先月、エジプトに行ったときの報告を、日記にもアップしておきます。
・・・

11月13日から11月18日まで
お絵描きイベント・エジプト編・2回目
のため、現地へ行きました。

まず、一回目のエジプト編について、ですが
これは、JICAの青年海外協力隊の
Tさんの協力によって行われました。
彼女が教育を担当している学校において
お絵描きイベントを行って頂きました。
(このように、JICAの青年海外協力隊の方々は
 他にも多数の国々でご協力いただいております。)

ともかく、この一回目のお絵描きイベントで
エジプトの子どもたちが描いたものは、以下でした。
モスク、カアバ神殿(メッカの聖地)、ラマダンなどイスラム教関係、
ピラミッド、太陽、など、古代エジプト関係、
家族、学校、車、など、どこの国の子も描くもの関係、
その他、川(ナイル川?)、船、魚、おばけ、など、
でした。

で、以上の結果を受けて、今回私は
二回目のお絵描きイベント関連取材にいきました。
繰り返しますが、お絵描きイベント、というのは
絵を描いてもらうことが目的ではなく、
その国の社会背景を描出するために行っていること
だからです。
絵と、その子の写真、家族の写真、などだけでは
見えてこないものを、探りにいってきました。

と、いうわけで、今回、エジプトの社会背景を
取材してきました。
その結果、最初に私の感想を書きますと
「世界で一番かなしい国だ」
ということです。
以下、その理由を徐々に書いていきます。

1.
かつて、エジプトには、太陽神ラーを筆頭とする
1500の神々があがめられており、多神教の国だった。
4800年前に作られた最古のピラミッドなどがあり
四大文明中でも、最古の歴史を誇る。

2.
ところが、
現在エジプトでは、
イスラム教徒が85%、キリスト教徒が15%で
古代エジプト時代の多神教を信じている人は
もう、一人もいないそうだ。

3.
エジプトは、以下の四期にわかれる。
 古代王朝時代 紀元前5000年から紀元前332年ぐらい
 ギリシア時代 紀元前332年から紀元0年
 コプト教(原始キリスト教)時代) 紀元0年から紀元640年
 イスラム教時代 紀元640年から現在
要するに、ギリシアに攻められたり、
キリスト教やイスラム教が、攻めてきたために
2500年前までは住んでいた、古代エジプト人は、
事実上、一人も残っていないそうだ。
最大の原因は、640年ごろからの
イスラム教を奉じるアラブ人たちの移動(侵略?)のためで
現在、人口比率でも、もっとも多いのは、アラブ人である。
さらに、混血化がすすみ、古代エジプト人は、民族としては、消滅した。

4.
すなわち、古代エジプト文明は、
あれだけ素晴らしい、世界最古の文明たちである
ピラミッド、
スフィンクス、
王家の谷、
太陽神ラーを筆頭とする1500の神々、
など
独自の素晴らしい文化・文明を持ちながら
そうした文化を大切に思っている人は、事実上、一人もいないそうだ。

なんと、悲しいことではないか・・・
なんと、悲しい文明の末路ではないか・・・

5.
補足
子どもが、絵にピラミッドを描いたのは
大切なものだから描いたのではなく
単に、三角形で、描きやすいから描いた可能性が高い。
なぜなら
イスラム教には偶像崇拝の禁止があり、
あらゆる銅像や遺跡などの崇拝を禁止している。
また
イスラム教のアラーの神、のみを信じる宗教のため
多神教などは、完全に否定される。

6.
補足
エジプトで、もっとも儲かる商売は、
1に医者、2に薬剤師、3に日本語ガイド、
なのだそうだ。
つまり、エジプトの最大の産業は
観光なのだが、その中でも、日本人旅行社の数は
非常に多い。また、金払いもいい。
このため、日本人旅行者を狙った(ターゲットにした)
観光ガイド、日本語通訳になることが
お金持ちになるための、もっともてっとり早い方法である
とのことだった。
要するに、
エジプト人のほとんど全部が、イスラム教を信じる
アラブ人である。古代エジプト文明は
イスラム教の教えとあらゆる意味で対立するため
まったく相手にされていない。
私が雇った日本語通訳のガイドも
「自分の母親は、家からわずか車で5分のところにある
 世界最大のピラミッドを、見に行ったこともない。
 興味がまるでないからだ。」
と話していた。
で、彼(日本語通訳)にきいた。
彼自身は、なぜ日本語通訳(兼日本語観光ガイド)を
やっているのか?ときくと
単純にお金がもうかる商売だからだそうだ。
古代エジプトへの愛着などは、ほとんどないそうだ。

7.
補足
私は以前、イランに行ったことが数回あるが、
イランという国は、同じイスラム教でも
自国の文化であるペルシア文明というものがあり
その文化が現在でも、残っている。
なぜなら、ペルシア帝国を作ったペルシア人は、
一応、現在のイラン人として存続しているからだ。
このため、
イスラム教の教えに反することになる
昔からのお祭りや、祭日、昔の宗教の神様なども
同時に、あがめられている。
数年前、そうした異教の祭りを禁止する法令がでたが
一般市民があまりに無視するため、結局、その法令は
有形無実になった過去がある。

エジプトのケースは、まったく逆である。
古代エジプト人は、もう存在せず
アラブ人にとって変わられたため
かつての文化や宗教を、存続させようという人は、一人もいない。

なんと悲しい国ではないか・・
なんと悲しい、文明の末路ではないか・・