山本敏晴のブログ

1965年生、仙台出身。医師・写真家・NPO法人宇宙船地球号理事長。元国境なき医師団日本理事。 峭餾欟力師」という概念を提唱。企業の社会的責任(CSR)を推進。世界中で大切なものの「お絵描きイベント」を実施。著書に『世界で一番いのちの短い国』『アフガニスタンに住む彼女からあなたへ』 『国際協力師になるために』、『あなたのたいせつなものはなんですか?』『世界と恋するおしごと』『地球温暖化 しずみゆく楽園ツバル』『「国際協力」をやってみませんか?』など

2010年07月

緊急医療援助のロジスティック・マネージメント_1 5851字

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日本政府の外務省の下にある、
独立行政法人・国際協力機構(JICA)の中に
緊急援助隊(JDR)という部署がある。

JICA 国際緊急援助隊 ホームページ
JDR : Japan Disaster Relief
http://www.jica.go.jp/jdr/index.html

地震・津波などの自然災害が海外で起こった場合、
そこに行って緊急援助を行う。

私も一応、このメンバーに入っている。

で、この緊急援助隊の中には、以下の4つのチームがある。

1.救助チーム
消防庁・警察庁などのスタッフが被災者の捜索・救出をする。

2.医療チーム
医師・看護師・調整員などが被災者の診療をする。

3.専門家チーム
地震や耐震などの技術者が復旧活動などの指導をする。

4.自衛隊部隊
自衛隊によって構成され緊急援助活動や物資の輸送活動を行う。

・・・

今回、上記の中で、医療チームが活動を行う上での

1.ロジスティック(物資の運搬・調達)のポイントと、

2.(医療関係者でない人(調整員)が)
医者や看護師が被災地で医療行為をする時に
どのようにサポートするべきか、ということを記述しておく。

なんで、そんなことを書くのかというと、
以下の二つの理由による。

1.
緊急援助隊の医療チームのメンバーは、
通常、23名が派遣されるが、
その約半分は、医療関係者ではないこと。

2.
医療活動を行う際でも、
物資の調達・運搬や、安全管理・スタッフの生活管理などを
常に気にかけておかねばならないこと。

で、私は、
JICA系の仕事以外に、
自分のNPO法人(宇宙船地球号)も持っているし、
また過去に、
国境なき医師団などの様々なNGOにいた経験もあるため、
以下に書く記載は、必ずしも、
JICAの緊急援助隊に限った話ではなく、
良くも悪くも、いくつかの団体および私個人の考え方が
いりまじったものになっていると思うが、

それはともかく、
緊急医療援助をやってみたいと思う、
個人や団体の人にとって、
以下の情報を公開することは有益であると思われるので、
その詳細をここに綴る(つづる)。

(医療関係者にも、非医療関係者にも、
 ともに有用な情報を記載するつもり。)

(本日から4回連続で詳述。)

要するに、何を言いたいかというと、
医者や看護師じゃなくても、
「医療援助」を行うチームのメンバーになれる、
ということを言いたいのである。

・・・
・・・

まず、日本政府の緊急援助隊の医療チームの特徴を
以下に列挙しておく。

1.原則として、2週間だけ、被災地へ行く。

 そしてすぐ日本に帰る。
 その後もまだプロジェクトが必要な場合、
 二次隊を要請し、別な(23名の)メンバーが出動する。

2.GO(政府機関)なので、
 相手国(途上国)政府からの依頼(要請)があってから行く。

 このため、(勝手に行く)NGO(非政府組織)よりも
 出足が遅く、24時間以内に入れることはまずない。
 72時間以内に入れたらいい方。

 よって行った時には、支援をするのに最も良い場所
 (最も必要とされる場所)は、NGOにとられている。

3.被災国(途上国)の政府が協力してくれる。

 相手国政府からの依頼の元に活動しているので、
 その国の警察・軍隊・地方自治体・病院などが、
 (可能な範囲で)協力してくれる。

 例えば、宿舎を提供してもらったり、
 被災地に近い病院や診療所の一室など、
 「場所」を(無料で)貸してもらえたり、
 自分たちでは診られないほど重症な患者が来た場合、
 その国の中の、大きな病院に転送すること、などができる。

