山本敏晴のブログ

1965年生、仙台出身。医師・写真家・NPO法人宇宙船地球号理事長。元国境なき医師団日本理事。 峭餾欟力師」という概念を提唱。企業の社会的責任(CSR)を推進。世界中で大切なものの「お絵描きイベント」を実施。著書に『世界で一番いのちの短い国』『アフガニスタンに住む彼女からあなたへ』 『国際協力師になるために』、『あなたのたいせつなものはなんですか?』『世界と恋するおしごと』『地球温暖化 しずみゆく楽園ツバル』『「国際協力」をやってみませんか?』など

2013年03月

青年海外協力隊帰国後の30歳女性レモンと対談、派遣前から帰国後の進路まで20130126_その4,8348字

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この記事は、4回連続のシリーズ記事です。
その1から、お読み下さい。

派遣後の記録はこちら(全4回の記事)
その1
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65766576.html
その2
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65766577.html
その3
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65766578.html
その4
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65766579.html

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・・・

以下は、その4の目次です。

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・・・

目次

協力隊で得た、三つの利益
協力隊の途中で、大学院の入学試験のために一時帰国して受験
助けたいのは、最貧国民。だからビジネスではなく援助
英語に自信がないので、日本の大学院へ
日本の大学院の中で、なぜK大なのか?
大学院のテーマは、「貧困層のリスク・マネージメント」だったけれど
彼氏に振られた件
カリメロさんの、その後
企画調整員
国際協力の世界の就職場所について
現場重視か、キャリア重視か
協力隊に行く人へのアドバイス
パソコンは、小さいのを推奨
下痢からの痔に注意

・・・
・・・

協力隊で得た、三つの利益


山本 あなた自身の生活はどうだったんですか?
   あなた自身の生き方はどうだったんですか?

レモン そういうのを知れたというのと、
    あちらの生活が凄く自分に合ってて、
    とても快適だなと・・・。
    快適すぎて、U国、心地よかったんですね。
    私の周りにいた人達、凄く人が良かったんです。
    優しくて。

    4月から大学院に進むんですが、2年間途上国で暮らしてきて、
    現場の状況が色々わかるというのと、
    色々コネが出来たなと思います。

    JICA専門家とも仲良くなったので、帰る時に
    「院に進むんですよ」と言ったら、
    「マスターを取ったら開発コンサル紹介するから、
    連絡ちょうだい・・・。」とか言われました。

    あとは「企画調査員」の人とも仲良くなりまして、
    その人もキャリアを積むためにMBA(経営学修士)を
    取りに行くんだと言ってました。
    ともかく、色んな国際協力に関する人脈が
    出来たのが良かったな、と思うんです。

    一緒に活動してきた隊員の中にも、
    これから国際協力の道を進んでいくという人がいました。、
    そうした人たちと、色々情報交換とか出来て
    よかったなと、思っています。

    人脈ができたというのと、
    アフリカの風土が自分にあってたというのと、
    大学院で学ぶために、
    現地に密着した知識ができたというのと・・・。

山本 3つ利益があったという、素晴らしい回答だと思います。
   素晴らしい。

レモン ありがとうございます。

・・・

協力隊の途中で、大学院の入学試験のために一時帰国して受験


山本 結局あなたは、2013年の4月から日本の関西にある
   K大学の大学院に行くという事で宜しいですか?

レモン はい、そうです。

山本 修士課程に入るという事ですか?

レモン はい、そうです。

山本 なんという名前の修士課程ですか?

レモン 「国際協力研究科」ですね。

山本 なるほど、そこは入学試験等はありましたか?

レモン ありました。小論文、面接、言語です。

山本 何年何月にありましたか?

レモン 2012年9月4日でした。

山本 2012年11月までU国にいたはずですよね?

レモン はい、そうです。
    一時帰国して受けに来ました。

山本 そういう事ですね、わかりました。

・・・

助けたいのは、最貧国民。だからビジネスではなく援助


山本 その日本のK大学を選んだ理由は何ですか?

レモン 2年間、U国に行っていた時、帰国後の大学院で、
    何を専攻しようかと悩んでいました。
    最初は、ビジネスかな、と思っていました。

山本 ビジネスというのは、
   MBAの取得ということでで宜しいですか?

レモン はい、BOP(中間層よりしたを対象としたビジネス)を
    勉強しようかと思っていたんです。
    私のキャリアが、マーケティング・リサーチャーなので、
    その方がキャリアの一貫性があるのかな、
    と思っていたんですね。
    
    しかし、私が何とかしたいと思っている対象となる人々は、
    ビジネスを始められるとか、物を買うことができるような、
    もっと、最下層の貧しい人たちなんです。

    そこそこ金を持っている農家さんではなくて、
    食糧危機になった時、
    キャッサバ(芋の一緒)しか
    食べられないような位の貧困層です。
    そうした、最貧困層を対象にしたような事を
    したいなと思っていたら、
    BOPではないのかな・・・やはり援助なのかなと、
    思うようになりました。
    それで、大学院での2年間は、
    援助に関して勉強しようと思いました。
    
・・・

英語に自信がないので、日本の大学院へ


レモン それで、検討した時に、
    何処の大学院に行こうか悩みました。
    まず皆が良く行くイギリスはないなと思ったんですよ。
    1年しかなくて、1年じゃ論文も書けない、
    日本語でも書けないので、
    英語で書けるわけない・・・と思いました。
 
山本 はい。

レモン 英語じゃ、大学時代の進級論文ですら書けない・・・。
    なのでイギリスはないと思いました。

    まず、日本を1コ受けることにしました。
    でも、一時帰国で受けるしかないので、
    1コだけにしました。

    あと、オランダも受けようかなと思いました。
    オランダは1年半位だったからです。
    でも、英語力があまり上がらずに、自信がなくて。

山本 TOEFL受験しましたか?

レモン 受験しました。
    でも、(U国のネット環境の)
    ルータートラブルで受けれなくて。

山本 U国で、インターネットを通して、受けたんですか?

レモン IBTをを受けれるんですけど、
    コンピュータートラブルで受けれない事が多いんです。
    コンピュータートラブルで、
    4回のうち1回しか受けれない感じ。
    最後の1年くらいは全然受けれなくて・・・。

山本 要するに、ネット接続環境が悪かったという事ですか?

レモン IELTSの方がいいですと、強くこの場でお勧めします。

参考:
IELTS。
International English Language Testing System
URL:www.ielts.org

    結局日本のK大受かった時に、
    オランダに出願するのはやめておこうと思ったんです。

・・・

日本の大学院の中で、なぜK大なのか?


レモン 何故日本の大学の中でK大なのかというと、
    学費の高いところには行けないなというのがあったんで、
    国立大で選ぼうと思ったんです。

    となると、T大か、N大か、K大かなと思ったんです。
    その3択かなと思ったんですよ。

    3つを比較したところ、なんとなく印象として、
    K大の先生方は、
    『開発』がバックグラウンドの先生なんですね。
    他の大学院には、そんなにないなという風に感じました。

    工学系の先生とか、人権の先生とか。
    バラバラしていると思ったし、学びたい先生もいなかったので、
    T大はないと思いました。

    N大を見た時に、東南アジア専門の人が多いなと思いました。
    私はどちらかというと、アフリカに焦点を絞って、
    ミクロ経済学の様な事をやりたいなと思っていました。
    それを考慮すると、N大もちょっと東南アジアよりなのかな
    という印象があったのです。、
    また、開発経済学に絞り込むというのにも疑問を持ちました。
    社会経済学からのアプローチもしたいなと思ったので、
    N大は、やっぱり違うのかな、と。

    K大の国際協力学科には、
    社会学的なアプローチから研究している人がいるんです。
    公衆衛生とか、教育、アフリカ経済とかが専門の先生もいて、
    色んなジャンルの先生がいたので、
    凄く教わりたい先生が2人いたり・・・。
    ここがいいなと思いました。
    そういう風に、ネット情報で判断しました。

山本 インターネット上で、各大学院の講師陣を調べて、
   教わりたい先生がいるのかを調べてみて判断したんですよね。

レモン はい、そうです。

・・・

大学院のテーマは、「貧困層のリスク・マネージメント」だったけれど


山本 暫定で結構ですので、
   大学院の修士論文の予定としているテーマをお聞かせ下さい。

レモン 修士論文の研究計画書は、
    試験の前に出さないといけないんです。
    『貧困層のリスク・マネジメント』が、私のテーマです。

    稲作を普及していくにあたって、
    貧乏な人程、失敗するんですよね。
    金持っている人程、上手くいくんですよ。
    貧乏な人がなぜ稲作で失敗するかというと、
    あまり自分の圃場(ほじょう)に時間をかけないんですよ。
    
    お米とかタバコとか、換金作物って、
    手間をかけないと作れないんですよ。
    手間かけないと作れないんだったら、
    作らない方がいいよねと言って、
    育てなくなっちゃうんですよね。
    
    貧困層の人がなぜ自分の圃場に時間をかけないのかというと、
    適当に種をまいたら、後は、
    他の農場なり、工場なりに雇われに行くんですよ。

山本 労働力になりにいくんですね、出稼ぎ労働力。

レモン ただし、自分の農場に時間をかけないのにも、
    それなりに理由があるんです。
    農業にダメージがあっても、ちゃんと収入が得られるように、
    リスクマネージメントしているとも考えられるからです。

    それはともかく、その人たちが、もう一段階、
    生活のレベルをあげたいと思った時に、
    お米はいいツールだと思ったんです。
    手間をかけたくないという時に、
    それを実現するような方法を、自分で考えるか、
    あるいは、政府や援助機関がサポートできるように
    指導出来ないかな、と思って・・・。

    でも、日本に帰ってから、自分の研究の事考えていたら、
    つまらないような感じがしてきました。
    これ研究してどうなるんだろう・・・と思って・・・。
    テーマを変えようかなと思って・・・。
    どうしようかなと悩んでいるんですよ・・・。

山本 日本の農家も専業農家では食えないから、
   兼業することが多いと聞いています。   
   これも、リスク・マネージメントと
   言えるかもしれませんね。
   
   そうですか・・・。
   面白いですね。

レモン 農村開発って、結局、何がベストかという事が
    よくわからないので、
    今後ずっと悩み続けるんだろうなと思うんですけど、
    もうちょっと分かりやすい道に変更しようかなとか・・・。
    色々すごい悩んでいるんです。

山本 私なんかも、ある分野を勉強すれば
   勉強するほど、さらなる問題が見つかってしまって、
   やろうと思っていた事が全て無駄だと思ってしまう事が、
   よくあるんですよ。
   国際協力の泥沼に、はまってしまうということです。
   勉強すれば、誰でもそういう経験をすると思いますよ。
   開発の分野にいる限り、付いて回る事だと思います。

レモン そうなんですね・・・。

山本 馬鹿でなければ、
   自分のやってる事に意味がないかもしれない事に、
   気付くのではないでしょうか・・・。
   
・・・

彼氏に振られた件


山本 2010年3月のインタビューの時に、
   「彼氏と別れるかどうか分からない」
   という話をしていましたが、
   別れちゃったと・・・。

レモン はい。

山本 行っている間にですか?
   こっちに戻った時ですか?

レモン 半年たった時に・・・。
    別れると。

山本 これ、セクハラ(業務と関係のない個人情報に関する質問)に
   なるんで、恐る恐る聞きますが、
   U国では、あなたは、ボーイフレンド等はいましたか?

レモン いないです・・・。

山本 今、フリーですか?

レモン そうですね。

・・・

カリメロさんの、その後


山本 あとは、2010年3月に、一緒にインタビューを受けていた
   カリメロさんが、その後無事に合格して、
   アフリカ南部の某国に協力隊で行く事になりました・・・。
   その後、Eメール等で連絡はしていますか?

レモン 1、2回メールしただけですね・・・。

山本 そうですか。
   では、そんなに触れずに行きますか・・・。
   
参考:
「カリメロさん、青年海外協力隊に落ちた後、再挑戦で合格。
PC隊員でアフリカへ」 1〜2 
http://t.co/42XVjFSj 山本敏晴のブログより

・・・

企画調整員


山本 大学院を卒業した後の話をしましょう。
  
   大学院卒業後に、協力隊時代に知り合ったコネである
   JICA専門家の方から、開発コンサルタントの就職先を
   紹介してもらう、というのが、一つありますね。

   現段階でも、その選択肢を考えていますか?

レモン 開発コンサルは、何歳になっても出来ると思っています。
    大学卒業時に32歳なんで、
    国際機関かJICA関係のような仕事を
    狙っていこうかなと思います。

参考:
国際機関で一番有名なのは国連だが、その登竜門となるのが、
JPO試験、これを受けられるのは、35才まで。

山本 JICAの正職員あたりに、まずはなろうかということですか?

レモン 企画調査員の仕事も受けた方がいいよ、と
    友人に言われました。

山本 企画調査員とは、青年海外協力隊のOBの人などが、
   途上国の案件を発掘するような、仕事をすると聞いています。
   協力隊のOBもかなり多いと認識しています。
   あれ、給料どのくらい出るか知っていますか?

レモン 具体的に聞かなかったですけど、超いいよって聞きました。
    国連のP3くらい高いよって・・・。

山本 国連のP3レベルでの給料は、
   国連のインターネットのホームページにも載っています。

   米国の国家公務員の給与を参考としています。
   P3は、JPO(P2)よりも上なので、
   600万〜700万円くらいもらっているかもしれません。
   勤務する国によって、大きく異なりますが。

レモン 企画調査員の方が言っていたのが、
    国際機関に行くのはいいんだけど、
    (世銀などの)銀行系以外は、金を持っていないから、
    (日本のODAなどの)二国間援助の方が、
    でかい仕事ができるんじゃないかって、言っていました。
    
    企画調査員の仕事は(その、二国間援助の、日本のODAの)
    援助案件の形成なので、
    おもしろいことは、おもしろいんだけど、
    もうちょっと先を考えると、
    JICA職員とかに就職した方がいいので、
    駄目もとでいいから受けるべきじゃない?という事でした。
    
    仮に、JICAに就職できても、総務とかかもしれないから、
    援助案件に関わる仕事だけという訳にはいかないんですけど、
    今後の人生を考えると、もっと先があるキャリアを
    目指してみてもいいんじゃない?みたいな、アドバイスを
    されましたね・・・。

山本 まず、企画調査員はの就職形態の話です。
   企画調査員は、1年契約とか2年契約とか3年契約とか、
   いずれにしても、有期の期間が限定されている雇用形態に
   なっているはずですね。
   今は、2年なのかな・・・。

レモン 大体2年ですね・・・。
    延長する人が多いので、3年位になっています。

山本 要するに、その任期が終わったら、
   次の仕事はどうかわからないという訳ですね。
   
・・・

国際協力の世界の就職場所について


山本 この企画調整員に限らず、国際協力の世界は、
   基本的に永久就職できる職場が、とても少ないです。

   まず絶対永久就職なのが、
   独立行政法人・国際協力機構(JICA)の正職員のみ、
   といってもいいくらいですから。
   他には、開発コンサルタント会社の超大手である、
   日本工営、コーエイ総研、ICネット、IDCJ等の(本当の)
   正職員ですね。
   
   国連職員は全部「有期」です。機関限定の雇用です。
   2年契約の繰り返しが続きます。
   これも安定就職ではないという事を、
   読んでいる方に言っておきます。

・・・

現場重視か、キャリア重視か


山本 という訳で、ええと、とりあえずあなたとしては、
   企画調査員を大学院を卒業してから
   2,3年、やってみたいんですか?

レモン (日本のODAの)援助案件に関わる仕事は、
    何となくしたいなと思っていたんですが、
    今決めようとは思っていないですね・・・。
    
    なんか・・・。
    自分のキャリア(経歴)を築いていきたいと考えると、
    アフリカの途上国の状況に目が行かなくなる気がします。

    でも一方で、やはり、援助関係の仕事をしている人の中で、
    中でも仕事出来る人って、
    キャリアありきなんだなって、思うんですよ。
    自分がJICA職員になりたいとか、
    開発コンサルしたいとか、そこのキャリアから入っていくのは、
    違うんじゃないかなって思うんですよ。
    
    言いたい事伝わりますか・・・?

