山本敏晴のブログ

1965年生、仙台出身。医師・写真家・NPO法人宇宙船地球号理事長。元国境なき医師団日本理事。 峭餾欟力師」という概念を提唱。企業の社会的責任(CSR)を推進。世界中で大切なものの「お絵描きイベント」を実施。著書に『世界で一番いのちの短い国』『アフガニスタンに住む彼女からあなたへ』 『国際協力師になるために』、『あなたのたいせつなものはなんですか?』『世界と恋するおしごと』『地球温暖化 しずみゆく楽園ツバル』『「国際協力」をやってみませんか?』など

2010年11月

世界銀行でHIV/エイズ写真展と講演20101201世界エイズデー


.

12月1日は、世界エイズデー、ですが、
それに合わせて、写真展と講演をやります!

・・・

写真展は、

題名:
「HIV/エイズとともに生きる子どもたち」

概要:
HIVに感染している子どもたちに、たずねてみました。
「あなたの大切なものは何ですか?」
そこから導き出される、想像を超えた社会の現状。
差別、貧困、気候変動、アフリカ医療の実態、などなど。
それでも強く生きる、子どもたちの美しい笑顔。

内容:
1)ケニアの、HIVに感染している子どもの写真
2)その生活環境と、彼らをとりまく様々な社会問題の紹介
3)彼らの描いた「大切なものの絵」
4)シエラレオネの子どもたちの写真
  「天寿五年の瞳」から5枚
  「平和という贈りもの」から5枚

合計:50点の写真と、13点の絵、計63の作品

(今年9月に、新宿ニコンサロンで展示されたものより、
 いろいろ追加されています。)

写真展というよりは、
大きなサイズの写真絵本を、読みながら、歩いて回る感じです。

日時:
11月29日から12月9日まで。
平日の、10時から18時。
(土日は休み)

場所:
世界銀行・東京事務所・情報センター(PIC)
(地下鉄・内幸町駅・A6出口直結・富国生命ビル1階)

http://web.worldbank.org/WBSITE/EXTERNAL/COUNTRIES/EASTASIAPACIFICEXT/

JAPANINJAPANESEEXT/0,,contentMDK:20747537~menuPK:1982703~pagePK:141137

~piPK:141127~theSitePK:515498,00.html

または
http://www.ets-org.jp/

その他:
入場無料、会場に山本敏晴の全著作(の見本)あり。

また、
会場にある液晶テレビ(モニター)で、
モンゴルでの大切なもののお絵描きイベントも
ご覧頂けます。

・・・

講演は、

題名:
『HIV/エイズの世界と日本の現状~あなたにできることは何か?~』

概要:
(1)HIVに対する有効な治療方法が普及したことにより、
HIV/エイズの現状は、以前よりも各段によくなりました。
HIVは、今や、
「死の病(やまい)」ではなく、「慢性病」に変わったのです。

(2)ところが、皮肉なことに、
エイズ患者が死ななくなったことにより、
そのために使われる治療費が、どんどん増え続けています。
このため各国の経済的負担が増加しており、
一昨年からの世界的経済危機が、それに拍車をかけています。

(3)また、偏見・差別が続いている問題、
経済格差、貧困、インフラ整備との関係、
気候変動などの環境問題がエイズに影響している状況など、
これからの包括的エイズ対策の課題を、
わかりやすく説明します。

日時:
12月1日、18時半から20時。

講師:
NPO法人・宇宙船地球号・山本敏晴

場所:
世界銀行・東京事務所・会議室(10階)
(地下鉄・内幸町駅・A6出口直結・富国生命ビル10階)

以下から、事前予約した方が、無難です。
(11月29日の段階で75名ほど、予約があります。
 先着、100名ぐらいじゃないかと思います。)

http://web.worldbank.org/WBSITE/EXTERNAL/COUNTRIES/EASTASIAPACIFICEXT/

JAPANINJAPANESEEXT/0,,contentMDK:22741820~menuPK:515521~pagePK:141137~

piPK:141127~theSitePK:515498,00.html

または
http://www.ets-org.jp/

その他:
入場無料です。

世界銀行では、講演のことを、
『コーヒーアワー』といいます。
感じとしては、
「トークショー」のような、気軽な雰囲気で行われるからです。

また、コーヒーは、飲み放題です。
世界銀行が発行している、
様々な開発系のパンフレットも、無料でもらえます。

なお、同日、写真展も開催されているため、
ちょっと早目の午後6時ぐらいに来て、

まずは、1階の情報センター(PIC)で、
開催されているエイズの写真展を見たり、
同会場にある、山本の書籍などをパラパラみてから、

10階にある、会議室にのぼって来られるのが
よろしいかと思います。


CSRのツイート、格付け・ランキング、20101126まで 5952字

CSRの格付け、ランキング

SRIインデックスとは、「社会的責任投資」(SRI)の投資銘柄選定にあたって企業を評価する基準。通常、経済面、環境面、社会面のトリプル・ボトム・ラインに沿った項目が評価される。DJSI(アメリカ、スイス)とFTSE4Good(イギリス)が有名で世界の二大SRIインデックスとされる

DJSI(Dow Jones Sustainability Indexes)とは1999年9月ダウ・ジョーンズ社(アメリカ)とSAM社(Sustainable Asset Management、スイス)によって世界で初めて作られた持続可能性を基準に企業を評価するSRIインデックス

FTSE4Goodとは、FTSE社(フィナンシャルタイムズ(Financial Times)とロンドン証券取引所(London Stock Exchange Group)の合弁会社)が開発したもので、企業の調査項目データは英国のEIRIS社が提供。DJSIに対抗し2001年に登場

FTSE4GoodとDJSI (Dow Jones Sustainability Index)の相違点は、銘柄選定の際のネガティブ・スクリーニング。CSRの観点から好ましくない銘柄(タバコ生産、ウラン採掘、兵器生産、核兵器生産、原子力発電所保有・運営にかかわる企業)が排除される。

FTSE4 Good Japan Index は、日本株のみで構成された地域別指数で、日本の投資家や年金基金からの要望を受けて2004年から公表。FTSEが、国際的に認められた一連の社会的責任基準を満たす日本企業を選定 http://bit.ly/fPTrWt

環境格付けとは、企業などの組織が、環境問題をどの程度認識し、どのような環境戦略を持ち、いかなる環境パフォーマンスを示しているか等を評価し、それを標準的組織と比べてランク付けすること。投資家、ステークホルダー(利害関係者)、並びに広く国内外の人々の意思決定に資する情報の提供が目的。

日本政策投資銀行(DBJ)は2006年から環境格付け。ダイキン、宇部興産を高く評価。2009年度の融資先は、旭硝子、横浜ゴム、日立金属、大王製紙、ヤンマー、カゴメ、神戸製鋼所、グンゼ、ユニゾーン、ティラド、旭カーボン、井関農機、日本農薬 http://bit.ly/gjhq1w

インテグレックス社とは、中立な「企業の社会的責任(CSR)評価機関」。大企業などとの資本関係がない。各企業に「CSR調査票」という質問用紙を送り、その企業の担当者が回答し、トップが署名する。企業の透明性・法令遵守・企業倫理を重視する http://www.integrex.jp/

イノベスト社(Innovest Strategic Value Advisors )。1995年設立された独立系のCSR及びSRIの調査機関。直接訪問して各企業の格付けを行う。環境効率性と持続可能性を重視。本社はニューヨーク。機関投資家、国連、NGO等の資産運用のアドバイスを実施

Global 100。2005年からイノベスト社とコーポレート・ナイツ社が企業の調査・格付を行っており、環境、社会性、ガバナンス、リスクマネジメントなど非財務面の企業価値に焦点をあて持続可能性の高い企業を選出、上位100社を発表 http://www.global100.org/

Global 100 (2010)、1)General Electric Company、2)PG & E Corp.、3)Tnt Nv、4)H & M Hennes & Mauritz Ab、5)Nokia Corporation、6)Siemens Ag、7)Unilever

Global 100(世界で最も持続可能性のある企業、2010年)に選ばれた日本企業は、100社中5社。 14)トヨタ自動車、19)日本郵船、75)トレンド・マイクロ、95)リコー、100)NKSJホールディングス

日本郵船(NYK)とは、三大海運会社の一つ。三菱商事と共に三菱財閥の源流企業。運航船舶数などで、日本では1位、世界でも2位。1875年、国有会社である日本国郵便蒸気船会社が岩崎弥太郎(三菱の創設者)に任される。1893年、日本郵船が設立。 http://www.nyk.com/

日本の大手7商社は、三菱商事、住友商事、三井物産、伊藤忠庄司、丸紅、豊田通商、双日。2008年の金融危機以来、各社は財務体質の健全化を進めた。財務指標として使われるのが、ネットD/Eレシオ(株主資本に対する負債の割合)で数字が低いほど良い。各社は十年前4ぐらいだったが1まで下げた

格付け会社が重視する、「ネットD/Eレシオ」"net debt-equity ratio" とは、「正味の負債資本比率」のことで「株主資本に対する負債の割合」。低いほど良い。日本の大手商社の中では低い順に、三井物産(0.9)、三菱商事(1.0)、伊藤忠商事、住友商事、双日、丸紅。

ニューズウィークのグリーン・ランキング(Green Rankings)トップ20の企業。1)IBM、2)ヒューレット・パッカード、3)ジョンソン&ジョンソン、4)ソニー、8)パナソニック、10)東芝、17)トヨタ自動車、18)ホンダ自動車 http://bit.ly/ccJ69b

Newsweek 誌の、2008/07/09 号に、「世界企業ランキング 2008 Newsweek」 http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65089216.html

「ニューズウィーク 世界企業ランキング500」(2007年7月4日号)。 1)アステラス製薬、2)日東電工、3)キヤノン、4)デンソー、5)武田薬品工業、6)商船三井、7)花王、8)エーザイ、9)日立化成工業、10)信越化学工業 http://bit.ly/h5xOx2

環境コミュニケーション大賞(環境省、財団法人・地球・人間環境フォーラム2010.02.19)環境報告書部門。環境報告大賞:株式会社東芝。持続可能性報告大賞:株式会社リコー。地球温暖化対策報告大賞:株式会社INAX http://bit.ly/hje9dz

グリーンリポーティングアウォード(東洋経済他)1)環境報告書賞:最優秀賞:東芝グループ。優秀賞:新日本製鐵、日本製紙グループ本社。2)サステナビリティ報告書賞:最優秀賞:富士ゼロックス。優秀賞:積水化学工業、セブン&アイ・ホールディングス http://bit.ly/gXWQsZ

CSR企業ランキング2010年版(東洋経済、本年4回目)。1)パナソニック、2)トヨタ自動車、3)シャープ、4)富士フィルムホールディングス、5)デンソー、6)リコー、7)キヤノン、8)ソニー、9)NEC、10)日立製作所、10)日本郵船 http://bit.ly/bfidKt

環境経営学会(Sustainable Management Forum of Japan,SMF)。2000年に設立。2002年から環境経営格付けを実施。「格付けの木」(Rating Tree)。2009年からカーボン・イノベーション格付 http://bit.ly/e4tMrb

JEPIXとは、科学技術振興事業団などが「企業の環境格付け」のために開発した評価手法。これまで(CO2や有害化学物質などの)環境負荷をそれぞれの物量的単位(kg、m3等)で別々に表示。しかしウェイティングエコファクター(重み付け係数)を使用し優先順位付け。スイス環境庁の手法を応用

損保ジャパンは、グリーン・オープン(愛称:ぶなの森)という、エコ・ファンドを持っている。日本の企業800社に対し「環境問題に対する取り組み」の調査を行いABCに分類 http://bit.ly/9geJdr

NKSJホールディングスとは、2010年4月、損保ジャパンと日本興亜損保が経営統合し設立した共同持株会社。いわゆる「三メガ損保」の一つ。NKは日本興亜、SJは損保ジャパンのこと。リスク管理に力を入れておりリスクコンサルティングも行う http://www.nksj-hd.com/

市民が選ぶCSRプラス大賞(読売ウィークリー2007/11/18) 1)サッポロホールディングス、2)ソニー、3)カシオ計算機、4)三菱電機、5)旭硝子、6)NEC、7)マツダ、8)関西電力、9)積水ハウス、10)河合楽器、11)九州電力 http://bit.ly/cMfRP1

第3回CSR大賞(CANPAN 2009 市民アンケート)。 グランプリ:大阪ガス株式会社。情報開示部門金賞:サッポロホールディングス株式会社。銀賞:株式会社りそなホールディングス。地域推薦部門金賞: 株式会社クボタ。銀賞:株式会社柏屋 http://bit.ly/goYtkd

CSRイメージランキング「環境への取り組み」1)カゴメ、2)トヨタ自動車、3)パナソニック、4)東京電力、5)イオン、6)関西電力、7)サントリー、8)日立製作所、9)シャープ、10)中部電力、11)味の素、12)伊藤忠掃除、13)帝人 http://bit.ly/anRual

CSRイメージランキング「消費者への情報公開」1)カゴメ、2)サッポロホールディングズ、3)パナソニック、4)イオン、5)味の素、6)セブン&アイ・ホールディングズ、7)サ日清食品、8)関西電力、9)東京電力、10)花王、11)ワタミ http://bit.ly/anRual

CSRイメージランキング「従業員への配慮」1)資生堂、2)カゴメ、3)パナソニック、4)ベネッセ・コーポレーション、5)関西電力、6)花王、7)三井物産、8)サントリー、9)トヨタ自動車、10)NTTドコモ、11)オリエンタルランド http://bit.ly/anRual

「CSRコミュニケート」の「CSRに関連したその他のアワードやランキング」(2009/06/22)に、当法人・宇宙船地球号のCSRランキングも掲載されていました。知らなかった。 http://www.csr-communicate.com/trend/award/others

NPO法人・宇宙船地球号の、「商品別の、企業の社会的責任:CSRランキング」。2010年版は、パソコン版 http://bit.ly/cbk2bX 携帯電話版 http://bit.ly/dxvgI1 紙媒体版(印刷用PDF) http://bit.ly/d4JTV3

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買い物で世界を買える

「買い物とは、『未来に残っても良い』とあなたが思った企業に対する投票です。もしも全ての人が、『環境に配慮し、社会に貢献する企業の商品しか買わない』と決意したならば、そうした企業だけが未来に残り、そうでない企業は淘汰されていきます。あなたの買い物で世界が動いているんです」 山本敏晴

「国際協力ってなんですか?」「三つあります。1)途上国に行って直接的に教育や医療等をする。2)先進国側にいて計画を作り予算を獲得し各援助団体の分担を決める会議をする。3)消費者と企業が、残り少ない資源を奪い合う戦争が起きないよう、気候変動による降水量減少で飢饉がおきなう、節約する

企業がどのくらい、1)環境に配慮して商品を作り、2)社会貢献をしていて、3)透明性のある経営をしているか。NPO法人・宇宙船地球号の、企業の社会的責任(CSR)ランキング、ウェブ版 http://bit.ly/cbk2bX と、紙媒体版  http://bit.ly/d4JTV3

「私たちは大きなことをすることはできない。でも小さなことを大きな愛を持ってすることはできる。」マザー・テレサ(アグネス・ゴンジャ・ボヤジュ)We cannot do great things. But we can do small things with great love.