4.当然ながら、完全に無料で、被災地の患者を診療をする。

 一方、派遣される医療スタッフや調整員の
 旅費、食費、宿泊費、その他全ての経費は、
 日本政府か、被災国の政府が保障する。

・・・
・・・

被災国の空港に着いてから、サイト(活動場所)付近まで

日本から持っていく携行機材は、通常、
217梱包で、4693kg(4.7トン)。

始めから大量の荷物になっているため、
派遣されるスタッフのための食糧や水は、
初日から三日目までの分しかない。
このため、食糧・水を始めとして、
その他、様々なものを現地調達することが、
後日、派遣期間中に、必ず必要になる。

水・食糧以外に、現地調達に必要になるものとしては、
発電機(ジェネレーター)用のガソリン、
(足りなくなった場合の)医薬品、
トイレットペーパー、電池類、
蚊取り線香、蚊帳、など。

・・・

重要なのは、飛行機からおろした機材を、
(診療するサイト(被災地)まで運ぶための)
トラックに積む時に、以下のことに配慮して積むこと。

1)当日、宿舎に移動するだけの場合、
 宿舎での生活にまず必要なものを
 真っ先に降ろせるように
 トラックの荷台の手前に積む。

2)ついで、翌朝、診療所を立ち上げるサイトに移動し、
 診療時を立ち上げる時に、まず必要になるものを
 (トラックの荷台の)出しやすい位置に置く。

このようなことを考えて、
飛行場でトラックに積み込む。

(細かいことだが、ものすごく重要なことである。)

1)で必要になるものは、
(夜到着することも多く、雨が降ることもあるので)
照明、雨具、軍手、
ジェネレーター(発電機)、ガソリン、
燃料給油ポンプ、漏斗、
(トイレがないかもしれないので)簡易トイレ、
アルファ米(まい)(簡単に調理できるご飯)、
ツインバーナー、コンロセット、鍋(なべ)、やかん、
割り箸、スプーン、フォーク、紙コップ、紙皿
水、缶詰各種、フルーツ缶、スープ類、
カロリーメイト、クラッカー類、
蚊取り線香など。

参考:
アルファ米:米飯を炊いた後に乾燥させたもの
http://www.onisifoods.co.jp/aboutalpha/index.html

・・・

荷物を運搬する場合、車両5台などをつかって
「コンボイ」(車両の集団)を組む。

理由は、安全のためや、
パンクなどで1台が動けなくなっても
大丈夫なように。

通常、
前2台に人間が載り、
次の2台で荷物を運ぶ、
最後の1台に人間が乗り、後詰め(しんがり)。

2台のトラックには、荷物を満載にしない。
もし、1台のトラックがパンク等で故障しても、
もう1台のトラックなどで荷物を分散して運べるように
するため。

なお、団長(ボス)や、2名の副団長は、
同じ車に乗らず、分散して登場する。

理由は、不慮の事故があった場合、
3人のボス(クラス)が、
同時に全員、活動不能にならないようにするため。

・・・

ロジライン(物資の輸送ルート)が長い場合、
途中の中継点(拠点)の確保と、
その場所での「キーパーソン」の確保が重要となる。


・・・

なお、
通信機材は、最も重要なものの一つで、
日本との連絡のために、衛星携帯電話を複数持っていく。
これをパソコンについないで、
Eメール(および添付ファイル)も送受信可能。

以前は、インマルサットと、イリジウムだった。
最近は、BGANと、イリジウムにした。

テクノスリー
http://www.tec3.co.jp/

BGAN
http://www.jdc.ne.jp/bgan.html

インマルサット
http://www.kddi.com/business/inmarsat/index.html

スラヤ
http://www.horizon-mobile.co.jp/default.asp?id=303

イリジウム
http://www.jdc.ne.jp/iridium.html

これにより、
その日に来た患者の内訳(どの疾患が多いか?)などを
その日のうちに日本の本部に連絡できる。

(患者数が多い場合など、
 2週間の派遣期間が終わった後に、
 次の二次隊の派遣を検討するなど、
 日本にある本部もやることが多い。)

・・・
・・・

最初に診療所(診療テントなど)を立ち上げる時

大きく、二つのケースに分かれる。

1)国や地方自治体から、ここでやってれ、と言われる場合。
 多くは、病院や診療所の一部を貸してくれる。

2)自分たちでサイト(診療を行う場所)を探し、
 屋外のフィールド(地面の上)に
 テントなどを使って診療所を設置する場合。
 多くは、学校の校庭、広い道の上、など。