山本 ここは突っ込んでも、らちがあきそうもないので、
   突っ込まない方がいいな、と思いました。
   ともかく、わかりました、そうですか・・・。

レモン あと、2年間、大学院で考えたいんですよ・・・。

山本 分かりました。

・・・

協力隊に行く人へのアドバイス


山本 最後に、これから協力隊を応募する人に
   何か言いたい事やアドバイスはありますか?

レモン 3つ位あったんですが一つ完全に忘れました。

    これから協力隊を受験して、
    その後、日本の大学院に行こうとしている人に対して、
    アドバイスがあります。
    日本でいろいろ準備していったほうがいいよと・・・。

山本 協力隊の後に、日本の大学院に行こうとしている人にアドバイス?
   それはなぜ?

レモン イギリスなどの海外の大学院なら、外国の人がインターネットで
    入学願書を提出してくることを予想しているので、良いんですけど、
    日本の大学院は、外国からEメールで
    入学の申し込みをしてくることを想定して作っていないのです。

    ですので、まず、絶対にやっておいたほうがいいのが、
    大学の卒業証明書の入手です。
    それを取り寄せるのに郵便小為替が要求されます。

    それ、前から私、分かっていたんで、
    日本にいる時に請求して、3通くらい用意しておいたんですが、
    他の大学院とかも、国際と名をつけている割に、
    海外にいる人の事があまり分かっていないなと、思いました。

    願書の配布がスタートしたら、たいていの大学院では、
    「願書下さい」と返信用封筒を用意して、
    日本の住所当てに送ってもらって、
    そこで推薦書とかを書いてもらって、送り返すという
    システムなんですね。
    それをアフリカと日本でやってると、ほんともう・・・。
    
    EMSの時間を考えると、書類に割いてる時間が、
    1、2週間あるかないかでの凄いスケジュールでやらないと
    いけなかったのです。

    ですので、協力隊後に、
    日本の大学院に進学する予定があるんだったら、
    あらかじめいろいろ準備しておいた方が良いな、
    と思ったんですね。
    推薦書や志望理由書の、せめて去年のフォーマットでもあれば、
    各内容があれば、ボリュームが分かってるんだから、
    事前に準備できたりするのに、そこら辺はしなかったので、
    失敗しました。
 
    日本のあれが転送してくるまで何を書くのか分からない・・・。
    それが大変だったので、もしそういう予定があるんだったら、
    あらかじめ準備しておいた方がいいんじゃないかと思います。

山本 分かりました。
   これ、大変有用な情報ですね。

・・・

パソコンは、小さいのを推奨


レモン パソコン、結局レッツノート持って行ったんですよね?

山本 壊れたんですか?

レモン 大丈夫だったんです。
    大丈夫だったんですけど、
    サイズはちっちゃいサイズを
    持って行った方が良いと思います。

山本 それ、当たり前ですよ。

レモン 私のも、サイズ余りでかくないんですよ・・・。

山本 A4?

レモン A4かな・・・。
    もっと小型でもよかったと思うんですよ。
    何か知らないけど、他の隊員で、
    でっかいパソコン持ってきている人いるんですよ。
    (数字の)テンキーが付いている横幅のあるやつ。

    でも隊員て、しょっちゅう首都に上がったりしているので、
    でかいパソコンを持ってると、荷物がでかくなるので、
    荷物がでかくなるのは犯罪を防げる確率が減るというか・・・。

    膝の上で抱えればよいカバンが、大きいので、
    つい棚の上に置いてしまう・・・。
    すると盗まれやすい。
    また、逃げなきゃいけない時に、逃げにくい。
    だから、ちっちゃい方がいいなって・・・。

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下痢からの痔に注意


山本 分かりました。
   3つ目が気になりますね・・・。

レモン 忘れちゃいましたね・・・。

山本 病気関係、自己関係、パスポート関係、進学関係。

レモン 完全に忘れちゃいましたね・・・。
    何か・・・。
    痔で苦しんでいる人とかいましたね・・・。

山本 日本人の3人に1人は痔ですからね・・・。

レモン 下痢起こしすぎて痔になるんですね・・・。 
    現地でも手術はできるんですけど・・・。 
    あまり、麻酔の効きとか重要視しないので、
    凄い痛かったって言ってました。

    どのくらい痔が悪くなったら、
    日本に帰国して治療できますかって聞くと、
    「立てなくなったら」って言われました。
    それくらいにならないと、
    日本に帰国して治療は無理なのか・・・と思いましたね。

山本 隊員の何割が下痢していましたか?

レモン 何割だろう・・・。
    みんな「下痢してます。」って
    言わないので分からないです・・・。
    でも、5人いたら1人は
    しょっちゅう下痢してるやついましたね・・・。
    
山本 あなたは大丈夫でしたか?

レモン 私は腐った玉ねぎ食べる以外には、一切お腹壊さなかったです。

山本 なるほど、病気の話もしたしな・・・。
   特にもう聞くことはないな・・・。
   
   長時間ありがとうございました・・・。
   では、5年後、偉くなっていたら、
   インタビューさせて頂きますね・・・。
   何しているんでしょうね・・・。
   ビジネスに戻ってもいいですし・・・。
   開発やっていてもいいですし・・・。
   奥さんになっていてもいいですし・・・。
   じゃあまた、数年後お会いできるのを楽しみにしています。
   ありがとうございました。

レモン ありがとうございました。




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青年海外協力隊に関する、関連ブログの筆頭


「青年海外協力隊の良し悪し 5,455字」 http://t.co/Y9NJunq1 山本敏晴のブログより


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青年海外協力隊の派遣の前と後の、多数の人々に対するインタビュー


「やるべきことを見つけるために協力隊に行く、テレマーケティングからアフリカへ、26歳男性_20121006、その1 10098字」 http://t.co/bQ2WqtzP 「その2 9041字」 http://t.co/tSCr74hl 山本敏晴のブログより

「36才女性、アパレル大手U社から、青年海外協力隊、村落開発の一村一品運動へ、派遣前インタビュー 20120805収録」 その1 11729字 http://t.co/Qv3jctj2 その2、13699字 http://t.co/9GROfTUe 山本敏晴のブログより

「青年海外協力隊・村落開発でアフリカに行く27歳女性。農業専門じゃないけど農業技術移転の補助をやる「プリンセス」さんにインタビュー、20120513収録、その1」 http://t.co/zBKUJmKZ 「その2」 http://t.co/cWGFFVyY 山本敏晴のブログより

協力隊、直前ちいちゃん1職種 http://t.co/ZyPwLpdH 2現職参加 http://t.co/tItqDNGX 3試験 http://t.co/t7eHulu7 4面接 http://t.co/yRSM9cEI 5ドミ隊員 http://t.co/rj0V0pgf

「協力隊派遣前と後_村落開発_メイさん_派遣前 1〜9」 http://t.co/JWNG5UXL 「メイさん_派遣後 1〜8」 http://t.co/4OOeL4cV 山本敏晴のブログより

「結婚してから青年海外協力隊_ウメ_太平洋_PC隊員 5528字」 http://t.co/l0QBUMFw 山本敏晴のブログより

「既婚の28歳女性で青年海外協力隊で東南アジアへ環境教育をしに行く方にインタビュー 12372字、その1」 http://t.co/3pSCYgkR 11870字、その2 http://t.co/Rsxa5HkS 山本敏晴のブログより

「世界自転車旅行の後に38歳で協力隊その後」 1〜8 http://t.co/Guf5PR7D 山本敏晴のブログより

「経済学部後、青年海外協力隊でデータ品質管理、そして国際保健へ」 1〜10 http://t.co/Bi9LqyO9 山本敏晴のブログより

「看護師で青年海外協力隊、南米で子どもの予防教育」 1〜8 http://t.co/JNUwSOw3 山本敏晴のブログより

「青年海外協力隊を受験した二人の27歳女性の合否の謎」 1〜5 http://t.co/1qBAVROW 山本敏晴のブログより

「カリメロさん、青年海外協力隊に落ちた後、再挑戦で合格。PC隊員でアフリカへ」 1〜2 http://t.co/42XVjFSj 山本敏晴のブログより

「青年海外協力隊ケニア、エイズ対策あず帰国後」 その1〜4 http://t.co/yZ5vduWq 山本敏晴のブログより

「人生相談。23歳女性、市役所勤務。協力隊、大学院、国際協力キャリア形成の質問、その1 8003字」 http://t.co/2Vq9xtM6 「その2 12287字」 http://t.co/fCdv1rvA 山本敏晴のブログより

「アメリカの青年海外協力隊「ピースコー」と大学院修士の連携プログラム」 1〜3 http://t.co/yRBW8wDF 山本敏晴のブログより


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ツイッターの関連記事を、まとめたもの


「JICAの青年海外協力隊が日本企業の社員研修を実施する理由についてのツイート 20120506まで 7828字」 http://t.co/1x1NXlJX 山本敏晴のブログより

「ケネディ大統領、キューバ危機、ピースコー(米国青年海外協力隊)に関するツイート 20120217まで 2536字」 http://t.co/OrQj4A6V 山本敏晴のブログより


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国際協力師と、国際協力士


「「国際協力士」の国家資格の創設を、外務省とJICAが検討」 http://t.co/BND24lFM 「国家資格「国際協力士」制定の動きの背景と、いくつかの問題点」 http://t.co/ISxfoBE4 山本敏晴のブログより


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その他の関連ブログ


青年海外協力隊から国際協力師へ_関係ブログ一覧_2010春 http://bit.ly/IPKJtp 山本敏晴のブログより

チャート式、国際協力師(有給のプロ)への道 5669字 http://bit.ly/IPKMFE 山本敏晴のブログより

チャート式、社会起業家への道 4452字 http://bit.ly/vCXCyj 山本敏晴のブログより

チャート式、世界を治す医師、地球を癒す看護師への道(増補版) 13094字 http://bit.ly/rM41BB 山本敏晴のブログより


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参考文献


「国際協力師になるために」 http://t.co/yTBT4n52 著者:山本敏晴、出版社:白水社。プロとして、有給の仕事として、国際協力に関わってゆくために。国連、JICA、開発コンサルタント、企業の社会的責任、それらに関わる人になるための『キャリア形成』の具体的な道筋

「世界と恋するおしごと 国際協力のトビラ」(小学館)の第五刷りが、出版社から事務所に届きました。古くなってリンク切れになっていたURLなどを改訂。内容は、国際協力を実際にやっている30人以上の人とと山本敏晴との対談で、インタビュー集です。 http://t.co/0J22zskB

書籍『「国際協力」をやってみませんか?』 http://t.co/vDHjqylZ 国連などで給料をもらいながら一生続けていく道。仕事の合間に無償のボランティアとして参加する道。消費者としてできることを探る道。会社での仕事そのものをより社会に貢献するよう努力する道。どれも国際協力

山本敏晴の新刊 『「国際協力」をやってみませんか?』(小学館)。有給のプロとして働く道も、ボランティアとしての関わり方も、学生・主婦・会社員としてできることも。それ以上に、貧困を生み出してしまう『世界の根源的な問題・構造そのもの』を解説 http://t.co/vDHjqylZ










青年海外協力隊帰国後の30歳女性レモンと対談、派遣前から帰国後の進路まで20130126_その3,12063字

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この記事は、その2からお読み下さい。

http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65766577.html

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以下は、その3の目次です。

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目次

携帯電話でJICA専門家の支持をあおぐ
普段は何をしていたのか?
やる気の喪失
反省点の整理
灯油ストーブ爆発で火傷
やる気が復活するまでの過程
JICAへの報告書より、現地の地方自治体との計画の方が大事
2年目の2つの活動
砂質の土地に肥料を使うのは、意味がないと結論
自分の後任が必要かどうか?
富裕層に技術指導したので、貧富の差が広がった
ネリカ米の陸稲は収穫までが3か月と速い
2年目の2つの活動のまとめ
米だけじゃなく、オレンジも、やりたかった
病気は、したの?
住血吸虫
膀胱炎
交通事故は?
大統領選挙でデモと暴動
レイプは?
パキスタンとインドの食品が流通
個人的には、行って良かった
日本に残してきた彼氏とは、結局、別れた
米以外にも、いろいろやりたかった
お米は、最優先じゃなかった
メイズという種類のトウモロコシ
貧しい人のリスク・マネージメント
マイクロ・セービングと、家を途中まで建てる理由


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携帯電話でJICA専門家の支持をあおぐ


レモン あと、農家さんの家に隊員が分散した後、
    たとえば、稲の病気とかの被害が出たときに、
    専門家に電話したり、メールしたりして、相談をし、
    どんどん知識を付けていくんです。

山本 携帯電話は、U国でも普及していましたか?

レモン はい、凄い普及しています。

山本  読者のために解説をします。
    隣国のケニア等でもそうですけど、
    途上国ほど、(固定電話がないため)    
    携帯電話が非常に普及してます。
    これにより、病害(農作物の被害)が出た時に、
    関係者に相談ができる、ということです。

    さて、モデル農家には、
    どうやって、具体的に、あなたは教えたんですか?
    
レモン 各地で、やりたい人に手をあげてもらったんですよ。
    また、ジェラシーが問題になるので、
    やりたい人が複数人いたら、誰のうちでやるのがいいのか、
    皆で相談して、一人決めてもらいました。
    そして、畑の準備ができたら私に電話して、と伝えました。
    日程は、その人に決めてもらいました。
    準備ができてから、「この日に種まきをしよう」などと決めて
    周辺の農家さんにも来てもらいました。、
    そこで、デモストレーション(栽培の実演)をしました。
    畝間30cmのところにラインを作る、などです。
    『プランティングレイキ』というんですが・・・。

山本 プランティングレイキ?

レモン 鋤(すき)といえばいいんでしょうか。
    フォーク状のものを土表面に当てて、
    それを引いて、筋をつけて、種をまく。

山本 フォークの『でかいやつ』ですね。

レモン その使い方とか、蒔き方を教えますよ、と言って・・・。

山本 その線の上に、種を蒔いていって、
   種と種の間は、30cm離して蒔くんだよ、という話ですね。
   ところで、種もみの植える深さは、どのくらいが良いんですか?

レモン 2、3cmを推奨しています。
    私の地域は大丈夫なんですが、
    稲作の経験がないところだと深植えをしてしまうんですよね。
    そうすると、芽がでない、発芽しない、ということになります。
    一方で、ばら撒きをして、浅い所にある種が、
    鳥に食べられるというケースもあります。
    
    このため、次のようにして教えます。
    質問をして考えさせるのです。
    何cmが良いと思う?
    その理由は何だと思う?
    
    みたいなことを言って、じゃあ皆で植えてみようと。
 
    その後、発芽したら、
    「3週間後にね。」
    みたいな感じで、帰っていく、という感じですね。

山本 何か所位、やったんですか?

レモン 1年目は15、6か所位しか出来なかったですね。

・・・

普段は何をしていたのか?


山本 各農家で、デモンストレーションみたいな事を
   していた時以外は、あなたは何処で何をしていたんですか?

レモン 県庁にいて他の人達と雑談してたりとか、
    ワークショップのツールを作っていたりとか・・・。

山本 ツールって、でかい紙に何かを書いたりとかですか?

レモン そうですね。

    水田やっている農家さんの家に行き、
    お茶飲んで話していたりとかしました。
    あまり忙しくなかったので、一年目は・・・。

・・・

やる気の喪失


山本 話を戻します。
   2011年3月頃に、15人位の農家にデモストレーションをして、
   その後、それが発芽したのを見に行きましたと。

   その後、どうしたんですか?