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個別の企業のCSR

武田薬品は以前大きな不祥事があったが、そのため逆にCSRに力を入れている。総合感冒薬は「武田薬品工業」 CSRランキング2010 7960字  http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65343015.html

オリセットネットとは、住友化学が独自の技術で開発した「長期残効型防虫蚊帳」。マラリアを媒介する蚊を殺す化学成分を含んだ蚊帳で途上国で普及。WHO(世界保健機関)が推奨 http://www.sumitomo-chem.co.jp/csr/africa/olysetnet.html

エーザイは2010年11月、WHOと途上国での「顧みられない熱帯病(NTD)」であるリンパ系フィラリア症(象皮病)薬の無償提供に調印。エーザイは、リンパ系フィラリア症治療薬「DEC」100mg錠を2012年~2017年の6年間にわたって合計約22億錠製造しWHOに対して無償で提供

エーザイは、1941年に設立された医薬品メーカー。国内市場シェアは4位、世界市場シェアは23位。サクロン、セルベール等。NPO法人・宇宙船地球号の2010年CSRランキング「胃腸薬」部門で第一位。4つの第三者機関からのコメントを受けている http://bit.ly/ceCl1A

リンパ管フィラリア症(Lymphatic filariasis)は、NTD(顧みられない熱帯病)の一つ。1.2億人が感染している。身体的な障害を起こす。リンパ管が閉塞するため下肢の皮膚が増殖・硬化し「象皮症」を起こす。バンクロフト糸状虫(アフリカ等)、マレー糸状虫(東南アジア等)

富士ゼロックスは、「企業の社会的責任(CSR)ランキング・2010年度」の複写機・複合機(コピー、プリンタ、スキャナー、ファックスを集約した機械)部門で第一位。前年度に第三者機関(日本総合研究所)から受けた指摘を今年度かなり改善したこと等 http://bit.ly/drlrfm

富士ゼロックスが、メセナまたはフィランソロピー事業として行っているのが、「グラフィケーション」という雑誌の発行。文字、絵画、写真などのメディアを使って情報伝達する雑誌。何度も廃刊の危機に遭いながらも「社長の一言」で存続している。内容は良い http://bit.ly/baYdTq

CSRランキング、チョコレート部門での第一位は明治製菓。それがわかりやすい数字としてはCO2の削減量が他社より多いこと。しかしそれは、明治の医薬品部門が削減したためで、製菓部門はあまり関係ない。明治が1位である最大の理由は、第三者機関の監査を入れ、その批判を正直に公開していること

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CSRのツイート、地球温暖化・生物多様性、20101126まで 14260字

地球温暖化、気候変動、温室効果ガス、CO2

1988年、NASA(アメリカ航空宇宙局)のジェームズ・ハンセン (James Hansen) が、「人類の経済活動に由来するCO2等の温室効果ガス排出によって、『地球温暖化』が進行している」と発表。同年、「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が創設。5~6年毎に報告書作成

IPCCとは、気候変動に関する政府間パネル (Intergovernmental Panel on Climate Change) 。1988年に創設された地球温暖化についての調査機関で約5年ごとに報告を作成。130ヵ国以上から800名以上の科学者が協力。2007年ノーベル平和賞

企業の社会的責任(CSR)が普及するきっかけになったのが「地球温暖化」。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によれば「人類由来の(CO2等の)温室効果ガスの影響を考えなければ産業革命以来の(これまでの)地球温暖化は説明できない」。つまり企業活動が環境に影響したことの科学的証明

スターン報告とは、2006年に世界銀行チーフエコノミストのニコラス・スターン卿が発表した地球温暖化(気候変動)に関する報告書。正式名は "The Economics of Climate Change" (気候変動の経済学)。気温が6℃上昇したら世界はGDPの20%を喪失するなど

資本主義社会のまま低炭素社会を作るには、好むと好まざるとに関わらず「炭素市場」(カーボン・マーケット)を作り、温暖化対策等を行おうとする国や企業が排出権(等の利益)を得られるシステムを作らねばならない。が、その前に必要なのが、現在各国が自己申告しているCO2排出量が信頼できるか?

地球温暖化を考える時、全く異なる三つの議論をする必要がある。1)過去の産業革命以後二百年ぐらいの間、人類由来CO2によって温暖化がより進行したのは多分正しい。2)今後の百年、温暖化が進行する確立は70%程度で30%はそうはならない。3)遠い未来の百年以上先は誰にも全く予想できない

経団連は製造業・エネルギー産業34業種による2009年度のCO2排出量を公表。景気低迷により京都議定書が削減の基準年とする1990年度比で16.8%減の4億2170万トン。一方、京都議定書の削減約束期間である08年度から12年度まで5年間の排出量予測は年平均で90年度比8.2%減

環境省と日本経団連の懇談会。松本龍環境相は「温暖化は待ったなし」。経団連の米倉弘昌会長は、「世界的に厳しい経済情勢の中、日本は唯一の規制強化の国。経済や産業の活力をそがぬように」。地球温暖化対策基本法案は2020年のCO2等を1990年比で25%削減。環境税や排出量取引制度の導入

「鉄鉱石の物産」と呼ばれるほど鉄鋼に依存する三井物産だが、日本の産業セクターごとCO2排出量を調べると最も多いのが発電と鉄鋼。今後、鉄鋼事業は縮小か?これに関係してか(三井物産の輸入先の)オーストラリアも2012年に資源税(炭素税?)を40%に増税。同社は戦略の見直しをせまられる

温室効果ガス排出量は2009年に世界で308億トン(CO2換算)になり08年より1.3%減ったという論文を英米仏等の研究チームが2010年11月の英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(電子版)に。世界の排出量が減少するのは21世紀に入ってからは初めて。 ただし世界的な経済不況の影響

2010年11月、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場では、1バレル=87.81ドルと2年1カ月ぶりの高値。国際エネルギー機関(IEA)は、各国の地球温暖化対策が現状レベルで推移した場合、1バレル=243.8ドルと、09年の60.4ドルから4倍超に大幅上昇すると試算

気候変動に関する議論での緩和と適応。1)緩和とはCO2削減。が、中国、インドなどの経済成長を続ける国が絶対的CO2総排出量の削減をする気がないためEUと日本だけやっても無駄な状況。2)適応とは、温暖化が起こってしまった場合の対策。海面上昇に対する護岸、高温に適応する農作物の開発等

「国際協力機構・年次報告書2010」。2010年11月に発行。巻頭に10の事実。1)47カ国で小中学校の34000教室を整備。210万の児童。研修受けた教師20万人。2)エジプト風力発電事業で年間25万トン分のCO2削減。3)1400万haの森林・生態系保全。受益者1100万人。

「二国間(温室効果ガス)オフセット・メカニズム」とは、例えば、日本企業がインドネシアに高効率の石炭火力発電設備を提供する。それにより大幅に削減されるCO2を、二国間協定で「国際クレジット」と認定し分配。日本は企業の収益になるだけでなく、そのクレジットを「1990年比25%削減」に

「二国間(温室効果ガス)オフセット・メカニズム」が考えだされた背景は、「京都議定書」の中にあった「クリーン開発メカニズム」(CDM)が、事実上、あまりつかえないため。審査が厳しく、新規のものはほとんど認められない。二国間のメカニズムだと利害が一致しやすいので企画が簡単に通り易い

インドネシアの熱帯雨林では毎年森林火災と「泥炭火災」。森が数万年かけて吸収したCO2を一気に放出。しかし発生するCO2が定量できなかったため「クリーン・デベロップメント・メカニズム」(CDM)の対象外。今後、人工衛星からのCO2測定で、先進国が排出権獲得のために資金援助する可能性

人工衛星「いぶき」による宇宙からのCO2観測で新たにわかるのが先進国からの排出量よりもむしろ熱帯雨林などがある途上国や新興国の実態。インドネシアやマレーシアでは開発による森林減少と泥炭火災。ロシアでは永久凍土が溶けてメタンが発生。こうした部分はこれまで定量的に検証されていなかった

宇宙から温暖化を監視する人工衛星「いぶき」。世界各国のCO2排出量はこれまで各国の自己申告だった。はっきり言えば中国などがどれだけ排出しているか不明だった。また地球上のCO2観測点の数は限られており、またムラがあり、とても信用できるものではなかった。これらの問題が改善可能になった

地球温暖化による海面上昇で将来、水没の恐れがある島を「星砂」で救う試みを東京大の茅根創教授や国立環境研究所などが南太平洋のツバルで開始。島を構成する堆積物に占める有孔虫の割合は、全体の5~7割だった。ところが近年は人口が増え、市街地に近い海では、水質悪化のため有孔虫の減少していた

地熱発電(Geothermal power)は自然エネルギー(再利用可能エネルギー)の一つで火山の多い日本では有効。通常は蒸気発電(flash steam)でマグマの熱で生成された水蒸気でタービンを回して電気へ変換。しかしこの水蒸気中に大量のCO2を含み地球温暖化対策には使用不可

2009年の気候変動枠組み条約COP15で「コペンハーゲン合意」に留意(take noto)。途上国への支援に関し、1)短期支援(2012年までに300億ドル)、2)長期支援(2020年までに1千億ドル)、3)REDD(植林の取組に加え森林の減少・劣化に起因するCO2の排出削減)

「コペンハーゲンの失敗」とは2009年12月気候変動枠組条約COP15において、1)先進国と新興国が激突。アメリカ対中国、フランス対インド・中国。2)国連の限界。各国の利害の主張だけ。3)議長国デンマークの不手際。先進国側の事前協定が途上国にばれた。大陸ごとの集会も根回しだと非難

生物多様性COP10は2009年の「気候変動枠組条約でのコペンハーゲンの失敗」を繰り返さないため途上国が途中で方針を変更し先進国からより多くの金を引き出す戦略に。日本もこれに対応し、3回に分けて資金援助を徐々に上積みしてゆく戦略をとった。この結果、先進国の案が、ほぼそのまま通った

2010年5月の新たな国際的枠組みは森林を保全する途上国に資金や技術を提供しCO2排出の削減。69カ国が参加。2012年までに先進国が40億ドルを支援。途上国は得られた資金で森林伐採や焼き畑停止で収入を失う住民の生活支援や植林。先進国は協力事業で削減できたCO2を排出枠として獲得

「人類由来CO2による地球温暖化」を支持するデータは、実は捏造されていたことが発覚した「クライメートゲート事件」。知らなかった人は、是非ご一読を http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65340863.html

家庭における二酸化炭素排出量の計算は、それぞれにCO2排出係数をかけて合計。電気(kWh)x0.39、都市ガス(m3)x2.1、LPガス(プロパン)(m3)x6.5、水道(m3)x0.36、灯油(L)x2.5、ガソリン(L)x2.3、軽油(L)x2.6、可燃ごみ(kg)x0.34

省エネ住宅(省CO2住宅)とは、1)屋根に太陽光発電・温水器、2)断熱性の高い壁・床・天井・窓サッシ、3)窓の前で植物を育てスクリーンとし、夏の間は日射遮蔽。冬は枯れて陽光を部屋に入れる。4)効率のよい給湯機器。5)エアコンは夏は28度、冬は20度に設定。暖房は冷房より環境に負荷

「高校生でもできる国際協力はありますか?」 温暖化による気候変動で降水量が減り水不足から農業ができず餓死したり水の奪いあいの戦争が発生。だから温暖化を止めること。コンビニ等でチョコなどのお菓子を買う時に、どの会社が一番CO2を出さないで商品を作っているかまず調べ、それから買うこと

映画 「ツバル 大切なものに導かれて」 をとりあげて頂いた、記事の記録。 「ツバルを守りたい 温暖化で沈んでしまう…」 中日新聞・中高生Weekly 2008年4月21日の記事 http://edu.chunichi.co.jp/weekly/?p=63

「ラジオ版 学問ノススメ」に出演した時の記録が残っていました。MP3でダウンロードし、全ての内容を聞けます。前半は地球温暖化、後半は国際協力師の話しです。2008/3/30放送分。以下のサイトの真ん中よりやや下 http://www.jfn.co.jp/susume/y2008/

・・・

生態系の保護、説滅危惧種

1958年から1960年まで中国の毛沢東は、農工業の大増産政策(大躍進政策)を実施。その一つが四害駆除運動。スズメ、ハエ、カ、ネズミが四害とされ、特にスズメは農作物を喰い荒すとして1年間で11億羽以上を捕獲。その結果、スズメが捕食していた昆虫類が増え害虫となり、逆に農業生産は減少

1988年に「生物多様性」という言葉を産み出したハーバード大学のエドワード・ウィルソンは「バイオフィリア仮説」を提唱。バイオフィリアとは生物への友愛。人間は自発的・本能的に他の生物や生命に関心を抱き、『街頭に引き寄せられる蛾のように生命に引き寄せられていく』傾向がある、としている

自然界からの生態系サービスには4つある。1)供給サービス(木材、食糧、水、燃料などを提供)、2)調節サービス(死体の分解や廃棄物処理、気候の安定化など)、3)基盤サービス(光合成による炭水化物生産、窒素固定、授粉など)、4)文化的サービス(伝統、芸術、観光旅行、精神的活動など)。

サービスとは、1)経済学の用語のおける「無形の財」。2)法律学の擁護では「役務」。前者の意においてのサービスは、A)売り買いした後に物が残らず、生産と同時に消費される、B)品質は一定でなく、C)在庫をすることが不可能、D)事前に商品を見たり試すことが困難。第三次産業が取り扱う商品

2001~2005年、国連等のグループが行った「ミレニアム生態系評価(MA)」によれば「生態系サービスにはまず基盤サービスがあり、その上に供給サービス、調節サービス、文化的サービスという三つが乗っている。それにより、1)安全、2)豊かな生活の基本資材、3)健康、4)良い社会的な絆

生態系サービスの中の供給サービスの例。現在、人類は、年間1億3千万トンの水産物を海や川から手に入れている。その金額は一千億ドル(10兆円)にのぼるとされる。さらに、生物資源・遺伝資源からは、医薬品、食品添加物、栄養補助食品などが先進国で作られており、45~70兆円の市場規模がある

