町の中の街頭で
よく、年末助け合い運動
などといって、募金が行われている。

白い箱をもった子供や若い人が
困っている人のためだ、と言って
お金を集めている。

はたして、
あの箱に入れたお金は
本当に困っている人の
役に立っているのだろうか?

と、いう疑問を
あなたは持ったことはないだろうか?

・・・

世の中の半分は、良い人、
世の中の半分は、悪い人、
である。

もっと、正確に言えば
誰でも、心の中に、
良い部分と
悪い部分がある。

で、
まことに申し訳ないが

あなたが、白い箱に入れたお金は、
世の中の悪い人のほうへいくか
もしくは
一人の人の心の中の、悪い部分を満たすほうへ
ころがっていくほうが多い・・・

そんな印象を私はもっている。

以下、具体的に解説していこう。

・・・

まず、
あなたが行った募金を
意味のあるものにするには
三つのことが必要である。

それらは

1.継続すること
2.団体の信用性と予算のチェック
3.行っている活動の結果が出ているか?

・・・

1.継続すること

東南アジアに学校を作りましょう
とか
アフリカに病院を造りましょう
などという
キャッチコピーで
募金を呼びかける人やチラシを
よく見かける。

学校や病院を建てるのに必要な金額は、
国の物価にもよるが、
開発途上国の場合、おおむね
300万円から500万円の間である。

この金額があれば、
学校や病院の
「建物」は、建てられる。

しかし、それは
ただの、コンクリートの箱
である。
それだけでは、なんの役にも立たない。

学校にしろ、病院にしろ
そこで働くスタッフ(教師や看護師)の
研修を十分に行い、
教育カリキュラムや、医療プロトコールなどの
様々なソフトを準備しなければならない。

そもそも、その前に
現地政府や地方自治体などと、
綿密な打ち合わせが必要だ。
(この詳細は、別に書く。)

しかも
仮に、それで立ち上げたとしても
毎月毎月、その学校や病院の維持費(経費)が
必要である。

たとえば、入院と手術ができる病院を造った場合、
規模にもよるが、
年間1千万円以上の経費がかかる。

病院の建物を作るだけなら、300万円だが、
もし、それを
病院として機能させようと思うならば
以後、毎年毎年、1千万円以上かかるのである。

ようするに、
一回だけ募金をして、300万円を貯めても
それは、コンクリートの箱を作っただけにすぎない。
以後、
ずーっと募金をしなければ、意味のある募金には
ならない。

だから、
もしも、皆さんが、本当に意味のある
募金をしたいのであれば、
毎月、1千円でもいいから、
ずっと、その団体への援助を続けて欲しい。

コンクリートの箱でなく
現地の人にとって意味のある
学校や病院を造るために。

・・・

2.団体の信用性と予算のチェック

世の中には、様々な国際協力団体があるが
どの団体を信用したらいいのか?
(どの団体に、募金する価値があるのか?)
というのが、まず最初に問題となる。

この業界に、かなり詳しい私ですら
これに答えるのは、難しい。

しかし、そんなことを言っても
始まらないので、
一応、参考となる一般的な
「目安」を、列記しておく。

a. 国際機関のための募金や広報を行う団体。
  例:国連の一機関のために資金提供している団体。

b. 政府機関が保障する募金活動
  例:ODA、JICA、外務省などの公式イベントでの募金。

c. NGOで、かつ、NPO法人を取得している。
  特に、「認定NPO」を取得している団体は信用できる。

d. NGOの総元締めである、JANICが認めるNGO
  2年に一度JANICが発行する
  「NGOダイレクトリー」に掲載されているNGO。

e. NGOで、国連の「経済社会理事会」に認められ
  発言権を持つ国際大型NGO.

f. 住所が明確であり、固定電話番号を持つ。
  組織内の最高責任を持つ人間の名を明記している。

などが、一応、信用していいのではないか、
と思う。

注:NGO, non-government organization 非政府組織
  (国際機関でも政府機関でもない全ての組織。なんでもあり)

注:NPO, non-profit organization 非営利組織
  (都道府県等に所属し、法人として登記されている。)


別に、上記でないNGOやNPOが
全部悪い団体だ、とは思わないが
悪い団体も、けっこう混じっている
ということも、事実だ。

具体的には、暴力団や、新興宗教団体などが
隠れ蓑(カクレミノ)にしているケースが多い。
非常に多い。

よって、
いわゆる、町の街頭に立っている
白い募金箱をもった人に
募金をしてあげても
果たして、
本当に、役に立つのだろうか?
そもそも
その団体は、本当に存在するのだろうか?
という話になる。


