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プロジェクト ( project )

プログラム ( program )

違いをご存知だろうか?

「プロジェクト」とは
ある一つの小さい計画をさす。
地域的にも限定されているもの。

「プログラム」とは
いくつかの小さいプロジェクトが
集まってできたもので
複数の団体で行うことも多い。
地域的にも、政治的にも、大型のものを言う。

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例えば、
アフリカのある国で
マラリアが蔓延(まんえん)しているとしよう。

マラリアとは、蚊に刺されると
しばらくしてから発症する病気である。
高熱が出て、脳が侵され、死亡する場合もある。

マラリアを媒介する蚊は、ハマダラカ、というのだが
この蚊は夜行性のため、夜寝ている時に、刺されることが多い。


このマラリアの撲滅をしよう、という時に
以下のような、様々な「プロジェクト」を行う。

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「医療施設の建設」

プロジェクト1
軽症マラリアの為の、小さい診療所を、医療過疎(かそ)地域に作る。

プロジェクト2
重症マラリアの為の、入院できる病院を、大きな町などに作る。

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「治療の質を改善」

プロジェクト3
マラリアに対する、その国での共通治療プロトコールを作成する。

プロジェクト4
抗マラリア薬(クロロキン等)の、種類と質と量を確保する。

プロジェクト5
抗マラリア薬に対する耐性化率を調査する。

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「医療従事者の確保」

プロジェクト6
医師、看護師の数を確保するため、医学部等を建設し教育システムを整える。

プロジェクト7
医師等への卒後研修で、マラリアの最新治療情報を提供する。

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「蚊の除去と、水と衛生」

プロジェクト8
殺虫剤を含んだ蚊帳を、各家庭に配布する。

プロジェクト9
飲料用の大きな水がめにボウフラがわくので化学物資を使用する。

プロジェクト10
蚊のボウフラを殺滅する為、河川等に化学物質を散布する(異論あり)。

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「海外機関からのアドバイス」

プロジェクト11
その国の保健省が、国外の援助機関から助言を受ける。

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「予防教育」

プロジェクト12
学校で、先生が生徒に、マラリアの予防方法を教える。

プロジェクト13
生徒達によるマラリア予防法を啓発する演劇を上映し一般の人を啓発する。

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「社会保障と人権」

プロジェクト14
マラリアで両親を失った子供のための、社会福祉施設や保障制度を作る。

プロジェクト15
医療施設(診療所と病院など)の場所と交通手段を、多くの人に伝える。

プロジェクト16
社会的弱者(少数民族・貧困層、妊娠中の女性など)の取り残し防止措置をとる。

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など。

こうした一つ一つのプロジェクトは
その国の政府が自分で行うこともあれば、
医療過疎の地域に、NGOが自分の判断で行う場合もあり、
また国際機関が、政策提言や助言を行うこともある。

さらに
それぞれの機関が「プロジェクト」を運営しつつ、
全体で「その国のマラリアの撲滅」という大きな目的に向かって
体制をつくっている場合、それを「プログラム」と呼ぶ。

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このように、
大きな目的(プログラム)を達成するために
小さな目的(プロジェクト)を実行する様々な団体が、
様々な専門性を持って活動している。


ちなみに、
上記の16個のプロジェクトの中で、
その分野の内訳は、以下の通り。

1.医療系         7個
2.物品供給とその使用   3個 
3.教育関係        2個

4.社会保障と人権関係   2個
5.情報(メディア)管理  1個
6.海外組織との調整    1個

要するに、
医療系の国際援助プログラムでも、
医療の専門家だけでなく、様々な専門家が必要なのだ。

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上記のマラリアに対する活動のケースは
ほんの一例にすぎない。
世界には、様々なプロジェクトとプログラムがある。


そうした活動たちの、総合的な結果として
世界が、「ほんの少しずつ」、良くなっていく。


これが、国際協力。

人間の力を結集していく作業だ。