生態系サービスの中の調節サービスの例。マングローブは河口等に住む植物群の総称だが、サンゴ礁と並んで、1)高潮や津波、台風の時の暴風雨などから沿岸を守り被害を軽減する天然の防波堤(護岸効果)。2)多くの魚介類の産卵の場であり生息の場を提供。落とした種子から食物連鎖。生物多様性の保持

ハイチは国が貧しかったため、かつては国土の全域を覆っていた森林のほとんどを伐採し売ってしまった。残っているのは1%のみ。このため毎年のようにハリケーンによる大きな災害を受けている。一方、ドミニカ共和国は、大統領の強権もあり、28%の森林が保持されているためハリケーンの被害が少ない

全ての生物の栄養源を作っているのは、植物の光合成。大気中の二酸化炭素(CO2)と土壌中の水(H2O)から炭水化物を作る。しかし豆科の植物は蛋白質も大量に作るため、窒素(N)も必要になる。どうやって窒素を得ているのかと思ったら、根粒菌という細菌が根に寄生しており、大気中の窒素を固定

人間が栽培している農作物1500種のうち約半分が蜂などの授粉媒介動物に頼っている。EUが2006年オランダとイギリスで蜂の数を調査。オランダでは67%、イギリスでは52%の区画で蜂が減少。授粉媒介動物が人間にもたらす利益は年間1530億ユーロ(19兆円)。世界の農業生産額の約1割

アメリカ、スミソニアン熱帯研究所のルービック博士は科学雑誌「ネイチャー」に「花粉を媒介する蜂がいるコーヒー畑では豆の収量が最大50%多くなる」と発表。また「近年、各国で単位面積あたりのコーヒーの収量が落ちているのは大規模な開発で、授粉等に必要な昆虫が生息できなくなったことも一因」

2004年アメリカ、スタンフォード大学のポール・エーリッヒ博士は鳥類による「生態系サービス」として4つを挙げた。1)種子散布(依存する植物の種の維持)、2)授粉(近親交配の予防、着果率(実を付ける割合)の増加)、3)腐肉の消費(病気の流行防止)、4)捕食(虫害抑制、収穫量の増加)

動物の絶滅危惧種が多い国、1)アメリカ、948種、2)オーストラリア、733種、3)インドネシア、701種、4)メキシコ、636種、5)マレーシア、455種、6)コロンビア、429種、7)フィリピン、425種、8)インド、413種、9)中国、370種、10)エクアドル、369種

植物の絶滅危惧種が多い国、1)エクアドル、1839種、2)マレーシア、686種、3)中国、446種、4)インドネシア、386種、5)ブラジル、382種、6)カメルーン、355種、7)マダガスカル、281種、8)スリランカ、280種、9)ペルー、275種、10)メキシコ、261種

生物多様性のリスク管理に使える「生物多様性統合アセスメントツール」(IBAT)は、国連環境計画(UNEP)、バードライフ・インターナショナル、コンサベーション・インターナショナル(CI)、国際自然保護連合(IUCN)の4つの自然保護団体が共同で実施。無数にあったデータを統合した

IBATとは、生物多様性統合アセスメントツール(Integrated Biodiversity Assessment Tool )。世界各地の情報を統合し提供。国連環境計画、国際自然保護連合(IUCN)、コンサベーション・インターナショナル、バードライフ・インターナショナルが共同

森林面積の減少面積(FAO、 2000~2005年、万ha/年)、1)ブラジル310、2)インドネシア187、3)スーダン59、4)ミャンマー47、5)ザンビア45、6)タンザニア41、7)ナイジェリア41、8)コンゴ民主共和国32、9)ジンバブエ31、10)ベネズエラ29

世界の森林面積は40億haと陸地の3割。CO2を吸収し酸素を作り、水や土壌を守り、食料や木材を供給。熱帯雨林は薬効成分を持つ有用な植物等の宝庫。が、途上国の違法伐採や農地・牧草地への転換などで減少。FAOによると、東南アジアやブラジルで日本の森林の3分の1の730万haが毎年減少

「愛知ターゲット」20項目。認識、政府計画、有害措置廃止、関係者、自然生息地の損失速度、漁業、農林業、過剰栄養、外来種、気候変動、保護地域カバー率、絶滅危惧種、栽培種の遺伝多様性、生態系サービスの公平なアクセス、生態系回復、ABS(利益分配)、国家戦略、伝統的知識、科学技術、資金

国連環境計画(UNEP)金融イニシアチブの末吉竹二郎特別顧問は、「生物多様性の損失も温暖化問題同様、人間の経済活動が原因。環境保全コストを企業活動に取り込むことが重要で、今回の会議はその気づきとして欲しい」。愛知ターゲットの個別目標20個を国や地域の開発計画にどう盛り込むかが重要

生態系保全の世界共通目標についてEUは強硬に高い目標を主張していた。この理由は、1)地球温暖化防止でCO2排出権取引を決める際、そのルールをEUが初めて導入するなど世界を主導し、EU内の企業と市場が優位に立った。2)生物多様性でもそれに対応できるEU内の企業を有利に導きたかった?

生物多様性版IPCCが2010年秋発足。2001~05年、世界中の科学者が参加した「ミレニアム生態系評価(MA)」、05~08年IMoSEB(生物多様性に関する科学専門家国際メカニズム)、08年より、IPBES(生物多様性と生態系サービスに関する科学-政策政府間プラットフォーム)

生物多様性の保全をテーマにした初めての国連首脳級会合が2010年9月22日に開催。冒頭で前原誠司外相が提案。1)今後10年間を生態系保全のための集中的な行動期間「国連生物多様性の10年」、2)「生物多様性と生態系サービスについての政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)」設置

"IPBES"とは、「生物多様性と生態系サービスに関する科学-政策政府間プラットフォーム」(Intergovernmental Science and Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services)。2010年秋発足

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TEEB(生態系と生物多様性の経済学)

1997年、アメリカ、メリーランド大学の経済学者、ロバート・コンスタンザは、16種類の生態系を調べその価値を試算した。1年間1ヘクタール当たりの経済的価値が最も高いのは、「河口域の生態系」。生活排水に含まれるリンや窒素を処理するには、大きな下水処理場と多大なランニングコストが必要

ロバート・コンスタンザが生態系サービスの価値を試算した所、1年間当たり33兆ドル(3300兆円)だった。これは当時の世界の国内総生産(GDP)が18兆ドルだったので、その1.8倍になるという数字だった。この頃、まだ温暖化に影響するCO2の吸収などは加味されていなかったのに、である

ロバート・コンスタンザによる生態系サービス。大気成分の調節、気候の調節、撹乱の調節(森林による暴風雨からの保護等)、水の調節、水資源の供給、土壌侵食の制御、栄養分の循環、廃棄物の処理、授粉、生物の数のコントロール、隠れ場所の提供、食糧供給、原材料、遺伝資源、レクリエーション、文化

生態系と生物多様性の経済学(TEEB)は2007年3月ドイツのポツダムで行われたG8 環境大臣会合にて「ポツダムイニシアティブ」により、生物多様性の地球規模の喪失に関する経済評価の重要性が指摘。気候変動と経済に関するスターンレビューの生物多様性版とも称されるTEEB活動が承認。

「生態系と生物多様性の経済学」(TEEB : The Economics of Ecosystems and Biodiversity study )とは、生態系の破壊や生物多様性の減少がもたらす経済学的な被害を定量的評価する枠組み http://www.teebweb.org/

「生態系と生物多様性の経済学」(TEEB)には、2つの目的。1)「スターンレビュー」と同様に、現状のまま特に対策をとらない場合、生物多様性が損なわれることによる経済的・社会的損失の規模を示す、2)各国の政策決定者や地方自治体、(企業の)事業者や市民に対して、具体的な対処方法を示す

TEEB最終報告は、D0:理論編)科学的・経済学的な基盤、D1:政策決定者向け)生態系への支払い制度(PES)やREDD(森林減少による排出削減)、D2:地方自治体向け)意思決定の選択肢、D3:事業者向け)リスク管理と、ビジネスチャンス、D4:一般市民向け)ウェブで消費選択の参考

2008年、ドイツのボンで開催された、生物多様性条約・COP9で発表されたレポートが、「生態系と生物多様性の経済学」(The economics of ecosystems & biodiversity : TEEB)の中間報告。TEEBは生物多様性版のスターンレビューと呼ばれる

TEEBは2007年の中間報告では森林のみが分析の対象となっていたが2010年のCOP10では海洋生態系やサンゴ礁などのバイオーム(生物群系)も対象に。貧困問題や国連ミレニアム開発目標(MDGs)との関連についても包括的な分析。生態系の状態を評価し経済モデルに用いる指標群の開発も

TEEB中間報告によれば、我々が失っている生態系サービスの価値は、陸域をベースとした生態系だけを考慮しても毎年約6650億円の規模に相当。対策をとらない場合、生態系や生物多様性が損なわれることによる経済的損失の規模は、2050年までに控えめに見積もっても世界のGDPの7%に達する

TEEB中間報告では、1)対策を取らない場合、生態系が損なわれることによる経済的損失は、2050年までに世界のGDPの7%。2)生態系サービスの最大の受益者は貧困層。3)生態系の経済評価において高い「割引率」を適用することは、自分たちの子孫世代が受ける利益を不当に低く評価する恐れ

TEEB中間報告では、「割引率」に関する問題提起。経済評価を行う際、将来の価値は一定の「割引率」で割り引いた上で現在価値に換算。例えば4%の割引率を50年間にわたって適用すると、自分たちの孫の世代が将来の生物多様性から受ける利益を現在の価値の7分の1程度にしか評価しないということ

TEEBは、1)「生態系インフラへ」について、保護地域に450億ドルを投資し年間5兆ドル規模の生態系サービスの確保、2)「サンゴ礁保護」について、海岸浸食の防止・魚類の育成等は年間1700億ドルの価値。が、世界が目標とするCO2濃度450ppmの安定化では海水酸性化等でサンゴ死滅

「生態系と生物多様性の経済学」(TEEB)では、低所得国、貧困層ほど生態系サービスの毀損(きそん)の影響がより強く及ぶことを指摘。これが正しければ新興国・途上国の開発政策も生物多様性保全を考慮に入れる必要がある。これまでの開発政策は貧困撲滅を最終目標として対内投資誘致による工業化

TEEB中間報告によれば、生態系サービスや生物多様性と貧困問題の結びつきに関するインドでの研究結果によると、森林の生物多様性や生態系サービスの最大の受益者は貧困層であること、また生物多様性や生態系サービスが失われることによって最も大きな影響を受けるのも、貧困層の収入保障や生活福祉

TEEBは"Climate Issues Update"で生態系サービスに対する国民所得会計(National Income Accounting)の導入と、生態系インフラ(Ecological Infrastructure:自然と人工的生態系の両方を統合した概念)への投資を主張

TEEBの政策立案者向け提言の例。タイ南部のマングローブを切り開いて造ったエビ養殖場は、1,200ドル/ha(ヘクタール)の収益を上げる。しかしこれはマングローブ林から得られた木材の供給や漁業収益、沿岸保護の損失コスト(12,000ドル/ha)を考慮していない。つまり10倍の損失

TEEBの最終報告のD3が、企業を含む事業者向け。生物多様性に関するリスクをどのようにして事前に予見し、回避・低減することができるか。海外ではibat(生物多様性のための統合アセスメントツール)やBBOP(ビジネスと生物多様性オフセットプログラム)などの「リスク管理ツール」の開発

"BBOP"とは、「ビジネスと生物多様性オフセットプログラム」(The Business and Biodiversity Offsets Program)。各国の試験的オフセット事業の紹介をしオフセットの普及を目指す http://bbop.forest-trends.org/

2008年の生物多様性COP9の決議には、民間企業が取り組む最優先事項として、「BBOP(ビジネスと生物多様性オフセットプログラム)と協力して生物多様性オフセットのケーススタディーや各種ガイドライン、さらには国や地域の関連政策の枠組み作りをCOP10に向けて作成する必要性」が明記

TEEBの最終報告のD3では、生物多様性に関連した新しいビジネスチャンスも紹介。生物多様性オフセット、生物多様性バンキング、REDD(森林減少・劣化による排出削減)、といった生物多様性保全に関連するビジネスチャンスの拡大。エコツーリズムや有機農産物など急速に拡大しているマーケット

"REDD"とは、「森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減」(Reduced Emissions from Deforestation and forest Degradation)。途上国における森林の破壊や劣化を回避し、温室効果ガス(二酸化炭素)の排出を削減しようとすること

TEEB最終報告の具体例。1)森林破壊を止めCO2増加を止めることでNPV(現在価値)換算で370兆円。2)乱獲する漁業で毎年4兆円が損失。3)サンゴ礁喪失で年2兆4千億~1兆4千億円の損失。4)市街地への40万本植林による冷房利用抑制で5,400億円~1,600億円(4年間)

「生態系と生物多様性の経済学」(TEEB)最終報告。ハワイのサンゴ礁の価値は年3億6千万ドル。乱獲による漁業資源損失は全世界で年500億ドル、カメルーン熱帯雨林が温暖化防止効果は1ヘクタール当たり年最高2265ドル等。世界の生態系破壊による経済損失は年間5兆ドル(405兆円)以上

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PES(生態系サービスへの支払い制度)

"PES"とは、「生態系サービスへの支払い制度」(Payment for Ecosystem Services)のこと。汚れた水や空気を人間が浄化するより生態系にそのサービスを提供してもらった方が費用が安く済む。そのサービスの対価、ないしはそのサービスの維持管理コストを支払おう。

PES (生態系サービスへの支払い)は、中米や東南アジアでその導入が続いている。理由は、森林管理を行うための、植林・間伐・持続可能な利用・不法利用者の取り締まりなどのために雇用が生まれ「貧困の削減」につながり一石二鳥。資金は排出権クレジットを(気候変動監査の)OCICが海外に転売

PES (生態系サービスへの支払い)の国レベルでの例は、コスタリカの森林保全。(森林はCO2を吸収するので)国民からガソリン税を徴収、また森林の吸収するCO2によって得られた排出権クレジットを「国家森林財政基金」に貯蓄。ここから土地所有者へ、森林保全を行った面積に応じ対価の支払い

PES (生態系サービスへの支払い)の例としては、フランスのミネラルウォーター会社ヴィッテル。1980年代、(ヴィッテルと関係ない地元農家の)畜産と飼料栽培が盛んになるにつれ、商品の水源が硝酸塩と農薬で汚染された。農家と交渉をし、農業慣行を変更してもらい、その費用を補填することに