緊急援助型のNGOのほうが、行動が速いので、
2)の場合、既に良い場所は、とられていることが多い。
(が、体制上、しかたがない。)

ちなみに良い場所とは、以下を満たすもの

1)被災者の近く(避難民キャンプの近く)
2)自分たちの安全面の確保が可能
3)交通の便がよい(車が入れる、道が近い)
4)衛生面の確保(トイレ等がある)
5)水の確保(治療で使う。自分たちも飲む)

ちなみに、
日本から自分たちのために持っていく食糧と水は、
通常、(重量等の関係で)三日分である。
よって、それ以後は、現地で調達する。

安全面の確保は、最も重要である。

1)(地震などの)二次災害を回避できる
2)治安が安定していること。
(被災者同士が、支援物資(食糧など)の奪い合いをして
 ケンカになることが多く、それに巻き込まれない場所。
 つまり、配給所が近くにないことが重要。)
3)車を使える。車が直接入れるスペースとルートがある。
(暴動などが起こった場合、スタッフがすぐ車で逃げれる。
 また、患者を転送する必要がある場合、
 診療所に車を直接乗り入れられることが重要。)
4)ガードマン(警察)などの配置が可能
5)周囲を壁かロープで区切れる。
6)できれば、施錠(せじょう)ができるようにする。
7)緊急時に、どこへ、どのルートを通って逃げるか、
 事前に決めておき、全スタッフに通知しておく。
8)火の管理(火事の防止)

交通の便は、

1)我々自身の安全のため
(有事の際に、逃げやすいこと)
2)患者の搬送(転送)
3)主要道路に「看板」を出し、
 日本の緊急援助隊が無料で診療をしていることを
 宣伝する。
 このため、できれば主要道路の近くのほうが良い。

衛生面の確保については、

1)トイレの設置が最も重要。
 既存のものを使うか、
 日本から持っていく簡易トイレを使うか。
 日本人スタッフ用と、現地スタッフ用を分ける。
 男性スタッフ用と女性スタッフ用も、できれば分ける。
 患者さんのトイレは、当然、別に用意する。
 (下痢などの感染症にスタッフが感染しないため。)
 診療の合い間に休憩する、休憩場所からトレイは近い方が良い。
2)ゴミ・汚物の処理が可能か?
 基本的に、ゴミも汚物も、すぐに燃やす。
 毎日、こまめに、自分たちで燃やす。(理由は後述)
3)医療器具を煮沸消毒することが可能なスペース
4)雨が降ったとき、水はけが良いこと
 診療テントのまわりに、
 トレンチ"trench"(塹壕(ざんごう)、水はけの溝)を掘る。

水の確保は、死活問題。

1)スタッフの飲料水の確保。
 生水は絶対に飲まない。
 最低でも、(水道水・井戸水等を)煮沸したもの、
 できればそれをさらにフィルターで濾過したものを飲む。
 可能なら、現地でミネラルウォーターを購入する。
 しかし、上記のいずれの場合も、
 被災地では水の供給量が限られている場合が多く、
 いきなり入ってきた外国人が、
 水を独占(買い占め)してはならない。
 現地(被災地)の人にとって最も必要なのは、水と食糧。
 (極端に言えば)医療など、なくてもよい。
 水と食料がなければ、100%(餓死で)死亡するが、
 医療はなくても、自力で治る可能性がある。
 よって、医療をするために、
 現地の住民から(外国人が)水と食料を奪ってはならない。
 だから可能な範囲で、
 水と食糧は、被災地からなるべく遠くの町から
 入手するべき。そうした配慮・努力が必要。
 しかしこれを行うには、ロジスティックが大変になる。
 時間も、お金も、ガソリンもかかる。
 車の入手、ドライバーの雇用、輸送経路の安全確認も必要。
 で、
 いろいろな理由から、遠くから調達することが難しい場合、
 被災地付近で購入せざるを得ないことも多い。
 その場合は、いきなり行って買い占めるのではなく、
 事前に、小売店などの商店に行き、
 「明日の何時にいくから、
  我々のために、別に、このくらいの量を用意しておいてね」
 と話をつけておく(依頼しておく)。
 そうすれば、他の被災者に渡す分がなくなることを
 防げることもある。
2)患者が薬を飲む時などに使う水の確保。
 これも必要。入手方法は、上記と同じ。
3)他団体との連携。
 赤十字は被災地に(ほぼ)必ず来ている。
 水キットを置いてくれて、使用させてくれることが多い。