次に考える必要があるのが
団体の予算が
どのように使われているか、である。

一応、国際的なNGOの趨勢(すうせい)をみると
団体の年間予算の
7割以上が、プロジェクトに使われていて
3割未満が、人件費や家賃などに使われる
使われなければならない、
のが、一般的である。

要するに、3割以上が、
人権費(給料)に使われているようでは
ダメである。

逆にいえば、そうした団体は、
(始めから)
職員の給料をホームページに公開しない。
(それで、バレるのを、防いでいる。)

よって、
ホームページに職員の給料を明記していない団体は
この点においては、信用できない、かもしれない。

・・・

3.行っている活動の結果が出ているか?

これが、さらに問題となる。
判断基準が難しい。

原則としては、「数字」で「締め切り」までに
結果を出すことを
国際協力団体は、要求される。

これは
国際機関でも、政府機関でも、民間組織でも
同じである。

具体的には、例えば
「教育」であれば、

その地域の小学校に行っている子供の割合を
80%以上に増加させた。
または
その小学校卒業者のうち中学校へ進学する割合を
60%以上に増加させた
または
その小学校を卒業時、識字率を
100%まで増加させた。

「医療」であれば、

乳児死亡率(1歳未満死亡率)を
10%以下に低下させた。
または
妊産婦死亡率(出産前後の女性死亡率)を
500(出生10万あたり)まで低下させた。
または
麻疹(はしか)のワクチン接種率を
90%以上に増加させた。

など、である。

以上の結果を
例えば、(団体にもよるが)
1年、3年、5年あるいは10年という
締め切りの内に実現しようと努力する。


「人権」でも、「環境問題」でも
同じように、指標が必要だ。
なんらかのパラメーターを決めて
それを数字でよくしていく。
締め切りとして決めた日時までに。

これが、国際協力の基本である。


ただし、例外もある。

典型的なものが
人間の「幸せ」に貢献する、というもの。

芸術かスポーツの交流を
日本とアフリカの国とで、したとする。
そして
人々が、笑顔になった、としよう。

しかし
どのくらい幸せになったかは
あらわしようがない。

あとは
なんらかの組織(学校・病院・地方自治体など)の
マネージメント(管理・運営)や
コーディネーション(調整)を改善するような活動も
評価が難しい。

このようなソフト(物事を実行する手順・制度)が
どのくらい良くなったか、ということは
主観的な側面も入ってくるため
数字で結果をだす、というわけにはいかない。

仮に
(組織の)監査機構を作った、としても、
部屋(部署)だけ作ったかもしれないし、
人をそこに置いても働いていないこともある。
本当に機能しているかどうかは、
また別である。


しかし、それでも、
上記のような、数字になりにくいケースの場合も
「では、どのような意味があったのか?」
ということを
団体側は、募金してくれた人たちに
説明する義務がある。

募金されたお金は、
なんらかの
「効果」
のために、募金されたはずだからだ。

・・・

私は、基本的に、
「国際協力は、自己満足であってはいけない」
と思っている。

自分一人で、自分のお金だけを使って
アフリカやアジアで、
好きな、思いついたことをするのならば
それでもいいかもしれない。

しかし、
国連や政府機関(ODA,JICA等)のように、
国民から集めた税金を使う場合や、

民間の組織(NGO,NPO等)でも
自腹ではなく、
皆様から頂いた募金によって
活動をしている団体の場合、

当然、その「効果」を
報告しなければならない。


逆に言えば
募金した人は
「自分のお金がどう使われたのか?」
ということを
見届けなければならない。

この
「見届ける覚悟」がないならば、
募金しても、意味のない結果になる可能性が高い。

・・・

結局、
募金をする、ということは
募金をしたお金が
どのように、将来、使われるのか?
ということに
それぞれの人が、「責任」を持つ
ということが、何よりも大切になる。

この責任を持つ、という感覚が無いならば
募金をしても、あまり意味がない、
それどころか
悪いことに使われる、こともある。

・・・

募金をする上での
三つのポイントを最後に再掲しておく。

1.継続すること
2.団体の信用性と予算のチェック
3.行っている活動の結果が出ているか?


そして何よりも
「募金した、という責任」
を持つこと。