PES (生態系サービスへの支払い)に関して、森林率が84%で全国1位の高知県は2003年度に日本で初めて森林環境税を導入。個人・法人県民税に均等割で(1人または1社当たり)年500円を上乗せし集められた年間1億7000万円を間伐等の森林環境保全に使用。この手法が全国30県に拡大

PES (生態系サービスへの支払い)の応用例として、淀川流域では、1965年から大阪府、大阪市、兵庫県などによる「下流費用負担」が実施され、琵琶湖周辺で水源林が造成されている。(大都市を擁する場合が多い)下流域の自治体が、上流の水源を擁する自治体に対して、水源林の費用の一部を負担

PES (生態系サービスへの支払い)を、ソニー・セミコンダクタ九州が実施。半導体製造のために大量の清浄な水が必要。熊本市は白川中流域の水田による「かん養」により地下水が豊富だったが近年は減少。このため熊本市は湛水(水張り)を奨励。湛水期間に応じて助成金を支払う。ソニーはこれに参加

PES (生態系サービスへの支払い)を日本では飲料メーカー、ビールメーカー等が実施。アサヒビールは「アサヒの森」として水源林を社有林として保全。キリンビール、サントリー、コカ・コーラなどは、国または地方自治体が統轄する「企業の森」・「法人の森」制度に参加し、間接的に水源林を保全。

「生態系と生物多様性の経済学(TEEB)」がその報告書で生態系サービスを活用した成功事例として兵庫県豊岡市のコウノトリ復帰を紹介。餌になる生き物が生息できるよう農薬を控えた米づくりを実施。この米は通常よりも5割高い値で売れた。コウノトリの野生復帰で観光客が増え市の収入が1・4%増

「空気は、無料ではなかった。土も、水も、森も、林も、そして『光』さえも、決して無料ではなかったのだ。今、その勘定書が回ってきた。人間たちがこの『ツケ』を返済しないかぎり、大自然は地球の上に人間たちが住むことを許さないだろう。未来永劫、決して、許さないだろう 」 井上ひさし(作家)

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グリーンエコノミー

グリーンエコノミーとは環境に優しい経済(低炭素な経済)。欧州委員会ニコラス・ヘンリーによると「経済危機と気候変動に伴い“グリーン経済”に向けた期待が高まってる。ビジネスチャンスの可能性。既にEU内で、1)440万人の雇用、2)GDPの2.3%、3)他の部門をしのぐ年率8%の成長」

グリーンエコノミーが動き出す~COP10 TEEB-DAYを振り返る~ 11月29日(月)午後6時30分から午後8時30分 世界銀行情報センター(PIC東京) 生物多様性条約市民ネットワーク、IUCN日本 共催 http://go.worldbank.org/HJ1HZIASY0

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CRM(慈善運動関連マーケティング)

CRM(Cause Related Marketing)とは、社会的問題解決のために、企業が持っているマーケティング等の力を生かすと同時に、売り上げやブランドイメージアップも目指す手法。売上げの一部をNPOなどの連携先団体に寄付する形が多い。消費者も間接的に社会問題解決に関われる

CRM(Cause Related Marketing)は、日本語では、「慈善運動に関連したマーケティング」、またはそのまま、「コーズ・リレーテッド・マーケディング」と訳される。この場合の"cause"は、原因や目的という意味ではなく、(人を動かすための)理念・信念・大義のこと。

CRM(慈善運動関連マーケティング)の対象となる商品は、コモディティ化しやすい日用品や食料品が多く、支援対象先も「女性」や「子ども」など商品の購入者層(主に主婦)が共感しやすい内容に。企業とNPO等の連携目的は、企業側は、商品の差別化・社会貢献。NPO側は、団体の知名度上昇・寄付

コモディティ化とは、競争が激しい商品の間では、その特性(機能、品質、ブランド力など)が失われてしまうこと。このため商品の差別化が困難になり、消費者にとってはどこのメーカーの商品を購入しても大差のない状況に。これを打開するため、環境配慮、CSR配慮、社会貢献性などをアピールする戦略

CRM(慈善運動関連マーケティング)のC(cause)は、「良いことなので援助をしたくなるような対象」のことをいい、その結果、消費者がその商品を購入する確率を上昇させる。日本ではコーズとして、環境問題系が人気。消費者が主婦の場合、女性・子どもの支援。アメリカでは人権等多彩なコーズ

CRMの活用。1)新車購入前の試乗1キロ毎に環境保護に10円募金。試乗率アップ。2)洋服店が古着回収し途上国寄付してると来店率アップ。3)懸賞を行い落選しても応募1口当たり1円を途上国の母子に寄付。落選者のイメージダウン防止。4)商品が社会的課題に取り組んでいるというイメージ定着

ユニクロは、2006年以降、国際連合難民高等弁務官(UNHCR)と連携し、ネパールにあるブータン難民キャンプなどで、衣類の支援を実施。店頭で客から回収した中古の衣類を、12カ国で200万枚以上、難民や国内避難民に届けた。 http://www.uniqlo.com/jp/csr/

CRM(慈善運動に関連したマーケティング)の例。ダノンウォーターズオブジャパンはユニセフと連携し「1L for 10L」プログラムを2007年より実施。ミネラルウォーター「ボルヴィック」の売上金の一部を出荷量1リットル当たりアフリカ・マリ共和国の水不足解決のため10リットルを提供

ボルヴィックは、売り上げの一部でユニセフの活動を支援。アフリカで飲料水を確保するための井戸を作り、また10年間に渡る井戸のメンテナンス。売り上げ1リットルあたり、10リットルの水がアフリカの井戸から生まれる仕組み。「1L for 10L」 http://bit.ly/aIrFrh

マリ共和国は西アフリカの内陸国。国土は日本の3.3倍だが、70%がサハラ砂漠占められている。地球温暖化によると言われている急速な砂漠化、旱魃やバッタの異常発生等の被害によって、常に飢饉に脅かされている。人口1300万人。イスラム教徒90%。識字率が世界最低。一夫多妻の習慣が根強い

CRM(慈善運動関連マーケティング)は、消費者の「ちょっと何か良いことをしたい」という感情を満たしてあげるために、商品の利益の一部を(環境・女性・子どもの問題などの)社会問題に寄付するとして商品を宣伝することにより、売り上げが伸びることを目指すもの。一応、ウィン・ウィンの関係か?

PEP(Profit Equals Price Effect)効果とは、例えば企業がある商品の収益の一部を慈善事業に寄付すると言った場合、1)売り上げの1%、と、2)利益の1%、ではどちらが多いか。もちろん1)なのだが、消費者の購買意欲上昇効果は変わらない。この錯覚のことを言う。

CSRのツイート、日本のCSRの歴史など、20101126まで 14363字

日本のCSR、江戸時代

日本のCSRの歴史、江戸時代。1700年前後に材木商人が役人と組んで日光東照宮などを作って儲け「元禄バブル」。やがて幕府財政が崩壊し、投機的な商売をしていた商人たちも破産。家訓は、「一時の機に投じ目前の利に走り危険の行為あるべからず」「三方よし。売り手よし、買い手よし、世間よし」

CSRに近い概念が、江戸商人の家訓の中に。伊藤松坂屋は、「伝来の家業を守り決して投機事業を企つるなかれ」。住友家は、「一時の機に投じ目前の利に走り危険の行為あるべからず」。近江商人は、「三方よし。売り手よし、買い手よし、世間よし」。「徳義は本なり、財は末なり。本末を忘るるなかれ」

企業の社会的責任(CSR)の日本の起源は江戸時代に遡る。1700年前後に材木商が役人と組んで日光東照宮などを作って儲け「元禄バブル」を起こしたが、幕府の財政がやがて崩壊。この反省で「投機的な行動をし一時的な目の前の利益を追わず地道に顧客本位の商売をすること」が江戸商人たちの家訓に

「およそ事業をするには、まず人に与えることが必要である。それは、必ず大きな利益をもたらすからである。」 岩崎弥太郎(1835-1885年)。三菱財閥の創設者。表と裏が激しい人物。 「小僧に頭を下げると思うから情けないのだ。金に頭を下げるのだ。」

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日本のCSR、環境問題系

日本のCSR、環境問題系。高度成長に伴い1950~60年代に四大公害病が発生。1967年、公害対策基本法制定。1971年、環境庁が設置され、1975年頃には公害は沈静化。1979年、省エネ法。1993年、環境基本法制定。1998年トップランナー方式。2000年、循環関連6法制定。

日本の四大公害病。1)1910年頃、イタイイタイ病、岐阜、カドミウム (三井金属鉱業)、2)1956年、水俣病、熊本、メチル水銀(チッソ)、3)1960年、四日市ぜんそく、三重、亜硫酸ガス(石原産業、中部電力、三菱油化等)、4)1965年、第二水俣病、新潟、メチル水銀(昭和電工)

環境政策の歴史。1960年代、日本の高度経済成長に伴って公害問題が悪化。四大公害病も発生。1970年、第64回国会(通称、公害国会)において、公害対策関連14法案が成立。1971年、環境庁が設置され各種排出規制がさらに強化。これらにより1975年頃には産業公害は、一応克服された。

環境省の歴史。1967年4大公害病発生受け公害対策基本法制定。1971年、環境庁発足。1972年、自然環境保全法制定。1993年、環境基本法制定。2000年、循環関連法(6法)制定。2001年、省庁再編により環境省発足。2002年、環境配慮の方針。2004年、社会的責任研究会設置

ソニーのプレイステーションのカドミウム混入事件とは、2001年10月にオランダで起こった欧州向けのプレイステーション(PSone)のカドミウム混入による現地当局による出荷停止。コードの被覆からカドミウムが検出され全欧の市場からプレステ回収 http://bit.ly/fbBL7f

PRTR制度とは、環境汚染物質排出移動登録制度(Pollutant Release and Transfer Register)。1999年に法制化、2001年施行。有害性が疑われる化学物質がどこからどのくらい環境中へ排出されているか廃棄物等として移動しているかを把握・集計・公表

PRTR(化学物質排出移動量届出制度)の歴史。1974年オランダで排出目録制度。1984年インドの米国企業が事故。メチルイソシアネート大気放出で死者二千人以上。1986年アメリカで有害物質排出目録(TRI)。1992年、地球サミットでアジェンダ21。1996年、OECD理事会勧告

PRTRインフォメーション広場、環境省 http://www.env.go.jp/chemi/prtr/risk0.html 対象化学物質354のリスト http://www.env.go.jp/chemi/prtr/result/gaiyo_H20/8_shiryo_1.pdf

MSDS制度とは、製品安全データシート(Material Safety Data Sheet)。欧州ではSDSと呼称。1999年に法制化。毒物及び劇物取締法およびPRTR法で指定される特定の有害化学物質を、特定の割合以上含まれる原材料などを、安全に取り扱うために必要な情報を記載。

省エネ法とは、エネルギーの使用の合理化に関する法律のこと。1973年の第一次石油危機、79年の第二次石油危機を受け、同年に制定・施行。97年の気候変動枠組条約・第三回締約国会議(COP3)の後、98年3度目の改正が行われトップランナー基準設置。2006年、小売事業者表示制度を導入

トップランナー方式とは、エネルギー多消費機器のうち省エネ法で指定するもの(特定機器)の省エネルギー基準を、各々の機器において、基準設定時に商品化されている製品のうち最も省エネ性能が優れている機器の性能以上に設定することにより、製品の省エネ性能の向上を図る制度。1998年から施行。

統一省エネルギーラベルとは2000年に導入された表示制度でエネルギー消費機器の省エネ性能を示す。省エネ法等に基づきメーカーが製品やカタログに表示している情報を元に家電製品やガス石油機器などが国の定める目標値(トップランナー基準)をどの程度達成しているか、その達成度合い(%)を表示

国際エネルギースタープログラムとはOA機器の省エネルギーのための国際的な環境ラベリング制度。日本の経済産業省とアメリカの環境保護庁(EPA)との相互承認の元で運営。1993年からアメリカが実施、95年から日本も参加。 http://www.eccj.or.jp/ene-star/

炭素税(環境税、石油などの化石燃料等を使用する際にかかる税金)の問題点は、1)地方自治体がそれを課税すると、企業がその地域から逃げる。2)国がそれを課税すると、(商品価格が高騰し)国際競争力が落ちるか、または企業が海外に拠点を移してしまう。よってEUのように国際的ルールを作る必要

環境省と日本経団連の懇談会。松本龍環境相は「温暖化は待ったなし」。経団連の米倉弘昌会長は、「世界的に厳しい経済情勢の中、日本は唯一の規制強化の国。経済や産業の活力をそがぬように」。地球温暖化対策基本法案は2020年のCO2等を1990年比で25%削減。環境税や排出量取引制度の導入

政府・民主党は2010年11月、環境対策の財源とする地球温暖化対策税(環境税)を2011年度から導入する方針。石油や石炭などの化石燃料にかかっている「石油石炭税」を増税して「環境税」に衣替えさせる。増税は最終的に5割(2500億円規模)を想定しているが、経済界は大幅な負担増に難色

地球温暖化がもしも本当に進行し、地球の平均気温が現在よりも、2~6度、上昇した場合、主に熱帯地域に生息していた、「蚊」などの疾患を媒介する生物(ベクター)が(現在の)温帯地域にも生息可能になる。すると、マラリアやNTD(顧みられない熱帯病)が、日本などに上陸してくる可能性がある。

蚊は、1)メスが人体の血液を吸い取って痒み。2)伝染病の媒介者(ベクター)。マラリアなどの原生動物病原体、フィラリアなどの線虫病原体、デング熱、ウエストナイル熱などのウイルス病原体。日本を含む東南アジアではコガタアカイエカが日本脳炎。地球温暖化の影響で生息範囲が広くなっている問題

マラリアはアフリカなど熱帯の病気を思っている人が多いが、日本にもあった。北海道、琵琶湖周辺、沖縄などで1960年代頃まで感染例があった。またマラリアを媒介するハマダラカ(羽斑蚊)も上記の地域に生息している。よって地球温暖化が進行した場合、日本でマラリアが復活するのはほぼ確実だろう

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日本のCSR、人権系

日本のCSR、人権。1)同和(部落)問題。江戸時代士農工商の下に穢多。1869年に一律平民、1871年に解放令。1955年に部落解放同盟。2)女性。1975年、国際婦人年。1980年、女性差別撤廃条約署名。1985年、男女雇用機会均等法。3)障害者。企業の障害者雇用率1.8%以上

企業の社会的責任(CSR)における「人権」は、海外では(1950年代のアメリカ黒人公民権運動に端を発した)人種差別問題や、児童労働・強制労働(の禁止)が注目されるが、日本では(関西等での)同和問題(部落差別問題)、男女共同参画(女性の権利向上)、障害者雇用率などに注目が集まる傾向

部落問題(同和問題)は差別問題の一つ。部落とは江戸時代の士農工商の下にあった身分、穢多(えた)。1869年に一律平民、1871年に解放令。しかし差別は逆に強まったため、1922年に全国水平社、1955年に部落解放同盟。1970年頃、共産党系の全国部落解放運動連合会(全解連)が離脱

自治体の人権関係の部署から私に講演依頼がきた。その担当者から聞いたのだが、(差別を受けている)「部落」に所属するとされる人々の中にも、その中でグループ分けがあり階層的差別や派閥争いなどがあると言う。つまり人間はどこまで行っても「差別が好きで、それで自分を肯定しようとする生き物」か

平和や人権に関する活動を行っている組織の歴史を見ると、いずれの活動も、旧・社会党系(現在の民主党または社民党系)と、共産党系の派閥がその組織の中にあり、いずれ分裂したり対立したりしている。世の中の問題を解決しようとする人々は思いこみが激しく、そこに左翼系がつけいる、ということか?