その他

1)診療所は、なるべく日陰に設置する。
 日なただと、正午ごろテント内が異常に高温になる。
2)通気性が良いほうがいい。
 日中、暑くなることが多いため。
3)貴重品(お金、パスポート)は、
 基本的に本人が肌身はなさず持つ。

診療所の配置

 患者の流れを「動線」(または導線)という。
 次の順番で患者が移動する時に、
 できれば患者の移動する線が、
 交差しないように診療所を設置する。

1)ゲートコントロール(患者と家族一人だけを中へ)
2)トリアージエリア(重症度から優先順位をつける)
3)待合室(並んでいる順番がわかるように椅子を並べる)
4)受付(名前、年齢、性別、住所など)
5)診察(医者が診断・治療)
6)処置(外傷の処置、点滴するためのベッド)
7)投薬(薬局で薬を渡し、帰ってもらう)
この過程で、患者の移動が交差せず、混乱しないこと。

一方、
スタッフが休憩(食事等)するための一角も
この流れにぶつからない場所に作る。
通常、シーツかビニールシートなどで
まわりを覆って隠す。
また、煮沸消毒するための場所や、
衛生資器材(ストック)をどこに置くかなども考える。

さらに
問題になるのが、ジェネレーター(発電機)の配置。
ガソリンか灯油で動かすのだが、うるさい。
これが診療所の近くにあると、うるさくて
医師が聴診できない。
(肺炎の音が聞こえず、診断できない。)
だから、なるべく診療所から離す。
あるいは、地面に穴を掘って、
その中に置くと、騒音がやや減る。
しかし、雨が降った場合、(雨水が流れ込むと)壊れる。

一方で、電気は必要。
X線撮影に使用したり、その他の検査にも使用。

また、
外傷患者が多数いることが予想される場合、
破傷風トキソイドなどのワクチン系のために
冷蔵庫を始めとした「コールド・チェイン」が
必要になる。
町からワクチンを輸送して、診療所で保管するまでの間、
ずっと、持続的に温度を一定以下に保つことを
「コールド・チェイン」という。
その途中で、一回でも高温になると、
ワクチンが失活する(効果がなくなる)可能性がある。
理想は4度C前後に保つことだが、
途上国の、しかも緊急状態の場合、
10度以下ぐらいに保てていれば、恩の字。
ともかく、冷蔵庫も、木の陰など日陰に置く。
なお
冷蔵庫は、ガス(プロパンガス)で動作するもの、
電気で作動するもの、電池で作動するもの、
ソーラーシステムで作動するものなど、動力源は多様。

・・・

導線(動線)が重要。

1)患者の導線(受付、診療、処置、薬局、帰宅)
2)スタッフの導線(働くために移動する流れ)
3)物の導線(搬入、保管、使用、破棄)
4)情報の導線(ボスから下へ。下からボスへ。)




・・・

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http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65481175.html

伊勢崎賢治さんから聞いた話 20100728 1874字

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伊勢崎賢治さんは、1957年生まれ。

NGO及び国連職員として現地での紛争処理などを行ってきた。
武装解除に関係する仕事の実績が多数あり、
「紛争屋」を自称している。

2001年〜2002年には、国連シエラレオネ派遣団として
私と同じ時期に(西アフリカの)シエラレオネにいた。

2003年、日本がアフガニスタンのDDR(武装解除)事業の
リード国(主導国)となった際、DDRを指揮し、
アフガンの旧国軍約6万名の、武装解除を2年間で達成。

注:DDRとは、武装解除・動員解除(軍隊解散)・社会復帰
(Disarmament, Demobilization, Reintegration)

現在、
東京外国語大学・地域文化研究科・平和構築紛争予防学講座
(PCS)の教授。

・・・

以下、彼が指導する学生の講座(ゼミ?)で
話していたことをピックアップ。

・・・

貧困という問題は、はたして僕らの問題なのか?
問題としてあつかう限り、なくならないと思う。

貧困は僕らが所有しているわけではない。
国連でもない。NGOでもない。

彼ら(途上国の人)自身が所有している。

(貧困を所有している)彼らのことわりもなく、
募金を行い、先進国の富裕層から
かってにNGOなどが募金を行う。
かってに国連が各国から分担金を集める。

どのくらいの金額を富裕層からもらったと
(途上国の貧しい人に)つたえずに、
そこから(勝手に)手数料をとって、
(こちらで勝手に決めた)現物(支援物資)を配る。

これって、おかしくないか?

