し、
なんとしても、保険料を支払わないようにする。


・・・

11.
このように、
アメリカにおける医療保険の会社は、
患者の健康を守るためではなく、
純粋に、金儲けのために存在する、

映画の中では強調されている。

保険会社たちの実名も、多数登場する。


Blue Cross, Blue Shield
http://www.anthem.com/

horizon blue cross blue shield
http://www.horizon-bcbsnj.com/members.html

humana
http://www.humana.com/

kaiser permanente
https://www.kaiserpermanente.org/

・・・

11.
医療制度に対する、
アメリカの政府の問題にも触れていた。

1971年、ニクソン大統領は、
「医療保障などに興味はない」
と明言した。

しかし、この時、同時に、
「民間の保険会社(カイザー・パーマネンテ)が、
 医療保障を、(国の代わりに)やる」
ことを容認した。

ニクソンは、この時、
民間の企業が、医療保障などやったら、
金にならないから、無理じゃないか、
と質問したが、
調べた結果、
「患者からの医療保障の請求を
 保険会社が、(雇った医師(上述)などを使って
 断り、それによって利益が増えるから大丈夫だ」
という説明を受け、納得した。

(要するに、このシステムの、OKがでたのだ。)

これが、
アメリカの保険会社が、現在まで続く、
雇った医師により、請求を「拒否」し、
会社の利益を最大限に上げてゆくシステムの
始まりだった。

・・・

12.
その後、医療保険会社たちは、
もうかったお金で、アメリカの議会を構成する
議員たちに、一人あたり、数百万円ずつの献金を行い、
さらに、
自分たちに都合のよいシステム(政策)を作ってもらう。

これらの政策は、多数あるので、とても書ききれない。


ちなみに、前アメリカ大統領のジョージ・ブッシュも
891,208ドル(約1億円)を保険会社からもらっており
いくつかの、保険会社たちがもうかる法律を作った。

・・・

13.
また、
ヒラリー・クリントンは、
この医療保険制度の問題にきづき、
最初、なんとかしようとするのだが、
徐々に、
(自分が大統領になりたいという、政治活動のため)
保険会社たちから多額の献金を受けるようになり、
最終的に、買収される。

(これも、確認を要す。)

・・・

14.
その後、映画は、
カナダ、イギリス、フランス、キューバと
アメリカの医療保険制度を比較し、
そのどの国と比べても、
アメリカの医療制度は、非常に劣っていることを
明らかにする。

簡単にいうと、
上記の比較された国々では、
医療は、ほぼ無料で受けられる。

どんなに貧しい人でも、
ほぼ無料で、受けられるのだ。

アメリカのように、
金がないからといって、
病院が、診療を拒否することもない。

(これも、要確認)




・・・・・
・・・・・


さて、映画ではなく、
私(山本)が調べた結果であるが、

アメリカの平均寿命は、たしかに、
先進国の中で、ほぼ最低である。


         男  女

日本      79.19  85.99

スウェーデン  78.94  82.99

フランス    77.2  84.1

イギリス    76.9  81.3

ドイツ     76.64  82.08

デンマーク   75.95  80.48

アメリカ合衆国 75.2  80.4


(上記の統計は、日本の厚労省のデータを引用)


その他、各国の医療レベルの基準に
WHO(世界保健機構)などが用いている
乳児死亡率などで比較しても、
アメリカは、やはり、
(先進国の中では)最低レベル。


いやはや。

私は今まで、どちらかというと、
アメリカのことが嫌いだったのだが、

この映画を見たあと、いろいろ調べた結果、
アメリカ人のことが、とってもかわいそうになった。

この詳細は、また別に紹介する。


・・・

また、各国の医療制度の比較に関しては
いろいろ、面白い知見があるので、
今後、おって紹介してゆく。

まず、次回は、
「日本の医療の、国営化・公営化の是非」
の話から。





シッコ 日本語版 予告篇
http://www.youtube.com/watch?v=pGWpVEg3JcE





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