北朝鮮は、
核兵器を作る材料となるウランを、
あと6発分程度は持っている、と推測されている

 これを、テポドン2号に積んで
東京や大阪を狙うことが
いずれ可能になる。

 ただ、いたずらに不安をあおるつもりは、ない。
私の知りうる限りの現状は、以下の通り。

・・・

 先日の北朝鮮の核実験は
明らかに失敗だった。

 というのも、実際に起きた爆発は、
北朝鮮政府が予定していた威力の
10分の1にも満たなかったからだ。

 核爆発を起すためには
TNT爆薬を使って
濃縮ウランを360度の方位全てから
0.01秒単位の厳密な精度で
一気に、圧縮(爆縮)する必要がある。

 現在の北朝鮮には、そんな技術はなく
実験は失敗に終わり、
たいした爆発は起こらなかった。

 北朝鮮が、まともな核爆弾を
作れるようになるまでには
早くても10年はかかると言われている。

・・・

 次に、ミサイルの精度の問題がある。
北朝鮮が持つテポドン2号の命中精度は
かなり以前から疑問視されている。

 東京を狙ったところで、
まともに、東京まで飛ぶのかどうか?

 しかしこれは、東京を狙った核弾頭が
名古屋や仙台、北陸あたりに落下する可能性がある・・
ということになる。
(ある意味、逆にかえって危険だ。)

 このミサイル技術を上げるにも
10年はかかるといわれている。

・・・

 だが、逆に言えば、
10年あれば、上記の二つの問題点を
北朝鮮は、克服してくる可能性がある。

 それまでに北朝鮮政府が内部崩壊し、
(あるいは、中国が北朝鮮を見限って)
政府転覆がおこれば別であるが
今の所、その明らかな兆候は、無い。

 よって、
10年後に、上記のようなことが
起こったときに、
対応できるように、
日本政府は、なんらかの対策を
たてようとしている。

・・・

 で、
日本政府は、アメリカから
パトリオット型・迎撃ミサイルを購入するようだ。

 しかし、
結論からいうと、この防衛対策は
役に立たないことが、既にわかっている。

・・・

 アメリカは、1980年代から、
巨額の国家予算を投入して
「ミサイル防衛システム」
という迎撃システムの構築を目指していた。

 これは、
相手国から、核弾頭を積んだミサイルが
アメリカに飛んできたとしても、
アメリカ西海岸またはアラスカにある
迎撃ミサイルが、それを察知して、射出され、
空中で撃破してしまう、という構想だった。

 これは、通常のレーダーに加え、
人工衛星からの情報、気象情報、
各国のミサイル基地の位置、
各国が持つミサイルの型(重量・速度・加速度・等)
などの詳細な情報をコンピューターに入力したものであり、
IT技術をふんだんに使った
「ハイテク防衛システム」である
というキャッチコピーだった。

・・・

 もちろん、これに関わる
軍需産業と、IT産業にお金が流れ
アメリカの経済がうるおう、
という仕組みであった。

 実際、そのお陰で、しばらくの間、
アメリカは、軍需バブル、および、ITバブル、
と呼ばれる好景気が続いた。

・・・

 しかし、そうしてできあがった
「ハイテク防衛システム」
の、中身は、ひどかった。
結論から書くと、まったく役に立たないのである。

・・・

 このミサイル防衛システムは
2004年から既に西海岸などに配備されていた。

 アメリカの議会には、会計検査院、という機構があり、
予算が適切に使われ、使われた予算に見合うだけの
効果があがったかどうか、審議される。

 日本政府などでも、よく使われている用語に
「対費用効果」 cost-effectiveness
というものがあるが、これをチェックしたわけだ。

 仮想敵国を想定し、ダミーのミサイルを発射し、
それを撃墜できるかどうかの実験を行った。
そうしたら、まったく役に立たないことが、わかった。

 その詳細を述べると、
 仮想敵国が
ミサイルを発射した位置および時間、
ミサイルの型、速度、加速度、進行経路、
などの情報が、事前にわかっている状態で
しかも、実際のミサイルよりもかなり遅くした速度で
実験した結果、
10発中、5発を撃墜できた、というのだ。

しかも、天気は快晴というおまけ付き。

 このことは、
もしも、相手が
ミサイルを発射する基地の場所がわからず、
そのミサイルの型・速度・加速度のいずれかがわからず、
ミサイルの飛んでくる速度が、実際の速度のままで、
天気が、曇りか雨だった場合、
10発中、撃墜できるのは、・・・
おそらく、1発よりも少ないであろう
ということを意味する。

・・・

 これが、世界最強の軍隊とIT技術を持つ、
アメリカの防衛力である。

 すなわち、戦争(特に、ミサイル攻撃および防御)というものは
攻撃をすることは、簡単であるが、
防御することは、極めて難しい、ということである。
お互いに。

 そのアメリカから、パトリオット型迎撃ミサイルを買ったところで
申し訳ないが、その効果には、疑問を持たざるを得ない。

・・・

 結局、北朝鮮が、万が一、核ミサイルを
発射してきた場合、日本は防ぐことはできない。
アメリカが撃墜してくれる確立も、ほぼゼロである。
(だって、やろうとしても、あたらないのだから。)

 よって、北朝鮮に対抗する手段としては
外交政策と、消極的に北朝鮮の内部崩壊を待つこと、
の二つしかない。

 外交政策としては、
日本政府の言う「対話と圧力(経済制裁)」を行う方向

世界の主要な国々が提案している「六カ国協議」による解決、
の二つ。

 後者は、実際には中国とロシアが、
どの程度、北朝鮮を支援し(かばい)続けるか、の
腹積りを見ていくしかない・・
という、状況だ。

・・・

 この北朝鮮問題を解決するには、
中国とアメリカの関係が
今後、重要になってくると思っている。

 アメリカが、中国による東アジアの覇権を容認し、
かつ経済的な関係をより密接にしていけば
中国は北朝鮮との関係を変えていく可能性がある。

 この件(中国とアメリカの関係)は、
台湾問題などもからんでくるため
また別の日に、日記に書いていく。