援助の仕組みは、おかしい。
変でしょ?

貧困は、一つの、プロパティー(所有する資産)だ。
変な言い方だが、そうだと思う。

その(資産の)所有者に、
それに対する投資をうながすために、

どのように(先進国で)宣伝したか、
どのようにそれを伝えたか、
どれだけの金をもらったかも(それを所有する人には)言わず、
集めたお金を使って、
勝手にこちらで使い道を決めている。

おかしい。
限りなく、おかしい。

国際援助の歴史は、わずか60数年。
浅い歴史しかない。

だから、
これから変えることができると思う。

つまり、
彼らはビジネスパートナーだ。

今、有機栽培のスーパーにいくと、
農家の人の顔写真と名前が貼ってあって、
「私が作りました」という広告がある。

これが、理想形だ。
途上国への支援を行う場合も、
本人の許可をえて、プロジェクトに参画してもらい、
名前と顔(の写真)を出して、
いっしょに考えながら、いっしょにやらないといけない。

そう、思う。

・・・

世界で起こったこと(事件)については、
「メモライゼイション」"memorization"
(過去の記憶をどうとどめるか?)
が重要だ。

カンボジア、アフガニスタン、スリランカなど、
かつて「大虐殺」が起こった紛争当事者国を
(テレビ会議で)結んで、
さっきまで他の授業の枠で、ディベート(議論)していた。

しかし、メモライゼイションには問題もある。

メモライゼイションは、一般論としては、
なぜするかというと、
そういう虐殺を未来に起こってほしくない、
ということだ。

でも、それ以外の動機で
これを利用する人がいる。

政治利用する人。

(戦争・虐殺をなくし、平和の大切さを謳うという)
普遍的な価値としてとらえているわけではなく、
即時的な、
国家やある組織の都合に、利用されている。

具体的に言えば、

広島・長崎(での原爆の被害)は、我々が被害者。
しかし、
第二次世界大戦(の全体)でみれば、我々は加害者。

つまり、
加害者の事実を「うすめたい」、
そういう目的で、政治利用されている。

日本の戦争責任を、回避したい。
忘れさせたい。
そう思っている誰かが、
そういう目的で、広島・長崎を使っている。

韓国・中国で、
広島・長崎をプロモートしよう(宣伝して広めよう)としても
広まらない。
「南京虐殺を忘れないでね」と言われるだけ。

ユダヤ人の大虐殺、いわゆる「ホロコースト」も
メモライゼーションすべきものの一つだが、
(広島・長崎の件と)状況は似ている。

ナチス・ドイツがユダヤ人に対して行った虐殺は
確かに大変な悲劇だったが、
今、(ユダヤ人の国である)イスラエルは、
もっとひどい虐殺を、隣りのパレスチナに対して行っている。

つまり、
その事実を「うすめる」ために
昔の「ホロコースト」を政治利用し、
自分たちは被害者であったことを印象づけようとしている。

少なくとも、そういう目的で
活動している人も、いる、ということだ。

「今、(イスラエルが)何をやっているか?」
それから目をそらす、という意図で動いている人がいる。

広島・長崎と同じなのだ。




協力隊後「アフリカ子どもの絵展〜大切なものは何ですか?」20100801〜9


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当法人は、
世界中の人々に「大切なものの絵」を描いてもらっている
「お絵描きイベント」というのを行っております。

青年海外協力に参加されている方々も多数、
この活動に協力して下さっています。

今回は、宮澤久美子さんが、
青年海外協力隊で、アフリカのブルキナファソへの派遣中に、
当法人の活動を知って、
「大切なもの」の絵を子どもたちに描いてもらい、
集めてきて下さいました。

彼女は帰国後、
JICA駒ケ根・青年海外協力隊訓練所の協力のもと、
現在、地元の、長野県の各地で、この絵の展示会を行っています。

絵を描いた子どもたちの写真はありませんが、
代わりに、
ブルキナファソの民族衣装や楽器、
彼女自身が説明してくれるパワーポイントの映写などもあり、
かなりバラエティーに富んだものでした。

以下、今後のイベントの紹介です。


「アフリカ子どもの絵展〜大切なものは何ですか?」

8 月 1 日(日)〜 9 日(月)