男女共同参画社会とは、「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」です。(男女共同参画社会・基本法・第2条)

明治から太平洋戦争までの女性の歴史。1868~1910年までは、女性の大多数は農業に従事。一部は富岡製糸場等で紡績など。1929年まで、官公庁の事務員需要増加で「職業婦人」誕生。、反対語の「主婦」も誕生。1945年まで、徴兵された男性の代わりに重化学工業に勤務。早婚・多産が推奨。

戦後の日本の女性の歴史。1945~1955年まで、婦人参政権の実現、男女平等の新憲法、家制度の廃止。1974年まで、結婚まで働き、結婚で退職が一般的に。1975年(国際婦人年)から、女性の地位は向上。1980年、「女性差別撤廃条約」に署名。1985年に「男女雇用機会均等法」が成立

日本女性の近代史は、1975年に国際婦人年と日本の公務員に対して育児休暇を認める法律、1981年ILO総会で男女労働者の機会均等に関する条約、1985年、男女雇用機会均等方、1991年、育児休業法、1992年までに日本の公務員への受験制限が全て解除、1993年、パートタイム労働法

厚労省によれば従業員五千人以上の大企業の「障害者雇用率ランキング」(2008年6月まで)は、ユニクロが3年連続の1位で法定雇用率の1.8%を大きく上回る8.06%。2位以下は、(三井物産系の給食事業の)エームサービス(5.67%)。すかいらーく(2.86%)、オムロン(2.81)

企業の障害者雇用率は1.8%以上にすることが法律で定めされている。肉体的障害者の場合、仕事内容によっては一般と同等の仕事が可能だが精神的・知的障害者の場合その人のために1日中他の会社員を横に置き介助(監視)させる必要がある場合があると言う。このため肉体的障害者のほうが雇用され易い

三井物産が50%出資をして作ったフードサービスのための会社がエームサービス。企業の社員食堂だけでなく、学校、病院、介護施設などの給食まで担当する。この分野では日清食品系が市場シェア1位だが、CSR的にはこのエームサービスの方が上。障害者の雇用率が5%以上と社会貢献度が非常に高い。

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日本のCSR、企業の不祥事系

日本のCSR、不祥事系。2000年に雪印集団食中毒が起き1万5千人が被害。同時期に三菱パジェロのリコール隠し、しかも2004年の再発覚で信用失墜。この頃アメリカでエンロン事件、ワールドコム事件もあり、企業倫理が世界的な問題に。2002年頃からリコー、ソニーなどが欧米型CSRを導入

企業の社会的責任(CSR)が日本で始まった経緯は、1980年代に企業が芸術文化活動を支援する「メセナ」が普及。2000年に雪印集団食中毒が起き1万5千人が被害。同時期に三菱パジェロのリコール隠し等もあり、企業の倫理が問題に。その背景の元、欧米で流行していたCSRが2002年に導入

三菱リコール隠しとは、2000年に発覚した三菱自動車工業の乗用車部門とトラック・バス部門(三菱ふそう)による大規模なリコール隠し。2004年に再発覚し大きな社会問題に。死亡事故も発生し、業務上過失致死の有罪判決。筆頭株主だったダイムラー・クライスラーは財政的な支援を打ち切った。

2000年に1万5千人が食中毒にかかった雪印の不祥事。リスクマネージメントの真髄を! 「雪印集団食中毒事件、その対処をした男の物語」 6742字 http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65450486.html

松下住設機器(現在は松下電器産業に吸収合併)の「FF式石油温風機(1985-1992年)の欠陥による死亡事故」とは、バーナーに外気を送るゴムホースの亀裂により不完全燃焼を起こし、CO中毒による死亡者が出た事件。2005年1月に発覚。翌2月に松下電器は石油機器からの完全撤退を決めた

企業の社会的責任(CSR)が日本で広まったのは、2000年前後に起きた、雪印の食中毒、三菱パジェロのリコール等の、「企業の不祥事を予防するため」に、2002年から、リコー、ソニーなどが導入した。この経緯のため、日本のCSRは不祥事を防ぐための「ガバナンス」(統治)が重視される傾向

企業の社会的責任(CSR)が日本に普及しだしたのは2002年。先駆けはリコーなど。リコーは「環境保全と利益創出を同時に実現する」。ソニーは「製品の設計・製造やビジネスモデル等に最初から環境への配慮を織り込んでゆく」。富士ゼロックスは「環境そのものが商品の大切な品質(価値)の一つ」

日本版の401k(よんまるいちケー)は、2001年10月から施行された「確定拠出年金法」に基づいて実施。1)企業型は従業員が加入者になるが、掛け金は企業が支払う。2)個人型は自営業者のほか、従業員でも401kを導入しない企業に勤めている場合など。3)公務員、専業主婦などは加入不可

経済同友会は2010年11月、桜井正光・代表幹事(68歳、リコー会長)の後任に長谷川閑史(64歳、武田薬品工業社長)を昇格。4代続けてIT(情報技術)系企業の経営者が務めていたが今回の人事は、1)高齢化時代でバイオや医療に社会の注目、2)海外での企業合併・買収(M&A)の経験豊富

寄付文化の違い。GDP比で、アメリカは、2%を、NPO・NGO等に寄付。日本は、0.02%しか寄付しない。理由は、1)キリスト教が社会背景にある欧米の方が、募金をすることが普通。2)NPO・NGOには、怪しい所があり、実際、暴力団や新興宗教団体の隠れ蓑になっている側面があること。

政府税制調査会は2011年度税制改正で国が認定するNPOへの個人による寄付を促すため、所得税額から寄付額の半分を差し引く税額控除を新設。税額控除の適用対象となるには「認定NPO」として指定される必要。認定基準が厳しかったため条件を緩和。年3000円以上の寄付者が百人以上いれば認定

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CSRの内容、理論

企業とは、1)物資の生産・販売またはサービスの提供などの事業を継続的に行うことで利益を上げ、2)株主に配当を分配し、3)従業員に給与を支払い、4)国家や自治体に税金を納入し、5)技術の蓄積と人材の育成をし、6)事業の拡大と発展を行い、7)さらなる利益の追求を続けていく、機能のこと

企業の社会的責任(CSR)で「持続可能な発展を可能にする7原則」。1)環境・生態系を保護。2)自然資源の保護管理。3)必要十分な利益の維持。4)顧客に満足と価値を提供。5)道徳を遵守、顧客の安全と健康に配慮。6)地域社会に貢献。7)企業の利害共有者とのコミュニケーションを活発化。

コーポレート・ガバナンス(企業統治)とは、不祥事を起こさないようにする企業努力のこと。1990年代にアメリカから日本に紹介。1)企業の目的は何か?2)経営者の守るべき行動基準は?3)経営者行動を適切にするための会社機構・組織とは?4)経営者が適切な行動をとれなかった場合の措置は?

企業コンプライアンス (corporation compliance) とは、企業が法律や規則などに従うこと。法令順守だけでなく社会的規範や企業倫理(モラル)を守ることも含まれる場合がある。コーポレートガバナンス(企業統治)の基本原理の一つであり、企業の社会的責任(CSR)の一つ

インサイダー取引にしても、カルテル(販売価格等の協定)にしても、法律に触れるかどうかは、かなり微妙だ。証拠を残さなければバレることもないだろう。(悪いことはなんでもそうだが)一回ならバレないが、調子に乗って何度もやっているうちに目を付けられて、悪事が発覚しやすくなる、ということか

「悪いことをしなければ金持ちにはなれない」 某テレビ局の専務クラスと懇意にしているが彼はこう断言する。「地道に働いているだけでは絶対に金持ちになれない。悪いことをしたやつの中で、それがバレなかった奴が金持ちになる。バレたやつとの差は、紙一重にすぎない。それが今の世の中の仕組み。」

ストックオプション(stock option)とは、会社の役員や従業員が、一定期間内にあらかじめ決められた価格で所属する会社から自社株式を購入できる権利。株価が上がれば上がるほど従業員や役員が得られる利益も大きくなるため、業績に貢献した役員らのボーナスとして利用される。弊害もある

EUホワイトペーパーは、2001年に欧州委員会がCSRを適応するための制度や枠組みを包括的にまとめた「EUグリーンペーパー」をたたき台に、2002年に策定。欧州労連(ETUC)もメンバーとなる「EUマルチステークフォルダーフォーラム」が設置されEUの政策にもCSRが反映されている

CSRで取り上げられる社会問題は多様。1)雇用、労使関係、機会均等、労働・安全・衛生。2)児童労働、強制労働などの人権関係。3)顧客の健康・安全、製品のサービス・ラベリング、プライバシーの尊重など、製品責任の問題。4)法律遵守としては、贈収賄、政治献金、不正競争、不正価格設定など

インドの人口は12億。1日1ドル以下で生活する人は3割、2ドル以下の人は8割。子どもたちは小学校を途中でやめ、綿花の人工受粉をする。小さい手の方がやりやすく、人件費も安いため。このインドの子どもたちが作った綿花は、中国で加工され服になり、日本で売られ、今、あなたが着ているものに。

バニラアイスクリームに使用されるバニラは、メキシコ原産で中南米等で栽培される植物。授粉に「ハリナシミツバチ」が必要なのだが、最近森林伐採等で減少し授粉に支障。代わりに手の小さな女児が、手作業で授粉を行う。「あなたがバニラアイスを食べるために、中南米で女の子が児童労働させられる?」

企業の社会的責任(CSR)における、「企業の評価基準」は、『市場の進化』(消費者の目が厳しくなったこと)により、財務項目だけでなく、環境項目や社会性項目(労働・安全・衛生、人権、製品・製造責任、ハンディキャッパー保護、動物愛護、ギャンブル、たばこ・防衛産業との関連性)が追加された

企業の社会的責任(CSR)に含まれるのが環境配慮。環境に配慮した製品を作るためのコスト(設備投資等)と、A)(エコ商品が売れることによる)収益の増加、B)環境汚染事故を防いだことによるコスト削減、C)使用する資源とエネルギーの減少によるコスト低減。これらを考えることが「環境会計」

サプライ・チェーン・マネジメント(供給連鎖管理、Supply Chain Management、SCM)とは、(親会社・子会社に限らない)複数の企業間で統合的な物流システムを構築すること。1983年コンサルティング会社が提唱。1996年NPO法人サプライ・チェーン・カウンシル設立

マテリアルフローコスト会計(Material Flow Cost Accounting : MFCA)とは、環境会計の手法の一つ。商品の製造工程において資源(原料)のロスやエネルギーのロスにも注目して原価計算システムにこれらマテリアルの重量情報や温室効果ガスの排出情報も組み入れる

LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)とは、ある商品の製造にかかわる、1)資源の採取、2)製造、3)輸送、4)使用、5)廃棄、などの全ての段階を通して、投入資源あるいは排出環境負荷、及びそれらによる地球や生態系への環境影響を定量的、客観的に評価する手法。1980年代末から普及。

ゼロ・エミッションとは、国連大学が1994年に提唱した研究構想。産業活動における生産等の工程を再編成し、廃棄物の発生を抑制して、できる限りゼロに近づける新たな循環型産業システムを構築すること。廃棄物も(将来、技術開発がなされれば、全て)原材料として利用できうるものである、とした。

インダストリアル・エコロジー。1980年代末より米国を中心広がっている概念。環境負荷の評価と極小化を図る取り組み。資源が、自然界から人間活動に投入され、どのくらい有効に活用され、どのように循環してゆくか。毒性物質への転化、環境負荷はどうか。あたかも生態システムのように包括的に査定

エコ・エフィシェンシー。持続可能な開発のためのビジネス評議会が作成。1)製品に使う素材量を減少。2)製品に使うエネルギー量を減少。3)毒物の分散を減少。4)素材のリサイクル性を上昇。5)再生可能な資源の持続的使用を最大化。6)製品の耐久性を向上。7)製品におけるサービスの質を向上

ドイツのブッパータール研究所のワイツゼッカー所長は、「地球環境政策」を提言しており、1)徐々に重く、エネルギーに税金(炭素税等)を課してゆき、2)効率の良いエネルギー(再利用可能エネルギー等)を産む原動力とし、3)同じエネルギーでできる経済効率を最大化させる、ことが重要としている

ファクターとはブッパータール研究所のワイツゼッカー所長が提唱した概念。例えば「ファクター2」とは分母に「地球環境への負荷」、分子に「経済活動の量」を持ってきた時に算出される値を現在に比べて2倍にすること。数年後の目標として、環境負荷を現状のままにし経済活動だけ2倍にすれば達成可能

「ノー・ネット・ロス」(開発してもその地域の自然や生態系の量が減らないこと)は、トリプル・ベネフィットを産む。1)気候変動対策へ貢献。CO2排出削減等。2)生物多様性保全に貢献。生物多様性重要地域の回復。3)地元コミュニティーの持続可能な発展。持続可能な森林経営、自然災害防止等。

緑の革命(Green Revolution)とは、1940年代から1960年代にかけて高収量品種の導入や化学肥料の大量投入などにより穀物の生産性が向上し、穀物の大量増産を達成したこと。1968年に米国国際開発庁のWilliam Gaudが作った造語。ロックフェラー財団が資金援助。

緑の革命の問題点は、1)大量の化学肥料と農薬を使うため、それを使い続けなければ収穫量を維持できない。その購入コストで『豊作貧乏』。2)化学肥料の生産に必要なリン鉱石等の資源が各地で枯渇。3)化学物質による土壌汚染・公害。4)遺伝子組み換え作物の環境への問題。5)在来種の駆逐・絶滅

リスクマネージメントに必要なものの一つが、「リスク感覚」だと言う。要するにリスク(災害など)を過大評価し、その対策費(予防)にコストをかけすぎないように必要な感覚のこと。関連当局は、許容できる個人リスクの基準を年当たり、10万分の1~100万分の1、としているようだ。が、適切か?

