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国際協力師とは
NPO法人・宇宙船地球号が
2005年ごろから提唱しだした
新しい職業人の概念である。

生活するのに十分な給料をもらい
プロとして国際協力を持続的に行っている人々を指す。

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国際協力師に相当する人々としては、以下の五つを指す。

 国際公務員(国連職員、世界銀行職員、等)
 政府機関職員(JICA職員、JBIC職員、JETRO職員、等)
 政府機関専門家(JICA専門家(技術協力専門家)、等)
 有給NGOスタッフ(国際大型NGO有給職員、等)
 開発コンサルタント会社職員

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2006年に
書籍「世界と恋するおしごと 国際協力のトビラ」(小学館)
の中で、始めて明文化され、
同時期に、NHK(テレビ及びラジオ)、毎日新聞等の
マスコミにより、その概念が一般に紹介された。

2007年1月、
文部科学省・ODECO事務局(教育コンテンツプラットホーム事務局)と
NPO法人・宇宙船地球号が連携した事業、
教育プログラム「世界に目を向ける子どもたちの育成」により
全国三万の公立小中学校のうちの希望校の授業(総合学習等)の中で、
「国際協力師」という世界に貢献する職業があることの紹介を開始。

その他、通常の高校、大学、大学院、一般向け講演でも
「本当に意味のある国際協力論」とともに
「国際協力師」の概念の啓発・普及を行っている。

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一般に、国際協力師という職業に就くためには、
以下の三つの資格が必要である。

1.英語力(TOEFL 600点以上(CBT 210点以上), TOEIC 860点以上)
2.大学院修士(なんらかの開発分野での専門性の証明)
3.二年間の海外勤務経験(青年海外協力隊、UNV、NGO等)

もちろん、団体によって就職条件は様々であり、異なるが、
上記の三つがあったほうが、就職できる確立は、一般に高い。

また、
上記以外の要素としては、以下の経歴・資格等があったほうが良い。

4.他の国連公用語(仏、西、露、中、アラビア語)
5.大学院時代の国際機関または政府機関でのインターン経験
6.大学時代のNGOまたは企業でのインターン経験

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給料は、様々であるが、参考までに、以下(あくまで目安)。

国際公務員の場合、最も一般的な、JPO試験から国連に入った場合、
P2というレベルになるため、
基本給500万円前後+僻地手当て+物価の考慮+家族手当等
で、一概には言えないが、
年収500万円から900万円の間ぐらいである。
以後、勤務年数が増え、また、P3,P4と上昇していくランキングシステムにより
年収1千万円を超えることもある。

JICA職員の場合、国家公務員の中の、大卒学歴のレベルとほぼ同等だ。
よって、一般的なサラリーマンとそう変わらないはずなので、
年収300万円から1000万円の間であろう。
基本的に年功序列で、能力給がこれに加算される。

JICA専門家の場合、国連職員とほぼ同等の給料が得られる。
学位(修士、博士)の有無や、経験年数により異なるが、おおよそ
年収500万円から1200万円の間である。

NGO有給職員の場合、一般に、給料は低い。
日本のNGO職員の場合、月給十万円そこそこのことが多く、それ以下も多い。
最高クラスの日本のNGOで、ようやく月給二十五万円ぐらいである。
国際大型NGO職員の場合、月給二十万円から六十万円ぐらいもらえることもある。
結局、
年収ゼロ円から800万円の間、ということにはなるが、
大勢としては、せいぜい年収100万円から300万円の間が多い。

(生活に最低必要な給料をもらい、持続的に活動する人を「国際協力師」
 としているため、どのあたりを最低のラインとするかは、難しい。
 一応ここでは、日本のNGOの現状を考慮し、
 年収100万円以上のNGO職員を、国際協力師に含める、としておく。)

開発コンサルタント会社職員の場合、通常の株式会社並みの給料がもらえる。
月収20万円から100万円の間とすると
年収300万円から1500万円ということになる。

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雇用形態は、基本的に短期が多く、永久就職は、少ない。

JICA職員が、ほぼ唯一の永久就職であり、
他は、基本的に、ほぼ全て、有期(期間限定)の就職である。

国連の中で、永久就職となるワクは、かなり少なく
かなり優秀な実績を残していないと難しい。

JICA専門家は、数ヶ月から2年ぐらいまでの
有期雇用である。
基本的に、この契約を延長したり、繰り返していく。

NGOの職員は、プロジェクトごと、または1年ごとに
契約の更新が行われることが多い。

開発コンサルタント会社に永久就職する方法もあるが
最近、ODAの削減とともに、そのワクは減っている。
一般に、有期、嘱託、の契約のほうが多い。

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国連の雇用形態に関して、もう少し詳しく書いておく。

一番下が、consultancy と呼ばれる仕事で、バイトのようなもので
その仕事に対して、お金が払われる、という制度。
あなたに払うのではなく、あなたがやった仕事に対して払う、という制度。
通常、一週間から一ヶ月ぐらいの仕事など。

次が、fixed term と呼ばれる雇用で、通常、数ヶ月。
要するに、有期の雇用で、期間限定の雇用である。

その上が、indifinite contract といって、
期間不定の雇用。
これが、一応、暫定での、半永久就職である。
国連に入ったら、通常、まずはこれを目指す。

永久就職ではないが、この、indifinite contract の職員をクビにするには
組織のほうでも、それなりの正当な理由が必要になるため、
そう簡単にはクビにされなくなる。

最後が、permament contract などと呼ばれる雇用形態で、本当の永久就職。
この雇用形態は、現在ほとんどなく、非常に稀である。

で、
いずれにしても、、国連職員は、
数ヶ月から2年ごとに、再就職のために
今よりも、少しでも上のランクのポジションに履歴書を提出しまくり
自分のキャリア(経歴)をアップさせるために努力を続けていくことになる。

(仮に indifinite contract になり、半永久就職となっていても、
 自分のランクをP2からP3、そしてP4へ上昇させ、
 国連での地位も、給料もアップさせたい場合、
 数ヶ月から2年ごとに、雇用契約が切れる時に、
 より高い地位へ、より高い給料のところに、履歴書を提出しまくり、
 再就職活動を続けていくことになる。
 もし、ずっとP2のままでよい、と思うのであれば、
 indifinite contract 契約さえできれば、一応、一安心とは言える。)

ともかく、
国連職員の場合、このような状態が、基本的にずっと続くため、
再就職の繰り返しに疲れて
他の国際協力団体等(JICA,大学講師、開発コンサルタント、等)へ
再就職する人も多い。

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以上が、国際協力師の定義、および雇用の現状である。

要するに、なかなか厳しいのが現状だ。

が、強いてお勧めを挙げるとするならば
応募条件に、大学院修士がなく(大卒で可能であり)
かつ、永久就職である、という点で
JICA職員が、もっともお勧めである。

ただし、倍率が非常に高い。
(大学新卒で25倍以上、社会人採用で20倍以上)

よって普段から、まずは、英語力と第二外国語力(特にフランス語)
を鍛えておくことをお勧めしておく。

(JICAは、今後一応、旧フランス領の多い
 アフリカに力を入れる方向だからだ。)