長野市もんぜんぷら座 2 階 ミニギャラリーにて 
http://www.monzen-plaza.com/


緊急援助と麻酔薬「ケタミン」。麻薬だが持ちだし可能へ 2743字

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地震などの自然災害が起こった直後、
その被害にあった国(被災国)に行って、
人々を助けることを緊急援助という。

で、地震で崩れ落ちた建物の瓦礫(がれき)
の中から救い出した人が大怪我(おおけが)をしている場合、
緊急手術が必要な場合ある。

で、
被災地では、電気が止まっていたりして、
病院がまともに機能していないことがある。

この場合、
場合によっては、簡易テントの中で
緊急手術をやってしまうことがあるのだが、

1.(まず場所が)清潔ではないし、
2.酸素も十分にないし、
3.電気も十分にないし、
 (ジェネレーター(発電機)で作るが不安定)
4.もしもの大出血の際に必要な輸血もないし、
5.血圧が急に下がったり上がったりした時に
 必要になる緊急時の薬も、少ししかない。

と、いうわけで、
手術をする上で、まず、やることになる
麻酔の時に、

なるべく、
血圧などに影響せず(血圧を下げず)、
呼吸(自発呼吸)も(なるべく)止めず、
意識だけとる(眠らせるだけ)
ような
麻酔薬を使うのが、望ましいのである。

(普通の麻酔薬は、
 意識もとるが、
 呼吸も止めてしまうし、
 血圧も下げてしまうことが多い。)

(血圧(高い方の収縮期血圧)が、
 80以下になると、脳味噌へ十分な血が
 いかなくなるため、基本的に、
 血圧を80以上にするのが、
 手術中の麻酔と
 全身管理(血圧等のコントロール)の基本である。)

(先進国の大きな手術室の場合、
 立派な人工呼吸器があるし、
 酸素もいっぱいあるし、
 血圧が下がっても、
 血圧を上げる薬が(数も種類も)いっぱいあるし、
 また、輸血を行うことも可能。
 しかし、
 地震の被災地にいきなり行った場合、
 簡易テントには、上記の、なにもない。)

と、いうわけで、
手術の前の、麻酔をする時に、
(通常の麻酔薬とことなって、)
血圧を下げず、呼吸も止めない、
特殊な麻酔薬が必要になるのである。

この特殊な麻酔薬のことを
「ケタラール(商品名)」という。

一般名は、ケタミン(ketamine)。

意識をとるのに、
呼吸を止めず、血圧を下げない、
緊急時には重宝する薬だ。

・・・

しかし、このケタミン、副作用として、
「悪夢」を見るという。

どんな悪夢かというと、
(患者さんから聞いた話だが)

誰かから延々と追いかけられる夢だ、
とか、
強姦(レイプ)される夢だ、
とか、
ともかく、恐ろしい、いやな夢を見る、という。

しかしながら、緊急時には、人命が優先されるので、
(緊急手術のために麻酔をした時に、
 血圧が80以下に下がると脳死になる可能性があるため、)
ケタラールを使う場合が、日本などの先進国でもあるのである。

(注:血圧を下げない麻酔薬として、
 ケタラールの他にもいろいろな薬があり、
 また、バランス麻酔といって複数の薬を混ぜることもある。
 さらに、ケタラールは静脈麻酔といって、
 静脈に注射をする麻酔方法で使うものの一つだが、
 この静脈麻酔以外にも、いろいろな麻酔方法がある。
 例えば、吸入麻酔とか、硬膜外麻酔とか。
 なのだが、地震直後の途上国に、すぐもっていけて、
 現地で簡便に実施できる麻酔方法となると、限られる、
 ということである。)

・・・

ところが、この(ある意味)有用なケタミンは、
地震を受けた被災国に、
日本から持っていくことができなかった。

理由は、「麻薬に指定されているから」である。

ケタミン(Ketamine)は、
三共エール薬品から、「ケタラールR」の名で販売されている。
静注用・筋注用として提供。

日本では、厚生労働省が、2005年12月13日に、
「麻薬及び向精神薬取締法に基づく規則」により
ケタミンの「麻薬指定」を決定した。
(施行は2007年1月1日だった。)

ま、大脳の一部を活性化させ、
麻薬用の症状をかもしだすのは本当なのだが、
(国際協力をやる人は)
これには困っていた。

まさか、日本国内から「麻薬」を持ちだすわけには
いかないからだ。
空港で捕まったら、罰金ぐらいではすまない。

・・・

しかし、
国際協力団体のいくつかは、
このケタミンの有用性をとき、
政府を説得し続けた。

ちなみに、WHOも、ケタミンの使用を推奨している。

以下、引用。

Ketamine is currently on the WHO essential medicines list
and used extensively throughout the developing world.