年間100万分の1ずつの死亡リスク増加をもたらす行動の例。1)病院で胸部X線撮影を1回受けた場合の、放射線による発癌。2)1.4本の紙巻き煙草の喫煙で、発癌または心臓病。3)煙草喫煙者と2か月間暮らした場合の受動喫煙で、発癌または心臓病。4)車で500km走行した場合の、事故。

クライシス・マネジメント(緊急事態に対処するための危機管理、crisis Management)とは、企業の存続可能性を脅かすようなリスクの管理。発生可能性は低いが発生時の影響が甚大であり、対応の緊急性が求められるリスクを対象とした、企業のリスク・マネジメント(危機管理)の一部。

prevention と precaution。preventionとは、あるリスク(災害等)が起こる確率が、ある程度わかっており、その被害の程度も予想できる場合の、予防法。precautionとは、発生確率もわからず被害の程度もわからない場合の、予防措置。日本は後者は遅れている

スマートグリッド(smart grid、知的な電力網)とは、人工知能や通信機能を搭載した計測機器等を設置して、電力需給を自動的に調整する機能を持たせることにより、省エネとコスト削減、及び信頼性と透明性(公平性)を向上させるため、電力供給を人の手を介さず最適化できるようにした電力網

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プロボノ

「プロボノ」(Pro bono)とは、弁護士などが無報酬で行うボランティア活動をいう。弁護士による無料法律相談、無料弁護活動などがある。アメリカの弁護士は年間50時間以上のプロボノ活動が(事実上)義務付けられている。ラテン語で「公共善のために」(pro bono publico)

「プロボノ」(Pro bono)は元々弁護士が行う無料ボランティア(無料法律相談等)だったが現在は、会計士、コンサルタント、SE、マーケティング、広報などあらゆる業種の人が社会人(会社員等)でありながら無償の活動を始めた。理由は「今の仕事の中に、自分の生きがいを見つけられない」と

最近、大企業が、スキルを無償でNPO法人などに提供する「プロボノ」(Pro bono)活動を始めた。IBM、インテル、ファイザー、GAPなどが既に実施。理由は、最近の若手社員は社内の仕事でやりがいを見つけられず「成功体験を獲得できない」ため社外での無償活動でそれらを獲得させるため


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軍需産業

ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)とは1964年スウェーデン王立委員会の提言に基づき1966年スウェーデン議会により設立された国際平和に関する研究機関。毎年発行されている年鑑(SIPRI YEARBOOK)は高い客観性を持つとされる。予算の大半はスウェーデン議会からの援助

世界の軍事費(2007年)。1)アメリカ5526億ドル、2)イギリス633億ドル、3)フランス607億ドル、4)中国462億ドル、5)ドイツ421億ドル、6)日本410億ドル、7)イタリア378億ドル、8)サウジアラビア354億ドル、9)ロシア322億ドル、10)韓国266億ドル

兵器の輸入2008。1)韓国19.0億ドル、2)インド18.5億ドル、3)アルジェリア15.9億ドル、4)中国12.4億ドル、5)パキスタン10.9億ドル、6)シンガポール10.1億ドル、7)アメリカ9.0億ドル、8)ベネズエラ7.3億ドル、9)トルコ7.2億ドル、10)UAE

兵器の輸出2008。1)アメリカ61.6億ドル、2)ロシア59.5億ドル、3)ドイツ28.4億ドル、4)フランス15.9億ドル、5)イギリス10.8億ドル、6)スペイン6.2億ドル、7)オランダ5.5億ドル、8)イタリア4.8億ドル、9)中国4.3億ドル、10)イスラエル4.1億

2010年11月ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の「2005~2009年国際戦闘機取引レポート」によると、輸出機数の多い順に、米国(341機)、ロシア(219機)、フランス(76機)、ウクライナ(68機)、中国(41機)など、11カ国が戦闘機を輸出している。

2010年11月ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の「2005~2009年国際戦闘機取引レポート」によると、輸入機数の多い順に、インド(115機)、アラブ首長国連邦(108機)、イスラエル(82機)、ギリシャ(51機)、ポーランド(48機)、中国(45機)、韓国(40機)

ストックホルム国際平和研究所2007年鑑によると兵器生産企業は売り上げ順に、Boeing(米国)、Northrop Grumman(米国)、Lockheed Martin(米国)、BAE Systems(英国)、Raytheon(米国)、General Dynamics(米国)、

武器輸出三原則とは、1)1967年に佐藤栄作首相が提唱した共産主義圏・紛争当事国などに武器輸出しない原則。2)1976年に三木武夫首相が原則として全ての国に対象を広げた。3)1983年、後藤田官房長官が日米安保により米軍向けの武器技術供与を緩和。4)2010年、民主党がさらに緩和

日本の軍需産業(防衛産業)。経団連内にある「日米安全保障産業フォーラム」(IFSEC)に参加した企業は、三菱重工業、石川島播磨重工業、川崎重工業、小松製作所、ダイキン工業、日本電気、日立製作所、富士通、三菱電機。また、伊藤忠商事、丸紅、山田洋行、日本ミライズなどの商社がその取引

2010年7月、三菱重工業や川崎重工業などを中心に経団連は「新たな防衛計画の大綱に向けた提言」。装備の国際共同開発に参加できるよう武器輸出3原則を改め、最終輸出先や用途の観点から総合的に審査する新しい「武器輸出管理原則」を確立し2010年中にまとめられる防衛大綱に盛り込むよう提案

2010年、日本は武器輸出三原則を大幅に緩和。1)中国などの軍事力の増加と尖閣諸島などの国境問題のため政府が国内軍需産業が必要と考えた側面。2)防衛費の増額は見込めないため日本の軍需産業が海外シェアを求めた側面。三菱重工の岩崎啓一郎が提唱者だが、三菱の創設者・岩崎弥太郎の子孫か?

岩崎弥太郎(1835-1885年)。三菱財閥の創業者。土佐(現高知県安芸市)出身。1867年、後藤象二郎に土佐商会主任に抜擢され貿易に従事。坂本龍馬が脱藩の罪を許され亀山社中が海援隊として土佐藩の外郭機関となると海援隊の経理を担当。1873年頃から海運業を始め政商として巨利を得た

日本の軍需産業と、戦後からの日本経済の発展の関係について、以前ブログに書きました。 軍需産業と日本企業 4336字 (国際情勢、政治) http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65235130.html

オランダのNGO「バンク・トラック」が、世界の大手45金融機関の「倫理度」を数値化した。軍需産業分野への融資、気候変動・環境保護などへの取り組み、国際法・国際基準の遵守など。三菱UFJ、みずほ、三井住友の日本の3フィナンシャルグループは、欧米の銀行に比べてかなり倫理度が低かった。

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富の偏在、貧富の差、経済格差

国連大学世界開発経済研究所(UNU-WIDER)によると、世界の中の最も豊かな1%の人々が世界の富(全世界の家計資産)の40%を所有。豊かな2%の人々が50%以上を所有、10%の人々が85%。一方、世界人口の半分以上を占める貧困層は、世界の富のわずか1%を保有しているにすぎない。

世界で最も豊かな10%のメンバーの中に入るためには、700万円の資産が要求され、さらに裕福な1%の富裕層に属するためには、5750万円以上が必要。国連大学世界経済開発研究所の研究の、世界のすべての国における家計資産の主要な構成要素(金融資産、負債、土地、建物など)を対象とした研究

「世界がもし100人の村だったら」(池田香代子・再話)より抜粋。「すべての富のうち、6人が59%をもっていて、みんなアメリカ合衆国の人です。74人が39%を、20人がたったの2%を分け合っています。すべてのエネルギーのうち、20人が80%を使い、80人が20%を分け合っています」

「世界がもし1000人の村だったら」。池田香代子・再話)より抜粋。「この村では、1000人のうち200人が、村の所得の4分の3を得ています。別の200人の収入は、村の所得のうちのわずか2%です。70人しか自動車を持っていません。およそ3分の1の人が、綺麗で安全な水を飲めません。」

ジニ係数(UNDP,2007/2008)、悪い順に、ナミビア0.743、レソト0.632、シエラレオネ0.629、中央アフリカ0.613、ボツワナ0.605、ボリビア0.601、ハイチ0.592、コロンビア0.586、パラグアイ0.584、南アフリカ0.578、ブラジル0.570

ジニ係数(UNDP,2007/2008年)、良い順に、デンマーク0.247、日本0.249、スウェーデン0.250、チェコ0.254、ノルウェー0.258、スロバキア0.258、ボスニア・ヘルツェゴビナ0.262、フィンランド0.269、ハンガリー0.269、ウクライナ0.281

所得のジニ係数(所得格差・不平等、UNDP,2010年)は、悪い順に、ナミビア74.3、コモロ64.3、ボツワナ61.0、ベリーズ59.6、ハイチ59.5、アンゴラ58.6、コロンビア58.5、南アフリカ57.8、ボリビア57.2、ホンジュラス55.3、ブラジル55.0

デジタル・デバイド(情報格差、Digital Divide)とは、インターネットなどの情報技術を使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる格差。1)情報手段。パソコン等を容易に入手し、使用技術を習得可能か。2)通信手段。容易にネットにアクセスできるインフラがあるか。3)情報資源

「みんな、猿に戻るしかない。それが戦争を無くす唯一の方法」。以前ある人から聞いた言葉だがよく考えてみると確かにそう。社会がある限り、貧富の差が生じ恨みが生じる。知識の蓄積がある限り、強力な武器は生まれてくる。猿は増えすぎて食べ物が足りなくなると減ったが、人間は増殖を続けようとする

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CSRのサイト

EICネット。環境用語集トップページ。環境問題。地球温暖化。生物多様性。企業の社会的責任(CSR)など。 http://www.eic.or.jp/ecoterm/

CSR用語集のサイトの一つ。CSR,社会貢献,環境関連の用語を掲載せています。 http://all-about-csr.blogspot.com/

CSRのツイート、欧米のCSRの歴史、20101126まで 14891字

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CSRの歴史・概略

企業の社会的責任CSRの歴史。1920年代、欧米の教会が武器・煙草・酒製造企業に投資しない。60年代、アメリカで宇宙船地球号の概念。60~70年代、公害問題。70年代、メセナ(企業の芸術支援)。80年代、社会貢献活動。90年代、グローバル化によるCSRの多様化(格差、IT、環境)

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CSRの歴史・1920年代、最初はSRI

欧米のCSRの歴史、1920年代。欧米の教会が、武器・煙草・酒・ギャンブル等に関係する企業に投資しないという形で始まる。つまりSRI(社会的責任投資)の方が、CSR(企業の社会的責任)よりも先に生まれた。ブラックリスト企業(悪い会社)に投資しない、というネガティブ・スクリーニング

社会的責任投資(SRI:Socially responsible investment)とは企業の社会的責任(CSR)を考慮して行う投資。1920年代アメリカのキリスト教会が煙草・酒・ギャンブルを投資の対象から除外。1960-1970年代ベトナム戦争に反対するため軍需産業株を売却

企業の社会的責任(CSR)の欧米の起源は、1920年代に教会で始まった。武器・タバコ・アルコールなどを製造する企業へ投資をしない、という形。1960年代から公害問題、1970年代からは反戦による軍需産業の批判。このように欧米のCSRは「ブラック・リスト」企業に投資をしないという形

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CSRの歴史・1940年代、絶滅危惧種、世界人権宣言

欧米のCSRの歴史、1940年代。1942年、「国際自然保護連合」(IUCN)が誕生、絶滅危惧種のレッドリストを作成。絶滅の速度が1万年前の5千万倍だと報告。世界に衝撃が走る。1948年、「世界人権宣言」が採択。後年、(法的拘束力のあるように)条約化され、「国際人権規約」が誕生。

IUCNとは、国際自然保護連合(International Union for Conservation of Nature and Natural Resources)。1948年に設立。111の政府機関と874の非政府機関などが集合。2009年、日本にプロジェクトオフィス開設

IUCN(国際自然保護連合)の活動の一つは、レッドリスト(絶滅の恐れのある生物種のリスト)"IUCN Red List"の作成。現在約1万7千種の動植物が絶滅の危機にあると報告。 http://www.iucn.jp/protection/species/redlist.html

絶滅する種の数は、1万年前までは年間100万種に1種の割合だった。国際自然保護連合(IUCN)によると、西暦1500年以後に絶滅した動植物は800種以上。2008年に新たに622種が絶滅危惧種に認定され、合計で16,928種。これは調査対象となった44,838種のうちの、38%。

国際自然保護連合(IUCN)は絶滅の恐れのある生物種のリスト、「レッドリスト」を作成しているが、「絶滅危惧種」とは、以下の三つに分類された種のことを言う。絶滅危惧種IA類(CR)、絶滅危惧種IB類(EN)、絶滅危惧種Ⅱ類(VU)。以上以外にも、準絶滅危惧(NT)などの分類がある。

1948年の国連総会で「世界人権宣言」が採択。この世界人権宣言の内容を条約化したものが「国際人権規約」で1966年の国連総会で採択。この規約の中の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(通称B規約)の中の「第2選択議定書」(死刑廃止条約)に死刑の廃止が規定。日本は批准していない

「すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることはない。」 世界人権宣言 第二条 1966年採択、76年発効

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CSRの歴史・1940~50年代、公害、環境問題

欧米のCSRの歴史、1940~1950年代。1945年、ロスアンゼルスで、「光化学スモッグ」の最初の事例が報告される。流涙、呼吸困難、意識障害など。1952年、「ロンドン・スモッグ事件」で1万2千人の市民が死亡。大気中のNOx、SOx等による公害問題が世界的にクローズアップされる

光化学スモッグ(urban ozone、photochemical smog)。自動車の排気ガス等に含まれる窒素酸化物が、紫外線で有害な光化学オキシダント(オゾン等)になり、空中で停滞しスモッグ状になったもの。流涙、呼吸困難、意識障害等を起こす。1945年ロサンゼルスで最初の事例

ロンドンスモッグ(London Smog Disasters)とは、1952年、ロンドンで、12000人以上の一般市民が死亡した、史上最悪の大気汚染による公害事件。現在の公害対策運動、環境問題の啓発、企業の社会的責任(CSR)運動に大きな影響を与えた。原因はSOx(硫黄酸化物)。

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CSRの歴史・1950~60年代、アメリカ黒人の公民権運動

欧米のCSRの歴史、1950~1960年代。アメリカでは南北戦争終結で奴隷制度が廃止されたはずが人種差別が存続。1955年、黒人がバス内で椅子を白人に譲らなかったローザ・パークス事件で公民権運動勃発。1963年キング牧師が「私には夢がある」という有名な演説。翌年ノーベル平和賞受賞