レモン そのあと、ちょっと事故があって、私は火傷をしてしまいました。
    また、別な理由で、やる気がなくなってきていたこともあり、
    活動が、とどこおりました。
    まず、3、4月が忙しかったため、
    熱射病でよく寝込んでいたんです。

    次に、5月に足の火傷をして、
    1カ月位、首都で療養していたんですよね。
    3日に1度ガーゼ交換が必要でした。
    任地には、5月半ばに帰ったのかな・・・。
    
    足の痛みが取れて、
    バイクに乗れるようになったのが8月位でした。
    その頃、農家さんのところに行っても、
    とっくに穂が出ている状態でした。
    それまで、全然モニタリング
    (プロジェクトの監視)をしていませんでした。
    
    さらに、その頃、東アフリカ大乾季というのがあって、
    大きな旱魃(かんばつ)に見まわれました。
    このため、食料不足になりました。
    私の地域は、特に乾燥している地域だったので、
    凄く害が出ました。
    あと、畑全体に白アリが出て、
    畑2/3がシロアリで枯れちゃったんです。
    あんなに頑張って植えたのに、
    他の作物を植えた方がよかったんじゃないか、
    位に、やられてしまいました。
    帰ってきて凄くショックを受けました。
    私が住んでいた地域でも、5人位餓死者が出ました。
    それでちょっとやる気を・・・。

・・・

反省点の整理


レモン これじゃだめだ、ただ、米の作りかとを教えるんじゃなくて、
    虫対策、旱魃(かんばつ)対策なども必要だと思いました。
    
    他のエリアと違って、私の赴任していた所は、土が砂っぽくて、
    吸水率が悪かったんです。
    U国の中部だと、1キロの種もみから、
    50キロ位取れるみたいなんですが、
    私ん住んでいたあたりだと、10キロ位しか採れなくて、
    収穫量が1/5位なんですよね。
    こんな悪い土地でも、どうやって収穫量を増やすかを
    考えるようになりました。
    こんなかんじで、やる気をあげていたのが、
    1年目の後半でしたね・・・。

山本 1年目というのは、2011年の12月までで、よろしいですか?

レモン そうですね。
    第二雨季が終わるからです。
    来年は、低収穫を、どうやって改善するかを考えていました。
    ・・・反省ばかりの2011年でした。

・・・

灯油ストーブ爆発で火傷


山本 要するに、日射病で体調崩して、
   足に火傷を負(お)ったことなどから、
   一度、やる気を失ったんですよね?

レモン はい。
    火傷が左足全体の広範囲だったので、
    ガーゼ交換を、3日置きにしなければなりませんでした。
    病院に通わなくてはいけなくて、
    田舎の任地では、私の家からいちばん近い病院って、
    車で3時間かかったんで、
    首都に移動したんです。

山本 首都に、協力隊用のドミトリー(寄宿舎)がある国だったんですね。

レモン 灯油ストーブって分かりますか?

山本 私もアフリカで使っていたと思います。

レモン 灯油を使ったコンロなんですが、
    それを使って料理の煮炊きをしていました。
    ところが、灯油タンクに溜まったガスに引火したのか、
    軽く爆発してしまったんです。
    質の悪いガスストーブだったためで、
    熱湯が左手と左足にかかりまして・・・。

山本 ストーブの上に乗っていたやかんの中の熱湯が、
   こぼれてかかったということですね。

レモン 2時間くらい痛くて動けませんでした。
    水道がなかった家だったんで、
    バケツに貯めていた水に手足をつけて、痛みに耐えました
    でも、このままじゃ餓死すると思ったんで、
    近くに看護師隊員がいたので、電話をしました。
    そしたら、「すぐにおいで」って言ってくれたので、
    タクシーを街まで行って探して、ひろって、彼女の所へ行きました。
    ワセリンとラップでグルグル巻きにされたら、
    痛みが治まりました。
    U国には、首都に健康管理員がいます。
    健康管理員に聞いたら、「病院に行きましょう。」と言われました。
    皮膚を全部はがして、蜂蜜をつけられて、
    皮膚が上皮化するまでは、病院にいなさいとという事になりました。
    首都で、色んな人に餌付けされながら、生きていましたね。

山本 皮をはがしたということは、火傷で水疱ができていて、
   かつ、それが破けていた、という事で宜しいですか?

レモン 破けていないです。
    15個位水疱ができていて・・・。

山本 破けていない水疱を、医療従事者が、
   破いてはがしたという事ですか?

レモン そうです・・・。

山本 医者として色々言いたい事もあるんですが・・・。
   ここは黙っておきます・・・。

参考:
火傷には、3段階あり、掬戮ら慧戮吠類される。
水疱ができるのは第凝戞
一般に、医学では、
水疱が破れていない場合は、破かないのが原則。
その方が、細菌による「二次感染」がない。

・・・

やる気が復活するまでの過程


山本 体調不良もあって一時期仕事を休んで、さらに迷いがあったと。

レモン 迷いというか、(農業全体の)生産量が落ちていていたことから、
    カウンターパートが(他の仕事で忙しくなり)、
    あまり一緒に活動できなかったんです。
    体調を崩したからなんですよね。

山本  忙しかったのは、カウンターパートの人の方?

レモン カウンターパートもそうだし、
    自分もそうでした。

山本 レモンさんが忙しかったというのは、
   何の仕事で忙しかったんですか?

レモン 村の集会に行って、モデル農家たちを決めて、
    モデル農家たちと日程を合わせて、土地を見に行って、
    耕されたかを確認して、デモンストレーションを行いました。
    そこまでいったのは、15、6件なんですが、
    各パリッシュで決めたモデル農家は、28件位なんですね。
    その土地などを見に行ったり・・・。

山本 あなたはその時、バイクが使えなかったんですか?

レモン その時は使えました。
    2011年3月3日に来たんです、バイクが・・・。

山本 実際に忙しかったと・・・。
   その後、病気して第二雨季が終わるのが12月位・・・。

レモン 11月位ですね・・・。

    第一雨季の散々たる結果を見て、
    また、いくつかの問題を認識したので、
    再び、やる気が上がってきたのが、この時期でした。

山本 旱魃で水がないとか、病害虫の発生も起き、
   土のせいで、生産量が低いようだと認識したとのことでしたが。
   そこで、「どうしよう」と悩んだと思いますが、そんな状態でも、
   そこで、やる気が上がってきたんですか?

レモン はい。

・・・

JICAへの報告書より、現地の地方自治体との計画の方が大事


山本 3カ月ごとにJICAに報告書を書くはずですが、
   調整員からのフィードバックは
   期待できるものではないかもしれませんが、
   報告書を書くことによって、自分の頭の整理にはなりますよね。
   
   やる気がまた上がった位の時に、
   今後どうするという時に、あなたはどんな計画を立てましたか?

レモン 報告書については、3カ月毎に書くとか、
    色々決まっているんですね。
    私の活動計画は、
    現地の雨季、乾季に合わせて立てるのです。
    だから報告書とは、タイミングが合わせられないんですね。

    JICAに提出する報告書は、適当に埋めて書いて、
    配属先(U国の地方自治体)に提出する方を、
    まじめに書いていました。
    前回の結果はこうだったから、それを踏まえて、次回は、
    こういったふうにするという計画を立てていました。
    それをJICAへの対する報告書にも、
    添付資料として付けていましたね。

・・・

2年目の2つの活動


山本 分かりました。
   2年目は、どうしようと思っていたんですか?

レモン 2つの活動をしました。
    1つは、県庁側から、他のサブカウンティーでも、
    やって欲しいと言われたので、
    他の地域でも、『ネリカ米の陸稲』の普及をしました。
    ちなみに、それぞれのサブカウンティーが・・・。
    農業省から種もみの普及を受けるというシステムでした。
    ともかく、新たな2つのサブカウンティーで指導を開始しました。

    2つめは、今まで活動していたサブカウンティーで行いました。
    こちらの方で、補助管理の方が、
    きちんとしていた農家さんを選んで、
    『肥料実験』をやるという事をしました。

    その、私のすぐ近くに住んでいたところの農家が
    「凄く低収量だ」というので、JICAの専門家に相談しました。
    すると、「そこの砂は砂質だ」と言われました。
    「砂質の場合、凄く肥料が流れやすいので、肥料を与えても、
    あまり意味はないよ」と言われました。

    ただ現地の農家さんは、
    「肥料使ったことあるけど効果はあるよ」と言っていました。

    ですので意見が対立しており、
    どちらが正しいか、わかりませんでした。

    次に私の後任が来たら、収量を上げるための方法として、
    「肥料を勧めていいのかどうか?」ということの
    結論を出してから、私は日本に帰ろうと思って、
    肥料実験をしたんですね。

    実験の進め方は、専門家からアドバイスを受けました。
    Aという土地には肥料を使い、Bという土地には
    肥料を使いませんでした。この2つで収量に差がでるかを
    数か月後に調べよう、ということでした。

    結局、2年目は以上の2つを柱にしました。
   
    後者の肥料実験の結果が出るまで、待ちたかったので、
    私は、派遣期間を、2年よりも、もう少し延長したんです。    

・・・

砂質の土地に肥料を使うのは、意味がないと結論


山本 なるほど。
   では後者の方から行きますか・・・。

   砂質の土地に肥料を使うのは、意味があるんですかないんですか?
  
レモン 「ない」と思いますね。
    使った効果はないと思いますね。
    
    結局厳密に言うと、農学の専門家からしたら、
    笑っちゃうような感じの圃場(ほじょう、作物を栽培する田畑)
    だったと思うんです。
    農家さんがそこまで正しく区切ってくれなかったり、
    いきなり道の真ん中で道ができたりして、
    アカデミックに言うと、正確なデータではなかったです。
    それでも得られたデータから比較すると、
    肥料をやった方が、少し収量が増えるので、
    一応、差はあったんです。
    
    しかし、肥料を購入するためには、お金が必要です。
    そのお金を回収できるほどは、収量が増えないのです。
    ですので、私は、肥料をやった方がいい、とは思いません。

・・・

自分の後任が必要かどうか?


山本 読者に説明します。レモンさんが先ほど言ったように、
   協力隊の2年間の活動が終わる、半年〜1年位前に、
   その案件に対し「自分の後任が必要と思うかどうか」について、
   JICAに報告することになっている訳です。
  
   ところで、それは、半年前?
   1年前?

レモン 結構、速かったように思います。

山本 あなたは、自分の後任は、「いる」と言いましたか?
   「いらない」と言いましたか?

レモン いるかどうかは、『プロジェクト』
    (U国におけるJICAの技術協力プロジェクト全体を
    統括している人)が考える事じゃないかなという話をしました。
    
    ただ、私の感触として、配属先もカウンターパートも、
    凄くやる気があるので、仕事をするには良い環境だと思いますよ、
    という話はしました。
    
    ・・・でも、後任が、「いる」かどうかは、
    プロジェクトが決める事じゃないですか、と・・・。

山本 「言及しなかった」ということですね。
   わかりました。

・・・

富裕層に技術指導したので、貧富の差が広がった


山本 1番目はどうなりましたか?

レモン ネリカ米の陸稲の普及に関し、
    他の範囲へ広めたところなんですけれども・・・。

山本 他のサブカウンティーに協力してもらい、広めていったんですよね。
   種もみは、どうやってもらったんでしたっけ?

レモン 農業省のある大統領府から送られてきたんですね。
    大きな袋に種もみが入れられていて、送られてきたんです。
    このことは、
    (U国内のネリカ米の種もみの流通を管理しているはずの)
    JICAの技プロが知らないことでした。
    不思議でした。
   
    JICAの技術協力プロジェクトが、
    U国内の、米の流通に関しては、
    『統括』して管理しているはずだったんです。
    でも、どうやら、ちょっと省庁間のコンセンサスが
    なかったみたいです。
    JICAの技プロの知らない所で、勝手にこっち(協力隊)も
    米普及をやっていました。

    ところが、種もみをもらったのはいいんですけど、
    (U国の地方自治体側の)米の農業普及員に、
    知識があまりなかったので、困ってしまいました。

山本 「知識がなかった人」というのは、
   あなたが最初に派遣された所の人じゃなくて、
   新しく広げた2つのカウンティーの農業普及員に、
   稲作の知識がなかったという事ですね?

レモン そうです、そうです。
    彼らに知識を与えるために、
    (技術を)シェアする事を目標に活動していたんです。
    私がはじめに活動をしていたサブカウンティーでは、
    稲作のモデル農業を決めるときに、
    「やる気があれば誰でも良い」
    みたいな農家さんの選びかたをしていたんです。
    しかし、新しく活動を始めた方は、
    省庁からの支援(種もみ)を受けたので、
    成果をあげないといけない、そうでないと、
    次からもらえなくなるということになりました。
    ですので、かなり良い農場を持っていて、知名度もある、
    英語も喋れるという富裕層の農家ばかりが選ばれました。
    元々、条件が良かったので、
    やはり、教えた事をそのままやってくれて、
    しっかり成果も上がりました。
    しかし、もともと、裕福な農家を、
    さらに豊かにする結果となりました。
    貧しい農家には何もしませんでした。
    このため、貧富の差は、広がりました。
    ですので、複雑な思いでした。

山本 農民の中の、富裕層の方に技術を教えていたので、
   貧富の差が広がる一方だったという訳ですね・・・。

   元々教養のある人たちだから、成果は出たが、格差が広がったので、
   複雑な気持ちだったという訳ですね。

   政府系のやる「開発」では、ありがちですね。

・・・

ネリカ米の陸稲は収穫までが3か月と速い


山本 凄い基本的な事を聞きますけど、田植えって、
   日本では梅雨のある5月にやりますよね?
   そして、それが、秋に実りますよね?  
   つまり、日本では、半年で実っていますが、
   U国ではどうなんでしょうか?

   U国では、年に2回雨季があり、
   年に2回、収穫がでいるようですね?
   つまり、ネリカ米の陸稲は、「3カ月で結果が目に見える」
   という事ですね?

レモン そうですね。
    私は前の会社にいた時、もともとリサーチャーなので、
    (モデル農家となった人たちに)リサーチしてみたいと思って、
    「ネリカ米の何が良かったですか」みたいな質問をしました。
    
    実は、私の前任者が農家さんに聞いて回ったんですが、
    評価が高いのが、「乾燥に強い事」じゃなくて、
    「収穫までが短い事」だったんですよね。

山本 収穫まで、3カ月位ですか・・・。
   それはいいですね。

レモン 雨季が始まるのが2、3月、
    学校の学費を払うのが6月位なんで、
    その頃に現金をもらえるのが素敵、みたいな・・・。

山本 いいですね、笑っちゃいますね・・・。
   わかりました。

・・・

2年目の2つの活動のまとめ


山本 ここまでをまとめます。
   1つめのネリカ米の普及は、
   富裕層の農家を対象にしたので上手くいったと。
   2つ目の肥料をまく効果があるかどうかの実験は、
   意味がない、という結論だったと。
  
   もらえそうもなかった種もみは、結局、もらえたと。
   その理由は、JICAの技プロが、
   U国の種もみを包括的に管理しているはずが、  
   実際にはそうなっておらず、
   U国の省庁から、協力隊へ、というか、
   地方自治体の農業普及員へ、種もみが回ってきたと。

レモン はい。

・・・

米だけじゃなく、オレンジも、やりたかった


山本 以上が大筋ですか?

レモン 殆ど米しかやっていなくて、
    私の住んでいたあたりが、オレンジの名産地だったんで、
    お米育てている農家さん家で、お茶のみ話をしていたついでに
    ジャムの作り方を教えようとしたり・・・。
    そういう事はしていましたが、それしかしていなかったです。

山本 なるほど。
   だいぶ概要が聞けましたね。

・・・

病気は、したの?


山本 病気は日射病になったのと、
   灯油ガスが爆発して火傷したのと、他に何かありましたか?

