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昨日また、講演をした。
神奈川県の
県立地球市民かながわプラザ(通称:あーすぷらざ)
で行った。

講演後、
神奈川県の国際課の職員の人たちや
国際交流課の人たちと、いろいろ話をした。

その結果、いくつかのことがわかった。

・・・

一つは、JICAの青年海外協力隊OBの人や
NGOのインターンを経験している人が
多いということだった。

非常に多い、ということだった。

結局、国際協力をやりたくとも
一番手っ取り早くできる
JICAの青年海外協力隊
(20歳から39歳、月給9万円+数万円)

倍率が5〜6倍と高い。
落ちる確率のほうが、ずっと高い。

落ちた人はどうするかというと
NGOのインターンなどへ流れる。
NGOのインターンは無給か薄給(月給数万円)であるが
それでもやりたい人は多い。

で、
これらが終わった時に、人々は、さらに困る。

国連職員になるには、
最低でも、大学院修士と英語力(CBT 210点以上)が必要だ。
よって、大学院にいくしかないが、
腰が重い人が多い。
というか、勉強が嫌いで、すぐ活動したい、という人が多い。
お金の問題もある。

JICA職員は、
応募の条件が、(4年制の)大学卒業だけなので敷居は低いが
ほぼ誰でも応募できるため、倍率が異常に高い。
1000人以上応募して、40人合格だから、
倍率は25倍以上だ。
(中途採用(社会人採用)の場合、
 400人前後応募して、15人前後採用だから
 倍率はやはり20倍以上。)
そう簡単には、受からない。

NGOは、基本的に正職員でも給料は低いところが多い。
10万円前後、とか。
これでは一生の仕事にはできない。
少なくとも家庭を持って子どもを作ることは不可能だ。

開発コンサルタント会社たちもあるが、
こちらも、大学院修士がほぼ必須であり、かつ経験者でないと
採用してくれない。


と、いうわけで、困る。
もしもずっと国際協力の世界で続けていきたい人は
なんらかの方法で、どこかの有給の枠に
もぐりこまねばならない。

・・・

で、ここで登場するのが
地方自治体という枠である。

拙著「世界と恋するおしごと 国際協力のトビラ」
でも、既に触れているが
地方自治体の職員となり
そこで
国際交流や国際協力を行っていく
という選択肢もある。


一番広い枠が、
各地方自治体の、国際交流協会(または国際交流部)などの
職員の枠である。
永久就職と、有期(1〜3年)の枠があるが
いずれにしても、二十数万円もらえることが多い。
これならば、NGOよりはかなりましであろう。

国際交流協会の仕事というのは
なんらかのイベント(講演・セミナー等)を企画することや
その地域にあるNGOやNPOの交流(広報)の場所を作ること、
ボランティアに興味がある人に、そうしたNGOやNPOを
紹介すること、など。

一見、つまらない仕事と思うかもしれないが
一つ、大きなメリットがある。
それは、(自分にも)情報が膨大に入ってくる、ということだ。

どのNGO(NPO)が、どのような活動をしているか?
どこにあるのか?
ボランティアや正職員の枠はいくつあるのか?
JICAの青年海外協力隊が募集を始めたこと。
国連ボランティアの募集に関する情報。

等々の情報が、どんどん入ってきやすい。
NGOの日本事務所のインターンをやっていても
同様のメリットがあるが
基本的に地方自治体のほうが、官公庁のうち、ということもあり、
信用されているので、さらに詳細な情報が入ってくる。

よって、
まずはこの枠に入った上で
自分の将来を考えてみる、というのも、一つの選択肢だ。


追記:
この地上自治体の国際交流部の中でも
最大の規模を誇り、有給職員の枠が、40人ぐらいあるのが
神奈川県であるらしい。

・・・

一方、
地方自治体で、国際交流ではなく、国際協力を
行っているケースもある。

三重県四日市市や、福岡県北九州市などでは
開発途上国の公害を減らすためのプロジェクトを
行っている。

(昔、自分たちの地域が、
 四日市ぜんそく
 や
 八幡製鉄の公害
 などに
 汚染された経験を持ち、
 またそれを克服してきた経験を持つため
 それを社会に還元し、
 また世界にも貢献しようという取り組みをしている。)

三重県四日市市のほうなどは
県と市が、それぞれ半分ずつ資金をだして
「国際環境技術移転研究センター」(ICETT)
という財団法人を作った。

中国や東南アジアの国々は
急速な経済発展のために公害だらけになっているので
そうした地域の政府や企業たちに、環境に配慮する、
ということを教えよう、という取り組みをしている。

北九州市のケースもほぼ同じであるが、
それに加えて、生ゴミを
コンポスト、と呼ばれるもの変えて
燃料や肥料にする、という技術も紹介している。

で、ともかく
こうした県や市の外郭団体でも
職員を募集している。

・・・

あと、もどって、
地上自治体の国際交流協会には
だいたい、
JICAの、国際協力推進員、という立場の人が
いることが多い。

これは何かというと、
JICAと地上自治体が組んで、
なんらかのイベントを行うための調整員という職業だ。

はっきりいえば、
JICAの青年海外協力隊からもどってきた人のうち
今後も国際協力を続けたいが、
ところが、
JICA職員は倍率が高くて受かりそうもない、
JICA専門家(技術協力専門家)になるための専門も持っていない。

では、どうするかというと
この
JICAの、国際協力推進員、という立場で
とりあえず「有期」の就職をする、というパターンが
かなり多いのだ。

国際協力推進員は、上記のような仕事をし、
雇用契約の期間は、3年である。
更新は、できない。

よって、永久就職ではないのだが、
他に、目だった職場もみつからないため、
青年海外協力隊のOBの間では
非常に有名な、暫定の職場となっている。

もちろん、青年海外協力隊OBでなくても、応募できる。
給料は、二十数万年と、(この手にしては)高い。

・・・

と、いうようなことを
私は既に知ってはいたのだが、
あまり本筋の情報ではないと思っていたため
書籍にも、補足サイトにも、
書くのを忘れていた。

よって、
このブログに、とりあえず書いておく。


ともかく、
地域で、セミナーやイベントを起こし、
世界に目を向ける人々を増やしていく、
という仕事をすることも
一つの立派な「国際協力」
と考えてよいのではないだろうか。