公民権運動とは、1950~1960年代にアメリカの黒人が公民権の適用と人種差別の解消を求めて行った大衆運動。16~19世紀にアフリカから1500万人が奴隷として輸出。1776年アメリカ独立したが奴隷制は存続。1865年、南北戦争終結で奴隷制終結。1883年の最高裁で人種差別合法化

キング牧師(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア1929-1968年)はアメリカのプロテスタントバプテスト派牧師。アメリカ黒人公民権運動の指導者。1964年、ノーベル平和賞受賞者。1955年、黒人が白人にバスの席を譲るのを拒んで逮捕されたローザ・パークス事件をきっかけに活動開始

"I Have a Dream"とは1963年キング牧師(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)によって行われた演説の一節。「私には夢がある。いつの日かジョージア州の赤い丘の上で、かつての奴隷の子達と、かつての奴隷の所有者達の子達が、兄弟愛でつながり、同じテーブルにつけること」

「私には夢がある。『万人は生まれながらにして平等』という理念が実現される日が来るという夢が。いつか元奴隷の子たちと元奴隷所有者の子たちが、友愛の精神を持ち同じテーブルを囲む日がくるという夢が。私の子どもたち4人が肌の色でなく中身で判断される、そんな国に住むという夢が」 キング牧師

サリバン原則とは1977年に黒人公民権運動家レオン・サリバン(Leon H. Sullivan)牧師が提唱した8項目の人権に関する企業行動原則。アパルトヘイト実施中の南アフリカにおいて米国企業に対し自発的な企業行動規範を定めた。1999年に改定されグローバル・サリバン原則となった

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CSRの歴史・1960年代、沈黙の春・宇宙船地球号

欧米のCSRの歴史、1960年代。1962年「沈黙の春」で農薬による環境問題を指摘。米政府を動かした。1963年「宇宙船地球号操縦マニュアル」で「地球の資源は有限」。1966年「来たるべき宇宙船地球号の経済学」で「無限の資源を想定している現在の経済学ではダメ。循環型社会の必要性」

「沈黙の春」とは、アメリカの生物学者のレイチェル・カーソン(1907-1964年)が書き1962年に出版された本。DDTを始めとする農薬など化学物質の毒性により、「春に、鳥たちが鳴かなくなった」ことを示した。環境問題を取り上げ最初に社会問題を起こした本とされ、米政府の政策にも影響

DDTとは、書籍『沈黙の春』で悪者とされた農薬・殺虫剤。戦後の日本ではシラミの駆除に使用。自然界では難分解性で、環境ホルモン効果や発癌効果があるが、他の農薬に比べてそれほど毒性が高いわけではない。マラリアの蚊の撲滅に高い効果があり、現在WHOはDDTの使用を限定的に認めている。

そうか。鳥や昆虫が鳴くのは求愛行動のことが多い。だから人間が放出した(自然環境では分解しない)化学物質が『環境ホルモン作用』(動物の精子数や男性ホルモンを減らす作用)を起こした場合、自然界で、動物たちは求愛行動をしなくなる。だから発情期である春になっても、『沈黙の春』が訪れるのだ

CSRの歴史1963年「宇宙船地球号操縦マニュアル」バックミンスター・フラー(米国、都市工学)1966年「来たるべき宇宙船地球号の経済学」ケネス・E・ボールディング(米国、経済学者)1972年「成長の限界」デニス・メドゥズ(マサチューセッツ工科大学)1972年国連環境計画UNEP

企業の社会的責任(CSR)と宇宙線地球号。1963年、バックミンスター・フラーが提唱した概念「宇宙船地球号」。「地球の資源は有限であり、このままでは人類は生き残れない」。1966年、ケネス・ボールディングは「無限の資源を想定している現在の経済学ではダメ。循環型社会の必要性」を強調

環境経済学(Environmental Economics)とは1960年代頃からの環境問題を扱う経済学の一分野。1)環境の経済学。新古典派経済学を基本とし環境問題を外部不経済の一種ととらえその内部化(炭素税・排出権取引)を図る。2)環境と経済の学。既存の経済学の枠組みを問い直す

ベトナム戦争とは、1960年から1975年までに行われた(資本主義の)アメリカと(共産主義の)北ベトナムとの間の戦争。ソ連や中国は北ベトナムに軍事物資の支援。冷戦時代の代理戦争。結局アメリカは敗北。また西側諸国で行われた反戦運動をソ連が扇動。1960年代アメリカ国内でも反戦運動。

社会的責任投資(SRI)には二つ。1)ネガティブスクリーニングとは、軍需産業、煙草産業、原子力産業、アルコール産業、アダルト産業に投資しないこと。2)ポジティブスクリーニングとは、CSR経営を評価しその点数に基づいて投資。一般にはアンケート調査票を企業に送付し調査機関が結果を集計

国際労働機関(International Labour Organization,ILO)とは世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする組織。1919年国連の姉妹機関として設立。1969年ノーベル平和賞を受賞。1999年ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)

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CSRの歴史・1970年代、国連環境計画・企業行動指針

欧米のCSRの歴史、1970年代。1972年ストックホルムで人間環境宣言、国連環境計画(UNEP)も誕生。公害・環境問題に関する数々の条約が策定される。1976年、経済協力開発機構(OECD)が多国籍企業行動指針を勧告。ガイドラインであり法的拘束力なし。この頃から「緑の党」が台頭

人間環境宣言(ストックホルム宣言)とは、1972年にスウェーデンのストックホルムで開催された国際連合人間環境会議において採択された共通見解7項の前文と共通の信念26原則。国際会議で初めての環境保全に関する取組み。先進国は環境保護を主張、途上国は開発と援助を主張し、南北対立を発生。

UNEPとは、国連環境計画(United Nations Environment Programme)。1972年、ストックホルムで開催された国際連合人間環境会議にて「人間環境宣言」及び「環境国際行動計画」が採択。それらを実施に移すための機関として同年設立。ケニアのナイロビに本部

CSRの歴史。1977年、国連砂漠化防止会議。1979年、欧米で越境大気汚染条約(NOx, SOx排出規制)。1982年、「開発と環境に関する世界委員会」。1985年、「オゾン層の保護、ウィーン条約」。1987年、持続可能な発展 "sustainable development"

緑の党(Green Party、Greens)とは1970年代から欧米諸国で台頭してきた、エコロジー、反核、反戦、人種差別撤廃、フェミニズム等を提唱する政治勢力。1980年、旧西ドイツで結成。欧州に広がる。1995年フィンランドで初の政権参加。1998-2005年ドイツで連立政権

CSRに関する企業行動指針の歴史。1976年OECD多国籍企業行動指針。1977年サリバン原則。1989年セリーズ原則。1991経団連企業行動憲章。1997年環境報告書ガイドライン。2000年国連グローバル・コンパクト。2000年GRIガイドライン。2002年EUホワイトペーパー

OECD多国籍企業行動指針(The OECD Guidelines for Multinational Enterprises )とは、経済協力開発機構(OECD)加盟国及びこれを支持する諸国において事業を行う多国籍企業に対する政府の勧告 http://bit.ly/9qHHw4

OECD多国籍企業行動指針の内容は、1)ガイドラインであり、法的強制力はない。2)持続可能な開発、人権の尊重。3)タイムリーかつ定期的に情報開示。4)従業員の権利の尊重。5)環境を保護。6)贈賄防止。7)消費者利益の保護。8)技術移転に貢献。9)競争的な方法で活動。10)納税義務

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CSRの歴史・1980年代、環境問題の科学的証明、メセナ

欧米のCSRの歴史、1980年代。1984年インドで米企業が事故、化学物質を大気中に放出し千二百人が死亡。PRTR作成へ。1988年、生物多様性の概念誕生。同年NASAが人類由来の地球温暖化を科学的に証明、IPCC設立。1989年タンカー事故、バルディーズ号事件。CERES原則へ

PRTR(化学物質排出移動量届出制度)の歴史。1974年オランダで排出目録制度。1984年インドの米国企業が事故。メチルイソシアネート大気放出で死者二千人以上。1986年アメリカで有害物質排出目録(TRI)。1992年、地球サミットでアジェンダ21。1996年、OECD理事会勧告

1988年に「生物多様性」という言葉を産み出したハーバード大学のエドワード・ウィルソンは「バイオフィリア仮説」を提唱。バイオフィリアとは生物への友愛。人間は自発的・本能的に他の生物や生命に関心を抱き、『街頭に引き寄せられる蛾のように生命に引き寄せられていく』傾向がある、としている

1988年、NASA(アメリカ航空宇宙局)のジェームズ・ハンセン (James Hansen) が、「人類の経済活動に由来するCO2等の温室効果ガス排出によって、『地球温暖化』が進行している」と発表。同年、「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が創設。5~6年毎に報告書作成

IPCCとは、気候変動に関する政府間パネル (Intergovernmental Panel on Climate Change) 。1988年に創設された地球温暖化についての調査機関で約5年ごとに報告を作成。130ヵ国以上から800名以上の科学者が協力。2007年ノーベル平和賞

「メセナ」という言葉がある。元はフランス語で古代ローマの政治家G.Maecenasに由来する。彼は貧しい詩人などに資金援助をした。これにちなんで企業が芸術や文化の擁護・育成をすることをメセナという。CSRとの違いは、メセナは景気が良い時だけ行うが、CSRは景気が悪くてもやり続ける

「フィランソロピー」(Philanthropy)とは、人類愛に基づく、奉仕的活動を言う。欧米では、ロックフェラー家やビル・ゲイツなどの「富豪」が、いわゆる「慈善事業」として、芸術、学校教育、宗教施設、人道的活動などに資金援助をすることがその典型。これを模したものが日本にも普及した

バルディーズ原則。1989年エクソン社タンカー原油流出で策定された企業倫理原則。1)生物圏保護、2)天然資源の持続可能な利用、3)廃棄物処理と減量、4)エネルギーの賢明な使用、5)リスク削減、6)安全な製品販売、7)損害賠償、8)情報公開、9)環境問題専門家の任命、10)環境監査

セリーズ原則(Coalition for Environmentally Responsible Economies Principles) とはアメリカのNGOセリーズが作った企業倫理の10原則。1989 年に原油流出事故を起こしたタンカーの名に由来した「バルディーズ原則」が元

セリーズ原則(CERES原則、企業倫理の10原則)とは、生物圏の保護、天然資源の維持可能な利用、廃棄物処理と減量、エネルギーの賢明な使用、緊急事態への対応を図りリスクを削減、安全な製品・サービスの販売、損害賠償、情報公開、環境問題の専門家の任命、年次環境監査と監査報告の公開。

子どもの権利条約とは、1989年に国連総会で採択(署名)、1990年に発効した「児童の権利に関する条約」。児童を「保護の対象」としてではなく「権利の主体」としている点に特色。世界人権宣言の内容を条約化した「国際人権規約」(1966年採択、1976年発効)の内容を子どもにも適応した

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CSRの歴史・1990年代前半、地球サミット・グローバル化

欧米のCSRの歴史、1990年代前半。1991年、ソ連消滅で世界が市場経済に。グローバル化で多国籍企業が巨大化。一方、新興国も台頭。1992年、地球サミットで生物多様性条約(CBD)と気候変動枠組み条約(FCCC)が採択。一方、アメリカでは401k(確定拠出型年金)でSRIが発達

CSRの歴史。1987年IUCNが生態系保全をUNEPに提言。1988年、気候変動に関する政府間パネル誕生。1992年、リオデジャネイロの地球サミット(国連環境開発会議)で生物多様性条約(CBD)と気候変動枠組み条約(FCCC)が採択。1993年CBD発効、1994年FCCC発効

1992年、リオデジャネイロで「地球サミット」が開催。12歳の少女、セヴァン・スズキが、「伝説のスピーチ」を行い、世界中の首脳を感動させ、「気候変動枠組み条約」と「生物多様性条約」を誕生させた  http://www.youtube.com/watch?v=C2g473JWAEg

「私には夢があります。蝶や鳥が舞うジャングルを見ることです。でも、毎年無数の動物が死に絶えています。絶滅した動物をどうやって生き返らせるか知らないでしょう?砂漠となった場所に森を蘇えらせる方法も知らないでしょう?どうやって直すのかわからないものを壊し続けるのは、もう止めて下さい」

「物を壊すのは簡単なこと。でも直すのは難しいこと。壊す『力』の方がとっても簡単。ゆえに誘惑に負ける弱き人間は、安易に身に着く『力』に酔い、本当の『力』への修行を怠るの。本当の『力』とは治す力。蘇らせる力。散ってしまった幸せを再び浮かび上がらせ、忘れてしまった微笑みを呼び戻すもの」

リオ宣言とは、「環境と開発に関するリオ宣言」。1992年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された環境と開発に関する国際連合会議(UNCED)において合意された27原則。これを実践するための行動計画が「アジェンダ21」。1972年の国連人間環境会議で採択された人間環境宣言を発展

アジェンダ21(Agenda 21)。1992年ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ市で開催された「地球サミット」(環境と開発に関する国際連合会議)で採択された21世紀に向け「持続可能な開発」を実現するため各国および関係国際機関が実行すべき行動計画。法的拘束力はない。リオ宣言の行動綱領

企業の社会的責任CSRの歴史。1991年のソ連崩壊により世界中が市場経済化・グローバル化。1)先進国と途上国の格差と各国内での格差がクローズアップ。2)IT発達により『公平・公明・公正』の必要性の高まり。3)地球環境の悪化が科学的に証明され、かつその経済価値が試算、リスク管理等へ

グローバリゼーション(globalization)とは、経済活動や社会的連帯が、旧来の国家や地域などの境界を越えて、地球規模に拡大し影響してゆくこと。歴史は、1930年代の世界恐慌の反省で、48年GATT,95年WTO。冷戦時代に東西両陣営が途上国に投資。多国籍企業による世界支配

グローバリズム(globalism、地球主義)。地球を1つの共同体とする概念。1)古くは、15世紀に始まる大航海時代からの殖民地主義・帝国主義。2)1760年代にイギリスで始まった産業革命で資源を世界中から獲得。3)1991年ソ連崩壊後、アメリカ型の市場原理主義・新自由主義の拡大

ピーテル・ブリューゲルの作品「見ろよ、息子たちよ。わしはずっと前からわかっておった。大きな魚たちが小さな魚たちを喰らうことを」。「この世は弱肉強食。お主は大きい魚になりたいか?しかし大きな魚はより大きな魚に喰われる。では、どんどん果てしなく大きくなるのか?その行く末がわかるか?」