レモン 大きな病気・・・。
    以前に山本さんにEメールで相談したんですけど、
    熱が3日下がらなくて怖い・・・ということがありました。
    結局、抗生物資を飲んだら大丈夫だったんですけど。

    あと全然症状がないんですが、私、水田に入っていたもので、
    活動で水に入るような事をしていた人は、
    帰国後、強制で、
    「住血吸虫」の検査を受けるんですね。
    それがポジティブ(陽性)だったんです。

    住環境が住環境だけに、
    帰ってきてから「ジアルジア症」ですと、
    また、診断されたので、大学病院で治療しました。
    それくらいですね・・・。

参考:
ジアルジア症とは、ランブル鞭毛虫を原因とする寄生虫疾患。
「人獣共通感染症」で、消化管で増殖し、下痢などをおこす。

・・・

住血吸虫

山本 住血吸虫には、
   「ビルハルツ」と「マンソン」がいるんですが、
   どちらでしたか?

レモン ビルハルツです。

山本 ビルハルツ住血吸虫は、恐ろしい寄生虫で、
   水田、湖、川等に入ると、
   幼虫が透明なドリルの形状をしており、
   皮膚を貫通して体内に侵入します。
   怪我などしていない足の皮膚からでも、
   幼虫は体内に入って来ます。
   膀胱に巣を作り、10年程潜伏し、膀胱癌の原因になる、
   とんでもない恐ろしい病気です。
   アフリカの死亡率をあげる要因の一つになっているものです
   レモンさんもそれにかかっていたということです。
   東南アジアにもいるんですが、
   アフリカの川や湖に入ると、それだけで、感染する危険性があります。
   バックパッカーの人は、少しはビビった方がいいと思いますよ・・・。

   ちなみに私は、感染の危険がある地域に行って、
   どうしても水に触れないといけなかった場合は、
   私は医者で、治療薬を自分で持ってますんで、
   「プラチカンテル」という強力な薬を飲んで、駆除していました。
   
   協力隊行く人は、安易なバックパッカー系が多いので、
   もう少し、気をつけた方がいいです。  
   
・・・

膀胱炎


レモン あと、膀胱炎が辛かったですね・・・。
    1回しかなってなかったんですが、ケニア旅行中に、かかりました。
    その辺の薬局で抗生物質を買いました。
    薬剤師隊員に電話で聞いて薬局に行って、
    勧められた薬を買いました。
    再び、電話して聞いたら、
    「語尾が○○だから大丈夫じゃない」と言われました。
    私、首都から遠い隊員だったので、
    バスで7時間くらいかかるんですよね・・・。
    トイレ休憩がなかったんです。
    このため、首都に上がる日は前日夜から水分取らないです。
    バスに乗るとトイレに行かずに我慢して乗るので・・・。
    未だにあの狭い空間に似たようなところに行くと
    思いだしちゃって気分悪くなります。

山本 もしも、トイレに行きたければどうぞ・・・。

レモン 大丈夫です・・・。

山本 日本では、膀胱炎になった事ないの?

参考:
膀胱炎は、女性に多く、「習慣的」となり、
繰り返してしまう人が多い。

レモン 日本では、3回位なりました・・・。

山本 膀胱炎は、繰り返しなる人が多いんですが、
   基本的には抗生物質を飲めば治ります。
   ニューキノロン系抗生物質のシプロフロキサシンなど。
   商品名はシプロキサン、クラビット、タリビットなど。
   以上の、どれかを、1週間位飲むのが普通だと思います。

・・・

交通事故は?

   
山本 あとは、交通事故、特にくらってないですか?

レモン 遭いそうになった事はあります。
    バスに乗った時、
    巨大トレーラーが横転してきたんです。
    あと5mで、巻きこまれていたんですよね・・・。

山本 死んでたかも・・・。

・・・

大統領選挙でデモと暴動


レモン 大統領選挙が2011年4月にあったんですが、
    その時はあれだったんです。

    しかも、5月位に食料価格がめちゃくちゃ高くなって・・・。
    食料価格の高騰で、デモが多発したんです。

    バスで首都に向かっていたら、
    何か道路にいっぱい石が置いてあって、
    丁度1時間前に警官隊とデモ隊の衝突があって、
    警官がバンバンやっていたとか、
    催涙弾も飛んでいたと言う話を聞きました。

    そういう危うさもありましたね。

山本 補足しますと、アフリカ諸国は、大体、大統領選挙の時に、
   クーデターとか、デモなどが起こることが多いのです。

   理由はアフリカは多民族国家なためです。
   U国は何個位、民族がいるのかな?

レモン 50いくつ位かな・・・。

山本 少なくてもその位はいるでしょう。
   選挙に勝って自分の民族から出そうとするのです。
   自分の民族から大統領を出した方が金がくる、
   良い道路を引いてもらえる、ということです。
   
   あとは、レイプ、強姦等はなかったですか?

・・・

レイプは?


レモン なかったです。

山本 同期隊員でなかったですか?
   話を聞いたことも・・・。

レモン 「多分ある」という話が(協力隊の隊員の間に)出ていました。
    でも、「あったとしても、誰にも知らされないで、
    他の理由で帰国しているから分からないよ」と、
    言われていました・・・。

山本 あなたのいた時期に、
   隣のK国で(レイプが)あったんですけども、
   それは知らされなかったようですね。
   
   では、U国で2年間いるはずだった隊員が
   途中帰国したケースは、ありましたか?

レモン いました、いました。

山本 どのくらいいましたか?

レモン ・・・。
    10人に1人位・・・。
    ひとつの隊が大体10人位ですけど、
    毎年私の隊の人が、任期を短縮していましたね・・・。

山本 公式発表として、理由が知らされた場合は、
   その理由は、何だと聞いていますか?

レモン 知らないです。

山本 帰る時に、同期の隊員に知らされないんですか?
   例えば、母が死んだ、とか・・・。
   聞かされないの?

レモン 同期隊員が、途中で、帰っているんですけども、
    帰る前に皆で集まって、パーティーをしました。

山本 どんな理由だったんですか?

レモン お父さんが余命6カ月宣言を受けたので帰国・・・。
    任期満了までいると、
    死に目に間に合わないので帰りますとのことでした。

・・・

パキスタンとインドの食品が流通


山本 よくU国でクッキーを晩御飯にしていたという事ですが、
   何処のですか?

レモン パキスタン産のです。

山本 何か、アフリカに流通している、
   薬や食品は、パキスタン製が多い印象があります。

レモン インド人が多いからでしょうか・・・。
    町のスーパーでこのお店、品揃えいいなと思うと、
    店主がインド人ですね。

山本 なるほど・・・。

・・・

個人的には、行って良かった


山本 で・・・。
   21012年の12月に帰国しましたと・・・。
  
   2年間の協力隊の活動の手ごたえはどうですか?
   感想は?

レモン 個人的には、行ってすごく良かったと思います。
    ほんとに凄く良い経験が出来たと思います。
    この2年間がない人生は考えられないなと思います。

・・・

日本に残してきた彼氏とは、結局、別れた


レモン 行って・・・。
    彼氏に振られたんですけど・・・。
    結局・・・。

山本 派遣前のインタビューで聞いていた、
   2年前の彼氏の話ですね。

レモン フフフフ・・・。

山本 それちょっと後に置いておいてですね・・・。

参考:
派遣前のインタビューの以下の記事を参照。
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65762730.html

・・・

米以外にも、いろいろやりたかった


レモン ただ、私は、個人的には、行って凄く良かったです。
    現地の人達にとってプラスになったかというと、
    よくわからんないんですが。

    というのも、ほんとに米しかやらなかったからです。

    私の担当した案件が、もしも、もっと大雑把な要請だったら、
    いろんなことができたんですが。
    村落隊員って、普通は、もっといろいろ模索して、
    色んな事やっているんですよね・・・。
    かまど普及したりとか、料理教室したりとか・・・。
    
    ケーキ作りビジネス成功させたり・・・。
    そういう事を見てると米だけに縛られず、
    色々やってみるとよかったのかなと思います。
    色々後悔はしていますね・・・。

山本 個人的によかったと思った理由は何ですか?

レモン 途上国の農家さんが、
    何を考えてどういう生活をしているのか、よくわかりました。
    こっちに帰ってきて、本とか読んだりすると、
    より理解が深まりました。
    現地の事、U国だけですが、
    そこそこ分かったような気がします。

山本 では、現地の人は、どんな生活をしているんですか?
   具体的に・・・。

レモン 一言で説明するのは、難しいんです。

    農家さんが色々畑を作る時に、
    何を優先して順番に仕事を勧めていくのか、です。
    よく通(かよ)っていたので分かるようになりました。

    お米にとっては、水が重要なので、
    雨季が始まったら、ヨーイドンで、
    お米を作っているかと、私は思っていたんです。
    でも、違ったんです。
    まず雨季が始まっても、ひょっとしたら、
    これは雨季のスタートじゃないかもしれない、
    と農家さんは考えるんです。
    雨が降って、しばらく止んで、
    また降り出して雨季の本格スタートという事もあるから、
    野球で言うと、見逃しみたいなことをするんです。
    雨が、ちょっと降って、
    1度耕して、2度目耕して、3度目耕して、
    ようやく植えれるようになってから、種もみをまくんです。
    「そうか、そこまで待たないと、
    種まきスタートできないんだ・・・」ということに気づきました。
    そうして、ようやくお米を植えられるようになるんです。

・・・

お米は、最優先じゃなかった


レモン  ところが、どっこい、お米は最優先じゃなくて、
     私の住んでいた地域では、まず最優先させるのは、
     落花生だったんです。

山本 落花生はピーナッツのことでしたっけ?

レモン そうです。
    あちらではピーナッツと言わず、
    グランドナッツといいます。
    それが、もっとも生活に密着している。

山本 主食は、ヒエと、アワでしたっけ?

レモン ヒエ(稗)ですね・・・。
    農家さんは、落花生と、ヒエを最優先させるんですよ。
    それが生活に一番密着している、毎日食べるものなんです。
    これがなかったら飢え死にするから最優先させて作るんです。

    その次に植えるのが、メイズ、キャッサバ。
    そして、最後に米とか・・・。

・・・

メイズという種類のトウモロコシ


山本 メイズとレモンさんが言いましたが、
   アフリカのトウモロコシは2種類あって、
   メイズとコーンがあります。
   コーンは日本でも売ってる。
   メイズは日本のトウモロコシと違って、
   1度粉にしてから食うとか、
   調理しないと食えないものです。
   それで、良いですか?

レモン はい、そうです。

山本 メイズのことは知っていましたか?

レモン メイズはそのまま焼いて食べたりもしていましたが、
    蒸したり、粉にしてもち状にしたりもしていましたね。

・・・

貧しい人のリスク・マネージメント


    作物を植える優先順位を考えて、
    上手くやっているんだな、ということを学びました。
    貧しい人でも、色々リスクマネージメントをしているんですよね。
    アフリカに行ったら、
    大抵の人が建てかけの家を見にすると思います。
    日本人の感覚からすると、
    何故、一気に建てないんだろうと思ってしまいます。
    お金貯めて、一気に建てればよいのにと思うんですが、
    どうやら、それは違うようなんです。

    あっちの人達って、お金をとどめておく事を警戒していて、
    人が困っていて、貸してほしいと言われれば、
    貸しちゃうかもしれないし、
    そしたら、かえってこないかもしれない・・・。

    銀行だったら預けるのにお金がかかるので、
    だったら家を少しでも建てるのに、
    使っちゃった方がいいということで。

山本 U国では、銀行にお金預けるのにお金かかるんですか?

レモン 「口座維持料」というのがかかります。

    私たち協力隊も、JICAから、
    月405ドル手当てをもらっていましたが、
    そのうちの7ドルを口座維持料としてとられていました。
    ちなみに、それも計算しての405ドルなんですよね。

山本 (電卓で計算して)2%位か・・・。

・・・

マイクロ・セービングと、家を途中まで建てる理由


レモン U国では、銀行にお金を預けるのに、金かかるんですよ・・・。
    なので、金持ちとかは、口座を持っていますが、
    貧乏人は、そもそも信用がないので、
    口座持てないんですよ・・・。
    なので、貯蓄手段として、
    マイクロセービングをやっている人が大抵ですね。
    
参考:
マイクロセービングとは、
貧しい人でも貯金ができるようにした、金融システム。
NGOや社会企業が行っている。

    皆やっているんです。

    それをしないと、家長の男性が、
    お酒などをすぐ買ってしまって、
    お金が永久に貯まらないんです。  
    だから、くだらないことにお金を使ってしまわないように、
    あるお金を使って、途中まででも、家を建てるんです。  

    あと、強度の問題で、家の1/3まで作ったら、
    一度、完全に乾燥させるまで待った方がいいんです。
    それで強度を保ってから、また建てる・・・。
    インターバルは必要なんだと教わりました。
    そういう貯蓄の仕方だったり、建て方なんだと・・・。

山本 そうなんですね。
   それは知らなかったですね・・・。
   面白いですね・・・。





・・・

その4へ

http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65766579.html




青年海外協力隊帰国後の30歳女性レモンと対談、派遣前から帰国後の進路まで20130126_その2,14216字

.

この記事は、その1からお読み下さい。

その1
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65766576.html

・・・
・・・

以下、その2の目次です。

・・・
・・・

JICA専門家の増加と協力隊の意義の希薄化
U国の省庁はJICA専門家の方に協力
JICA本部は、協力隊に期待していない
JICAのU国での技術協力プロジェクトの変化
途上国の主導ではなく、JICAの主導するプロジェクト
雨季の直前に、種もみを渡さないと言われて怒り
U国の雨季は、年2回
ネリカ米(ねりかまい)とは?
陸稲(りくとう)とは?
マイクロ灌漑はやらなかった
U国の主食
お米は、高級品
計画その1、灌漑で水田を普及
計画その2、モデル農家でネリカ米を普及
当初、2つの計画を作った
モデル地区
協力隊の活動は「野放し」か?
自動2輪の免許の現地取得
住民の、ねたみによる訴訟
ラムサール条約と、JICAへの訴訟
モデル農家へ行く交通費は協力隊員の自腹(じばら)
誰がモデル農家に教えるのか?

・・・
・・・

JICA専門家の増加と協力隊の意義の希薄化


山本 それじゃあ、現在、U国には、
   JICAの専門家として、数百万円の給料の年収をもらって
   稲作や米を普及させている人が、数人以上いると言う事ですか?

レモン います。
    長期専門家が5、6人位います。
    そのほかにも、短期の専門家が入れ替わり来るので・・・。

山本 解説します。
   JICA専門家は2種類あって、長期専門家とは、
   一年以上の勤務をする人のことです。
   一年未満の方を短期専門家と言います。
   1か月とか、3カ月とか、それ以下の、
   めちゃくちゃ短期の専門家もあります。
   
   短期の人が結構来て、長期の人もいたという事ですね。
   10人前後位?

レモン そうですね。10人前後位はいたという事ですね。

山本 なるほど。
   そのような状況なら、協力隊の存在意義は、
   疑問視する声もあるでしょうね。


・・・

U国の省庁はJICA専門家の方に協力


レモン 2012年位から、U国のNという所に、
    「国家農業アドバイザリー・サービス」みたいな、
    農業技術を普及させる組織みたいな制度があるんですが、
    そこと、JICAの技術協力プロジェクトが、
    (各地方自治体の)農業技術普及員と協力して、
    仕事をし始めたんですよ。
    私が県庁にいたとしても、(私を無視して)
    その組織との連携による稲作の普及などは、
    おこなわれていくことになります。

山本 JICAの技プロが、U国の省庁を通して、
   地方自治体の農業普及員と協力をし始めたんですか?

レモン はい、だから私の相棒のカウンターパート
    (地方自治体の農業普及員)は、私とも仕事をするし、
    プロジェクトとも仕事をするし・・・。
    JICA専門家による技術協力プロジェクトとも
    仕事をするし・・・。

山本 板挟みですか・・・。

レモン はい。

    協力隊は、(U国のネリカ米普及などの)活動に、
    意味を持たなくなったんです。
    最初は、協力隊に活動をしてほしいという事だったんですけども、
    このような経緯があたため、米隊員の中で疑問が高まりました。
    それで協力隊員と専門家が、膝を突き合わせて話したところ、
    (その時、U国にいた専門家らは、)
    「米隊員としては成果をあげて欲しいと思っていないし、
    全く期待はしていない」という風に言われました・・・。

参考:
米(こめ)隊員とは、青年海外協力隊として、
途上国で「稲作」を普及している人々のこと。

・・・

JICA本部は、協力隊に期待していない


    帰国後、JICA本部で、U国担当の方と話をしていても、
    「そんなに技術プロジェクトと隊員の活動を
    がっちり縛り付けたつもりはなくて、
    要請案件ではそうなっているけれど、
    現地に行ったら、自由に活動してくれていいよ」
    というような、そういった言い方をされたので・・・。

山本 誰にですか?