(ケタミンは、WHOの必須医薬品に入っており、
 途上国で広く使われている。)

As well as being relatively cardiovascularly stable.

(血圧下降などの心血管系への影響が少ない。)

respiratory depression does not occur.

(呼吸抑制は起きない。)

For these reasons
ketamine is often used for anaesthesia
where the anaesthetic provider is not skilled
in endotracheal intubation
or when the surgeon is administering the anaesthetic.

このような理由のため、
ケタミンは、麻酔科医が熟練していない時や、
(人が足りなくて)外科医が自ら手術をする時などに
しばしば使われる。

Ketamine is associated with hallucinations during recovery.

ケタミンは、麻酔から醒める時に、「幻覚」を見る。
However, ketamine is an essential anaesthetic tool
in resource poor settings.

しかし、ケタミンは、
(人・物などの)リソース(資源)が不足している状況では、
最も重要な麻酔のツール(道具、薬)である。

http://www.who.int/selection_medicines/committees/expert/18/applications/anaesthetic_proposal.pdf

・・・

以上のような状況だったのだが、
昨年(2009年)、日本は政権交代が起こり、
民主党政権の岡田外務大臣が就任した。

彼は、国際協力分野に興味があるようで
ハイチの地震の時に派遣された
国際協力機構(JICA)の緊急援助隊(JDR)の人々から
直接、話を聞いた。

その中で、要望の一つとして
ケタラール(ケタミン)の国外持ち出し
及び被災国への持ちこみが出たのだが、
それに対し、
岡田外務大臣は、特例として、認める方向らしい。

が、
JICAのJDRは、
基本的に政府系の組織なので、
民間のNGO(非政府組織)が
同じようなことが「特例」としてできるかは、不明だ。

が、ともかく、
一つ、前進したかも。




高知で講演 20100804


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坂本龍馬の故郷(ふるさと)、高知県(土佐藩)で講演。
2年に一回ぐらいのペースで、こちらの県では講演をしています。

私を講演に呼ぶ組織の約3分の1は、
地方自治体なのですが、
教育関係か、環境関係か、人権関係の部署が、
それを依頼してきます。

で、
関西から九州にかけてのエリアは
いわゆる「部落問題」と呼ばれる人権上の問題が
大きな社会問題になっており、

(部落出身とされる人々は、例えば)
企業が雇用(就職の希望)を拒否したり、
親が結婚相手として認めない、
などの問題が今でも続いているのです。

(関東以北の人には、全く理解できない
 (実感がない)と思いますが、
 関西以南では、現在でも厳然として続いている社会問題です。)

で、
当初、この部落問題に特化して対処する組織が
地方自治体内に作られていたりしたのですが、

現在では、
人権に関与する全ての問題
(例えば女性の差別、障害者の問題、国内の外国人差別など)
が一括してまとめられ、
なんらかの「人権全般に関する部署」が作られています。

(少なくとも、そういう趨勢(すうせい)にあります。
 しかし、その部署の名前は、都道府県によって様々です。)

で、
人権と言えば、

世界のどこかで起きている戦争で、
一方的に殺されてしまう人々や、
食べ物がなく、
そのまま死んでしまうアフリカの子どもたち、
など、
世界で起こっている様々な「人権侵害」
あるいは「人道上の問題」も
(日本の地方の人とは、直接あまり関係ありませんが)
一応、人権の中に含まれる分野だ、ということになります。

というわけで、
各地の地方自治体から、私にお呼びがかかる、というわけです。

さて、今回も、以前よりパワーアップした話をお届け致しましょうか。

・・・

会期
2010年08月04日(水) 13時30分より15時30分

会場
高知市 文化プラザ かるぽーと 大ホール
〒780-8529 高知県高知市九反田2-1
http://www.bunkaplaza.or.jp/

主催
四国地区人権教育研究協議会
(社)高知県人権教育研究協議会
http://www4.ocn.ne.jp/~k-jinken/

お問い合せ
TEL(088)834−2460  大平

公開 一般公開
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