BRICs(ブリックス)とは、経済発展が著しいブラジル (Brazil)、ロシア (Russia)、インド (India)、中国 (China) の頭文字を合わせて作られた言葉。新興国。投資銀行ゴールドマン・サックスのエコノミストが2001年11月30日の投資家向けレポートに記載

新興国。BRICSは、ブラジル、ロシア、インド、中国。時に南アフリカ。NEXT11は、イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、メキシコ。アメリカのゴールドマン・サックス証券が有望な投資の対象としてレポートに記載

首脳会議はG8からG20へ移行する時代。G8は、アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、ドイツ、日本、フランス、ロシア。G20で追加されたのは、アルゼンチン、インド、インドネシア、欧州連合、オーストラリア、韓国、サウジアラビア、中国、トルコ、南アフリカ共和国、ブラジル 、メキシコ。

G20(Group of Twenty)とは、1999年より20ヶ国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議として始まった。(2007年からの)世界金融危機の深刻化を受けて、2008年からは20ヶ国・地域首脳会合(G20 Summit、金融・世界経済に関する首脳会合、金融サミット)も開催

G8もG20サミットもどちらも経済危機後に成立した枠組みだが、その役割の分担は(先日のカナダのそれを見る限り)、G8は、開発(母子保健等)、アフリカ(貧困削減等)、環境問題(温暖化等)、安全保障(イラン・北朝鮮問題等)。G20では、経済成長と財政赤字削減の調整、国際金融規制改革。

企業の社会的責任(CSR)の一つが、『公平(impartiality)・公明(openness)・公正(fairness)』。情報技術(IT)の発達により、(インターネット等を使った)企業の不祥事の内部告発、内情の漏洩などが簡単に生じるようになったため、これらの重要性が認識された

401k(フォー・ゼロ・ワン・ケー)とはアメリカの会社員を対象とした『確定拠出型年金制度』。1978年米国内国歳入法の条項名(401k)にちなんで命名。年金には、掛け金が一定である確定拠出型と、将来受け取る年金の額が決まっている確定給付型がある。アメリカでは両者は均衡したシェア。

401kは確定拠出型年金制度であるため、掛け金は一定しているが、将来の給付金の額は不明。個人は、年金基金の投資先を自分で選ぶ。それによる「運用益」が、将来の年金給付額につながる。このため安全確実に儲かる可能性の高い(不祥事の少ない)CSR優良企業へのSRI(社会的責任投資)が発展

401kすなわち確定拠出型年金制度のシェアがアメリカで伸びた理由は、企業にも会社員にも優遇された税制。「年金は老後の大切な生活資金だから給付額が決まっている方がいいに決まっている」という常識を覆すほどの措置。現在、会社が払う掛け金が非課税。将来、個人がもらう給付金も控除。転職も可

401k(確定拠出型年金制度)は、1978年に制定されたが、アメリカで爆発的に普及したのは、1990年代。理由は、ミューチュアル・ファンド(アメリカで、複数の投資家が資金を提供し共同で運用を行う、オープンエンド型(請求により随時解約のできる)投資信託)の利用が著しく進展したため。

401k(確定拠出型年金制度)は1990年代に、ミューチュアル・ファンドと、うまくはまったことで急速に伸びたが、さらに2001,2年のエンロン事件、ワールドコム事件という大企業の不祥事からの倒産により、安全確実性が高い(不祥事の少ない)SRI(社会的責任投資)化が進んでいった。

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CSRの歴史・1990年代後半、GRI、自然資本主義

欧米のCSRの歴史、1990年代後半。1997年CSRの基本概念である「トリプル・ボトム・ライン」(経済・環境・社会性)が誕生。同年、国連環境計画とセリーズが「GRI」設立。1999年、国連アナン事務総長が「グローバル・コンパクト」。この頃、自然資本主義など新しい環境経済学が乱立

1997年ナイキのベトナム等の下請工場で、強制労働、児童労働、低賃金労働、長時間労働、セクシャルハラスメントが曝露。こうしたスウェット・ショップ(搾取工場)と取引するナイキに対しNGOは不買運動や訴訟。ナイキは従業員年齢下限を16才から18才に引き上げNGOによる工場内査を認めた

スウェットショップ(Sweatshop)とは搾取工場。NIKEが製造委託するベトナムなど東南アジアの下請工場で強制労働、児童労働、低賃金労働、セクシャルハラスメント等の問題があることがNGOにより暴露。ナイキに対してインターネットを通じた反対キャンペーンが起き、不買運動が起こった

スウェットショップ(搾取工場)が注目されるようになってから、トロントのMaquila Solidarity Networkは毎年コンテストを行い、Sweatshop Awardを有名企業に対し贈呈。労働者を搾取している企業に是正を求めるため http://bit.ly/4aVsV

ディーセントワーク(Decent work、適正な仕事)とは、働きがいのある人間らしい仕事。1999年に国際労働機関(ILO)総会において21世紀のILOの目標として提案・支持された。人間らしい生活を継続的に営める人間らしい労働条件のこと。労働時間、休日・最低賃金・団体交渉権など

CSRの歴史。1997年、ジョン・エルキントンが「トリプル・ボトム・ライン」(経済・環境・社会性)。1997年、国連環境計画とセリーズがGRI設立。1999年、国連アナン事務総長が「グローバル・コンパクト」(企業の十原則)。2000年、GRIガイドライン第一版。2006年、第三版

国連グローバル・コンパクト(The United Nations Global Compact)。1999年の世界経済フォーラムで当時国連事務総長のコフィー・アナンが企業に対し提唱したイニシアチブ。人権・労働・環境・腐敗防止に関する10原則 http://bit.ly/7T4iu

グローバル・コンパクトの10原則とは、人権(人権の擁護、人権侵害をしない)、労働(組合結成の自由と団体交渉の権利、強制労働を排除、児童労働を廃止、雇用と職業に関する差別を撤廃)、環境(境問題の予防、環境に責任、環境技術開発と普及)、腐敗防止(強要と賄賂を含むあらゆる腐敗をを防止)

GRI (Global Reporting Initiative)とは、企業のサスティナビリティ(持続可能性)報告書に関する国際的ガイドライン(GRIガイドライン)の作成と普及を目的に、アメリカのNGOセリーズ(CERES)と国連環境計画(UNEP)が中心になって1997年に設立

自然資本主義(natural capitalism)。1999年にPaul Hawken, Amory Lovins, L. Hunter Lovins が著作し発行した書籍の名前、及び新しい経済学の概念。環境保護とエコビジネスの両立 http://www.natcap.org/

自然資本主義とは、1)資源効率性の飛躍的改善。2)生物を模した産業システムの構築。廃棄物という概念をなくす。3)財の購入ではなくレンタルによるサービス提供へ経済システムを変える。4)自然環境を無価値とみなさず“自然資本”と捉えそれを増大させるような再投資により環境破壊の傾向を逆転

自然資本主義とは、市場の力で環境問題と社会問題を解決する方法を実例を用いて提示した本の名。1)資源を斬新な方法で効率的に利用する。2)生物のすぐれた特性を商品化する。また、自然界で循環するような商品を生産する。3)サービス経済への移行を進める。4)自然資本への資本投下を奨励する。

自然資本主義の例。、蜘蛛の糸は、強くて軽い素材。まだ人工的に作り出すことはできない。西オーストラリアの北のキンバリー地域に生息する蜘蛛のだす金色の糸を利用して防弾チョッキを作る開発がおこなわれている。おまけに、蜘蛛はこの糸を作る時、ゴミを一切ださない。出しても自然界で分解される。

自然資本主義の例。テレビを購入させるのではなく、テレビ自体はレンタルとし、消費者はテレビを「見る」というサービスを購入。料金を毎月定期的に支払う。そうすればメーカーはやたらとモデルチェンジして売りつけ、消費者に古いテレビを廃棄させる必要がなくなる。生産資源は節約され、廃棄物は減少

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CSRの歴史・2000年代前半、大企業の不祥事、国際連帯税

欧米のCSRの歴史、2000年代前半。2001年エンロン事件、2002年ワールドコム事件とアメリカで大規模な企業の不正・粉飾決算・倒産。このため企業会計の透明性・財務監査の信頼性。2002年、国際連帯税が国連ミレニアム開発目標達成のため設立し、UNITAID、IFFImなどが誕生

企業の社会的責任(CSR)の中でも、特に、コンプライアンス(法令順守等)が問われる理由は、1)アメリカでの2001年エンロン事件、2002年ワールドコム事件という粉飾決算による大規模な倒産。2)日本での2000年の雪印集団食中毒事件と、2000~2004年までの三菱リコール隠し。

エンロン事件とは、2000年度の年間売上高が1000億ドル(全米第7位)だった大企業が、粉飾決算(巨額の不正経理・不正取引)が発覚し、2001年末に破綻した事件。当時アメリカ史上最大の企業破綻。株価を維持するためにあらゆる不正を行っており以後社会で企業会計の透明性が謳われることに

エンロンは1985年創業。天然ガスのビジネスでエネルギー業界の規制緩和の波に乗り、僅か15年でエネルギー卸売りの世界最大手に成長。2000年には売上高で全米企業の第7位。しかしIT不況によって通信事業部門の損失が拡大。複雑な取引でそれを隠していたが不正会計が発覚。2001年に倒産

粉飾決算で2001年に倒産したエンロンの会計は、全米有数の会計事務所であったアーサー・アンダーセンが担当していた。このため決算における市場の信頼は厚かった。しかし実際は、会計事務所もグルになっており、会計の粉飾と証拠の隠蔽を行っていた。事件発覚後、会計事務所も2002年に解散した

粉飾決算で倒産したエンロンは、アメリカの経済雑誌「フォーチュン」で「尊敬できる企業ランキング・2002年」の、総合部門で25位、革新性で1位、経営の質で2位、とされていた。しかし、翌年には経営の質、財務の健全性ともにワースト2位。有名な経済誌のランキングは当てにならないことも判明

ワールドコム事件とは、1990年代にM&Aを繰り返して急成長した電話・通信会社が、2002年7月に破綻した事件。当時アメリカ史上最大の企業破綻。1999年以降、自社の成長性と収益性を良く見せるため粉飾会計を行っていた。負債総額は410億ドル(約4兆7000億円)でエンロンを超えた

ワールドコムは、1983年に創業。小さな電話会社だったが1998年には世界65カ国でインターネットを手掛けるアメリカ第二位の長距離通信会社に。1999年から2001年にかけて3兆円をかけて高速ネット網を拡大しようとしたがITバブルの崩壊から業績悪化。粉飾決算が発覚し2002年倒産

粉飾決算を行っていたエンロンとワールドコムの財務監査を行っていたのはいずれも大手会計事務所のアーサー・アンダーセン。同社はエンロン、ワールドコム両社の粉飾決算を手助けしたため信頼を失い解散。司法当局によって経営陣の刑事責任も追及されCEOは詐欺などの罪に問われ禁固25年の実刑判決

国際連帯税は、2002年3月、 メキシコのモンテレーで開かれた国連開発資金国際会議の場において、国連のミレニアム開発目標達成のため革新的資金メカニズムの一環として、導入が検討。UNITAID(国際医療品購入ファシリティ)、IFFIm(予防接種のための国際金融ファシリティ)等が設立

国際連帯税(International Solidarity Levy)とは国境を越える特定の経済活動に課税して、世界の貧困や気候変動対策などグローバルな課題解決のための資金調達手法 。革新的資金メカニズム(Innovative Financing Mechanisms,IFM)

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CSRの歴史・2000年代後半、欧州での様々な指令、環境の経済価値化

欧米のCSRの歴史、2000年代後半。2006年、スターン報告書、2007年、生態系と生物多様性の経済学(TEEB)で、環境や生態系サービスの経済的価値と損失が試算。欧州で2003年WEEE施行、2006年RoHS施行、2007年REACH施行。2008年グリーン・ニューディール

WEEE(ウィー、ダブルトリプルイー)指令(Waste Electrical and Electronic Equipment Directive)とは、廃電気・電子製品に関する欧州連合の指令。2003年RoHS指令とともに公布・施行。家電・IT機器等の収集・リサイクル・回収目標

WEEE指令。以下の収集・リサイクル・回収。1)大型家電、2)小型家電、3)IT・通信機器、4)耐久消費財(電気製品、家具、自動車、自転車、住宅、住宅設備など)、5)照明、6)電気・電子工具、7)玩具・レジャー・スポーツ用機器、8)医療用機器、9)監視・制御機器、10)自動販売機

RoHS(ローズ)指令(Restriction of Hazardous Substances)とは、電子・電気機器における特定有害物質の使用制限。2003年WEEEと共に公布2006年施行。関連して2006年2万種以上の化学物質の安全性の評価をするREACHが可決2007年施行

RoHS指令。以下の規定量以上を使用した電子機器は販売不可。1)鉛1,000ppm、2)水銀1,000ppm、3)カドミウム100ppm、4)六価クロム1,000ppm、5)ポリ臭化ビフェニル(PBB)1,000ppm、6)ポリ臭化ジフェニルエーテル (PBDE)1,000ppm

REACH(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)法とはEUにおける人の健康や環境の保護のための欧州議会規則。2006年可決、2007年実施。1トン/年以上の全化学物質の安全性評価

スターン報告とは、2006年に世界銀行チーフエコノミストのニコラス・スターン卿が発表した地球温暖化(気候変動)に関する報告書。正式名は "The Economics of Climate Change" (気候変動の経済学)。気温が6℃上昇したら世界はGDPの20%を喪失するなど

生態系と生物多様性の経済学(TEEB)は2007年3月ドイツのポツダムで行われたG8 環境大臣会合にて「ポツダムイニシアティブ」により、生物多様性の地球規模の喪失に関する経済評価の重要性が指摘。気候変動と経済に関するスターンレビューの生物多様性版とも称されるTEEB活動が承認。

グリーン・ニューディールとは、2008年、新経済財団により出版された報告書、もしくはその内容に沿った政策。正式名称は「信用危機(世界金融危機)・気候変動・原油価格高騰の3大危機を解決するための政策集」。金融と租税の再構築、および再生可能エネルギー資源に対する積極的な財政出動を提言

企業と公共機関の「社会的責任(SR)」のための国際規格、ISO26000の最終国際規格案が2010年9月12日に承認されたため、経団連は9月14日、企業行動憲章を改訂。 http://bit.ly/bjzvcU その実行の手引きも改訂。 http://bit.ly/b7N946

「私には、夢があります」 TODAY, I HAVE A DREAM (in japanese)  国際標準化機構の「社会的責任」の国際規格、その啓発ビデオ、4分15秒 ISO 26000 ? Social responsibility  http://bit.ly/9ZYOxC
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