レモン JICAのU国担当の方。

山本 それは日本の麹町本部にいるU国の担当の人ですか?

レモン はい。
    そうです。
    現在は、代変わりされたんですけど・・・。

山本 はい、なるほど・・・。

レモン なので、忠実に案件どおり仕事をするとなると、
    困ってしまうわけです。
    配属先が、(協力隊の方と一緒にやる仕事に対しては)
    全くやる気がなかったりする場合もあるからです。
    私は、ずっと悩んでいました。
    結局技術プロジェクトと隊員の関係性については、

    どうしたらよいのか、何が求められているのか・・・。

山本 (協力隊の問題点が、よくわかって)面白いですね。

   まとめると、レモンさんの行ったアフリカのU国では、
   カウンターパートになった現地側の農業普及員の人は、
   \椎海外協力隊と一緒に、ネリカ米を普及する仕事と同時に、
   日本のJICA専門家とも似たような仕事をしているために、
   U国の地方公務員の人は板挟みになるという事ですね。
   
   より公式なのは、JICA専門家の方なので、
   そちらの方の意見を優先的に聞くと思います。

   すると、結果的に、青年海外協力隊と一緒にする仕事は
   軽んじられるようになるということですね。

   以上のような状況だと思いますか?

レモン 軽んじられて大変でした。
    仕事が被(かむ)ってしまいましたので。

山本 JICA専門家からの仕事を、優先させる?

レモン そちらの仕事が忙しいようなら、
    私は別のところで仕事をするようにしました。

    という感じで、自分から仕事量の調整ができたのは、
    まだしも、不幸中の幸いでした。

山本 分かりました。

・・・

JICAのU国での技術協力プロジェクトの変化

山本 2010年の10月に、あなたは現地に行きましたが、
   いつごろに、今言ったような状況を把握しましたか?

レモン JICA専門家のプロジェクトとの関係が問題化してきたのは、
    2012年の頭くらいからでしょうか・・・。
    
    最初から説明すると、
    「ネリカ米プロジェクト」という事で私は派遣されたんですけど、
    U国には2つ、お米に関するプロジェクトがありました。

    1・『ネリカ米振興計画』というのと
    2・『東部U国持続系灌漑農業開発計画』
     (Sustainable Irrigated Agriculture Development : SIAD)
    というプロジェクトがありました。
    ネリカ米振興計画というのは、ネリカ米という(米の)
    新品種の投入による生産性向上を狙ったものです。
    SIADというのが、新しい技術の投入(灌漑技術の向上)
    によって、水田を増産させ、生産性の向上を狙ったものでした。

山本 後者は、灌漑技術の振興、という事で宜しいですか?

レモン そうです。
    これらの技術協力プロジェクト二つが、
    2011年に6月に『フェーズ』(計画のある段階)が終わりました。
    そして、それらが、一端無くなって、
    2011年の11月位から『米(こめ)振興計画』
    (という新しいプロジェクト)に変わったんですね。
    そして、U国の地方自治体の農業普及員は、行政(省庁)とも、
    (直接)手を組んでやるようになりました。
    その後、2012年の2月、これから雨季が来るという段階になって、
    困ったことが起きました。
    今まで隊員は、その『プロジェクト』から
    「種もみ」の提供を受けて
    普及活動をしていたんですけども・・・。

山本 誰による何のプロジェクトから、ですか?

レモン (JICAの技術協力がおこなう)「米振興計画」からです。
    そのプロジェクトが、普及用の(米の)種子を
    協力隊の活動に(最初は)配布していたんですが、
    途中から、「隊員に渡せない」と言いだしたんです。
    その後、色々もめた結果、結局渡せるようになったんですが、
    もし、渡せなくなっていたら、
    「一体何の仕事をしたらいいんだろう・・・」
    という事になっていたと思います。
    そこから問題が顕在化したんですね・・・。

・・・

途上国の主導ではなく、JICAの主導するプロジェクト


山本 ちょっと確認しますけど、
   2011年の6月位までの2つのプロジェクト、
   1つめの、ネリカ米振興計画も、
   2つめの、灌漑で農業生産を引き上げる計画も、
   JICA側が主導したプロジェクトでしたか?
   それとも、途上国側の国または自治体が、主導していましたか?

参考:
山本が、この質問をしている理由は、近年の国際協力は、途上国政府側に、
主導してもらう傾向にあるため。
これは、プロジェクトに自分(途上国側)で責任を持ってもらうためで、
「オーナーシップ(ownership)の尊重」と言う。

レモン 2つとも、JICAが持っていましたね。
    成り立ちは違うんですが・・・。

山本 分かりました。
   ということは、2011年11月から始まった新型プロジェクトも、
   JICA側が主導しているという事で宜しいですね?

レモン はい。

・・・

雨季の直前に、種もみを渡さないと言われて怒り


山本 その新しいプロジェクトが始まって、しばらくしてから、
   種もみが来なくなった?

レモン はい。
    U国のN村というところに、
    「国立穀物研究所」みたいなものがあって、
    その中に日本のODAのプロジェクトオフィスがあって、
    そこで普及用の種もみを作っていて、また、
    研究とかをしているんです。

    ところが、普及対象地域が、U国内で増えたことにより、
    また、他のアフリカの各国にも、
    種もみを普及することになったので、
    種もみが足りなくなりました。
    このため、隊員への供給率が下がりました。
    
    協力隊は、これまで、米の普及をしてきたんだから、
    これからは、種もみを回収して普及しろ、と言われました。
    ところが、それを(種をまく時期の)
    数ヶ月前から言われていれば対応できるけれど、
    こんな雨季直前に、言われても、
    どうしようもないということで、困ってしまいました。
    
    という事になって、もめたんですね。

・・・

U国の雨季は、年2回


山本 ちなみに、U国の雨季はいつですか?

レモン 基本の確認ですが、雨季が地方によって違うんですが、
    第一雨季が、大体2、3月位から7月位まで、
    第二雨季が、9月位から11月位までですね。

山本 雨季の直前に、種をまくとか稲を植えるとか、
   そういった農業スタイルは決まっているんですか?

レモン 雨季が始まると、土が柔らかくなるので、耕しやすくなる。
    何度か耕すと、種をまきやすくなる。


・・・

ネリカ米とは?


山本 ここで、ちょうどいいので、『ネリカ米』の話をしましょう。
   元々あなたは、ネリカ米の普及に行ったのだから。

   まず一般論として、ネリカ米の話をする前に、
   米には、「陸稲(りくとう)」と「水稲(すいとう)」
   があるということで宜しいでしょうか?

レモン はい。

山本 陸稲は、水田ではない畑にまく米で、
   水稲は、水田にまく米です。
   アフリカでは、その両方が栽培されているということです。
   ネリカ米とは陸島の品種ですか?
   水稲の品種ですか?

レモン 陸島の品種だと思います。
    陸島ネリカと水稲ネリカとがあるんですが、
    陸島ネリカの方がメジャーです。

山本 私の知るところによると、
   .▲献△痢非常に生産量の多い遺伝子を持つ稲と、
   ▲▲侫螢の、水の少ない地域で育ち、かつ害虫に強いという品種。
   この2つの良いところを掛け合わせたものが、
   ネリカ米の性質だ、ということで宜しいですか?

レモン はい。

山本 これ、誰が最初に開発したか知っていますか?

レモン 知っています、えっと・・・。
    シエラレオネ出身の博士で・・・モンティー・ジョーンズ。

山本 そうですね。
   イギリスかアメリカの大学院で勉強したアフリカ系の人が、
   開発したんですね。

・・・

陸稲(りくとう)とは?


   さきほど、ネリカ米は陸稲の方がメジャーだと言っていましたね。
   陸稲は日本ではメジャーではないので、
   全然イメージがわかないんですが、どんな感じで栽培するんですか?
   雨季になって土が柔らかくなったらやるんですか?
   鋤(すき)や鍬(くわ)で土を耕してから、
   バラバラと手で蒔(ま)くんですか?

レモン 現地の人はそうやるんですが、
    プロジェクトを教える方針としては、
    『筋蒔き』をしなさい、という教え方をしますね。
    
    種まきの米と米の間に2cm位あける形で、
    ライン上に蒔くんですね。
    30cmの『畝間(うねま)』を作るんです。

山本 畝間というのは、米を蒔くラインとラインの間を言うんですね。

レモン そうです。
    そして軽く土をかぶせます。

    何故、畝間(うねま)が必要かというと、
    お米作りに必要なのが除草なんで、
    除草しやすくするためにラインの上に植えましょうという事です。

山本 除草というのは、雑草を抜く、という事ですか?

レモン はい、そうです。

山本 分かりました。
   次は、蒔いた種をカラスや雀が食べてしまう事が
   多いんですが・・・。

レモン そうですね。
    それを防ぐために、ちゃんと土をかぶせましょうと指導をします。
    バラバラに蒔いただけだと食べられやすいから、
    土をかぶせるようにしましょうという事です。

・・・

マイクロ灌漑はやらなかった


山本 余談ですが、最近、マイクロ灌漑が流行しています。
   畑全体に水をまくと効率が悪いから、
   スポット的に水をまくようにする手法です。
   これについては、あなたは全然知らないという事で宜しいですね?

レモン そうですね、(私の任地でやるのは)大変な気がします。

参考:
山本敏晴のブログより 灌漑に関するツイート 20111114まで 2674字
http://is.gd/fVWYT1

山本 ここまでが背景(基本的な事項の確認)ですね。
   ここからが本番(レモンさん自身の活動へのインタビュー)です。

   2010年10月の初めに現地に行きました。
   まず何をしましたか?

   一番ポイントは最初の半年間かな・・・。
   最初の3カ月から半年くらいの間に、あなたは、
   初期計画について書いて、
   JICAの現地本部に出さないといけないはずですよね?

レモン ええと、まず3カ月経って第一報告書を書くんですよね。
    こんな状況でした・・・と。
    半年経ったときに活動の計画書というのを書いて、
    JICAのボランティア調整員と、配属先と一緒に、
    その仕事の確認と計画の確認をするんですね。

山本 そこですね、一番重要なのは。
   最初の3カ月で、「現地はこんなんでした」と報告する時に、
   あなたは何を書きましたか?

・・・

U国の主食


レモン ちなみに、他の国は分からないのですが、
    U国は赴任して3カ月経たないと(免許の関係で)
    バイクが手に入らなかったので、
    歩いて現地まで行っていたんですね。
    (このため、歩いて)ごちゃごちゃ回ったりしていたんですが、

    その最初の3カ月で何を書いたのかというとですね・・・。
    町がこんな感じです、食べ物、食生活だとか、
    畑を見て、農民の第一雨季と第二雨季の利用の仕方が
    こんなんでしたとか、そういう事を書いたのと・・・。

山本 食べ物が重要なので、まず、それを確認します。
   アフリカの人々は主食として、米、芋、トウモロコシなどを
   粉にしたものを使うことが多いです。
   それらに、水を混ぜて、どろどろにして、
   まるめて食べたりします。
   食う場合とかあるんですけども、
   
   U国の場合は、米が主食なんですか?

レモン 主食ですね。
    U国の特徴として、主食のバラエティーが沢山あると・・・。

山本 地域によって主食が異なる、という意味ですか?
   それともひとつの地域で、たくさんの主食があるのですか?

レモン U国全体で色々なものが食べられています。
    バラエティーが6種類くらいあって、
    何がメインなのかは地方によって異なる・・・。

山本 あなたの派遣先のK県はどんな感じでしたか?

レモン 現地語で『アタパ』というんですが、
    キャッサバ(cassava、南米原産の芋)の粉と、
    ソルガム(sorghum、モロコシ)の粉と、
    ミレット(millet、キビ、アワ)の粉を、
    水で練って食べていました。

山本 キャッサバは南米原産のひょろ長い芋ですね。

   あなたの任地の主食は、米ではないのに、
   ネリカ米を普及するのは、どんな理由なんですか?

レモン 主食は、「アタパ」がメインですが、それだけではなく、
    トウモロコシの粉をお湯で練った「ポショ」とか、
    甘くないバナナ、「マトケ」というんですが、
    マトケを蒸してマッシュしたものだとか、
    ジャガ芋だとか、キャッサバだとか、
    蒸したやつとか、米とかを何品か食べて、
    (それらの主食とは別に、)スープを一品、
    という食事のスタイルが、割と普通なので・・・。

山本 炭水化物ばかり食って、タンパク質を食わず、
   緑黄色野菜も食わないというのが、
   アフリカの特徴で、各国に共通する問題だと思います。

   U国もまさにその典型だと言う事で宜しいですか?

レモン ・・・だから(私は)太ったんですよ・・・。
    (U国に行っていた2年間の間に)8キロも・・・。

・・・

お米は、高級品


レモン それはともかく、お米も結構、食べたりしますよ。
    お米というのは、価格の高い高級な食べ物なので、
    それなりのステイタスの人は、毎日食べたりはしますが、
    (貧しい)農家さんとかだと、クリスマスに食べるとか、
    お客さんが来たら食べるとか、
    お米は、若干高級品として扱われています。

    みんな、クリスマスには、絶対、お米を食べますね。

山本 高級品なんだ・・・。
   本当に・・・。

レモン 米を鍋で煮る場合と、製粉機で粉にする場合とあるんですが、
    お湯を沸かして、そこに米を洗わずに、
    だーっと入れて・・・。

山本 蓋して?

レモン はい。
    破砕米といって、粉々になった米よりも、
    形の良い米の方が価値があるので、高く売れますね。

山本 精米は、しているんですか?

レモン しています。

山本 米は高級品だという事ですね。

・・・

計画その1、灌漑で水田を普及


山本 任地での最初の3カ月が終わったとして、
   次の3カ月が、これからやる事を考えないといけません。
   誰に相談しましたか?
   カウンターパート2人に相談しましたか。

レモン 2人とも凄くやる気があって、
    私が、こういう事やりたいみたいな事をいうと、
    (カウンターパートたちは)水稲もやりたい、
    陸稲もやりたいみたいな、ことを言ってきたんです。
    凄くやる気のあるカウンターパートだったので、
    出来るだけ、彼らのやりたい事を抱きあわせて
    応援できる事を抱き合わせて計画を、
    私を入れた3人で、計画をたてた感じです。

山本 それは、具体的に何を書いたんですか?

レモン 水田に関しては、やりたい・・・。

山本 水稲の事ですか?

