地球温暖化。

人類が排出する二酸化炭素の蓄積によって
2100年までに、
最低でも、1.4度C
最高、  5.8度C、気温が上昇する。

・・・

こう聞いても、ピンとこないことだろう。
それが、どうした?、と。

グリーンランドと南極の氷が溶けて
海水が増え、海面が上昇する。
オランダが水没し、日本の平地が多少減る。
しかし、それでも、ピンとこない。

と、いうわけで今回は、
別な視点から、
地球温暖化の脅威を感じて頂こう。

それは、感染症、だ。

・・・

以下、国連環境計画による報告だ。

100年前のデータを見ると
1年に、1種の生物が絶滅するペースだった。

現在、
1年に、6万種以上の生物が絶滅している。

つまり、
なんと6万倍のスピードで
種が滅びだしたのだ。

・・・

この原因の一つは
森が、消えていっているためだ。

なんと
毎秒1万平方メートル以上の
森が消滅している。

このため、
そこに住む、植物も、動物も
絶滅していく。

・・・

なんで、
こんなに森が消失していくのかというと
もちろん、
伐採や焼畑などの問題もあるのだが
もっと大きな原因の一つが
地球温暖化による気候の変動に
植物たちが耐えられなくなっていることだ。

・・・

地球の歴史を見てみると
氷河期があろうと
温暖期(間氷期)があろうと
植物たちは
花粉や胞子を飛ばし、
緯度や高度を変えて
自分の住める場所へ移動していった。

ただし、これには限界がある。

植物が、緯度や高度を変えて
移り住んでいける限界が
100年で、0.5度C だと言われている。

(0.5度C 以上の気温の変化があると
 植物は、移動が間に合わず、死滅する。
 森は、消滅し、そこに住む生態系は、滅びる。)

20世紀の100年間で
平均気温が、0.6度C、上昇した。

このため、前述のように
1年間に、6万を超える種が、滅びだしたのだ。


そして
21世紀の100年間で
平均気温が、
最低でも、1.4度C
最高、  5.8度C、気温が上昇する。

これは、国際機関である
「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」
というところの、公式発表である。


これでも、まだ、ピンとこないか?

・・・

京都議定書を
もしも全ての国が、まもった場合、
21世紀の100年間で上昇する気温が
1.4度C ですむ、可能性がある。

ところが、実際は、
CO2を排出する
第一位の国・アメリカが、これを守らず、
第二位の国・中国は、CO2の排出量が年々増える一方。

つまり、
最小の、1.4度C のほうではなく
最大の、5.8度C になる可能性のほうが、はるかに高い。

植物の移動が間に合うのは
0.5度C だぞ。

どうなると思う?

・・・

森は 消滅する。

森が消滅すると
生態系がすべて消滅する。

植物も、動物も、細菌たちも。

・・・

近年、熱帯地方でのみ流行していた
マラリア、西ナイル熱、デング熱などが
温帯にある先進国でも見られるようになってきた。

現在、
マラリアの年間感染者は、数億人。100万人以上が死亡している。

今後、
ますます増える見通しだ。

・・・

事態は、こうした熱帯病が、日本にもやってくる
ということだけではない。

もっと恐ろしいのは、
われわれの身近な感染症が
一気に、広がりやすくなる、という現象である。

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自然界は、生物の多様性により
バランスが保たれていた。

ある生物が、極端に多くなると
それを「食う」生物が増え、
大量に発生した生物は、
その数を減らされる、というバランスだ。

生物の種の数が
多ければ多いほど、
このバランスの調節は、
早急に行われる。

それだけ、それぞれの種が
背景に持っている
遺伝子の組み合わせの多様性が
多いからである。

世代を変えるときに、
「多くなった種を食らう」ことのできる
子孫を次々と生み出していく。

これが、世界のバランスだった。

・・・

細菌などの微生物の世界でも、同じである。
ある細菌が増えすぎた場合、
その細菌を「食らう」細菌があらわれ
過度に増えた細菌は、
やがて減っていく。

ところが、
最近、生物界の多様性が失われたため
一部の細菌が
爆発的に増える現象が
確認されている。

もしも、この細菌が
人間に感染する能力をもったならば
どうなることであろうか?

生物の多様性を失った世界では
だれも、人間を守ってくれない。

人間に害をなす大量の「悪い細菌」を
「食らう」遺伝子を持つ「良い細菌」を
生み出すための遺伝子の多様性が
もはや、無い、のだ。

・・・

これ以外にも、リスクはある。

人類は、牛や豚、ニワトリなどを
家畜として飼ってきた。
より肉質がよく、より卵をたくさん産み、
よりミルクのでる種だけを残していった。

このため、
牛もニワトリも、もともと数百種以上の
細かい品種があったのだが、
現在、その中の数種のみが、世界に普及している。

つまり、ある微生物が、
一つのニワトリに感染できる、という場合
地球上の
全てのニワトリに感染できる、ということになる。

・・・

近年、鳥インフルエンザ、というものが流行って(はやって)いる。

鳥インフルエンザにかかった(家畜の)ニワトリは、
ほぼ100%、死亡する。

遺伝子の多様性があり
数百種類のニワトリが暮らしていれば、
通常、全滅することは、ない。

鳥インフルエンザが感染できない遺伝子を持つニワトリが
もともといるか、いなくても
やがて生まれてくる可能性が高い。

全滅する、ということは
そのニワトリの集落が、同じ遺伝子しかもっていない
ということになる。

その集落とは、人間に飼われている
品種改良を重ね、養殖された、ニワトリの集落である。

・・・

鳥インフルエンザの流行には、五つの段階がある。

1.鳥から鳥(局地的)
2.鳥から鳥(世界的に流行)
3.鳥から人
4.人から人(局地的)
5.人から人(世界的に流行)

既に、2.が起こり、世界中に鳥インフルエンザが
ばらまかれている。

現在、3.も、数カ国で確認されている。

3.が起こると、4.が起こるのは
時間の問題といわれている。

さて、どこで、とめられるだろうか?
現在、WHOは、総力をあげて、これに対処している。

・・・

上に書いたようなことは、
ほんの、序の口にすぎない。


世界の多様性が失われた世界。

そこで、もうすぐ、
とてつもないことが、起ころうとしている。

・・・

最後に、最初に書いたフレーズを、もう一度、書いておく。


地球温暖化。

人類が排出する二酸化炭素の蓄積によって
2100年までに、
最低でも、1.4度C
最高、  5.8度C、気温が上昇する。

・・・

植物が、対応できる限界は、100年で、0.5度だ。