レモン SIAD(灌漑)のプロジェクトに関連して、
    灌漑を作って水稲を普及しようとしていました。

    元々私が赴任した地域では、
    湿地帯での水稲作が浸透していた所でした。
    「天水田」(雨水にたよった水田)での稲作をしていました。
    でもこれからは、灌漑をして、水田を作って、
    稲作をしましょうというのも、普及していきたいというのが、
    農業普及員の強い希望だったんです。
    ただ場所を選ぶんですよね。

    もともと良い土地があるような(裕福な)
    農家さんしか出来ないので、
    そういった良い土地を持った農家さんがいたら、
    話をしに行って、水田をやらないか勧めてみるというのが
    計画の一つでした。


・・・

計画その2、モデル農家でネリカ米を普及


レモン 一方、ネリカ米の主力である、陸稲の普及に関しては、
    次のような計画を立てました。 
    サブカウンティーの、さらに下に、小さい行政単位として、
    「パリッシュ」というのが、あります。
    村よりも、ちょっと大きいものです。
    村が2つ3つ位はいって、「パリッシュ」という行政単位に
    なるんです。

    各パリッシュに『モデル農家』を作ろうと言う事になりました。
    各パリッシュからモデル農家を選んで、
    栽培指導していきましょうと・・・。

    アグリカルチャーオフィサーはやる気もあるんですけど、
    彼らに足りないのが『足』なんですね。
    バイクの燃料が限られているので、
    思う存分動き回る事が出来ないんですよ。

    彼らがいくら知識があっても知識が普及していかないので、
    まず、各パリッシュ(の代表)に教えて、
    (そこから周りの)人に教えられるような知識を
    つけてもらおうということをしていました。
    そういうシステムにしました。
    そういう体制を、作っていこうと計画を立てました。

・・・

当初、2つの計画を作った


山本 なるほど。
   2つの計画を作ったのですね。

   ,發箸發箸痢△△覆燭陵彑前瞳錣任△襯優螢米とは全く関係ない、 
   SIADのほうの灌漑の計画。
   すなわち、低湿地などを
   水田ができるようにする事業
   ⇒彑前瞳錣離優螢米については、各パリッシュに「モデル農業」を
   作って普及する、ということですね。

・・・
   
モデル地区


山本 JICAのプロジェクトで多いのが、
   「モデル地区」を作るケースです。
   条件が良くて、気候も治安もいいところを
   モデル地区に指定します。
   そこで、まず絶対に成功すると思われるプロジェクトを作ります。
   そこで成功してから、それを模範として、他の地域でも、
   似たようなことをやるのです。
   こうして、徐々に、全国へ普及していきます。

・・・

協力隊の活動は「野放し」か?


山本 今言った2つの計画の1つ目は、
   元々のネリカ米と全然関係ないですけども、
   あなたがU国のJICA事務局に対し、Eメールで、
   「それでいいですか?」、と言った際、
   「いいですよ。」とあっさりOKだったという事ですか?

レモン だと思います。

山本 青年海外協力隊の活動の問題点として、
   次のことが知られています。
   3ヶ月目のレポートにしろ、6ヶ月目のレポートにしろ、
   それに対するJICA事務所からの
   フィードバック(アドバイス、批判など)が、
   遅い、ほとんどない、ということです。

   あなたの場合、6ヶ月目のレポートを提出した時に、
   それに対するJICA側からの反応はありましたか?

レモン JICA側からの反応・・・。
    コメントは、『自分のボランティア調整員』から来るんですよね。
    「頑張ってるね〜!」っていうような
    応援メッセージだけです。
    (計画の提出が)遅くても早くても(そのコメントの内容は)
    あまり変わらない、関係ない。
    ただ、良い調整員さん達だったんで、
    励まされたのは憶えていますが、
    そのフィードバックに、あまり大きな意味は・・・。

山本 ないと・・・。

レモン はい。

山本 まぁ、要するに、6カ月の初期計画を
   せっかく立てたんだけれども、
   それに対して、JICAの麹町にいる偉い人や知識のある大学教授が
   コメントや助言をくれることは、なかったという訳ですね。

レモン そうですね・・・。

参考:
「ボランティア調整員」とは、
昔は、青年海外協力隊を一度以上経験した人が、
JICAに雇われ、途上国の現地で、青年海外協力隊員に、
アドバイスを送ることなどが仕事だった。
当時から、JICA専門家のような、専門性を持つ人ではなく、
協力隊員と大差ない人が選ばれていた。
だから、その人たちからのアドバイスが、
役に立つものであったかどうかは、微妙である。
さらに近年は、ボランティア調整員は、
協力隊の経験者でなくても、選ばれるようになっため、
そうした人たちからのアドバイスは
ほとんど意味がないのではないかとも思われる。

・・・

自動2輪の免許の現地取得


山本 半年経ちましたね・・・。
   その頃あなたはやる気に燃えていましたか?
   その段階で、この2つをやろうと・・・。

レモン 燃えていましたね。
    当初は燃えていた・・・。
    半年位まで、凄く燃えていましたね・・・。
    7ヶ月目から、何か・・・ダウンしてきましたね・・・。

山本 なるほど・・・。
   分かりました・・・。

   2010年3月のインタビューの後、
   合宿に行って、自動二輪の免許を取ったんですよね?

レモン はい、そうです。

山本 現地へ行ってみたら、
   自動二輪の免許が許可されるまでに、3カ月かかたんですね。

レモン そうなんです。
    日本の免許をU国のに書き換えなきゃいけないんですよね。
    インターナショナル・ドライバーズ・ライセンスだと、
    1年しか使えないので。
    その書き換えに、ビザが必要なんですけど、
    そのビザをU国がなかなか出してくれませんでした。

    U国としては、(最初の)3カ月の間は、
    道(道路事情)を見たり現地を見たりして
    慣れてほしいと、それからバイクを支給しましょう、
    という方針だったので、
    「3カ月はかかりますよ」という事だったらしいです。
    実際には、5カ月かかったんですが・・・。

山本 5か月位かかったんですか?
   では、5か月間あなたは自動二輪を使えなかったんですか?

レモン はい、使えなかったんです・・・。

山本 では、農村地区には、道が大変で行けなかった、
   という事ですか・・・。
   
レモン はい、大変でした。
    歩いて片道2時間とか・・・。

山本 移動手段としては、現地の人が運転しているバイクの後部座席に、
   金を払って乗せてもらう方法もありますが。
   多分、JICAが危険だから禁止してるはずですが、
   そういうのは使ってましたか?

レモン 言えません・・・。

山本 それについては「言えない」と言う事ですね(笑)。

・・・

住民の、ねたみによる訴訟


山本 最初の半年は燃えていたんですね・・・。
   あと、5カ月過ぎて、バイクも使えるようになりました、と。

   その段階では、
   1.灌漑と、2.ネリカ米と、
   どちらを主力にしていたんですか?

レモン それはもう断然、2.のネリカ米の、陸稲の方ですね。

山本 1番目のほうの灌漑は?

レモン 灌漑は、結論から言うと、
    2年間あまりやっていないんです。
    いろいろ問題が出てきまして、
    最終的に、一切やらなかったんですよ・・・。

山本 どんな問題ですか?

レモン 「訴えられる」というのがあって・・・。

山本 どっちから?

レモン JICAが支援した農家さんが、支援されなかった農家さんから、
    ねたみを買って、訴えられちゃったんですね・・・。
    
    そもそも、湿地の開拓って、
    ラムサール条約で禁止されているんですよね。
    ただ、湿地帯の水際から30cmのバッファーゾーン(緩衝地帯)
    を残せば、開拓してもいいんです。

    湿地の近くに水際があって、灌漑を作るわけなんですが、
    「水争い」が起きました。
    夜中のうちに水田の水止めちゃうとかの、
    妨害工作が発生しました。

    牛飼いって沢山水が必要じゃないですか?
    牛が水を飲むので。だから奪い合いになるんです。

    ジェラシーの感情がすごく強くって、
    さらに、U国の人々は、邪魔の仕合いが激しかったんです。
    また、2012年くらいから私の県が湿地の管理について
    厳しくなってきたんです。

    私が来て、赴任して、1カ月位して、
    水田を普及しようとしていたんですが、
    その水田のオーナーさんが、
    周辺の農家さんから、訴えられてしまったんです。
    湿地開拓の法律に抵触しているという事でした。

    ただ、実際、抵触しているかどうかなんて、
    グレーゾーンのところがあります。
    湿地の地形は、そんなに単純な形していないので、
    何処が水際で、30Mはなれた所が
    どこかなんて分からないんですよね・・・。
    ただ、ジェラシーで訴えられてしまって、
    それがショックでその人が「水田やらない」って言いだしたんです。

    また、その水田ができるような土地を持っている人は、
    そもそも、そんなに貧乏な人ではないんです。
    そもそも水場が近くにあるということは、
    凄く立地条件が良いということです。
    つまり、私達が、水田を教えれば教えるほど、
    貧富の格差が広がっていく気がしてくるんですよね・・・。
   
    それで、法律上難しいという事、ねたまれるという事、
    (いろいろ面倒くさいので)割と受け入れる農家さんが
    少ないという事・・・。
    そんな色んな理由があってやらないようになっちゃいましたね。
    カウンターパートもやらないというようになりましたね。

・・・

ラムサール条約と、JICAの訴訟


山本 用語を解説します。
   ラムサール条約は、湿地やそこに住む生物を保護する条約です。
   詳細は、以下へ。
  
参考:
山本敏晴のブログより
ラムサール条約に関するツイート 20120714まで 1891字
http://is.gd/enATvK

   一般論ですが、何らかの開発、国際協力をすると、
   環境破壊が問題になる事があります。
   これでJICAも世界銀行も、過去に、
   訴訟を起こされ、訴えられています。
   詳細は以下へ。
 
参考:
山本敏晴のブログより。
JICA(国際協力機構)が現地住民から訴訟を起こされた
インドネシア・コトパンジャン・ダム事件について。 
「JICAと日本政府ODAが訴えられたコトパンジャンダム訴訟」
前半 http://bit.ly/f5ovVW 
後半 http://bit.ly/f6A18D
 
・・・

モデル農家へ行く交通費は協力隊員の自腹(じばら)


山本 結局、あなたは、1番目の水田の方は、
   問題が多いのでやりませんでした・・・。
   では、2番目のネリカ米の方に戻りましょうか・・・。

レモン はい。

山本 ネリカ米のモデル農家を各地に作って、
   栽培を教えられる人を増やすという事は、
   2年間、いつもやっていたんですか?

レモン はい、やっていました。
    2年目は若干内容を変えたんですが・・・。
    1年目に・・・。

山本 1年目って、何月からのことを言っているのですか?
   赴任した、2010年10月からのことか・・・。

レモン 半年たってからの1年目です。

山本 半年経つと、2011年3月になっていますよ。
   そこからですか?

レモン その3月から第一雨季が始まるので、
    (私が言っている1年目は)そこからの1年間です。
    そこからの1年で、各パリッシュにモデル農家を作って、
    その人に技術指導をしようというプロジェクトをしました。

    モデル農家を選ぶ基準は、
    山本さんがいう、「成功するところを選んで」
    という訳じゃなく、
    純粋に、やる気だけを重視して選んだんです。
    なので、凄い立地の悪いところもありましたし、
    現地語しか喋れない人もいました。

    雨季の初めに分かったんですが、
    その時期のカウンターパートは、基本的に忙しいんですよね。
    なので、自分一人でしなきゃいけない事が増えました。
    ただ、あまりにも遠いところは、
    一人で行っても道が分からないのと、
    現地語しか喋れない農家さんのところには、
    私が行っても、なかなか意図が通じにくいのがあって、
    思い通りには仕事が進まなかったんです。
    そのため、やる気が若干低下しました・・・。

山本 それは嫌ですね・・・。
   私は自分の団体で現地に行ってやる時は、
   車を借りて、ドライバーを確保して、通訳を確保します。
   ドライバーは道を分かっている人で、
   金も、団体の金を使って雇います。
   プロジェクトのリーダーであれば、そういう事を、
   自分の裁量で出来るんですよ。
   
   青年海外協力隊の場合、そういう事は出来ない、
   という事で、宜しいですか?

レモン 出来ますよ。
    ただし、自腹ですね。

    2年目は、ある地域に行く時に、通訳さんを雇いました。
    近くにいる英語ができるおじさんを連れて行って
    通訳してもらってました。
    
    その頃から、自分で、道も相当憶えてきてたんですが、
    一方で、やる気がそがれ始めてもいたんですね・・・。

山本 やってもいいんですね、自腹ならね・・・。

レモン やってもいいんですよ。
    ただ、金は凄い出ていくって事です。
    でも、隊員は、だれでも、
    なにかしら自腹切っていると思いますよ。

山本 ここでお金の話するとあれなんですけれども、
   協力隊は、以前は自分の銀行口座に毎月9万円位が払われて、
   現地で3〜5万円のお金が支給され、
   そのうえ家賃支給されて、計13万円位支給されていたんですが、
   最近「事業仕分け」がありまして、2009年以降ありまして、
   現在月に6万円位に減らされてると思います。
   レモンさんの時はどうでしたか?

レモン まだ、9万9千円とかだった・・・。

山本 現地での手取りとなる、おこずかい件、食事代金の支給は?

レモン 4万円位です、U国は。

山本 通訳とか、車とか乗るときも、
   その中から出していたという訳ですか?

レモン はい、そうです。

山本 U国では、通訳を1日、または1時間くらい雇うと
   いくらくらいですか?

レモン 私が雇っていた人は、
    その人のバイクをレンタルしていたんですけど、
    食費を除いて計算すると、
    1日で160円くらい払っていましたね。

山本 なるほど。
   1時間あたり、いくらですか?

レモン そういう計算はしていなかったです。
   
山本 1日160円位だと、25倍して月給に換算すると、
   4千円くらいですね。まあ、妥当です。
   なるほど、分かりました。

・・・

誰がモデル農家に教えるのか?

山本 各地にネリカ米の「モデル農家」を作って、
   その栽培方法を教えていた、ということですが、疑問があります。
   誰が、それを教えていたんですか?
   あなたは、もともと、農業が専門ではなく、
   ネリカ米についても、詳しくはありませんよね。
   だから、あなた自身は、教える講師には、なれませんよね?
   それとも、なっていたんですか?

レモン なっていましたね。
    植え方自体はそんなに難しくはないんですよね。
    米の基本的な作り方は、
    もともと結構知っている農家さんもいましたし。
    
    U国の農業のやり方や、お米の知識に関しては、
    私達、村落開発普及員の米関係隊員と、
    お米隊員に対して、「お米研修」みたいなものがあって、
    JICA専門家にみっちり教えてもらうので、
    ネリカ米の栽培のやり方を教える分には、全然問題なかったです。

山本 あなたがU国に行って、最初の2週間とか3週間とか首都にいる時、
   そのやり方を、教えてもらったという事ですか?

レモン 一端、田舎の現地に赴任して、色々回ってから、1ヶ月後位に
    再び首都に呼ばれたんです。
    3泊4日位で研修したんですね。

山本 3泊4日位で憶えられる、ということですか?(驚)
   
レモン そうですね。
    最初に知っておかないといけない事を、おそわりました。





・・・

その3へ
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65766578.html




青年海外協力隊帰国後の30歳女性レモンと対談、派遣前から帰国後の進路まで20130126_その1,13255字

.

はじめに。

レモンさんは、青年海外協力隊として、
2010年〜2012年まで、
アフリカのU国に派遣された女性です。

当時、27歳で、帰国後の現在、30歳に
なっています。

職種は、「村落開発普及員」でしたが、
具体的な案件の内容は、「ネリカ米の普及」などの
稲作や農業に関わるものでした。

ただし、
以下に記載されている、莫大な情報は、
青年海外協力隊に行こうと思っている人であるなら、
(農業関係の人でなくても、)
一度は、読んでおいた方が良いと思う内容です。

青年海外協力隊に派遣された人の、約8割が、
「思うような活動ができなかった」と言っている理由が、
如実に記載されているからです。

なお、誤解のないように、記載しておきますが、
私の活動は、
「国際協力をしようとする人を増やし、
 かつ、
 本当に意味のある国際協力をする人を増やす」
ことです。

つまり、以下を記述している理由は、
日本政府のJICA(国際協力機構)や、
青年海外協力隊という「システム(体制)」の
限界や欠点を知った上で、
それでも、
いかにして、よりより国際協力を現場で行うかを、
各自に考えて頂きたいから、であります。

・・・
・・・

派遣前の記録はこちら(全6回の記事)
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65762726.html

派遣後の記録はこちら(全4回の記事)
その1
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65766576.html
その2
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65766577.html
その3
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65766578.html
その4
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65766579.html

・・・
・・・

以下、その1、の目次です。

目次

レモンさんの概要
派遣前はアジア学院で『農家の知恵』
語学合宿ではワークショップ
合宿では各国の国旗と国歌
派遣国に持っていくべきは、ヘッドライトと、シャボン玉?
派遣国の首都での省庁回りは、なし
派遣された地方自治体は「サブカウンティ」
派遣国の人々の平均月収は?
カウンターパート(相棒)と、任地での挨拶回り  
途上国からの「要請主義」の裏
TICAD(東京アフリカ開発会議)
案件は当初の予定通りだったか?
協力隊はODAの「戦力」か、役に立たないかの問題
日本政府による、ODA(政府開発援助)とは何か
ミスター・ネリカ米、坪井達史


・・・
・・・

レモンさんの概要


山本 2013年1月16日午後3時15分、
   NPO法人宇宙船地球号、山本敏晴です。
   青年海外協力隊に行って、帰ってきた、
   元ウチの宇宙船地球号のボランティアスタッフで、
   CSRランキング(企業の社会的責任)の調査をしてくれた、
   通称レモンさんのインタビューを行いたいと思います。
   よろしくお願いします。

レモン よろしくお願いします。

山本 レモンさんは、過去に、既に協力隊に行く前に
   インタビューをしていて、
   2010年の3月23日の山本敏晴のブログに6回連続で、
   記事が掲載されていますので、
   まずはそれを読んでください。

http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65762726.html

   それを読んだ後に、この記事を読むと、
   協力隊への派遣の前後の様子がご覧いただけると思います。
   
   2010年3月の段階で、27歳の女性だったんですけれども、
   今、何歳ですか?

レモン 今、30歳です。

山本 (当時、現住所のあった)都道府県のTが出身地ですか?

レモン いえ・・・出身はG県です。

山本 出身はG県で、そこに高校までいました?

レモン はい。

山本 東京のS大学の経済学部に入って、2年間いたが、
   途中、学費がなくなったので、
   バイトしてお金を貯めて、3年生から再度同じ大学に入って、
   無事卒業されたという訳ですね?
   卒業したのは平成18年の3月という事は、
   2006年3月という事ですね?

   その後は、株式会社Fに入社して、
   東京のマーケティングの部署にいたという訳ですね?

レモン 環境エネルギーの、
    マーケティング、リサーチャーをしていました。

山本 協力隊に受かったのが、2010年の2月か・・・。

レモン 2月7日が合格・・・。

山本 この会社に5年間くらいいたの?

レモン そうですね4年1カ月ですね。

山本 マーケティングの会社にいた時に、
   2010年2月に合格して・・・。

レモン 会社にいたのは、4月末までですね。
    4月末に退職して5月から『事前補完研修』があったので、
    それに参加して、
    7月から始まった福島の二本松の訓練(語学合宿)に2ヶ月いて、
    それから9月30日に日本出発・・・。

山本 2010年9月にアフリカのU国に行って、2年位いたの?

レモン 2年半位・・・2年1カ月強・・・。
    ちょっと延長したんで・・・。

山本 帰ってきたのは、いつでしたっけ?

レモン 2012年11月の6日に日本に帰国しました。

山本 昨年2012年11月6日に、日本に帰国したと言う事ですね?
   現在、帰国して4カ月程経ったという事ですね?
   以上が概要ですね。
   
   生い立ち等については、「派遣前の記事」に書いてあるので、
   今回は割愛します。
   
・・・

派遣前はアジア学院で『農家の知恵』

   今回は、何処から行きましょうか・・・。
   今回は、『技術補完研修』と福島二本松の辺りから
   行こうかと思います。

   派遣前の技術補完研修ですけれども、
   ‖射邀発普及員として受ける場合と、
   △△覆燭涼甘する案件に特化した、
   研修を受ける場合とがあります。
   ところが、『事業仕分け』で予算が削られたため、
   最近は一つに減らされることが、多いんですけど、
   あなたの場合は、2つありましたか?1つでしたか?

レモン 2つでした。
    まずは、村落開発普及員が絶対に受けなければいけない研修が、
    2010年6月に5日間位、東京でありまして。
    それとは別に、その前の5月に、3週間、私の場合は、
    栃木の『アジア学院』というところに行きました。
    
参考:アジア学院
http://www.ari-edu.org/

    途上国の人達が(日本に研修に来て)、
    有機農業を学ぶところがありまして、
    そこで、3週間、農業の研修を受けました。
    『稲作』を教える隊員だったから、
    そこに行かされたんだと思います。
    
    農業の技術を憶えるというよりは、
    (村落開発普及員の技術顧問の)結城(史隆)先生が言うには、
    「農家の人の知恵を学びなさい」という趣旨で、
    そこに3週間くらいいましたね。 

山本 それを学ばせるの面白いですね。
   『農家の人の知恵』というのは、どんな事だと思いますか?

レモン ある物を工夫して農作業に使うだとか・・・。

山本 具体例は・・・?

レモン 農機具とか餌箱とか掃除道具とか、買わなくてすむものは、
    自分たちで作っていたんですよ。
    そこで自給自足ができるように、自分たちで作れるものは、
    自分たちで作るようにするだとか・・・。

山本 例えば、牛が食べる餌箱を、
   その辺にある箱で代用するとかですか?

レモン そうですね・・・。
    どう言ったらいいんだろう・・・知恵・・・。

山本 鋤(すき)とか鍬(くわ)とか、
   自分で作るわけにはいかないですよね。

レモン そこまではいかないですけど、
    『炭を作る道具』も、廃材を利用して作っていたりとか、
    色々、工夫しているなと思いました。

山本 なるほど。それはアジア学院のほうですね?

レモン はい、そうです、そうです。

山本 補足ですが、去年(2012年)の年末から今年にかけて
   『村落開発(普及員)』で行く農業案件の人は、
   技術補完研修は1件しかなかったんです。
   やはり事業仕分けの関係で、
   事前研修が減らされたんじゃないかと思っております。

・・・

語学合宿ではワークショップ


山本 次は、語学研修ですね。
   協力隊に行く前は、
   福島にある二本松研修所か、長野にある駒ヶ根研修所のどちかで、
   主に、語学研修を受ける事になるんですけれども、
   レモンさんの場合は、二本松の福島のほうに
   行くことになったという事で宜しいでしょうか?

レモン はい。

山本 勉強した語学なんですけれども、
   植民地時代の宗主国である英語、フランス語を勉強する場合と、
   現地語を勉強する場合とあるんですけども、どちらでしたか?

レモン 英語でしたね。

山本 現地語の勉強は、全然・・・現地に行くまではノータッチでしたか?

レモン はい、そうです。
    アフリカ隊員で、現地語を勉強する人は、少なかったです。
    タンザニアはいなかったので、分からないんですが。
    ケニアの少年教育だとか、
    そういう人しか現地語を勉強していなかったんです。
    あと、皆、英語かフランス語、どちらかを勉強していました。

山本 二本松の合宿ですけども、私の知っている範囲では、
   基本的に午前中に(基礎的な)英語の勉強をして、
   午後にいわゆる『ロール・プレイ』をします。
   代わりばんこに、教師や生徒のふりをして、
   授業をする練習をする、ということです。
 
   例えば、学校隊員であれば、学校隊員同士で、
   
   という風に聞いていたんですが、
   あなたの時はどの様なものでしたか?

レモン はい。
    その様に、午前中は『ホームクラス』といって、
    日常で使う英語を中心に学習して、
    午後が、『テクニカルクラス』といって、
    職業別に学ぶものでした。

    私のいたクラスでは、『ワークショップ』を
    2ヶ月のうちに5回やっていました。
    必ず、(生徒が主導して)
    代わる代わるにワークショップをやって、
    ある時は、自分がプレゼンターで、
    ある時は、参加者で参加する、という事をやっていましたね。
    
    プラス(その上)授業があった・・・。

山本 協力隊の人と話をしていると、
   よくワークショップという単語を使うんですが、
   非常に頻繁に出てくるんですが、
   一般の人は何なんだか分らないと思います。
   あなたの場合は、どういう事を指して使っていますか?

レモン 何か、特定の技術や知識を人にシェアする(分け合う)ときに、
    それを煮詰めて、それをレクチャーする・・・。
    教える、皆で勉強する事を、ワークショップといいますね・・・。

山本 なるほど。

   ワークショップについて、補足の説明をします。
   一人の講師が、40人を前に授業を行っても、
   生徒の反応が分かりずらい・・・、
   効率が悪い・・・、寝てしまう・・・などの事があるので、
   生徒を教える方に参加させよう、という取り組みの一つです。
   (講師の)講義中であっても、
   (生徒に)どんどん喋らせて取り入れる、
   喋らせるように講師が水を向ける、というか相互に
   フィードバックの掛け合いを行うタイプの講義を
   ワークショップというのかなと理解しています。

・・・

合宿では各国の国旗と国歌


山本 あと、興味本位なのですが、
   福島の合宿で、「軍隊のような訓練を受けたと言っている女性隊員も、
   (これまでのインタビューで)
   数人いたんですけれども、要するに、
   号令、整列、国旗掲揚(けいよう)、
   派遣国の国旗の掲揚等ありましたか?

レモン ありました。
    号令はあったかな?
    「何班揃いました」というのはあったと思います。
    ラジオ体操があって、(今も)6時半位に放送していますよね?
    当時もその位にありました。
    かつては、マラソンみたいなものがあったと思いますが、
    現在では、なくなりました。
    (40才以上の)『シニア(ボランティア)』も
    一緒(合宿に)に入るようになったと思うんで、
    シニアの方に、
    あまりつらい事はさせないということになったと思うんで。

    国旗掲揚の時に、国歌が流れる事もあったと思います。

山本 「君が代」とか、歌うんですか?

レモン 色々変わっていくんですよ。
    日にち変わりで、今日はケニア(の国家)、
    今日はエジプト、みたいに・・・。

山本 二本松では、総勢何名位の人がいましたか?

レモン 200人位いたかな・・・。

山本 派遣国は40カ国位の人ですか?

レモン アジアと、東アジアと、
    南部アフリカと、ガーナだけ・・・。

参考:
それ以外の国へ派遣される人は長野の方の合宿所へ行く。

山本 すると、(福島の二本松に)200人隊員がいるけれど、
   派遣される(可能性のある)国は現在85カ国位だと思うので、
   長野と福島に二分されると思うので、
   40ヶ国前後だと思うんですよ。
   すると、2ヶ月間ある60日の間に、
   毎朝違う国旗を掲揚しても、40カ国位しかないから、
   少なくとも各国一回ずつ見られるはずだ、ということになります。

レモン それでも、2回転したんですよ・・・。

山本 それじゃ、(福島の隊員たちが行く国の数は)
   30カ国位だったんだね。

レモン その国の隊員が、その国の国歌を憶えてきて歌ってくれて、
    未だに、エジプト国歌とか頭に残ってます。

山本 あー、そうですか。

レモン 面白かったです。

・・・

派遣国に持っていくべきは、ヘッドライトと、シャボン玉?


山本 どうでもいい話でしたね・・・。
   次ですね。
   合宿が2ヶ月間で終わりましたね、いつ終わりましたか?

レモン 2010年9月9日です。

山本 次、何しましたか?
   (福島の合宿が)終わってから派遣される日まで、
   1週間しかなかったっていう人もいれば、
   1カ月位あったという人もいるんですが、
   あなたの場合、何日位ありましたか?

レモン 9月9日出所の9月30日出国でした。
    皆それくらいでしたね。

山本 その3週間の間で、どんな準備をしましたか?

レモン (スーツケースの)パッキングも手間ではなかったですし、
    訓練所で途上国経験の長かった子に(必要なものを)聞いて、
    それを買いだしたり。

山本 具体的に、3つ位言ってもらっても良いですか?

レモン 1つだけあるんですが、『ヘッドライト』です。
    あれないと、「トイレで落ちるよ」と言われて。
    確かにあれがなかったら、トイレ行けなかったですね。

山本 なるほど。
   これを解説しますと、ヘッドライトとは、
   ライト(懐中電灯)を額に充て、
   頭部にバンドで円周上に巻きつけ固定するもの、
   そして、乾電池で稼働するものです。
   (要するに、登山用の、額につけるライトです。)
 
   これがなぜ必要かというと、両手が自由になるという事と、
   (途上国の田舎では)電灯など一切ないので、
   夜中にトイレに行ったり、
   例えば、夜中に強盗に襲われて逃げる時、
   両手が自由になり、電池で稼働し、
   電球で自分の正面が照らせる物が必要だ、
   という事で宜しいでしょうか・・・。

レモン そうです、そうです・・・。
    全く使わなかったのが『手品道具』。
    子どもに受けるんじゃないかと持って行ったんですが、
    子供が多すぎて、学校教室も200人に対し行ったとしても、
    何がどうなっているんだか分らないので、
    全く必要なかったです。

山本 あと、現地の人と仲良くなるために、
   手品以外に『折り紙』を折るのもいいと
   言っている人も過去にいましたが、
   折り紙系は、あなたは持って行きましたか?

レモン 持って行かされたんですが、友達がいいと言うので・・・。
    でも、あんまり・・・。
    場所を選べばよかったんでしょうが、
    そんなに良い道具じゃないというか、
    「私にもちょうだい、私にもちょうだい」といって、
    群がって凄い状態になるので、
    仲良くなるのに良いツールではなかったなと思います。

    仲良くなるのに良かったツールは、『シャボン玉』くらいですね。
    これはもう何処の国行っても大人気でしたね。
    少しの休憩時間に、
    「肌の白い変な人がいる」といって寄ってきても、
    ポケットからシャボン玉を「フー」と吹くと、
    ワーっと寄ってきて良かったですね。

山本 あなたは、(現地の人と仲良くなるためには)
   シャボン玉を推奨すると・・・。

レモン そっちの方が・・・。

・・・

派遣国の首都での省庁回りは、なし


山本 2010年9月末に、U国に行ったという事でいいですね。
   一般的には、最初の1カ月は、首都等で、
   関係省庁の関係する部署に挨拶回りをするとか、
   国によっては、現地で使う言葉を勉強するために、
   首都付近でホームステイ等をする場合があったり、
   首都に、協力隊用に寄宿舎・ドミトリーが
   あったりするケースがあるんですけれども、
   レモンさんの場合はどうだったかを知りたいので、
   それをまずは伺いますね。

   省庁まわりはしましたか?

レモン していないですね。
    U国では『現地訓練』というのが2週間位しかなくて、
    今はちょっと長くなって、3週間位にはなったんですけれども、
    他の国だと、1カ月現地訓練をまずはしたりするんですが、
    U国の場合は、語学訓練が(その中で)5日位しかなかったです。

    省庁回りは他の隊員はやりますが、
    私の場合は、『村落開発普及員』で『稲作普及』だったので、
    回るべき省庁は、そんなになかったんですね。

山本 農林水産省の様なものは、なかったんですか?

レモン ありましたが、
    そことはあまり関連した仕事ではないので、
    医療系だとか、小学校教員とかは省庁回りしますが、
    消防や水関連の仕事をする人たちは、
    『水省(みずしょう)』に行ったりするんですが、
    私は仕事柄省庁回りはする必要がなかったです。
    
    日本大使館に表敬に行った位でしょうか。
    あと、健康診断に行ったでしょうか・・・。
    ガイダンスと語学訓練に5日間行っただけで、
    (首都での)2週間は、すぐに経って、現地赴任でしたね。

山本 2週間の間は、日本大使館と、
   健康診断とがあったくらいと言いましたが、
   現地での語学研修は、なかったんですか?
   ホームステイみたいなのは、なかったんですか?

レモン U国の大学の語学の先生をホテルに呼んできて、
    首都近辺で話されている言葉を学びました。
    
山本 U国の首都近辺で話されている言葉を学んだ訳ですね。
  
レモン はい、5日間・・・。
    (田舎の)赴任先の言葉は違うんですけど・・・。

・・・

派遣された地方自治体は「サブカウンティ」


山本 次は、赴任先の場所です。
   東西南北で言うと、U国のどこら辺ですか?

レモン(通常、協力隊の隊員は、『地方自治体』の中の、
    どこかの部署に配属となりますが、)
   東ですね。

山本 州・群・県・市町村の何処に派遣されましたか?

レモン 県の県庁配属でした。

山本 派遣された場合、その地方自治体が、
   2年間住むアパートメント等を用意してくれている場合と、
   自分で用意しないといけない場合とあるんですが、
   あなたの場合はどちらですか?
   用意されていましたか?

レモン 用意されていました。
    場所は、元々は県の『サブカウンティ』に配属されて
    そこの宿舎に入る予定だったんですけども。

山本 『サブカウンティ』とはなんですか?

参考:
『sub-county』
アメリカ等の国において、『州』(state)の下の行政単位を
『county』という。
ここでは、そのさらに下にある小さい行政単位を言うと思われる。

レモン 『群』のようなものでしょうか?
    行政単位の県の中に、6つの群があり、
    それらをサブカウンティと言います。
    
    そこに配属されるはずだったんですが、
    住居の都合がつかなくなったので、
    県の県庁所在地に住むことになっていたのです。
    私の前任者が家を探して、ここが適当じゃないかなという事で
    JICA(国際協力機構)に安全確認をしてもらって、
    ここだったら良いだろうと言う事で、
    県庁がいくらくらいもらっているのか、
    いくらなら出せるかと、家賃も県庁が出してくれていましたね。

山本 JICAが安全確認してくれた住居に、
   (前任者に)引き続いてあなたが住んだという事ですね。

レモン はい。

山本 1階しかないアパートメントを(英語で)
   『フラット』と言いますが、そのような感じの建物ですか?

レモン そうですね。
    フラットで、『コの字型集合住宅』で、
    5世帯位住んでいるアパートです。

山本 家賃はいくらか知っていますか?

レモン 最初、電気なかったんですよね・・・。

山本 日本円でいくらですか?

レモン うーん・・・。
    半年くらい電気なかったんですよね。
    (その状態で、月に、)1600円位かな・・・。
    1ドル80円くらいなんで・・・。
    (電卓をたたく)

山本 レモンさんは、自他ともに認める
   『数学が弱い』という人ですね・・・。
   派遣前のブログを見てみると分かります。

参考:
派遣前の記録を参照(全6回の記事)
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65762726.html

レモン そうなんですよね。
    私も、今朝(そのブログを)確認しました。
    経済学部でマーケティングリサーチャーなのに・・・。

    電気が来るようになってからは、
    月に、2300円位ですね・・・。
    (電卓をたたく)

・・・

派遣国の人々の平均月収は?


山本 日本人の平均年収が430万から560万円位なので、
   月給にすると25万円から30万円位なんですが、
   アフリカの、あなたが行ったU国の人々の平均月収は、
   いくらくらいか知っていますか?

レモン 分からないですね。
    アパートの家賃は知っていますが・・・。
    平均月収とかは知らないいですね・・・。

山本 一般的に途上国と言われる国は、
   (公務員の月給が)8000〜15000円の間くらいのことが多いです。
   1万円前後位が多いので、日本人の1/20位です。
   途上国とは言っても、中国のような新興国から、
   アフガニスタンのような、完全に壊滅している国もありますので、
   一概には言えませんが。
   
   あなたの『カウンターパート』の給料はいくらだったんですか?

参考:
途上国側の人で、自分の仕事の相棒となる人のことを、
カウンターパートと言う。
協力隊の場合、途上国の地方自治体の職員などが、
それになる場合が多い。

レモン カウンターパートは、サブカウンティーの
    『アグリカルチャー・オフィサー』と、
    『アシスタント・アグリカルチャー・オフィサー』でした。
    アグリカルチャー・オフィサーというのが、
    大学の農学部を出ている人でした。

山本 大卒・・・。

レモン この人の月給が大体4万円でした。

参考:
この金額は、途上国の公務員の給与としては、高い。

    私の手当てとしてもらっていたのと同額なんですね。

参考:
協力隊は、2010年当時、毎月、日本の銀行口座に約9万円、
現地で約4万円、もらっていた。
合計で、約13万円の「給料」だったことになる。

    アシスタントカルチャーオフィサーというのが、
    大学を出ていないオフィサーで、
    経験年数を経ていても、月収1万円くらいです。

山本 (U国の平均月収を推測するために必要な情報は)
   あとはその、U国で大学を卒業している人の割合が、
   何割位いるのかという事ですね。
   
・・・

カウンターパート(相棒)と、任地での挨拶回り   


山本 ではまず、あなたのカウンターパートの確認です。
   県の中にある、6つのサブカウンティーと言われる
   郡の様なものの地方公務員である、
   という事で宜しいですか?
   アグリカルチャーオフィサーというのは、
   農業を担当する地方公務員のリーダーという事で
   宜しいでしょうか?
   直訳するとそうなりますが。

レモン 『農業普及員』(と私たちは呼んでいました)。

山本 その2人が、
   カウンターパートだったという事で宜しいでしょうか?
   結局首都には、1週間しかいなかったんでしたっけ?

レモン 2週間です。10月1日に現地について15日に赴任しました。

山本 赴任したら、サブカウンティーのオフィスに行って、
   今度こそ、挨拶(省庁への挨拶回り)とかしましたか?

レモン しました。
    行きがてら、サブカウンティーと県庁と
    県庁の偉い人とか・・・。

・・・

途上国からの「要請主義」の裏


山本 話は戻るんですが、そもそもあなたが
   (任地に派遣される、はるか前の)2009年の時点で見た
   秋くらいの要請案件は、
   U国のK県のサブカウンティーの自治体から
   要請があったものという風に考えて宜しいですか?

レモン そうですね・・・。
    ですが、純粋に、そこ発信かというと、違うような気もします。
    JICAのプロジェクトの意図もあったと思うので、
    JICAがプロジェクトの都合でどこかに入れたいと思って話を
    (各地の地方自治体に)もっていて、
    ぜひうちに・・・。
    みたいな感じになったのかなと思いますけど・・・。

山本 どっちがどっちに持っていたんですか?
   JICA側から案件を募集する場合と、
   現地の自治体から言ってくる場合がありますが。
   前者の方が多いんですが・・・。

レモン 前者の方だったと思います。
    (その時点でJICAのやっていた)プロジェクトに
    関連していたので・・・。

山本 JICA側が、(なんらかの)農業案件を
   実施させていただきたいと思っていたので、
   地方自治体の方に、Eメールとか文書でそれを応募たところ、
   U国のS兼のサブカウンティーの一つから、
   「ウチでやって下さい」というような
   依頼が来たという事ですね?

レモン そういう事だと思います。

・・・

TICAD(東京アフリカ開発会議)


山本 なるほど・・・。
   ここで余談ですが、日本のアフリカ援助の一部を解説します。

   日本は1993年から『TICAD(東京アフリカ開発会議)』という
   『枠組み』を作って、アフリカで農業普及員を
   数千人作るとか、医療技術者を数万人要請するとか、
   各分野において数値目標を決めて、ずっとやってきています。
   それに関連して、
   日本のODA(政府開発援助)の予算が使われています。
   5年に一度開催されており、
   第4回(TICAD4)は2008年に横浜で開かれました。   
   2013年に再び横浜でTICAD5があります。

   このTICADは知っていますよね?

レモン はい、はい。

山本 今言った、TICADの一部を(U国でも)やっている事を
   知っていますか?

レモン TICADの一部・・・あまりよくわからないです・・・。

山本 そうですか・・・。
   話(インタビュー)が終わってからじっくり調べておきます。

参考:
山本敏晴のブログより
東京アフリカ開発会議(TICAD、TICAD)に関するツイート
20120511まで 6603字
http://is.gd/kn4NBq

・・・

案件は当初の予定通りだったか?


山本 あなたの案件の話に戻りますね。
   (青年海外協力隊に)行く前の段階で、
   (協力隊の)秋募集のホームページの中で読んだあなたの案件には、
   何て書いてありましたか?
   
レモン U国では、今JICAの『技術プロジェクト』として、
    『ネリカ米振興計画』というのが進行していて、
    それに伴い、青年海外協力隊が、
    そこの地域の活動に参加していますと書かれていました。
    また、この案件は『後任要請』であると
    (前任者がいる案件だと)。

    U国では米の消費量が凄く増えていて、
    副大統領もその活動を応援しているんですけれども、
    農業が『粗放的』であったりするため、
    生産性が今一つ良くないとされています。

    そこで、派遣された隊員には、農業普及員と協力して、
    生産性が上がっていく指導をするだとか、
    お米を育てた事がない人に対する指導普及だとか、
    流通上の課題だとか、マーケティングを考えるだとか、
    そういった事が求められます。
    といった要請でしたね。

山本 と2009年の秋募集に、書いてあったんですね。
   で、ここで協力隊の案件の問題の一つを、説明します。
   
   地方自治体の人が、「こういった事を希望する」と書いたのが、
   2009年の前半か、または2008年位だった可能性があります。
   あなたが行った2010年の9月から、10月までの間に、
   一年半以上の時間が経過している可能性があります。
   要するに、『ニーズ』として、古い可能性があります。
   U国のK県の人達がにとって、
   1年たった現在の状況は変化してしまっていて、
   その案件が必要なくなっている場合があるという事です。
   こうしたことは、他の協力隊員が、多数、経験しています。
   
   このため、要請内容が変化してしまうケースも
   良くあるんですけども、
   あなたの場合は変化しましたか?
   ほぼその通りでしたか?

レモン ほぼその通りでした。

山本 その点では、スムーズ(問題なし)だったんですね。


・・・

協力隊はODAの「戦力」か、役に立たないかの問題


レモン 途上国側の地方自治体の配属先には、凄くやる気があって、
    その案件の事を望んでいたんですけど・・・。

山本 配属先というのは、そのサブカルティーの人々、
   ということですか?

レモン 私の配属先は(本当は)県庁なんですね。
    ディストリクト・オブ・アグリカルチャー・オフィサー
    という人が、私の上司なんです。
    そこに配属されて、
    各サブカウンティーのアグリカルチャー・オフィサーと共に
    (稲作などの)普及をするという事なんです。

    サブカウンティーのほうも、県庁の方も、とてもやる気があって、
    要請どうりのお米の指導だとかを望んでいたんです。
    また、お米隊員は私だけじゃなく、
    他の地域にも15人位とかいたんです。

    ところが、JICAの『技術プロジェクト』との関係性みたいなのが、
    問題になりました。
    どれだけの責任を私たち(協力隊員たち)が持っているのか、
    ということが論点となり、
    技術プロジェクトとの間で、
    そのあたりの齟齬(そご)がありました。
    というのは、・・・。

・・・

ODAとは何か


山本 ちょっと待って下さいね。
   読んでいる人に解説をします。

   日本が外国にやる援助は基本的には、外務省が取り仕切っていて、
   ODA(政府開発援助)と言います。
   それを実施する機関が、JICAで、外務省が所管している組織です。
   3つの事をしています。

   1つはお金をあげること、贈与、無償資金援助といます。
   2、円借款といって、お金を貸してあげる援助。
   3、技術協力プロジェクト。

   『技協』とか『技プロ』とか言いますけど、
   (直接は、お金をあげない)技術的な協力なんですね。
   協力隊は、”一応”、この三番目の技プロの一部です。

   でも、技プロの主力は、JICAの『技術協力専門家』と呼ばれる、
   年収800万円くらいで、JICAから(一時的に)雇われる、
   ちゃんとした大学の助教授などです。
   相当の専門性をもっている人が、
   プロとして、ボランティアではない形でやるのを、
   『JICA専門家』といいます。

参考:
「青年海外協力隊は、プロではなく、ボランティアだ」、
ということにJICA内ではなっています。
ところで、余談ですが、一般に日本語では、
ボランティアとは、「無給で、なんらかの良いことをする人」
のことを指します。
協力隊員は、13万円の月給をもらっているのに、
(無給であるはずの)ボランティアとは言えないのではないか、
という議論が、以前からあります。
上記の問題は、民間のNGO(非政府組織)から途上国に派遣され、
交通費は、自腹(じばら)を使い、月給は無しで働いている、
本当のボランティアの人々から見た場合、
かなり、「頭にくる」状況だ、ということです。
以下、話を戻します。

   繰り返しますが、技術協力プロジェクトというのは、主力として
   JICA専門家がやっているという事です。

   ところがこうした枠組みの中で、
   技プロの中にどれだけ協力隊が関わるのかという事が、
   (途上国の)現場でも、日本のJICA本部でも、
   JICA専門家の間でも、問題というか、
   議論になっているということです。
   
   何故かというと、
   ”完全な”専門家であるJICA専門家が
   プロジェクトをやっている中に、
   ほとんど専門性のないボランティアが入っていた時、
   役に立つのか立たないのか、という議論があるという事ですね。

   ODAの戦力として青年海外協力隊を使うんだという意見と、
   しょせん、ボランティアだから役に立たない、
   という両方の意見があります。
   要するに、協力隊を”馬鹿にしている”人が、
   現地側にも、中にも外にもいると言う風に私は認識しています。
   というのが、協力隊が途上国で仕事をする際に、
   知っておかなければならない、
   『状況』の一つだ、ということです。

・・・

ミスター・ネリカ米、坪井達史


山本 ここからレモンさんの話に戻りますね。
   あなたは、今、私が色んな事を話していましたが、
   「いや、それは違う山本さん」とか、
   そこはあってるとか思うところは何かありましたか?

レモン そういう事だと思います。

    案件要請を見ると、稲作普及の村落隊員
    (村落開発普及員)というのは、
    技術プロジェクトに絡んで派遣されている印象を、
    凄く受けます。
    そもそもお米プロジェクトに関して、
    村落開発普及員が募集されるようになった要因は、、
    2008年に坪井(達史)専門家という方が、
    米、稲作を普及させようとU国に入ったことです。

参考:
米、コメ、稲、イネ、坪井達史、ミスター・ネリカ米に関するツイート
20120530まで 5944字 
http://is.gd/5yf57Q

    しかし、(坪井さんでも)自分一人じゃ、
    何もできないという事で、
    効率よく普及させていくのに、協力隊員を使おうと思って、
    『稲作』で募集をかけたら、
    あまり募集が集まらなかったそうです。
    このように、『農業隊員』は集まりやすくはないので、
    (農業の毛件はないけれども)
    『村落開発普及員』を募集して呼び寄せて、
    まず彼ら彼女らに必要な知識をつけて、
    (U国の)各地に派遣させて、広く(稲作の技術を)
    普及させようとしたんです。
    それが、最初の始まりで・・・。

参考:
このように、JICA専門家の中にも、協力隊員を「戦力」として
使おうとする人は、一部ではあるが、いるのである。

山本 それが、協力隊の『ネリカ米普及隊員』の、
   始まりだっていう事ですか?

レモン はい。
    それが2008年から派遣され始めた初代隊員です。
    (2010年からの)私たちが二代目の隊員です。
    (2013年の現在)、U国にいるのが、三代目隊員です。

山本 一代目隊員は何人くらいいたんですか?
   2008年、数人か十数人かで言うと何人くらいですか?

レモン 十人未満だと思います。

山本 数人ですね。
   二代目隊員もそんな感じですか?

レモン 私が帰国する段階で十数人くらいです。
    15〜18人位いましたね。

山本 あなたのやるプロジェクトは、基本的に、
   JICA専門家の一人の、「ミスター・ネリカ米(まい)」
   と呼ばれる、
   坪井さんが始めたプロジェクトだということですね。
 
   協力隊を、現地のU国で指導して、
   各県やサブカウンティーに散らばって、
   『教育された事』を(各地方自治体で)
   教育している、と・・・。
   そんな感じですか?

レモン そうですね。
    それで上手い事いっていた地域もあったんでしょうけど・・・。
    2008年に関しては、すごくうまくいっていた隊員もありました。
    一方で、米普及なんて意味がないという事で、
    やらなかった隊員もいました。
    ともかく当時は、ある程度、
    それで上手くいっていたプロジェクトでした。

    ところが稲作の技プロが本格化してきて、
    専門家の数もものすごく増えてきて、
    お米の普及に関しても、各県庁の行政システムを使って
    普及をさせるようになりました。
    各地方自治体が、省庁と連携してやっていくようになると、
    そんなに協力隊の存在意義が大きくなくなってしまう・・・。

・・・

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